スペイン出身のルイスブニュエル監督と前衛芸術家のダリの共作作品です。
ルイスブニュエル監督の映画は、それほど変態美術センスではありませんが、作品自体が人間の変態性から人間の本質的な部分を浮き彫りにしていく手法で、かなり癖のある監督で好きな監督の一人です。
サルバドールダリはピカソよりも革新的な作風でいながら、それまでの美術手法の全てを統括している不思議な作風の芸術家です。
この二人が、まだ1928年、サイレントの時代に作り上げた短編映画です。15分しかありませんが、センセーショナルな作品です。サイレントの時代ですので、音楽と映像のシンクロ感覚は、今でこそやっと追いついたと言えるくらいしっかりとしています。内容は、想像された映像を軽やかに描写していくという手法なのだと思います。普通の映画ではありません。人はそれをシュールレアリスムと呼ぶのです。
音楽もこのようであっていいと思うのですが,人に理解されるまで時間がかかるのでしょう。私はこのような映画から音楽のインスピレーションをいただくのです。それと美しい女から。
Un Chien Andalou