かねてよりラブコールを送っていた、バニラファッジのリズムセクション、ティムボガードとカーマインアピスとトリオを組む計画をたてていましたが、その直前に交通事故を起こしたジェフベックは、あえなく計画を断念。ティムボガードとカーマインアピスはカクタスを結成、スケジュールが合わなくなったベックは、再度ジェフベックグループを結成。第二期となります。
1. Got the Feeling
2. Situation
3. Short Business
4. Max's Tune
5. I've Been Used
6. New Ways Train Train
7. Jody
この頃、ベックはスティービーワンダーに傾倒しており、その影響がバンドに強く影響しております。黒人のボーカリスト、ボブテンチのソウルフルな歌が如実にそれを物語っています。ジェフが選ぶボーカリストはみなソウルフルな歌い方の人ばかりです。ロックボーカリストは必要ないのかもしれません。ジェフのギターがロックそのものなのだから。キーボードにはマックスミドルトンが美しくもファンキーなエレピを聴かせてくれます。彼の存在が後のフュージョンサウンドを予感させてくれます。
そしてドラムが、後にレインボーに加入してゆくコージーパウウェルです。かなり力強いドラミングですが、ここではファンキーな一面も魅せてくれます。ベックのファンキーソウルはこの陣営でベックのギターをよりロックさせます。
Got the Feelingで途中に導入されるスライドギターのフレーズはCharがもろにパクっておりました。Max's Tuneはその名の通りマックスミドルトンの独り舞台です。そして美しきJody。でも一番のハイライトは.New Ways ~Train Trainのめくるめくファンクソウルの展開です。次から次に場面展開して、フレージングも変わるし、ピックアップセレクトも変わるし、テンポも変わるし、しかし、口ずさめるようなギターフレーズなので、つい完コピしようとしますが、多重録音されているので、通して弾くとかなりつらいです。
黒人ものとしての楽曲と捉えられますが、こんなにギターをセンス良く弾きまくる黒人プレイヤーはありません。これぞベックの専売特許なのです。近頃のミクスチャー系のギタリストにも見習って欲しいプレイばかりです。こんな誰もやらないようなプレイをするので、孤高のギタリストと呼ばれるのでしょう。
Got the Feeling