いつしかイギリスでは空前のブルースブームが席巻し、ヘビーなブルースを演奏したジェフベックグループやレッドツェッペリンによってハードロックが誕生しました。当時は日本だけでハードロックと呼んでおりましたが、現在は世界共通語となっているようです。そのジェフベックとジミーペイジがグループ結成前に参考にしていたのが、ヴァニラファッジのNear the Beginningだったそうです。それにはBB&Aでも演奏されたShotgunが入っております。
ヴァニラファッジはほとんどがカバー曲で、シュープリームスのYou Keep Me Hangin' Onやビートルズ、ゾンビーズのようなポップスをハードなアレンジで演奏してヒット曲を出しておりました。つまりはその方法論、アレンジの仕方がハードロックを生み出す参考となった訳です。ヴァニラファッジ自体はアートロックと呼ばれておりましたが、間違いなく彼らの音楽がハードロックを生み出すきっかけとなっております。
ヴァニラファッジは4枚のアルバムをだしており、中でもファーストとNear the Beginningは押さえておきたいところです。メンバーは後にベックボガード&アピスを結成するカーマイン・アピスとティム・ボガートがおり、オルガンなどもフューチャーされているので、ディープパープルやイエスなども影響を受けているようです。Near the Beginningあたりになるとかなりハードロック調になっておりますが、アメリカよりイギリスで受けたようで、まずはブリティッシュ勢が世界を席巻します。
STONE BUTTERFLYはパンチドランカーの勢いある流れを汲むハードロックですが、テクノな要素も絡めていて面白い曲です。メロメは北欧の薫りがするバラードで、大変美しい曲です。バラ色の日々はこれまでのシングルの中でも一番解り易く親しみの持てるポップ性を持っております。かといって単調にはならないところが流石です。峠は感動的なバラードで激しく終わるのですが、最後のオマケだけ入りません。最悪です。オマケは聴かないようにしましょう。