2019年のアルバムで、現在までの最新作になります。Arthur Brownが生きている限り、The Crazy World Of Arthur Brownも終わらないようなので、これが最後というわけではないようです。よりロック色の強い作品になっていますが、民族音楽なり各土地土地の音楽を取り入れた国際的なスタイルは続いています。それが彼の表現方法にしっくりくるようなので、とても自然に取り入れています。
1. Gypsy Voodoo 2. Footsteps In The Desert 3. The King 4. Places Of Love 5. The Mirror 6. Radiance 7. Love And Peace In China 8. Fire Poem 9. Fire 10. The Kissing Tree
2014年のアルバムです。The Crazy World Of Arthur Brownでの活動は続いています。ロック系のアレンジだとThe Crazy World Of Arthur Brown名義になるようです。そしてThe Crazy World Of Arthur Brownらしいイメージ、少しオカルティックで、宗教儀式な雰囲気とロックとの表現の交わり方が、より巧妙になってきています。長く活動を続けてきた意味が作品に反映されてきていると思います。
1. Zim Zam Zim 2. Want To Love 3. Jungle Fever 4. The Unknown 5. Assun 6. Muscle Of Love 7. Junkyard King 8. Light Your Light 9. Touched By All 10. The Formless Depths
そして各国の民族音楽の要素を取り入れた、世界旅行をしているみたいな統一感もあります。民族音楽、宗教儀式、オカルト、そしてロックがThe Crazy World Of Arthur Brownという媒体で一つにまとまった良質な作品に仕上がっています。もはやThe Crazy World Of Arthur Brownは過去のバンドではなく、現在進行形な進化し続けるバンドへと成長したのです。Arthur Brownによるアイデアがきっかけだとして、それを表現出来るバックメンバーが揃った事が大きいと思います。
若気の至りみたいな一発屋の代表みたいなThe Crazy World Of Arthur Brownでしたが、歳を取って尚磨かれていく感性みたいなものを感じ取れます。それは誰でも出来るものではありません。常に努力し続けているアーティストのみが作り出せるものであります。ヒットチャートから相手にされなくたって、常に自分の信念において創作し続けてきたからこそ、醸し出される熟成された旨味であります。こういう音楽に触れらるかどうか、でも聴く側にとっての幸運、不運があると思います。常にアンテナを張っている事は年歴を重ねても必要だとつくづく思うものであります。
2007年のアルバムです。フォークロックに特化した作品で、バックメンバーも違うので、The Amazing World Of Arthur Brownという名義での唯一の作品になります。フォークロック、フラメンコやケルトなど民族音楽的なフォークソングばかりになっています。Arthur Brown名義でも作品をリリースしていますので、The Crazy World Of Arthur Brown名義というのもファーストアルバムだけであったにも関わらず、再結成して、そして姉妹的なThe Amazing World Of Arthur Brown名義でも作品を制作しました。
1. Love Is The Spirit 2. Gypsies 3. Kites 4. I Believe In You 5. That's How Strong My Love Is 6. The Voice Of Love 7. All The Bells 8. Shining Bright 9. Birds Of A Feather 10. Devil's Grip 11. Safe Now & ...
The Crazy World Of Arthur Brownの時とは違うスタッフで制作されているからなのか、音のクォリティーも違います。歌の雰囲気も違います。アコースティック楽器のマイク録音をシンプルにまとめているので、空間の音もしっかり拾っており、それを覆うような音が足されていないので、とてもライブ感があります。ライブレコーディングのみのミックスなのか、と思えるほどラフな雰囲気です。Arthur Brownの歌も、いつものような叫ぶ感じではないので、一気に年取った感じなっています。
この作品のコンセプトの認識が入っていなければ、素人が録音したデモ作品のような雰囲気なのです。だけど演奏はプロフェッショナルなので、誰の作品なんだと気になってしまうと思います。The Crazy World Of Arthur Brownの時のような完成度に比べるとかなり手を抜いているような印象も受けると思います。そういう気軽さが意図するところなのかもしれません。国籍不明になってしまうほど幅広いフォークロック作品になっています。
2003年のアルバムです。バックメンバーも増えて、よりまともな楽曲を演奏するようになっています。今回はヴァンパイア組曲ですので、コンセプトアルバムになっています。キャバレーミュージックや民族音楽、リズムアンドブルース、所々で、儀式的な雰囲気を表現してThe Crazy World Of Arthur Brownの名に恥じないような作風にしています。
1. Introsuction 2. Vampire Club 3. Sas 4. Africa 5. Maybe My Soul 6. In This Love 7. Confession 8. Vampire Love 9. Completion 10. Divers 11. Re Vamp Your Soul 12. Isness Is My Business 13. Stay
The Crazy World Of Arthur Brownが再結成されていたとは知らない人の方が多いと思います。それほど話題にもなっていません。Fireだけのイメージの人ですから、それ以外のイメージを提供されるほど求められていません。もうおじいいさんになったArthur Brownが、なんとか小銭を稼ごうと始めた再結成ですが、歌声は以前よりも艶がありますし、巧くなっていると思います。これほどまともな曲も歌いこなせるというのが意外でもあり、そういう再認識が出来るだけでも価値があると思います。