マイルス復活第二弾スタジオアルバムになります。結構ロックよりで混沌とした感じも出しておりますが、やはり80年代の音になっております。メンバーは Bill Evans (saxes), Al Foster (drums), Marcus Miller (bass), John Scofield (guitar) and Mike Stern (guitar)でジョンスコフィールドが加入しているのでそれなりに楽しめるアルバムです。
1. Come Get It
2. It Gets Better
3. Speak
4. Star People
5. U 'N' I
6. Star on Cicely
シンセの音色とシングルコイルのエレキの音が、いかにも80年代しております。当時は流行だったので仕方ありませんが、マイルスがこれで良しとしているところが情けないです。70年代も最新のファンクやサイケロックを取り入れておりましたので、80年代の最新の音を取り入れるのは理解出来ますが、70年代は見事な化学反応を示して、時代を超越した音を発していたのに対して、80年代以降は化学変化することなく、その時代の音でしかないものになっております。しかし、年老いたマイルスにそこまで期待するべきではないのかもしれません。
一番の元凶はマーカスミラーにあります。才能ある彼を悪者にするのは可哀想かもしれませんが、化学反応を引き出すような采配が出来ていなかった事が原因です。彼はリトルマイルスと呼ばれるほどマイルスのように演奏する事が出来たのですが、それを全体に行き渡らせるような才能はなかったようです。結果は音になって残っております。決して内容が悪い訳ではありませんが、その時代でしか通用しない音が溢れております。音色にこだわっていれば現在でも通用する作品になっていたと思います。