デビッドボウイも演劇性のあるステージを展開しておりましたので、同類とされたのでしょう。音楽的にはハードロックで、プログレ的なエッセンスもあり、ドラマティックなステージを考えての作曲となっております。ベスト盤で馴染むのもいいですが、代表作Killer、School's Out、Billion Dollar Babiesというアルバムは押さえておきたいものです。プロデューサーのボブエズリンの采配も光るWelcome to My Nightmare、Dadaもお勧めです。
ロングヘアーにロングブーツ、正にグラムロックそのもののイメージを貫き通したスィートです。バブルガムロックでポップでカッコイイ曲が多いです。金太郎飴みたいにどこを切ってもスィートサウンドが飛び出してくるので、どのアルバムもはずれがありません。強いて言えば、代表曲が多いGive Us a Winkがお勧めですが、このバンドもヒット曲が多いので、ベスト盤がお勧めかもしれません。
ヒット曲はBallroom Blitzを初め、Teenage Rampage、Fox on the Run、Action、Love Is Like Oxygenなど数知れず、Actionで思い出すのは、日本にActionというバンドがいた事です。キッスのようなカッコをして、マイクロフォンをさすりながら歌う仕草が印象的でした。現在、音源があるのかどうかわかりませんが。
Love Is Like Oxygenはアメリカンバンドのようなポップな曲ですが良く出来ております。しかし、メンバーを見て頂けると分かりますが、決してルックスはよくありません。失礼な言い方をすると、ゴリラ顔の人がいます。でも女の子にキャーキャー言われておりました。時のアイドル、ベイシティーローラーズにもゴリラ顔の人がいましたが、それでもキャーキャー言われておりました。イギリスの女性って結構ゴリラ顔が好きなのでしょうか。
結構ヒット曲のあるスレイドですが、アルバムとしてはいくつかお勧めはあるのですが、ヒット曲を網羅出来るベスト盤がいいのではないでしょうか。Coz I Luv You、Mama Weer All Crazee Nowなど地道なヒットを出しておりましたが、Cum on Feel the Noizeで大ブレイクしていきます。しかし、グラムロックとしてはルックスがいまいちでしたので、世界的な認知度は低いです。しかし、後のキッスやジェネレーションXのビリーアイドルなどにはもろに影響を与えております。最近ではオアシスがカバーしていたりします。男受けしていたバンドでしょう。
1. More Than This 2. Space Between 3. Avalon 4. India 5. While My Heart Is Still Beating 6. Main Thing 7. Take a Chance With Me 8. To Turn You On 9. True to Life 10. Tara
これ以上のアルバムは創れるはずも無く、ここで解散とした潔さもまた彼らの美学なのであろう。
ヒット曲More Than This、Avalonは勿論名曲でありますが、それ以外の曲も同じベクトルで存在しており、アルバムとしての完成度はピカ一であります。このアルバムに物足りなさを感じる人は初期の作品を聴けばいいわけで、それらの試行錯誤がこのアルバムまで行き着いた達成感はファンとしても大満足の作品になっております。
1. Electricland 2. Untie the Knot 3. Nuthin' on the TV 4. Painted Face 5. Kick Down 6. Ballad of the Band 7. Cross Country Boy 8. Old Mexico 9. Downhill Ryder 10. Racetrack
1. In the Midnight Hour 2. Oh Yeah 3. Same Old Scene 4. Flesh and Blood 5. My Only Love 6. Over You 7. Eight Miles High 8. Rain, Rain, Rain 9. No Strange Delight 10. Running Wild
オープニングのIn the Midnight HourはウィルソンピケットのR&Bナンバーだし、Eight Miles Highはバーズのヒット曲です。Oh Yeah、Same Old Sceneもブリティッシュな雰囲気はありますが、アレンジがどこかアメリカしています。Over You、Running Wildなどの秀作もあり、ここでも洗練された、しかしロキシーでしかない音楽が存在しています。
1. Manifesto 2. Trash 3. Angel Eyes 4. Still Falls the Rain 5. Stronger Through the Years 6. Ain't That So 7. My Little Girl 8. Dance Away 9. Cry, Cry, Cry 10. Spin Me Round
Manifesto、Trash、Angel Eyes、Still Falls the Rainという流れが、新しいロキシーの音楽性を確認させてくれます。Dance Awayがヒットしましたが、パンク、ニューウェーブの時代でもあります。そこでロキシーが示したものは大人のロックでした。若造にはこんな音は出せないだろうという意思が感じられます。
音色的には80年代的な音が既に存在しております。80年代の音楽はここから始まったのかもしれません。79年の作品です。Cry, Cry, Cry、Spin Me Roundとダンディーというイメージを作り出すフェリーのチョイ悪オヤジ的な色気が感じられます。
1. Love Is the Drug 2. End of the Line 3. Sentimental Fool 4. Whirlwind 5. She Sells 6. Could It Happen to Me? 7. Both Ends Burning 8. Nightingale 9. Just Another High
大ヒット曲Love Is the Drug、アクも無く軽快なロックンロールとなっております。サックスの使い方が最高です。Sentimental Fool、Whirlwindそして大好きなShe Sellsなど秀作が続きます。NightingaleからJust Another Highへ至る頃には最高の高揚感があります。
1. Thrill of It All 2. Three and Nine 3. All I Want Is You 4. Out of the Blue 5. If It Takes All Night 6. Bitter Sweet 7. Triptych 8. Casanova 9. Really Good Time 10. Prairie Rose
一曲目のStreet Lifeからしてカッコ良く、フェリー独特の癖のある歌い方の典型となるAmazonaも洒落ております。ヨーロッパの哀愁ある退廃性を美しく描く、Serenade、Song for Europe、Mother of Pearlという流れは感動的で名作たるに相応しい内容となっております。
1. Do the Strand 2. Beauty Queen 3. Strictly Confidential 4. Editions of You 5. In Every Dream Home a Heartache 6. Bogus Man 7. Grey Lagoons 8. For Your Pleasure
このアルバムはと言うと、ファーストの流れをくみますが、Do the Strandからしてかなりカッコ良さが加わってきます。Bogus Man、Grey Lagoons、For Your Pleasureと続くプログレ志向も妖しく妖艶です。
1. Re-Make/Re-Model 2. Ladytron 3. If There Is Something 4. Virginia Plain 5. 2HB 6. Bob (Medley) 7. Chance Meeting 8. Would You Believe? 9. Sea Breezes 10. Bitters End
1. New Killer Star 2. Pablo Picasso 3. Never Get Old 4. The Loneliest Guy 5. Looking For Water 6. She'll Drive The Big Car 7. Days 8. Fall Dog Bombs The Moon 9. Try Some, Buy Some 10. Reality 11. Bring Me The Disco King
She'll Drive The Big Carのようなユーモラスな表現もあり、派手さは無いがポップな曲が多い。アルバムロジャーのころのような雰囲気が全体にあるが、初期のような滑らかさもあり、そして未来を向いているアルバムだ。Daysなんかヨシイラビンソンが涙を流しそうな曲だ。
1. Sunday 2. Cactus 3. Slip Away 4. Slow Burn 5. Afraid 6. I've Been Waiting For You 7. I Would Be Your Slave 8. I Took A Trip On A Gemini Spaceship 9. 5:15 The Angels Have Gone 10. Everyone Says 'Hi' 11. A Better Future 12. Heathen (The Rays)
1. Thursday's Child 2. Something in the Air 3. Survive 4. If I'm Dreaming My Life 5. Seven 6. What's Really Happening? 7. Pretty Things Are Going to Hell 8. New Angels of Promise 9. Brilliant Adventure 10. Dreamers 11. Something in the Air [From American Psycho][*][Mix] 12. Survive [Mix][*] 13. Seven [*][Demo Version] 14. Pretty Things Are Going to Hell [From Stigmata] 15. We All Go Through
ジャケットも若くメーキャップしたボウイが年老いたボウイを介抱しているような意味深なものになっております。現在と過去が同時に存在しているバーチャルな世界という見方も出来るかもしれません。シングルカットされたThe Pretty Things Are Going To Hellもロックンロールナンバーでありながらデジタルな処理が効果的にされています。
1. Little Wonder 2. Looking for Satellites 3. Battle for Britain (The Letter) 4. Seven Years in Tibet 5. Dead Man Walking 6. Telling Lies 7. Last Thing You Should Do 8. I'm Afraid of Americans 9. Law (Earthlings on Fire) 10. Little Wonder [Danny Saber Dance Mix] 11. I'm Afraid of Americans [Nin V. 1 Mix] 12. Dead Man Walking [Moby Mix 2 Us Promo 12"] 13. Telling Lies [Adam F Mix]
Little Wonderはシングルカットもされており、ゾクゾクするようなロックスピリットにも溢れており、ジャングルとしても主張しております。断片的なサンプリングの積み重ねによるグルーブに断片的な歌詞。ボウイの歌詞は難解だったとしても、これまではしっかりとした物語性がありました。これほど断片的にすると何を表現しているのかつかみにくくなるのですが、これはあえてやっている事で、ロックというのは本来文法的ではない独特のスラング的で意味不明の歌詞が多かったのです。しかし、意味不明でもかっこよかったりするので、若い人の心をつかんできたのです。チャックベリー然り、マークボラン然り、ボウイもその手法をあえて50歳を過ぎたこの時に試みております。断片的でも、フレーズとしてのカッコ良さが出ており、その試みは成功しております。
Looking For Satellitesでもバックで懐かしいボウイの甲高い声が聴き取れます。久々に乗りに乗っているボウイの姿が想像出来ます。マリリンマンソンは、ボウイ風の歌い方でジャングルのアレンジの曲を売りにしたりしますので、これはその逆から仕掛けた、しかも作品として申し分の無い質量を持った内容になっております。マリリンマンソンファンにも気に入って頂けると思います。
Dead Man Walkingも見事なうわものが構築されております。テクノ派はこのうわものをわざとぼやかした感じに仕上げ、曲としての在り方自体の解体を良しとする傾向がありますが、ロック側としては、これだけの構築が成されて然るべきと感じるのですが、これだけの完成度があるのは、このアルバムだけのようです。ロックはこれまであらゆるジャンルを飲み込んで生きながらえてきました。このアルバムではその継承がなされておりますが、他のアーティストでそれを感じさせてくれる作品が無いです。その事が私に絶望感を味併せてくれ、又自らの作曲意欲へとつながって行きます。いい加減ロックのカッコ良さというものを再認識して新しい音楽が生まれて生まれてくれてもいいのですが、まだそんな出会いは実現されておりません。
1. Leon Takes Us Outside 2. Outside 3. Heart's Filthy Lesson 4. Small Plot of Land 5. Segue: Baby Grace (A Horrid Cassette) 6. Hallo Spaceboy 7. Motel 8. I Have Not Been to Oxford Town 9. No Control 10. Segue: Algeria Touchshriek 11. Voyeur of Utter Destruction (As Beauty) 12. Segue: Romana A. Stone/I Am With Name 13. We Prick You 14. Segue: Nathan Adler 15. I'm Deranged 16. Thru' These Architects Eyes 17. Segue: Nathan Adler 18. Strangers When We Meet 19. Hallo Spaceboy [Remix]
1. Wedding 2. You've Been Around 3. I Feel Free 4. Black Tie White Noise 5. Jump They Say 6. Nite Flights 7. Pallas Athena 8. Miracle Goodnight 9. Don't Let Me Down & Down 10. Looking for Lester 11. I Know It's Gonna Happen Someday 12. Wedding Song
タイトル曲のBlack Tie White Noiseは、これぞボウイといった決定版的な作品で、ボウイのあらゆる作曲センスが凝縮しております。オープニングのWeddingはインストだし、I Feel FreeやJump They Sayは90年代のマイルスのようなアレンジです。このようなブラックコンテンポラリーが廃れる前の最後の輝きのような作品です。
Tin Machineのセカンドアルバムですが、バンドはここまでとなります。ファーストはバンド然としておりましたが、このアルバムでは楽曲のあり方に重きを置いているように感じます。つまり、それはソロでよかったのんじゃないのかということです。
1. Baby Universal 2. One Shot 3. You Belong in Rock & Roll 4. If There Is Something 5. Amlapura 6. Betty Wrong 7. You Can't Talk 8. Stateside 9. Shopping for Girls 10. Big Hurt 11. Sorry 12. Goodbye Mr. Ed
1. Heaven's in Here 2. Tin Machine 3. Prisoner of Love 4. Crack City 5. I Can't Read 6. Under the God 7. Amazing 8. Working Class Hero 9. Bus Stop 10. Pretty Thing 11. Video Crime 12. Run 13. Sacrifice Yourself 14. Baby Can Dance 15. Bus Stop [Live Country Version]
1. Day-In Day-Out 2. Time Will Crawl 3. Beat of Your Drum 4. Never Let Me Down 5. Zeroes 6. Glass Spider 7. Shining Star (Makin' My Love) 8. New York's in Love 9. '87 and Cry 10. To Dizzy
ルーリードのWhite Light/White HeatのようなDay-In Day-Outで始まり、おっと思わせてくれます。ボウイにしかつくれないポップな感覚が溢れております。タイトルのNever Let Me Downなどはジョンレノンがソロ時代に作っていたような曲です。
1. Loving the Alien 2. Don't Look Down 3. God Only Knows 4. Tonight 5. Neighborhood Threat 6. Blue Jean 7. Tumble and Twirl 8. I Keep Forgettin' 9. Dancing With the Big Boys
このアルバムはと言うと、カルロスアロマー色が強いラテン系ヘンテコボウイサウンド方面になっております。前作レッツダンスで売れる事に目覚めたボウイですが、かなりいつもの癖のある作品が多いです。Loving the Alien、Don't Look Down、Tumble and Twirlなど売れ線は気にしていない曲もありますが、ティナターナーとデュエットしたタイトル曲Tonightはレゲエ調で力の抜けたいい感じの曲になっています。シングルのBlue Jeanはヒットしましたが、なぜこれがシングル?というような曲ですが、これもMTVの影響でそこそこ売れました。
God Only Knowsはご存知ビーチボーイズの曲です。Neighborhood ThreatとDancing With the Big Boysがいわゆるカルロスアロマー臭い曲です。一番カッコいいのはI Keep Forgettin'です。ピンナップスに入っているような曲で、ボウイらしいボーカルが聴けます。あまり評価は高くない作品ですが、ボウイをずっと聴き続けている人なら、これもありかなと言える作品です。ヒット曲もあるので、決して悪い作品ではありません。
ロバートフィリップ卿のギターが炸裂するScary Monsters (And Super Creeps)。冒頭のIt's No Gameでは女性ナレータによる日本語のナレーションが入る。前作、前々作で確立されてきた新しいボウイサウンドが、これでもかと襲ってくる。
1. It's No Game, Pt. 1 2. Up the Hill Backwards 3. Scary Monsters (And Super Creeps) 4. Ashes to Ashes 5. Fashion 6. Teenage Wildlife 7. Scream Like a Baby 8. Kingdom Come 9. Because You're Young 10. It's No Game, Pt. 2
この時期位から始まったアメリカでのMTV。日本ではベストヒットUSAで紹介されたりしますが、全国放送ではなかったので、地方の人間にはまだまだ情報不足の時代でした。しかし、シングルカットされたAshes To AshesとFashionのビデオクリップは多くの人の目に止まり。デヴィッドボウイの認知度がこのアルバムから徐々に上がり出して行きます。それまで、ボウイの知識がなかった私の女性の友人でも、Ashes To Ashesはいい曲だと言ってくれるようになりました。デヴィッドボウイといっても知らない人が多かったですから、嬉しかったです。
そのAshes To Ashesでは、Space Oddityのメジャートム(トム少佐)が登場してきて、これまでのボウイの曲には一つの流れがある事を示しております。Up The Hill BackwardsやBecause You're Youngなどのポップな曲も含まれておりますし、Scream Like A BabyやKingdom Comeではモッズ的要素も伺い知れます。Teenage Wildlifeなどでのボウイ節もあり、Scary Monstersの強烈なイメージだけでアルバムを聴くと理解できないボウイのラビリンスに入り込んでしまう事になります。
これぐらいの質で売れてくれるとよかったのですが、次回作でかなりポップな方向性へと言ってしまいます。ちなみに、Ashes To Ashesのビデオクリップにはこのアルバムジャケットのカッコをした宇宙外生物のようなボウイを確認出来ます。ビデオクリップ集のDVDもありますので、そちらでご覧下さい。
1. Fantastic Voyage 2. African Night Flight 3. Move On 4. Yassassin [Long Live Chango!] 5. Red Sails 6. D.J. 7. Look Back in Anger 8. Boys Keep Swinging 9. Repetition 10. Red Money
Fantastic Voyageからして名曲です。 African Night FlightやYassassinのようなワールドミュージックがヘンテコアレンジになっておりますが、オリジナル作品としては興味深い内容です。Move On、Red Sails、Look Back in Anger、Boys Keep Swingingと秀作が続きます。どれも良くアレンジされております。Repetition、Red Moneyなど、地味な印象ながら、良く練り込まれておりますので、聴くほどに、その良さが染み込んできます。影の名盤と言ってもいいかもしれません。