この3枚のアルバムはテクニカル面と楽曲面でのバランスが悪いのでまとめて紹介いたします。まず、暗黒の掟Women and Children Firstですが、テクニック面は充分満喫できるのですが、楽曲面がついてきておりません。普通のバンドならこれでも大丈夫なのですが、ファースト、セカンドの出来が良かったので、かなり印象が悪くなってしまいます。テクニックに走りがちなヴァンへイレンが一番気をつけなければならなかった事が、この作品には現れております。その逆にDiver Downはヒット曲が出なくなった為に、カバー曲を大量に入れてシングルヒット狙いのポップな作品になってしまっております、テクニックも十分に楽しめるのですが、少しやり過ぎです。 その中間が戒厳令Fair Warningです。バランスはいいのですが、特筆される部分が無く、地味な印象を受けます。ファンにとってはこの3枚でも充分な作品ですが、名盤というにはきつい部分があります。
Women and Children First 1. And the Cradle Will Rock... 2. Everybody Wants Some!! 3. Fools 4. Romeo Delight 5. Tora! Tora! 6. Loss of Control 7. Take Your Whiskey Home 8. Could This Be Magic? 9. In a Simple Rhyme Fair Warning 1. Mean Street 2. Dirty Movies 3. Sinner's Swing! 4. Hear About It Later 5. Unchained 6. Push Comes to Shove 7. So This Is Love? 8. Sunday Afternoon in the Park 9. One Foot Out the Door Diver Down 1. Where Have All the Good Times Gone! 2. Hang 'Em High 3. Cathedral 4. Secrets 5. Intruder 6. Oh, Pretty Woman 7. Dancing in the Street 8. Little Guitars (Intro) 9. Little Guitars 10. Big Bad Bill (Is Sweet William Now) 11. Full Bug 12. Happy Trails
Women and Children Firstは残念ながら特筆すべき曲がありません。Fair WarningではUnchainedが代表的な曲です。他の曲もハードロックとしは充分な水準に達しております。Diver Downはヒット曲満載で、キンクスのWhere Have All the Good Times Gone、ミックジャガーとデヴィッドボウイもカバーしていたDancing in the Street。そして大ヒットしたロイオビーソンのOh, Pretty Woman、これはもうヴァンへイレンの代表曲の一つになっております。Cathedralでのボリューム奏法などテクニック面でも聴かせてくれます。スパニッシュなLittle Guitars、ビッグバンド風のBig Bad Billなどバラエティーに飛んでいる分、ヴァンへイレンらしさは薄い感じです。アカペラコーラスのHappy Trailsはデイブリーロスらしい曲です。 And the Cradle Will Rock...