1. Born to Lose 2. I Wanna Be Your Dog 3. Take a Chance on Me 4. Stepping Stone 5. My Way 6. Belsen Was a Gas 7. Something Else 8. Chatterbox 9. Search and Destroy 10. Chinese Rocks 11. I Killed the Cat
ハートブレイカーズのBorn to Lose、ラモーンズのChinese Rocks、ニューヨークドールズのChatterbox、ストゥージスのI Wanna Be Your Dog、Search and Destroy、バディコクランのSomething Elseなど彼が好きな曲ばかりが収められています。そして極めつけはフランクシナトラを馬鹿にしたようなMy Wayデス。このパンクアレンジが受けて、彼の代表曲となりました。
1. Great Rock 'N' Roll Swindle 2. Anarchy in the U.K. 3. Johnny B. Goode 4. You Need Hands 5. No Feelings 6. Silly Thing 7. Rock Around the Clock 8. Bodies 9. God Save the Queen 10. Pretty Vacant 11. Somethin' Else 12. Lonely Boy 13. C'mon Everybody 14. Belsen Was a Gas 15. No Fun 16. Who Killed Bambi? 17. Belsen Vos a Gassa 18. My Way
解散の原因となったアメリカツアーが痛々しく映し出されています。昔ジョンレノンがビートルズはキリストよりも有名になったと言う発言によりバッシングを受けて半泣きしておりましたが、ジョンライドンもキリストのカッコをして貼付けになるなど、Anarchy in the U.K.ではアンチクライストとはっきり宣言していたりして、キリスト教信者より強い反発を受けており、特にアメリカの地方は保守派が多く、コンサートにはそれらの人が多く集まり、食べ物や石などをステージに投げまくり、コンサートが進まない状態が続いておりました。さすがにまだ若い彼等はこれにはまいってしまい、ロックは死んだという有名名言葉を残して解散となります。この発言には、彼等を目指していたクラッシュのジョーストラマーなどが当惑してしまい。方向性を失うなど影響が出ましたが、世界的にはパンクバンドの需要が増えており、もっともパンクらしいバンドセックスピストルズがいなくなってもパンクムーブメントは続いていくのでした。
1. Holidays in the Sun 2. Bodies 3. No Feelings 4. Liar 5. Problems 6. God Save the Queen 7. Seventeen 8. Anarchy in the U.K. 9. Submission 10. Pretty Vacant 11. New York 12. E.M.I.
日本ではセックスピストルズという凄いバンドが出現したという情報は入っておりましたが、音源が入ってきておりませんでした。EMIと契約したファーストシングルAnarchy In the U.K.を出しますが、あまりに過激な内容だった為、セカンドシングルGod Save the QueenはA&Mと契約する事になります。その辺を歌にしたのが拝啓EMI殿です。しかしA&Mでも発売される事が無く、イギリス女王を批判したGod Save the Queenは放送禁止にされ、話題ばかりが先攻しておりました。まだ英語が分からない私にとって、セックスピストルズというバンド名と穴開き淫座U.K.というタイトルは非常にいかがわしいイメージを連想させました。
初めてAnarchy In the U.K.を聴いたのは確か大貫憲章がやっていた若いこだまというラジオ番組だったと記憶しております。その時代はツェッペリンのプレゼンスが発売されており、原点のヤードバーズを聴いており、スリーコードでロックが成り立つ事を知り、パブロックのドクターフィールグッドを聴いていたのでパンクロックにも免疫は出来ておりました。しかしピストルズのサウンドは遥かに想像を超えており、音楽的にはシンプルなものですが、空気感が明らかに違っておりました。正に衝撃的な出会いでした。
1. Screaming Skin 2. Forgive and Forget 3. Maria 4. No Exit 5. Double Take 6. Nothing Is Real But the Girl 7. Boom Boom in the Zoom Zoom Room 8. Night Wind Sent 9. Under the Gun (For Jeffrey Lee Pierce) 10. Out in the Streets 11. Happy Dog (For Caggy) 12. Dream's Lost on Me 13. Divine 14. Dig Up the Conjo
一曲目Screaming Skinはいきなりスカで始まり、80年代にやり残した事を清算するかのごとき要諦です。Forgive and Forget、Mariaはいかにも80年代しておりますが、90年代のシステムで録音されておりますのでがっちりした創りになっています。No Exitはグランジというかヘンテコラップが挿入されております。Nothing Is Real But the Girlでやっと以前のブロンディーが帰ってきます。
1. Orchid Club 2. Island Of Lost Souls 3. Dragonfly 4. For Your Eyes Only 5. The Beast 6. War Child 7. Little Caesar 8. Danceway 9. (Can I) Find The Right Words (To Say) 10. English Boys 11. The Hunter Gets Captured By The Game 12. War Child (extended version)
バウワウワウのようなジャングルサウンドのOrchid Clubで始まり、カリプソラテンなリズムに中国的な音階のIsland Of Lost Souls、80年代らしいダンスナンバーのDragonfly。どれをとってもブロンディーサウンドにしてしまう自身が漲っております。007のテーマのようなFor Your Eyes Only、ジャングルサウンドにハードロックなアレンジのThe Beast。前作からカイプソフレイバーのダンスナンバーが板についております。
War Childはディスコ調の曲ですが、もう80年代的な音になっております。もともとチープなキーボードサウンドを使っていたので違和感はありませんが、前作のような良質感はありません。ハートビート時代のような音になるでしょうか、80年代のアメリカにありがちな音で、どうしても私は好きになれないのですが、このアルバムまでは我慢して聴けます。ここで一度解散して正解だったかもしれません。Little Caesarはホーンが入ったレゲエ調の曲です。Dancewayはロカビリー調のロックンロールナンバーです。
1. Europa 2. Live It Up 3. Here's Looking At You 4. The Tide Is High 5. Angels On The Balcony 6. Go Through It 7. Do The Dark 8. Rapture 9. Faces 10. T-Birds 11. Walk Like Me 12. Follow Me 13. Call Me (long version) 14. Suzy & Jeffrey 15. Rapture (Special Disco Mix)
このアルバムはコンセプトアルバムとなっており、バンドとしてではなく、レコードとして完成度が高いアルバムです。序曲のようなEuropaは、オーケストラ演奏から機械文明オートアメリカに移住するようなイメージがあります。そしてディスコ調のカッコイイLive It Up。コンセプトアルバムと言ってもこのアルバムに一貫して流れているのはアメリカの音楽です。スタンダードジャズのようなHere's Looking At Youが象徴しております。しかし、これは名曲で素晴らしくチャーミングな曲です。タイトルはハンフリーボガードの有名な君の瞳に乾杯の英語読みです。
このアルバムから最初にシングルカットされたのはThe Tide Is Highです。カリプソなレゲエ調のこのカバー曲のヒットにより、ディスコなイメージがしないアルバムになりましたが、その後シングルカットされたRaptureはディスコ調で、ラップも入っております。この曲のようなバリエーションのあるラップは大歓迎です。みんなこのようにバリエーションをつければいいと思いますが、どういう訳か一本調子のラップばかりが現在までもはびこっております。Angels On The Balconyは以前のポップロックンロールですが、より洗練されております。Go Through Itも以前のようなパンクな曲ですがやはり洗練されております。完成度が高いです。
Do The Darkはエキゾティックなディスコパンクと行った曲です。Facesは又してもスタンダードジャズ調のバラードです。名曲です。T-Birdsも以前のようなギターポップですが、これも洗練されていてカッコイイ曲です。Walk Like Meはロカビリー調の初期のような曲ですが、これもカッコイイ曲です。デボラハリーの歌には色気があります。Follow Meは映画音楽のような静かなバラードです。何と美しい曲でしょう。これだけ多彩な音楽を詰め込んでも少しもブロンディーらしさは失われておりません。
1. Dreaming 2. The Hardest Part 3. Union City Blue 4. Shayla 5. Eat To The Beat 6. Accidents Never Happen 7. Die Young Stay Pretty 8. Slow Motion 9. Atomic 10. Sound-A-Sleep 11. Victor 12. Living In The Real World 13. Die Young Stay Pretty (live) 14. Seven Rooms Of Gloom (live) 15. Heroes (live) 16. Ring Of Fire (live)
1. Hanging On The Telephone 2. One Way Or Another 3. Picture This 4. Fade Away And Radiate 5. Pretty Baby 6. I Know But I Don't Know 7. 11:59 8. Will Anything Happen? 9. Sunday Girl 10. Heart Of Glass 11. I'm Gonna Love You Too 12. Just Go Away 13. Once I Had A Love (The Disco Song 1976) 14. Bang A Gong (Get It On; live) 15. I Know But I Don't Know (live) 16. Hanging On The Telephone (live)
ポップで親しみ易い曲だらけです。Hanging On The Telephoneはカバー曲ですが、シングルヒットしております。One Way Or Anotherはパンクっぽいアレンジの曲でデボラハリーの歌い方には圧倒されます。Fade Away And Radiateはへヴィーで大胆なアレンジになっています。Pretty Babyはチャーミングで親しみ易い曲です。 I Know But I Don't Knowはハードロック的なアレンジで気怠い感じに仕上げて、パンクを返上した訳ではないと言っているみたいです。
11:59はこれまでのロカビリーな曲です。こういう曲を忘れないのがブロンディーの良さです。Will Anything Happen?はシーナ&ザロケッツのようなテクノポップロックンロールです。鮎川氏も参考にしていたのではないでしょうか。Sunday Girlもロカビリーなアレンジによるポップナンバーで、シングルヒットしております。これもユーメイドリームの元ネタかもしれません。Heart Of Glassで一躍世界的にブレイクする大ヒット曲です。テクノな味付けのディスコサウンドです。とにかく当時はナンパするならディスコだったのです。今で言うクラブーみたいなものです。
I'm Gonna Love You Tooはこれまでのようなロックンロールです。ポップなアレンジこれまでもありましたが、徹底されています。Just Go Awayも徹底されたロックンロールでス。このアルバムから大ブレイクしてブロンディーの快進撃が始まります。とにかくこれ以降の作品は美味しいところが満載でどれも楽しめる愛着の湧くアルバムばかりになります。売れ線になっても憎めない逆にお気に入りに入れたくなるような名盤が続きます。
1. Fan Mail 2. Denis 3. Bermuda Triangle Blues (Flight 45) 4. Youth Nabbed As Sniper 5. Contact In Red Square 6. (I'm Always Touched By Your) Presence, Dear 7. I'm On E 8. I Didn't Have The Nerve To Say No 9. Love At The Pier 10. No Imagination 11. Kidnapper 12. Detroit 442 13. Cautious Lip 14. Once I Had A Love (The Disco Song 1975) 15. Scenery 16. Poets Problem 17. Detroit 442 (live)
1. X Offender 2. Little Girl Lies 3. In The Flesh 4. Look Good In Blue 5. In The Sun 6. A Shark In Jets Clothing 7. Man Overboard 8. Rip Her to Shreds 9. Rifle Range 10. Kung Fu Girls 11. The Attack Of The Giant Ants
ギターやオルガンにによるポップな曲はニューウェイヴ的でもありますが、そのカッコ良さはパンクとして佇まいもありました。Rip Her to Shredsなどはニューウェーヴ的なロックンロールポップですし、Kung Fu Girlsカンフーガールはギターテクノポップでカーズのような曲です。The Attack Of The Giant Antsの邦題は恐怖のアリ軍団はジャングルカリプソ風の曲でアダムジアンツを予感させる曲です。結構名曲です。
1. Queens of Noise 2. Take It or Leave It 3. Midnight Music 4. Born to Be Bad 5. Neon Angels on the Road to Ruin 6. I Love Playin' With Fire 7. California Paradise 8. Hollywood 9. Heartbeat 10. Johnny Guitar
1. Cherry Bomb 2. You Drive Me Wild 3. Is It Day or Night? 4. Thunder 5. Rock & Roll 6. Lovers 7. American Nights 8. Blackmail 9. Secrets 10. Dead End Justice
1. Born to Lose 2. Baby Talk 3. All by Myself 4. I Wanna Be Loved 5. It's Not Enough 6. Chinese Rocks 7. Get off the Phone 8. Pirate Love 9. One Track Mind 10. I Love You 11. Going Steady 12. Let Go 13. Can't Keep My Eyes on You 14. Do You Love Me
シンプルなロックンロールながらカッコイイBorn to Lose、アレンジがカッコイイBaby Talkなど名曲揃いです。当時はキースリチャードよりもジョニーサンダースの信奉者のほうが多かったと思います。特に80年代の日本のインディーズシーンにはジョニーサンダーズを真似しているギタリストばかりでした。ストリートスライダースの欄丸もキースというよりはサンダースでしょう。
1. Love Comes in Spurts 2. Liars Beware 3. New Pleasure 4. Betrayal Takes Two 5. Down at the Rock and Roll Club [Alternate Version][Version] 6. Who Says? 7. Blank Generation 8. Walking on the Water 9. Plan 10. Another World 11. I'm Your Man 12. All the Way
Down at the Rock and Roll Clubなどかっこいいアレンジの曲ばかりですが、テレヴィジョンのようにインテリな感じがしない所がこの人の魅力でしょう。タイトルのブランクゼネレーションというのは彼等の世代は落ちこぼれな世代だという考え方から生まれたもので、この考え方がパンクの存在理由となっております。Another Worldなどはプログレッシブなパンクロックと言った感じで実験的な曲です。
See No Evilのシンプルながらゾクゾクするような時代の音が正にパンクです。シングルカットされたVenusも良くアレンジされており、私も子供ながらに勉強するべき点がたくさんある作品として聴いておりました。Marquee Moonはレゲエを取り入れながら現代的な都会的な影のある素晴らしい曲です。Elevationもレゲエを引用しておりますが、そのままレゲエをコピーしているのではなくてロックとしてのアレンジがされている斬新な曲として仕上がっております。Torn Curtainは泣きも入る名曲です。
1. Do You Remember Rock 'N' Roll Radio? 2. I'm Affected 3. Danny Says 4. Chinese Rock 5. Return of Jackie and Judy 6. Let's Go 7. Baby, I Love You 8. I Can't Make It on Time 9. This Ain't Havana 10. Rock 'N' Roll High School 11. All the Way 12. High Risk Insurance
新しくドラムがマーキーラモーンに代わっての作品になります。映画に出演したりと絶好調の彼等ですが、相変わらずのスリーコードワンパターンは健在ですが、サーチャーズのカバーNeedles & Pinsなど多彩な面も見せます。I Wanna Be Sedated などのヒット曲も収録。
1. I Just Want To Have Something To Do 2. I Wanted Everything 3. Don't Come Close 4. I Don't Want You 5. Needles & Pins 6. I'm Against It 7. I Wanna Be Sedated 8. Go Mental 9. Questioningly 10. She's The One 11. Bad Brain 12. It's A Long Way Back 13. I Want You Around (Ed Stasium version) 14. Rock 'N' Roll High School (Ed Stasium version)
時代はテクノポップから新たな時代の予感がしている時期で、それでも相変わらずのパンクサウンドは頑固というしかありません。それが今でも人気がある秘訣でしょうか。それしか出来ないという見方も出来ますが。Rock 'N' Roll High School はビーチボーイズのようなコーラスまで聴かせます。
1. Cretin Hop 2. Rockaway Beach 3. Here Today, Gone Tomorrow 4. Locket Love 5. I Don't Care 6. Sheena Is a Punk Rocker 7. We're a Happy Family 8. Teenage Lobotomy 9. Do You Wanna Dance? 10. I Wanna Be Well 11. I Can't Give You Anything 12. Ramona 13. Surfin' Bird 14. Why Is It Always This Way?
I Don't Careはロンドンパンクに影響されたのか、へヴィーなアレンジになっています。Rockaway BeachやSheena Is a Punk Rockerなどの親しみ易いヒット曲が満載で一番聴き易いアルバムかも知れません。 Do You Wanna Dance?は珍しくカバー曲です。多彩な仕上がりにあっており、脂が乗り切ったラモーンズの自信作であります。
1. Glad to See You Go 2. Gimme Gimme Shock Treatment 3. I Remember You 4. Oh, Oh, I Love Her So 5. Carbona Not Glue 6. Suzy Is a Headbanger 7. Pinhead 8. Now I Wanna Be a Good Boy 9. Swallow My Pride 10. What's Your Game 11. California Sun 12. Commando 13. You're Gonna Kill That Girl 14. You Should Never Have Opened That Door 15. Babysitter
1. Blitzkrieg Bop 2. Beat on the Brat 3. Judy Is a Punk 4. I Wanna Be Your Boyfriend 5. Chainsaw 6. Now I Wanna Sniff Some Glue 7. I Don't Wanna Go Down to the Basement 8. Loudmouth 9. Havana Affair 10. Listen to My Heart 11. 53rd & 3rd 12. Let's Dance 13. I Don't Wanna Walk Around With You 14. Today Your Love, Tomorrow the World
1. Frederick 2. Dancing Barefoot 3. So You Want to Be (A Rock 'N' Roll Star) 4. Hymn 5. Revenge 6. Citizen Ship 7. Seven Ways of Going 8. Broken Flag 9. Wave 10. Fire Of Unknown Origin 11. 54321/Wave
Frederickはこの後旦那になる元MC5のフレッド”ソニック”スミスに捧げた曲です。この頃になるとラブソングも平気で歌うようになります。So You Want to Be (A Rock 'N' Roll Star)はバーズのカバーで、Hymnは賛美歌のようにも聴こえます。Revengeへヴィーな感覚のあるバラードです。Citizen Shipはアヴァギャルドなアレンジが面白い曲です。プラズマティックスなどを連想させます。Seven Ways of Goingは予言者が歌っているようなミステリックな感じです。Broken Flagはストレートに美しい曲です。
一時活動停止していたパティスミスが再活動を開始したサードアルバムになります。ボブディランを愛するパティがボブディランを模倣するブルーススプリングスティーンと共作したBecause the Nightが大ヒットしたことにより、パティスミスの名は一躍世界に広がる事となりました。アルバムの内容もポップな仕上がりになりましたが、パティの味が消された訳ではありません。
1. Till Victory 2. Space Monkey 3. Because the Night 4. Ghost Dance 5. Babelogue 6. Rock N Roll Nigger 7. Privilege (Set Me Free) 8. We Three 9. 25th Floor 10. High on Rebellion 11. Easter 12. Godspeed
アコースティックな曲も目立ちますが、より説得力が増す結果となっております。やはりBecause the Nightは名曲ですが、Rock N Roll Niggerのようなパンキッシュな曲があったり、Privilegeのようなアニマルズのような曲もあり、We Threeのようなバラードではマドンナが歌っているようですので、その影響力は計り知れません。
1. Ask the Angels 2. Ain't It Strange 3. Poppies 4. Pissing in a River 5. Pumping (My Heart) 6. Distant Fingers 7. Radio Ethiopia 8. Abyssinia 9. Chiklets
第三期 Return to Forever の唯一の作品です。ビルコナーズがいた時を第二期としてアルディメオラがいた時期を第三期とすると、これは第四期とも取れます。しかし、一般的な Return to Forever のイメージは前作で終わっており、この作品を Return to Forever 名義で出した事については疑問が残ります。マハヴィシュヌも最後に変なポップなアルバムを出していたので、同じ感覚なのかとも思われます。この作品の特徴はマハヴィシュヌと同じでボーカル作品になっているところです。
元々ポップ感覚をもったチックコリアですので、こういうアルバムもアリなんですが、Return to Foreverという名義なので不評なのです。スタンリークラークがいるからこの名義なのでしょうが、別のプロジェクトとしてやっていればそれなりに受け入れられたかもしれません。しかし、これまでのReturn to Foreverが創り出してきた作品はどれも歴史的名盤ばかりなので、聴きのがしている方は是非聴いて頂きたいと思います。
アルディメオラ作のMajestic Danceはロックンロールです。しかしイエスがやるようなロックンロールでプログレ的です。スタンリークラーク作のMagicianは大ユニゾン大会。これぞフュージュンと言えるような曲です。Duel of the Jester and the Tyrantなどではこれまでのスパニッシュ感覚はあからさまではなく、自然なフレーズの流れとして存在するに留まっており、ここでReturn to Foreverとしての音楽性の確立がされたように感じます。一番似ている曲としてはゲイリームーアがいたコラシアムIIが思いっきり真似していたので、コラシアムIIが好きな方には元祖として聴いて頂きたいです。
この作品で第二期Return to Foreverは終了してしまうのですが、最後にこの完成度の高い作品を創り上げて、これ以上のものが望めないところまできましたので、自然な解散だったと思われますが、チックはこの後もReturn to Foreverを始動するのでした。しかしこの作品を超えるものはありません。しっかりとした構成の為ジャズ色は薄いですが、ロック畑から聴いている私としては大変満足しております。カールパーマーやビルブラッフォードなどは元々ジャズドラマーを目指しておりましたので、その感覚に近い作品です。