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[20070131]

The Black Album The Black Album
Prince (1994/11/22)
Warner Bros / Wea
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プリンスがファンク三昧のアルバムを出すというニュースが飛び込んできた。もともとファンクが大好きなプリンスですが、売れる為にポップな曲をだしたり、時代をリードしてしまった為に常に新しいスタイルを提示しなければならなくなっていた。そのプリンスが好きなファンクだけのアルバムを出すという事で、かなり期待してしまった。それは凄いアルバムになるに違いない。しかし、発売直前になって急遽発売中止。事情の詳細は不明ですがお蔵入りになりました。しかしでも音源が出回っていたため海賊盤が流出。日本でも容易に手に入りましたので購入しました。私が買ったのはオランダ盤でした。遠慮なしのファンクアルバムに狂喜しました。しかし、10年くらいして正式なアルバムとしてCD化されています。

1. Grind
2. Cindy C.
3. Dead on It
4. When 2 R in Love
5. Bob George
6. Superfunkycalifragisexy
7. 2 Nigs United 4 West Compton
8. Rockhard in a Funky Place

曲間なしのファンクパーティー仕様になっています。P-FUNKというよりそれらに近いですが、プリンスらしいアレンジで思う存分ファンクを楽しんでいます。When 2 R in Loveだけがバラードですが、後はファンクです。しかし、これも又私的なファンクです。ラップなどを取り入れてストリート感も出しています。しかし、これほど斬新なアレンジのヒップホップは聴いた事がありません。正にプリンス印のサウンドです。

SuperfunkycalifragisexyはもろP-FUNKです。素っ頓狂なシンセサウンドといい、コーラスのブブンといい、パーラメントのようですが、サンプラーやDX-7の音がプリンス印にしています。問答無用のファンク三昧は本来のコマーシャルアルバムでのうっぷんを吐き出すかのように、自由に無邪気に展開されており、これが本来プリンスがやりたかった事だと想像出来、大満足の作品になっています。ピッチシフトによるボーカルの加工により匿名的な作品にしていますが、どこから聴いてもプリンス以外考えられないアルバムです。プリンスの全盛期はひとまずここまでで、次回作からは新たな時期に入っていきます。

Prince /live

James Brown inviting Michael Jackson and Prince
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[20070130]

Sign 'O' the Times Sign 'O' the Times
Prince (1990/10/25)
Warner Bros.
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この絶頂期の集大成となる2枚組アルバムです。ファンクもロックンロールも、今迄創ってきた様々な音楽が混沌として詰め込まれています。レヴォリューションズの名をとってプリンス個人名義になっていますが、所々でメンバーが参加しています。しかし、相変わらず個人的な特有性を持った音楽です。

ディスク:1
1. Sign 'O' the Times
2. Play in the Sunshine
3. Housequake
4. Ballad of Dorothy Parker
5. It
6. Starfish and Coffee
7. Slow Love
8. Hot Thing
9. Forever in My Life
ディスク:2
1. U Got the Look
2. If I Was Your Girlfriend
3. Strange Relationship
4. I Could Never Take the Place of Your Man
5. Cross
6. It's Gonna Be a Beautiful Night
7. Adore

このアルバムは何と言っても名曲Sign 'O' the Timesにつきます。独特の低音色を響かせるベースからなる見事なプリンスファンクです。時のサインとして、当時出始めたエイズをテーマにしていますが、これは普遍的な歌であり、現在の温暖化や各種ウィルスへの驚異としても有用な歌であります。Play in the Sunshineはお祭り騒ぎなノリノリのロックンロールです。この辺のつながりのなさがこのアルバムの特徴です。Housequakeはモロ政党的なファンクでありますし、Ballad of Dorothy ParkerやItはこの時期のラジカルなプリンスの姿勢にあった楽曲です。ドラムの加工音が半端じゃなく創り込まれています。サンプリングではないので、しっかりとした低音が出ていますので、現在のようにサンプリングでここ迄の音を出すのは難しいのではないでしょうか。

Starfish and Coffeeはポップな親しみ易い曲です。でもアレンジはサイケです。バラードのSlow Love。Hot Thingはサインオーザタイムと同じベース音の前衛的なファンク。Forever in My Lifeも同じ流れのアヴァンギャルドなファンクです。スティーヴィーワンダーのジャンルはスティーヴィーワンダーとでしか表現出来ないように、プリンスの音楽もプリンスというジャンルでしかないと言える境地に達しています。

節操がないのがU Got the Lookでシーナイーストンとデュエットしています。シーナイーストンと言えば商業音楽の最もたる存在で、パンク勢からは散々にやり玉に吊るし上げられる存在です。そんな彼女とデュエットするという事は、やっちゃったな、と認識しております。If I Was Your Girlfriendはこのアルバムを通して貫かれている独特のミディアムテンポのファンクです。Strange Relationshipは巷でも聴けるような曲ですが、ワウの使い方とかかなりベースをブースとしています。I Could Never Take the Place of Your Manで又毛並みが違うポップな曲になります。Crossはサイケでアコースティックな曲。ジミヘンかドアーズのようです。It's Gonna Be a Beautiful Nightはライブ音源のようでシーラEが大活躍しています。まるでP-FUNKパーティーのよう。Adoreはマーヴィングゲイのようなニューソウル風バラードです。この曲で終わる意味が良く分かりませんが、これが殿下が下した選曲なのです。

節操が無いくらいにプリンスというジャンルを築き上げた名盤です。誰も追従出来ない境地に達して尚求道心を失わないプリンスは神を超えてファンクの仙人になってしまいました。

Sign 'O' the Times

Housequake

Ballad of Dorothy Parker

Starfish and Coffee

Forever in My Life

U Got the Look

If I Was Your Girlfriend

It's Gonna Be a Beautiful Night

[20070129]

Prince And The Revolution/Parade: Music From The Motion Picture Under The Cherry Moon Prince And The Revolution/Parade: Music From The Motion Picture Under The Cherry Moon
Prince & the Revolution (1990/10/25)
Paisley Park
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又しても自作映画のアンダーザチェリームーンのサウンドトラックとして出されたアルバムです。映画の方は相変わらずB級ですが、音楽の方はプリンスサウンドここに極めたり、といった感じで、これ迄のプリンスが創り上げてきた音楽を全て凌駕しながらも、遥かその先へと進んだプログレッシヴサイケファンクが展開されています。

1. Christopher Tracy's Parade
2. New Position
3. I Wonder U
4. Under the Cherry Moon
5. Girls & Boys
6. Life Can Be So Nice
7. Venus de Milo
8. Mountains
9. Do U Lie?
10. Kiss
11. Anotherloverholenyohead
12. Sometimes It Snows in April

まるで後期YMOのようなサウンドで度肝を抜くChristopher Tracy's Paradeで始まります。リヴァースリヴァーブがかけられたドラムがアシッドです。ガムランファンクのようなNew Position。いつものプリンスらしいI Wonder U。Under the Cherry Moonの屈折したようなジャズ風バラード。Girls & Boysもプリンスらしいファンクです。極めつけがLife Can Be So Niceでしょう。アシッドテクノファンクとでも言えるアヴァンギャルドな曲です。天才を超越して神になったのではないかと思えるほどぶっ飛んでいます。そして美しいインストのVenus de Milo。

一番ポップでシングルカットされたMountainsも名曲です。これほどシンプルなのに存在感のある曲を創らせたら彼にかなうものはいないのではないでしょうか。大好きな曲です。Do U Lie?はラグタイムジャズのような曲で、こういった曲で連想するのがオノヨーコです。二人共天才だと私は思っています。先攻シングルだったKissを初めてFENで聴いた時はプリンスの昔の曲だと思っていました。どのアルバムに入っていたかな、と思ったのですが新曲でした。ノンリヴァーブノンベースのシンプルでエロティックなファンク。こんな曲プリンスにしか創れません。トムジョーンズにもカバーされています。続くAnotherloverholenyoheadもシングルカットされました。ベースにファズがかかっているのでベースレスに聴こえますが、ベースにトレブリーなファズをかけると、このような低音が殺された音になります。Sometimes It Snows in Aprilはシャンソンバラードのような美しい曲です。ロマンティックで儚い切なさがあります。名曲です。

デビュー当時のプリンスはファッションセンスは無かったと思いますが、パープルレイン辺りから明らかにスタイリストがついているようです。このジャケットと初期の頃のジャケットでは別人のようです。整形はしていないと思いますが、やっても少々でしょう。ルックス的にも気色悪さは無くなって、これだけの素晴らしい内容の音楽を届けられたら男の私でも参ってしまいます。もうこの頃になったらマイケルジャクソンと比べるべきではなく、プリンスの独創状態といっていいでしょう。マイケルもバッド以降低迷していきますが、プリンスはまだこの状態を維持していきます。このアルバムから自信のペイズリーパークレーベルになります。金儲けてたのですね。

Life Can Be So Nice

Kiss

Anotherloverholenyohead

Sometimes It Snows in April

[20070128]

AROUND THE WORLD IN A DAY AROUND THE WORLD IN A DAY
Prince & the Revolution (1990/10/25)
Paisley Park
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私がプリンスのアルバムの中で一番好きな作品です。パープルレインの大成功で、プレッシャーを感じる事無く、いとも簡単に発表されたパープルレインとは違う方向性。そのままロック方面に言ってしまうのかと思いきや、おどけられた作品はサイケデリックの音の玉手箱でした。80年代のサイケデリック。XTCもやっていましたが、80年代に入って、サイケデリックミュージックが見直されるようになったきっかけとなるアルバムです。

1. Around the World in a Day
2. Paisley Park
3. Condition of the Heart
4. Raspberry Beret
5. Tamborine
6. America
7. Pop Life
8. Ladder
9. Temptation

エスニックなパーカッションに乗せて淡々と歌われるAround the World in a Dayから心地良く、Paisley Parkも力を抜いたサイケな幸福が包み込んでくれます。後にこのタイトルからレーベルを創る事にもなります。Condition of the Heartでの壮大なるバラード。デヴィッドボウイのような声で歌っています。ジャズのようなアレンジですが、プリンスのお父さんはジャズミュージシャンなのでプリンスにもその素養はあったようです。Raspberry Beretもプリンスらしい曲を自然にサイケな感覚でアレンジしています。Tamborineはファンクですが、サイケな音色がセンス良く並べられています。パープルレインに比べてリヴァーブのかけ具合が少なくなっている事が印象的です。パープルレインはステージ上で演奏されているイメージでしたが、このアルバムは私的な空間で演奏されているイメージです。スライのようなサイケポップ感覚を持ったファンクしか形容のしようがないほど独創的です。

Americaはまるでレナードバーンスタインが創るような曲をファズギターで演奏しています。かなりポップなファンクです。Pop Lifeはスローファンクですがバラードではありません。プリンスらしい無理の無い見事な作品です。Ladderはゴスペルバラードのような美しい曲です。Temptationはヒステリックなファズギターで始まるエドガーウィンターがやるようなブルースファンクです。全ての曲が見事なくらいに名曲で、無駄な曲が一つもありません。私にとっては永遠の名盤であります。

パープルレインの後にこれだけ内容の濃い素晴らしい楽曲を提供出来るとは天才の所業でしかありません。噂では既にこの時点でプリンスはアルバム10枚分くらいの楽曲を作曲しており、その上新曲をどんどん創っていたそうです。後は曲を選択すればいかようにもアルバムを出せる訳です。実際プリンスはこの後も現在に至る迄、かなりの量のアルバムを出し続けております。その為ヒップホップ以降の音楽についていけなくなっている感じもしますが、プリンス自身はそれほどヒップホップに関心は無かったようです。

プリンスにとっては異色の作品なれどブレないプリンスらしさを発揮した名作です。プリンスはどこまで行くのか、とさえ思いましたが、次回作はもっと凄いところ迄登っていきます。

Raspberry Beret
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[20070128]

Purple Rain (1984 Film) Purple Rain (1984 Film)
Prince & the Revolution (1990/10/25)
Warner Bros.
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プリンス/パープル・レイン プリンス/パープル・レイン
プリンス (2006/04/14)
ワーナー・ホーム・ビデオ
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前作での成功による人気を不動のものにした、恐らくプリンスのアルバムの中では一番売れた作品です。プロモーションのような自作自演の映画パープルレインのサウンドトラックとして創られており、その時のバンド名レヴォリューションズをバックバンドに冠しての作品になります。この映画はそのままMTVでのビデオにもあり、時代とシンクロした事もあり大成功となります。しかし映画自体はB級であり、ナルシストプリンスを讃えるような内容になっています。ま、ファンなら見ても損はないと思います。

1. Let's Go Crazy
2. Take Me With U
3. Beautiful Ones
4. Computer Blue
5. Darling Nikki
6. When Doves Cry
7. I Would Die 4 U
8. Baby I'm a Star
9. Purple Rain

まずWhen Doves Cryが先攻シングルとして大ヒットします。スローファンクナンバーで、プリンスサウンドここに極まれりというような熟成された印象を受けました。まるで全盛期のスティーヴィーワンダーのようなヒットぶりでした。作品自体が発表され、Let's Go Crazy、I Would Die 4 U、Take Me With U、Purple Rainと続けざまにシングルカットされ、全てが大ヒットしました。アルバムが売れているのだからシングルカットをそんなにしなくとも、と思いましたが、それでも売れたのですから凄いものです。Darling Nikkiでのツィンバスドラムもカッコイイものです。

音楽的には前作で完成されたプリンスサウンドにロックンロールのバンド的なサウンドになっているところが特徴です。特にLet's Go Crazyではそうです。Take Me With Uではプリンスらしいサウンドで、コード感とメロディーがシンクロされているシンプルな構成で効き易いものになっていますが、この完成度は素晴らしいです。Purple Rainでのペンライトを振り上げながら歌われるバラードがしつこいくらいの盛り上がりとエンィングの大円団で臭いのですが、これが受けちゃっているのですから集団深層心理は分からないものです。曲が良いからというので納得しておりますが、プリンス独特のアクのある癖も、この作品からは見方となって彼のキャラクター創りに長所となって現れています。YOU TUBEでは著作権の関係からか、映画での映像がありませんでしたが、何とかライブ映像とかをかき集めました。

この頃からレヴォリューションズの他に、タイム、ヴァニティ6やシーラ Eなどをかかえて、プリンスファミリーを形成していきます。その王国の王子としてミネアポリスに君臨するのです。彼は売れた後でもこの故郷からは離れておりません。名実共に彼をスーパースターに押し上げたこのアルバムににより、マイケルジャクソンのスリラーやマドンナと共に80年代を代表するビッグ3となります。ヒップホップが普及する迄はこのプリンスの天下だったのです。

Let's Go Crazy

Beautiful Ones

When Doves Cry

I Would Die 4 U

purple rain/1999

[20070128]

1999 1999
Prince (1990/10/25)
Warner Bros.
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いよいよプリンスサウンドというものが完成された、アナログ盤では2枚組だった名作の登場です。ロックニューウェイヴ感覚を取り込み、独自のサウンドに昇華した作品で、ストーンズの前座で手酷く抽象された事もあり、今に見ていろという思いが創り上げた、ロックファンにも納得がいく素晴らしい内容になっています。このアルバムの成功によりプリンスの名前は世界的にも認められるようになりました。

1. 1999
2. Little Red Corvette
3. Delirious
4. Let's Pretend We're Married
5. D.M.S.R.
6. Automatic
7. Something in the Water (Does Not Compute)
8. Free
9. Lady Cab Driver
10. All the Critics Love U in New York
11. International Lover

世紀末思想に対するプリンスなりの考えを示した1999からプリンス印のサウンドになっています。アルバムの出だしなのにバックメンバーに先に歌わせるというのはスティーヴィーワンダーのサンシャインの真似だと思うのは考え過ぎでしょうか。大ヒットしたLittle Red CorvetteはMTVの宣伝効果もあり、日本でも大ヒットしました。ファルセットヴォイスではなく地声で歌うようになったのも功を奏したと思われます。Automaticはゲイリーニューマンのようでありながら、機械的ではなくセクシャルに歌い上げています。

ロックやファンクだけに留まらない多彩な音楽性を組み合わせたプリンスワールドの始まりと言ってもいいでしょう。エレクトリックポップとファンクが出会ったD.M.S.R.でも分かるように、プリンスは非常に単純なリズムの繰り返しにシンプルな旋律でコンパクトなファンクを創り上げています。これにあわせてセックス行為を思わせる動きで艶かしく歌いまくるのですから、受け入れられる人と拒絶反応を示す人に分かれると思いますが、プリンスはおかまいなしです。新しいセックスシンボルになるき満々ですから、爬虫類の記憶という話がありますが、その部分に訴えかけるようなリズムなのです。

プリンスはいわばロック的なグラマラス、サイケデリック、テクノ、パンクファンクなどの快感因子を抽出してセックスのシンボルそのもになる事が望みなのかもしれません。現に自分の名前をシンボルマークだけにした時期もありました。ともかくプリンスの全盛期はこのアルバムから始まりました。名盤ばかりが続出する時代の始まりなのです。天才的な証明は作品を出す度に明かされていきます。

purple rain/1999

Little Red Corvette

Let's Pretend We're Married

Automatic

[20070128]

Controversy Controversy
Prince (1990/10/25)
Warner Bros.
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前作の延長線上にある作品ですが、コンサートメンバーにバックを任せるというバンド志向になります。まだレヴォリューションズというバンド名はついていませんが、ほとんどレヴォリューションズというメンバーです。ロック的というか、白人がやるファンクを逆に黒人側からやっているような感覚があります。バンド形式になってから、いよいよ独特のアクのある癖の多いサウンドになっています。このアルバムあたりから好き嫌いが分かれるのではないでしょうか。

1. Controversy
2. Sexuality
3. Do Me, Baby
4. Private Joy
5. Ronnie, Talk to Russia
6. Let's Work
7. Annie Christian
8. Jack U Off

Sexualityのようにセックスそのものを歌った内容がどんどん多くなっています。ステージでは爬虫類のような動きで、ファッション的にもお世辞にもカッコいいとは言えない小汚い格好をしていますし、受け付けない人も多いと思います。ストーンズの前座に起用されたりして、黒いミックジャガーというキャッチフレーズをつけられますが、ストーンズのファンからはブーイングの嵐を受けて、泣きながらステージを降りるという悔しい思いもしております。まだロックファンからは認められていなかったのです。

こういった事件と、背が低いというコンプレックスもあり、人の前には姿を現さないで、ミネアポリスに引きこもるといった方向に進み、逆にそのせいでカリスマ性が増し、彼自身も自分を偶像化するようなイメージ創りに向かわせます。このアルバムではファンク色が多くなりますが、P-FUNKのようなルーズなグルーヴではなく、プリンスの特徴としては気色悪いくらいにジャストであるというのがあります。そしてよりシンプルでもあり、私は私的なファンクと呼んでおります。黒人特有のものではなく、プリンス特有のものであるからです。

ファズの効いたギターにポリフォニックのシンセ、当時流行だったテクノポップ的な要素もあり、それらを吸収しながらプリンス節を完成させようとしています。日本でもこの頃からプリンスを報じるニュースが多くなっていきます。しかしまだアメリカの一部の人にしか受けていなかったというのが事実です。

Controversy

Sexuality

Do Me, Baby

Let's Work

[20070127]

Dirty Mind Dirty Mind
Prince (1990/10/25)
Warner Bros.
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最初にロックよりな姿勢を見せたアルバムです。ロックといってもアメリカンポップのようなアレンジで、ブリティッシュロックファンの私にとっては一番敬遠したくなる作品なのですが、アメリカでの評判はいい作品です。ブラコンのリズムではなく、いかにもロックなドラムパターンが前半に展開されます。

1. Dirty Mind
2. When You Were Mine
3. Do It All Night
4. Gotta Broken Heart Again
5. Uptown
6. Head
7. Sister
8. Partyup

音楽的にはまだ癖のあるサウンドにはなっていませんが、ジャケットからも分かるように、ファッション面ではかなり癖があります。お世辞にもカッコいいとは言えません。無理して天パーをのばしたような髪型におひげ、胸毛にモッコリパンツは気色悪いとしか言い様がありませんが、ジャケットに反して音楽的には素直な曲が多いです。後半はファンキーになりますが、ファルセットヴォイスとたまに地声も出すようになります。

歌詞的にはセクシャルな内容が多くなり、この性的なイメージはずーと持ち続ける事になります。特にHeadがそうですが、ここで初めてP-FUNK譲りのファンクナンバーが登場します。ここからプリンスは独自のグルーヴ感を持った私的なファンクを創り上げていく事になります。Dirty Mind、When You Were MineやSisterなどはカーズや後のリックスプリングフィールドのような、いかにもアメリカンなポップロックになっています。この辺は苦手な分野なのですが、それほど癖が無いので、まーまー聴けます。Partyupでプリンスらしいファンクになるので助かります。でもまだ癖が無く聴き易いです。しかし徐々にプリンス節はこの後出始めてくる事になります。

Dirty Mind

Uptown

Head

[20070127]

Prince Prince
Prince (1990/10/25)
Warner Bros.
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セカンドアルバムで自分の名前のみを冠した作品です。ファースト同様、全て自分でプレイしてプロデュースしています。ヒット曲もあり、このアルバムで大分プリンスの名前は浸透しました。アメリカだけでの事ですが。日本では一部のブラコンファンにのみ支持されていたようです。全体的にポップでコンポーザーとしての力量が開花している作品になっています。

1. I Wanna Be Your Lover
2. Why You Wanna Treat Me So Bad?
3. Sexy Dancer
4. When We're Dancing Close and Slow
5. With You
6. Bambi
7. Still Waiting
8. I Feel for You
9. It's Gonna Be Lonely

アメリカでは I Wanna Be Your Loverが大ヒットしてトップ20に入ります。Why You Wanna Treat Me So Bad?も負けないくらいにポップな曲で、ウェストコースト的なロックギターがいかにもです。I Feel for Youをチャカカーンがカバーしてヒットさせたので聴いた事があると思いますが、兎に角シングル向けの曲が多いようです。しかしこのアルバムの目玉というと思いっきりハードロックしているBambiです。ギターにリヴァーブをかけ過ぎているので違和感はありませんが、リヴァーブを控えていたらもろハードロックそのものです。リフも格好良く見事なものです。しかしメロディーの乗せ方はファンクらしいので、ミクスチャーの走りという捉え方が出来ます。

好きなように録音出来る立場でありながら、音数は控えめで、ひつよう最小限の音がセンス良く並べられています。シンセの音色もセンスを感じますし、このアルバム迄は癖も無く、自己主張も控えめで売れる曲を作っているという印象です。それでもこれだけの水準の楽曲を創れるというのはやはり天才なのかもしれません。まだ19歳の頃の作品です。ブラコンファンにとっては又とない名盤でしょうし、プリンスファンにも楽しんでもらえる作品です。

I wanna be your lover/Why you wanna treat me so bad

I Feel For You - Chaka Khan

[20070127]

For You For You
Prince (1990/10/25)
Warner Bros.
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イギリスではブルーアイドソウルのリバイヴァルが盛んになり、ポールヤングやカルチャークラブなどがヒットを飛ばしておりました。アメリカではというと、マイケルジャクソン、マドンナそしてこのプリンスが3巨頭として存在していきます。ソウルではなく、ブラックコンテンポラリーの延長線上に位置するものですが、マイケルとプリンスはブラックミュージックとロックの垣根を取っ払った存在として非常に重要な役目を果たします。前述の通りマイケルとマドンナは紹介しませんので、プリンスだけ紹介させていただきます。

1. For You
2. In Love
3. Soft and Wet
4. Crazy You
5. Just as Long as We're Together
6. Baby
7. My Love Is Forever
8. So Blue
9. I'm Yours

白人のロック側の人間がソウルに近づいていったのに対して、プリンスは黒人側からロックに接近していったアプローチを見せます。P-FUNKのように黒人側からロックをやると癖のある音楽になってしまいますが、プリンスは黒人というより彼個人としての癖が強い音楽を表現します。それが受け入れられたのでヒットしたのですが、このファーストアルバムではまだロック色は無く、ブラックコンテンポラリーの優秀な作品の一つとして存在しています。

弱冠17歳のプリンスはワーナー相手にデモテープを持ち込み、レコーディングや作曲全て一人でやり、プロデュース迄あるという事で契約を取り付けます。それは前代未聞の事で、それまではトッドラングレンやスティーヴィーワンダーがワンマンプロデュースレコーディングをやっていましたが、まだデビューしていない新人に任せるという事は相当な賭けだった事でしょう。しかし、創られた音楽はその期待に見事に応える素晴らしい出来映えでした。

スライ&ザファミリーストーンやパーラメントに影響されていたプリンスでしたが、カーティスメイフィールドにも影響を受けており、カーティスばりのファルセットヴォイスで、当時流行っていたブラックコンテンポラリー作品としてアルバムを完成させます。それも全部自分で演奏している訳ですから凄いものです。ファルセットコーラスのアカペラFor Youで始まり、センスのいいブラックミュージックが揃っています。ブラックミュージックとしてはヒットしましたが、まだ世界的には浸透していません。しかし、このファーストが唯一の純粋なブラコン作品ですので貴重な音源ばかりです。演奏力も見事で、天才としての自己顕示欲を見事に表現した作品とも言えます。ロックなギターもギンギンに弾いていますが、ブラックミュージックに留まっています。この後紆余曲折を通ってスターダムに登り詰めるストーリーが待っているのです。

Rock and Roll Hall of Fame

[20070127]

ドライヴ ドライヴ
ロバート・パーマー (2003/12/17)
ユニバーサルインターナショナル
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この頃はマンネリ化していたロバートパーマーでしたが、心機一転パワフルな作品を出してきました。テーマはブルースです。これ迄はリズム&ブルースはやってきましたが、もろブルースは初めてでした。しかもパワフルでありながらエモーショナルな素晴らしいアルバムとなりました。

1. Mama Talk To Your Daughter
2. Why Get Up?
3. Who's Fooling Who?
4. Am I Wrong
5. TV Dinners
6. Lucky
7. Stella
8. Dr. Zhivago's Train
9. Ain't That Just Like A Woman
10. Hound Dog
11. Crazy Cajun Cake Walk Band
12. I Need Your Love So Bad
13. 29 Ways (To My Baby's Door)
14. It Hurts Me Too
15. Stupid Cupid
16. Milk Cow's Calf Blues

ソウルフルなシンガーとして定着してきたロバートパーマーが、なぜこの時期にここに辿り着いたのか、それは辿り着くべきところに辿り着いたというのが真実でしょう。若い頃と変わらない力強い歌がそれを物語っています。プレスリーのHound Dogのカバーもブルースなアレンジで格好いいです。

これからまだ頑張れるという可能性を見せながら、残念ながら心臓発作の為にこの世を去ったロバートパーマーでしたが、彼がこれまで残してくれた素晴らしい歌の数々はロック界にとって掛け替えのない財産となっております。このアルバムは遺作となりましたが、全盛期に匹敵するくらいの名盤となっております。

Mama Talk To Your Daughter/Why Get Up?

[20070126]

RHYTHM&BLUES RHYTHM&BLUES
ロバート・パーマー (1998/10/28)
ソニーミュージックエンタテインメント
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RHYTHM&BLUES というストレートなタイトルですが、古いRHYTHM&BLUES では亡く、彼が今迄創り上げてきたRHYTHM&BLUES の新しい形として表現しています。しかし、80年代のサウンドプロダクションをこの時代にも再現しており、新しさは感じないと思います。90年代はヒップホップ全盛時時代ですが、プリンスやダリルホールはことごとくヒップホップには違和感を覚えていると発言しており、ロバートパーマーも同じ気持ちで、あえてこのようなサウンドにしているのかもしれません。

1. True Love
2. No Problem
3. I Choose You
4. Stone Cold
5. Sex Appeal
6. Work To Make It Work 99
7. All The Will In The World
8. You're Not The Only One
9. Mr. Wise Guy
10. Let's Get It On 99
11. Captured
12. Spellbound
13. The long and winding road

アダルトなロバートパーマーらしい音楽を堪能出来ます。Work To Make It Work 99のイントロではキングクリムゾンのような音を出していますが、後は今迄やってきた音楽のとあまり変わりはありません。原点回帰として捉えるべきなのかもしれませんが、もうロバートパーマーも終わったな、というのが当時の感想でした。しかし、次回作で見事なパッションを見せてくれますので、このアルバムもファンとしてはしっかりと受け止めなければならないのかもしれません。

You're Not The Only Oneでは若々しいキレのあるビートを刻んでいます。日本のCMで使われたビートルズのThe long and winding road などボーカリストとしては真似出来るものは少ない実力者ですので、彼の歌に酔いしれるには良く出来ている作品ではあります。

True Love


[20070125]

Honey Honey
Robert Palmer (1994/09/20)
EMI America
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またもテオマセオと組んで制作されたアルバムです。今回は何でもありのいつものロバートパーマーらしい内容です。しかし、音は80年代そのもので、90年代に出すにはインパクトが薄かったです。ロバートパーマーファンには満足出来るものですが、もっと新しい事に挑戦するのかと期待しているといつも通りです。

1. Honey a
2. Honey B
3. You're Mine
4. Know by Now
5. Nobody But You
6. Love Takes Time
7. Honeymoon
8. You Blow Me Away
9. Close to the Edge
10. Closer to the Edge
11. Girl U Want
12. Wham Bam Boogie
13. Big Trouble
14. Dreams Come True

アフリカンアカペラのHoney a、アフリカンカリプソのHoney Bはこれ迄もやってきたのでそれほど驚きではありません。Know by Nowは正統派な良い曲なので、これはおっと思います。Nobody But Youはお得意のニューソウル的な良い曲です。Honeymoonはボサノヴァ調のシャンソンのようです。

You Blow Me Awayのようなサウンドプロダクションは80年代そのもので、音源もコード進行も80年代から抜け出していません。それでも良い曲は良い曲です。新しい音楽に挑戦するならスタッフも一新するべきでしょうが、同じようなメンバーですので、新しさよりも楽しみながら作っているという感じです。Close to the Edgeでの組曲風な創りは面白いですが。Girl U Want、Wham Bam Boogie、Big Trouble とハードロックなアレンジもあります。

新しさを求めず、唯趣味的な音楽をだすようでは隠居生活へ入ろうとしているような印象を受けます。もう晩年にも近づいておりますし。しかし、歌は衰えておりません。歌こそが彼のアイデンティティなのです。そういう意味に置いて、これも又名盤なのでした。

Know by Now

[20070124]

Ridin' High Ridin' High
Robert Palmer (1992/10/20)
EMI America
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以前からスタンダードジャズのカバーやオリジナル曲を随所に織り込んできていたロバートパーマーでしたが、アルバム全体でスタンダードジャズのカバー集を出しました。数曲はオリジナルですが、スタンダード風の曲です。前作でのDon't Explainも入っておりますが、その時のテオマセオを始めとするオーケストレーションのメンバーにより創られています。

1. Love Me or Leave Me
2. (Love Is) The Tender Trap
3. You're My Thrill
4. Want You More
5. Baby, It's Cold Outside
6. Aeroplane
7. Witchcraft
8. What a Little Moonlight Can Do
9. Don't Explain
10. Change
11. Goody Goody
12. Do Nothin' Till You Hear from Me
13. Honeysuckle Rose
14. No, Not Much
15. Ridin' High
16. Hard Head

新たなアレンジをする訳ではなく、あくまでもジャズナンバーを歌うという、シンガーとしての力量への挑戦になっています。多少の洗練さはありますが、オリジナルに近いアレンジになっています。そしてHard Headではブルースギタリストのジョニーウィンターがギターとボーカルで参加しているところがロックファンには注目するところでしょう。

全体を通して色気とダンディズムに満ちた抑え気味のボーカルを聴かせており、ロックなロバートパーマーを求めている人には向いていないかもしれません。この手の音楽が好きで、コアなロバートパーマーファンにはこの手のアルバムもアリです。今はもうこの世にいない人でありますから、貴重な音源としても価値のある作品です。でも何でもありのロバートパーマーが一番ファンとしては嬉しいのですが。

Nature Boy Live Robert Palmer & Stanley Jordan

Robert Palmer interview

[20070123]

Don't Explain Don't Explain
Robert Palmer (2003/12/23)
EMI
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この時代はアナログレコードからCDへの変換期であり、アルバムの容量もCD用になって、たっぷり入っています。プロデューサーにはマイルスデイヴィスのテオマセオを起用してビリーホリデイのDon't Explainというタイトルなのでスタンダードジャズを連想させますが、冒頭からハードロックの連打であります。

1. Your Mother Should Have Told You
2. Light-Years
3. You Can't Get Enough of a Good Thing
4. Dreams to Remember
5. You're Amazing
6. Mess Around
7. Happiness
8. History
9. I'll Be Your Baby Tonight
10. Housework
11. Mercy Mercy Me/I Want You
12. Don't Explain
13. Aeroplane
14. People Will Say We're in Love
15. Not a Word
16. Top 40
17. You're So Desirable
18. You're My Thrill

パワーステーションとは違う、もろハードロックのYour Mother Should Have Told Youからギンギンのロックナンバーが続いて、オーティスレディングのDreams to Rememberでリズム&ブルースを歌い上げますが、バックは結構ハードなアレンジです。ロックンロールのYou're Amazingはドクタードクターのような曲です。アフリカンアカペラからアフリカンなレゲエ的な展開が新鮮なHistory。ボブディランの I'll Be Your Baby TonightはUB40との共演で録音されています。

マーヴィンゲイのMercy Mercy Me/I Want You、ビリーホリデイのDon't Explainのカバーなど、後半はジャズスタンダードの落ち着いた形になります。それでもアルバムを通して非常にパワフルな音が散乱しています。

パワーステーションで得たパワフルなロックサウンドプラス以前のようなバリエーションに富んだスタイルの融合でしょうか。しかし、もうパワステの影響はないようです。いつものマイペースなロバートパーマーに戻っているのです。そうです。彼の命題は彼の歌唱表現への挑戦なのです。ジャンルやスタイルはいかようにもなれなのです。基本はソウルですが、このアルバムから彼はパワステの栄光から本来のスタイルに戻ったに過ぎません。そして人生の後半戦に入るのです。

I'll Be Your Baby Tonight

Mercy Mercy Me/I Want You

[20070122]

Heavy Nova Heavy Nova
Robert Palmer (1990/10/25)
Emi Special Markets
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古巣アイルランドレーベルからEMIに移籍しての第一弾。前作の延長線上にあるパアワーステーション系のサウンドに、その前迄追求していた民族音楽のエッセンスをちりばめた、所謂ロバートパーマーらしい作品になっています。

1. Simply Irresistible
2. More Than Ever
3. Change His Ways
4. Disturbing Behavior
5. Early In The Morning
6. It Could Happen To You
7. She Makes My Day
8. Between Us
9. Casting A Spell
10. Tell Me I'm Not Dreaming

大ヒットしたSimply IrresistibleとMore Than Everではパワーステーションっぽいサウンドプロダクションになっています。Change His Waysではアフリカンポップスっぽいアレンジにヨーデルのようなボーカルがユニークな曲で、彼の挑戦精神が久々に蘇っております。It Could Happen To Youもお得意になっているジャズスタンダードナンバーで、ロバートのボーカルはこのようなムーディーな曲に実に良くあっています。

She Makes My Dayもロマンティックな曲で、スラーを多用するパーマーのボーカルは芸術品ですらあります。素晴らしい。Between Usはアルバムタイトルにあった曲で、ボサノヴァ調の曲にマーヴィンゲイのようなスウィートソウルな歌が漂っています。Casting A Spellはエスニックなイントロからテクノロックに移行するのがカッコイイ曲です。Tell Me I'm Not Dreamingもヒット曲で、ダンディズム溢れるフュージュンテクノソウルな名曲です。

この作品ににより、ロバートパーマーがパワーステーションの成功で自分を見失っていない事が証明されました。それでいてパワーステーションでファンになった人にも楽しんでもらえる内容になっています。ある意味リップタイドよりも名盤かもしれません。

Simply Irresistible

Early In The Morning

She Makes My Day

Tell Me I'm Not Dreaming

[20070122]

初場所は朝青龍の20回目の優勝で幕を閉じました。20回の優勝は史上5人目の快挙で、史上最速での優勝だそうです。朝青龍ばかり勝って面白くないと思っていましたが、このまま大鵬の35回優勝を超える目標があるならば、どんどん優勝してもらいたいものです。

主な上位力士の成績

朝青龍 14勝1敗   魁皇 8勝7敗   白鵬 10勝5敗   琴欧洲 9勝6敗
栃東 5勝10敗   千代大海 10勝5敗   琴光喜 8勝7敗   豊ノ島 12勝3敗

帰り入幕の嘉風が千秋楽に勝ち越し。幕内最下位の土佐ノ海も千秋楽に何とか勝ち越して十両落ちを免れました。若手の琴奨菊は9勝で、これからが楽しみです。場所前に交通事故でお父さんを亡くした安馬は10勝で良い供養が出来ました。安馬は寺尾のように細身ですが、前に出る相撲で上位にも通用するようになりました。三役から大関を目指せる可能性が見えています。春場所は大阪場所ですが楽しみにしたいと思います。

[20070121]

Riptide Riptide
Robert Palmer (1990/06/15)
Island
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デュランデュランをやめたジョンテイラー、アンディーテイラー兄弟にリスペクトされていたロバートパーマーはパワーステーションに参加。一躍日本でも有名になり、世界中で大ヒットを飛ばしました。そのパワーステーションのメンバーをそのまま迎え入れてのアルバムですので、パワステ同様ハードファンクロックの硬質な作品になっています。

1. Riptide
2. Hyperactive
3. Addicted to Love
4. Trick Bag
5. Get It Through Your Heart
6. I Didn't Mean to Turn You On
7. Flesh Wound
8. Discipline of Love
9. Riptide (Reprise)

ジャズスタンダードナンバーのようなRiptideをエレクトリックポップなアレンジで軽く始まる作品ですが、Hyperactive からハードファンクロックな曲が始まります。パワーステーションはテイラー兄弟の他は元シックのリズムセクション。ベースのバーナードエドワードとドラムのトニートンプソンからなります。このトニーのドラムが凄いのです。勿論流行のゲートサウンドに仕上げていますが、生音から凄いと評判のドラマーでした。そしてパワーステーションというスタジオの音も迫力のあるものが録音出来、それにゲートをかけたドラムはもの凄いサウンドになるのでした。

このゲートリバーブサウンドが出来る迄は、こんな音が出せるドラマーはジョンボーナムくらいのものでしたが、80年代にはこういった迫力のあるドラムサウンドが創れるようになったのです。しかし下手をするとみんな同じような音になりがちなのですが、トニーは生音から凄い訳ですから、他では真似出来ないようなサウンドになっています。それが顕著なのがヒット曲Addicted to Loveです。MTVの効果もあり、ロバートパーマーのなは一躍誰もが知る存在となったのです。

Get It Through Your Heartでは又ジャズスタンダード風の曲で和ませ、 I Didn't Mean to Turn You Onで又ハードファンクロックが炸裂です。これもヒットしました。Flesh Woundではもろレッドツェッペリン風のハードなドラミングが炸裂します。ギターリフもツェッペリン的ですが、パーマーのボーカルはクールでセクシーです。吐息はサンプリングのようです。Discipline of Loveもヒット曲で、パワステのプロダクションそのままの音です。ロバートパーマーのアルバムの中でも一番ヒット曲が多く、パワステの音を求めているならこのアルバムになります。パワステのセカンドよりもこちらの方が出来がいいです。正に自分達で時代の音を創り出した訳ですから、売れ線になったというものでもありません。これもロバートパーマーの挑戦の一つだったのです。その為、パワステのツアーには参加せず、自分の作品創りに精を出していきます。

Riptide

Addicted to Love

Get It Through Your Heart

I Didn't Mean to Turn You On

Discipline of Love

[20070121]

Pride Pride
Robert Palmer (1990/06/15)
Polygram Records
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このアルバムのテーマは民族音楽です。トーキングヘッズに対抗しているとは思いませんが、エスニックな要素を随所にちりばめたテクノサウンドです。サルサ、レゲエ、中近東音楽、ジュジュなど幅広い民族音楽を発展させた形になります。ルパートハインやシステムの協力により創られています。

1. Pride
2. Deadline
3. Want You More
4. Dance for Me
5. You Are in My System
6. It's Not Difficult
7. Say You Will
8. You Can Have It (Take My Heart)
9. What You Waiting For
10. Silver Gun

Prideは当時流行っていたフィジカルブーム、特にオリビアニュートンジョンへの批判が歌われています。かなりトロピカルな曲ですが、ディスコでもかけられるように12インチシングルにもなっています。アルバム全体に共通しているのはエレクトリックファンクのグルーヴです。You Are in My Systemはテクノダンスサウンドで、システムというテクノ集団とのコラボレートです。

当時の流行のサウンドを取り込みながらもその先を見据えている姿勢が好感が持てます。イギリスでも受けたのですが、日本だけはまだまだです。MTVが日本で紹介される迄はその土壌が出来ていなかったのでしょうが、この頃のロバートプラントの作品が一番面白いです。あまりにも音楽的要素が多かったというのが受けなかった要因かもしれません。単純明快なものしか受け入れないというのは現在も同じかもしれません。確かにこの作品は実験的で野心に溢れていますが、こういう音楽こそが聴き応えがあると思うのは私一人でしょうか。

You Are in My System

[20070121]

Maybe It's Live Maybe It's Live
Robert Palmer (1993/05/27)
Island
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A面にあたる部分がライブでB面にあたる部分がスタジオ盤で構成されたアルバムです。ライブでは彼の代表曲が網羅されており、結構ハードロックライクなバンドサウンドによる演奏が迫力があります。スタジオ盤では前作のアウトテイクが収められており、テクノポップな曲があります。

1. Sneakin' Sally Through the Alley [Live]
2. What's It Take? [Live]
3. Best of Both Worlds [Live]
4. Every Kinda People [Live]
5. Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor) [Live]
6. Some Guys Have All the Luck
7. Style Kills
8. Si Chatouillieux
9. Maybe It's You
10. What Do You Care [Live]

ファンクナンバーのSneakin' Sally Through the Alleyもハードな演奏でカッコいいです。マーヴィンゲイのようなEvery Kinda Peopleにはいつもながらうっとりさせられますが、何と言ってもBad Case of Loving You のロックンロールが盛り上がります。

このアルバムの目玉はロッドスチュアートがカバーしてヒットさせたSome Guys Have All the Luckが入っている事です。このオリジナルの方が格好良くて私は好きです。テクノ的なアレンジにソウルフルなボーカル。しかしロバートパーマーの凄いのは1音、2音開きのある音程をいとも簡単にスラーで繋げていく事です。さすがにロッドもここ迄はカバーしきれておりません。本格的なソウルシンガーでもここ迄歌いきれる人は少ないです。そしてテクノ的なクールな歌い回しがしびれます。Si Chatouillieuxにはトーキングヘッズつながりからエイドリアンブリューが参加しています。テクノとニューウェイブの融合した非常にユニークな曲です。

アメリカやイギリスでは早くから人気のあったロバートパーマー。特に女性に人気があったようですが、日本ではこの時点でも玄人にしか注目されておりませんでした。久保田利伸が出てくる迄は日本にブラックミュージックへの開かれた土壌が無かったのです。今でこそヒップホップ系が受けいられていますが、昔はそんなセンスのある人は少なかったのです。ま、現時点でヒップホップをやっているというのはセンスがあるとは言えませんが。そんな現在の黒人音楽への理解がある時点からロバートパーマーを見直すのは非常に有意義であると思います。

Bad Case of Loving You

Some Guys Have All the Luck/Rod Stewart

[20070121]

Clues Clues
Robert Palmer (2001/08/06)
Island
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ロバートパーマーが当時の時の人、ゲイリーニューマンに接近して創られたアルバムです。その為。エレクトリックポップ、日本で言うテクノポップ調の曲がありますが、基本は前作からやっているロックンロールを基調としています。プロデュースはロバートパーマーですが、エンジニアは天才アレックスサドキンです。その為、非常にメリハリの利いたミックスになっています。初期の頃のようなルーズなグルーブではなく、かなりジャストな刻みです。

1. Looking for Clues
2. Sulky Girl
3. Johnny and Mary
4. What Do You Care
5. I Dream of Wires
6. Woke up Laughing
7. Not a Second Time
8. Found You Now

この頃からアルバムごとにいろんなジャンルを取り込んでいき、デヴィッドボウイのような変幻自在のアーティストというイメージがついていきます。私もゲイリーニューマン繋がりでこのアルバムから聴くようになりました。Looking for Cluesは軽快なロックンロールで、ブレイクに入るギターの音がユニークです。Sulky Girlはストーンズのようなノリのある曲です。Johnny and MaryとWhat Do You Careではシンセが入りエレクトリックな曲になりますが、もろテクノポップはI Dream of Wiresになります。

Woke up Laughingからは一転してトロピカルな雰囲気になります。しかしシンセのアルペジオがテクノ的でクールです。Not a Second Timeはビートルズのカバーです。シンセも活かしたロックンロールに仕上げており、80年代らしいアレンジになっています。Found You Nowはテクノのようで民族音楽のようでもある不思議な曲です。このアルバムからソウルだけではなく、ポピュラーミュージックの先頭に立って歌の追求をしていくようになります。記念すべき名盤であります。パワーステーションに参加する前も、このようなユニークな作品を作っており、ロックファンにも充分聴き応えのある名作です。

Looking for Clues

Johnny and Mary

[20070120]

Secrets Secrets
Robert Palmer (1990/06/15)
Island
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これ迄のスタジオミュージシャンを起用してのレコーディングは止めて、馴染みのツアーメンバーで録音された、バンド志向の作品です。よりロック色が強まり、ロック側の人間にも注目されるようになります。

1. Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)
2. Too Good to Be True
3. Can We Still Be Friends?
4. In Walks Love Again
5. Mean Old World
6. Love Stop
7. Jealous
8. Under Suspicion
9. Woman You're Wonderful
10. What's It Take?
11. Remember to Remember

Bad Case of Loving Youはロックンロールのカバーですが、これがビッグヒットとなります。Can We Still Be Friendsはトッドラングレンの名曲です。元々トッドもソウルからAOR的なコードワークで作曲していますが、それを曲本来が持つソウルフルな歌を歌う事により曲の本来の良さを活かしています。Mean Old Worldはアンディーフレイザーの曲です。アンディーはかなりソウルフルな曲を創りますが、ポールロジャースに似ているパーマーの歌は見事にハマっています。

話題曲満載でニューウェイヴ全盛の時代にあった音創りになっています。 Jealousはまるでパンクですが、さすがに歌がうまいので格好いいです。マイペースのようでいて、しっかりと時代の音に敏感なところが彼にはあります。その為、ロックファンには一番親しみ易いアルバムになっています。ナッソーに居をかまえコンパスポイントでレコーディングされており、当時はトーキングヘッズもここでレコーディングしています。ヴァカンス気分で録音出来るのでしょうか。このアルバムからロック会からも注目を大いに浴びて、数々の名作を生み出していきますが、初期も含めて彼のアルバムに凡作はありません。全てお勧めです。

Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)
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[20070120]

2007年が始まりApple Computerは改めAppleという名称となりました。これはコンピューターのみではなく、家電業界へも進出するという意思の現れであります。
そこで発売されたのがMAC TV。i padに入れた映像を過程のテレビでも楽しめるという製品です。私個人的な感想と仕手は、テレビで楽しみたいコンテンツが増えなければ必要ないものでありますが、いかがなものでしょうか。

それとAir Macの新しいバージョンが出ました。

Apple Store(Japan)
Apple Store(Japan)

そしてi phoneが6月にアメリカで出ますが、日本ではまだ携帯としては使えないようです。しかし、これにはMAC OSXが入っており、モバイルPCとしては使い勝手が良いようです。タッチパネルで操作するのですが、かなりスムーズに画面展開しています。下記リンクからその模様が見れます。もう少しHDの容量が増えると良いようですが、価格も結構するようです。

MacWorld 2007

iPhone

[20070120]

Double Fun Double Fun
Robert Palmer (2001/08/06)
Island
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ニューソウル風のロマンティックなEvery Kinda Peopleが初のヒット曲となり、最初に彼を有名にしたアルバムです。他にも幅の広いジャンルをソウルフルに歌うバラエティーに富んだアルバム担っています。

1. Every Kinda People
2. Best of Both Worlds
3. Come Over
4. Where Can It Go?
5. Night People
6. Love Can Run Faster
7. You Overwhelm Me
8. You Really Got Me
9. You're Gonna Get What's Coming

ストリングスアレンジをジミーペイジが担当しているそうですし、ヒットしたEvery Kinda Peopleは元フリーのアンディーフレイザーの作品です。御馴染みのアラントゥーサンのNight Peopleのアレンジは格好いいです。、キンクスのYou Really Got Meをヴァンへイレンよりも早くカバーしています。アップビートのファンクフルなアレンジが渋いです。You Overwhelm Meにはマーヴィンゲイの影響が伺えます。

ロックにもソウルフルな歌が存在します。パーマーにとってはロックも自分の音楽の一部となっているのでしょう。この辺りからロックよりな曲も手がけていきます。You're Gonna Get What's Comingはもろハードロックです。パワーステーションでカバーしたゲットイットオンのようなブギースタイルで、バックコーラスでデュランデュランといっているのは何かの予言でしょうか。ジャケットもパーマーしか映っていませんが、男物と女物の水着が脱ぎ捨てられているところが意味深です。お馴染みになったレゲエ調のBest of Both WorldsとLove Can Run Fasterもカッコイイ曲です。パンク以降に流行ったレゲエと同じ時代でもあり、これは時代にマッチしているのでしょうが、かなり洗練されていてポップスとしても優れた仕上がりです。

メジャーになる前にこれだけの音楽性を誇っていたことが素晴らしく、それに気づかなかった世間のアンテナの感度の悪さが嘆かれます。今の時代でも充分通用する音楽ですので、再評価していただきたいと思います。

Every Kinda People/Liveshow 10

Every Kinda People/percussion

[20070120]

Some People Can Do What They Like Some People Can Do What They Like
Robert Palmer (1990/06/15)
Island Masters
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このアルバムはロサンジェルスでジェフポーカロなどのセッションミュージシャンを集めて創られています。これ迄のようにサザンファンク色もありながら、都会的なアレンジもされており、トロピカルな味付けも加わり、非常にユニークな内容になっています。

1. One Last Look
2. Keep in Touch
3. Man Smart (Woman Smarter)
4. Spanish Moon
5. Have Mercy
6. Gotta Get a Grip on You, Pt. II
7. What Can You Bring Me
8. Hard Head
9. Off the Bone
10. Some People Can Do What They

ロバートパーマーはシンガーであり、彼の命題はその歌唱力の追求であり、ジャンルにこだわらない部分もあります。基本は黒人音楽を主体としながらもその枠をはみ出す事に何ら躊躇していない自由なスタンスも持ち合わせています。それが彼をこれからもっとメジャーにしていくのですが、このアルバムではまだしっかりソウルしています。しかし、至る所に新しいニュアンスを含んでいるのです。

それは単なる黒人の真似事をしているのではなく、黒人のフィーリングをしっかりと吸収しながらも自分のものとしている自信の現れからではないでしょうか。ハードロックバンド、フリーのポールロジャースとアンディーフレイザーのコンビネーションがもっとうまくいき、長く続いていたならば、きっとこんな音楽を作っていたのではないかと想像させるグルーヴが溢れています。Gotta Get a Grip on Youではパーラメントのバニーウォーレルのような素っ頓狂なシンセ音を使ったりとP-FUNKのパロディーのようです。実に幅の広い内容です。タイトル曲Some People Can Do What Theyの何とカッコイイ事か。これがこの時代にヒットしてなかった事が不思議なくらいです。

Spanish Moon

[20070120]

Pressure Drop Pressure Drop
Robert Palmer (1990/06/15)
Island
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ファースト同様ローウェルジョージ協力の元、リトルフィートがバックを固めたセカンドアルバムです。日本ではこのアルバムから紹介されました。このアルバムの特徴としては、当時アメリカで流行っていたニューソウルのエッセンスを見事に表現しているところです。スタイリスティックスのようなムーディーな曲が多いです。

1. Give Me an Inch
2. Work to Make It Work
3. Back in My Arms
4. Riverboat
5. Pressure Drop
6. Here With You Tonight
7. Trouble
8. Fine Time
9. Which of Us Is the Fool

この手のダンディズムを追求するブライアンフェリーにしろ、なぜかジャケットには女性を出したがるもので、このアルバムも裸の女性が印象的です。しかしパーマーがもっているテレビのリモコンがコードで繋がっているところが時代を感じさせます。現在では逆にノスタルジックなkん未来的な印象を受けます。ちなみにリトルフィートのメンバーに混じって、イギリスのプログレ会で有名なメルコリンズも参加しています。

アラントゥーサンのRiverboatやレゲエのPressure Dropなどのカバーからも彼の音楽的センスが伺えます。しかしレゲエにニューオリンズ風のファンキーなピアノが見事にマッチしています。ソウルファンクファンにはロバートパーマーのアルバムにはずれは無いと思います。又、フリーやバッドカンパニーなどのハードロックファンにも楽しめる作品ばかりです。ポールロジャースもパーマーのような柔軟性があればもっとソロアルバムを売る事が出来たでしょう。この時代はあまり知られていませんが、ソウルファンにしてみればかなりカッコイイ曲が満載です。はずれ無しです。

Robert Palmer - Mercy Mercy Me/I Want You

[20070119]

Sneakin' Sally Through the Alley Sneakin' Sally Through the Alley
Robert Palmer (1990/06/15)
Island
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ホール&オーツ同様、もともとソウル嗜好だったのがこのロバートパーマーです。80年代のブリティッシュブルーアイドソウルブームによって、時代が彼に頬ずりをしたのです。フィラデルフィアソウルやニューオリンズのファンクやセカンドラインファンクを感じさせるソウルフルなデビューアルバム出す。ここから徐々に時代の音を吸収して売れ出し、パワーステーションのボーカリストに選ばれてからは誰もが知る存在となりました。しかし、この頃はまだ知る人ぞ知るという存在でした。

1. Sailin' Shoes
2. Hey Julia
3. Sneakin' Sally Through the Alley
4. Get Outside
5. Blackmail
6. How Much Fun
7. From a Whisper to a Scream
8. Through It All There's You

イギリス人のロバートパーマーはこのアルバムを創るにあたりアメリカに飛んで、スタッフのメンバーや、ニューオリンズに赴き、ローウェルジョージの協力のもとこの作品を完成させました。黒人の真似をするというのはアメリカでは許しがたい事で、ブルースをやろうものなら不良と言われていた60年代、イギリスではヒップな存在としてブルースがもてはやされました。しかしソウルとなると歌唱力も必要で、白人で歌えるというのはスティーヴィーウィンウッドやスティーヴマリオット、ロッドスチュアートくらいなものでした。そんな歌唱力を持ち合わせたダンディやさ男ロバートパーマーのファーストアルバムは、かなり本格的で、黒人特有のルーズなグルーヴを見事に表現しております。

白人のソウルシンガーとしてはあまりにも本格的だった為、グラムロックやパンクの時代には注目されておりませんでした。日本でも此のファーストアルバムは人気が出てから発売されました。どちらかというとポールロジャースの声や歌い方が似ております。ローウェルジョージは矢野顕子のプロデュースをしたりとユニークなミュージシャンで、その才覚がこのアルバムにも現れており、かなり水準の高いアルバムに仕上がっています。隠れた名盤と言えるでしょう。

Robert Palmer Interview

[20070118]

Confessions of a Pop Group Confessions of a Pop Group
The Style Council (2004/02/16)
Spectrum
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このアルバムは評論家から散々に酷評されました。音楽的には素晴らしい内容なのですが、ファンの求めているものとは違う方向に行ってしまったのです。それでも内容は申し分ありません。A面にあたる前半はクラシカルな静の部分を表現し、B面にあたる後半ではエレクトリックファンク的なダンサブルな内容になっています。

1. It's a Very Deep Sea
2. Story of Someone's Shoe
3. Changing of the Guard
4. Little Boy in a Castle (A) /A Dove Flew Down from the Elephant (B)
5. Garden of Eden: A Three Piece Suite: In the Beginning/The Gardener ...
6. Life at the Top Peoples Health Farm
7. Why I Went Missing
8. How She Threw It All Away
9. Iwasadoledadstoyboy
10. Confessions 1, 2, & 3
11. Confessions of a Pop-Group

静かなピアノ弾き語りのIt's a Very Deep Seaなどは以前もやっていたので違和感はありません。その美しさに浸れます。Story of Someone's Shoeではスィングルガールズのバックコーラスを入れ、新たな感覚を披露します。Changing of the GuardやGarden of Edenではビッグバンドジャズ風のアレンジにオーケストラという壮大な音楽にDCリーのボーカルという流れです。これ迄の作品から比べるとかなり暗く重たい雰囲気を持っています。

いかにも80年代らしいWhy I Went Missingは軽快でHow She Threw It All Awayもニューソウルライクな曲です。白人でこれだけのセンスを出せるというところが彼等の凄いところです。それでいてポップスとしても成り立っています。これ迄紹介してきたソウルミュージックも名曲が沢山ありましたが、それと同レヴェルでありながら現在進行形なサウンドに仕立てている所が捨ているカウンシルの最大の魅力であります。

これ迄の作品に比べると大きなヒット曲が無かったので地味な存在ですが、音楽的にも優れたアルバムです。ただあまりにも酷評された為、新作のレコーディングを終えていたのですが、発表する事無く解散させます。その未発表音源は後に日本だけでリリースされましたが、現在は廃盤になっています。しかし、間違いなく時代に風穴を空けたスタイルカウンシルの評価は下がるものではありません。今も尚リスペクトされているバンドであります。

It's a Very Deep Sea

Changing of the Guard

Life at the Top Peoples Health Farm

How She Threw It All Away

[20070118]

Cost of Loving Cost of Loving
The Style Council (2000/08/21)
Polydor
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前作マイフェヴァリットショップで人気をはくしましたが、それが頂点でした。このアルバムでは別の方向性を模索し始めます。よりエレクトリックファンクの傾向が強くなります。これまでにもその傾向はありましたが、このアルバムでは真面目にやり過ぎました。

1. It Didn't Matter
2. Right to Go
3. Heavens Above
4. Fairy Tales
5. Angel
6. Walking the Night
7. Waiting
8. Cost of Loving
9. Woman's Song

元々生真面目な性格のポールウェラーですから、シリアスな内容にすると面白みが薄くなってしまうのです。最初の頃の遊び感覚があるくらいがちょうどいいのです。それでもダンサブルな楽曲が多くていいのですが、バンドライクな創りが、これ迄の手作り感が薄れ、まとまり過ぎているように感じます。

最初の頃のノスタルジックでありながら新鮮だった感覚ではなく、この時代の音になっていた事が逆にファンを引かせてしまいました。何と言ってもミックタルボットの定番だったソロ作品が無いのが寂しい限りです。Right to Goでのストラトのハーフトーンを使ったカッティングやラップを入れたりと時代の音を入れている分つまらなく感じます。

バンドとしてがっちりした創りが重かったりもします。しかし内容は別に悪い訳ではありません。最初の頃の作品があまりにも素晴らし過ぎたのです。未完成な部分もありながら楽曲が良かった初期に比べると、完成度は高くとも楽曲としての魅力が足りない感があります。それでもこれだけの作品を創り出せるのはただ者ではありませんが。

It Didn't Matter

Heavens Above

[20070116]

Our Favourite Shop Our Favourite Shop
The Style Council (2000/08/14)
Polydor
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スタイルカウンシルの最高傑作アルバムです。というかこのアルバム迄のミニアルバムもふくめて最初の3枚は申し分のない名作です。ジャズ、ソウルファンク、ボサノヴァ、ロック、クラシック、シャンソン、あらゆる多彩な音楽が溢れる音の玉手箱のような一枚です。黒人側からロックよりな曲をやると癖のあるものになりがちですが、ロック側からソウルファンクをやるとこれほどカッコ良くなるという事が分かっていただけると思います。

1. Homebreakers
2. All Gone Away
3. Come to Milton Keynes
4. Internationalists
5. Stones Throw Away
6. Stand Up Comics Instructions
7. Boy Who Cried Wolf
8. Man of Great Promise
9. Down in the Seine
10. Lodgers (Or She Was Only a Shopkeeper's Daughter)
11. Luck
12. With Everything to Lose
13. Our Favourite Shop
14. Walls Come Tumbling Down!
15. Shout to the Top! [USA Remix]

Shout to the TopとWalls Come Tumbling Downというヒット曲も含めてInternationalistsなどで見られるメッセージ性の強い歌詞を軽快なサウンドに乗せるセンスの良さが光ります。ソウルミュージックをやってもパンクスであり続けるポールウェラーの意思表示のような曲です。今夏意のタルボット節はOur Favourite Shopでラテン風のオルガン曲です。Walls Come Tumbling Downはリズム&ブルースとしても名曲に入る曲です。部分的にサンプリングをボーカルに使って言いますが、そこはご愛嬌というところでしょうか。

これ迄はポールとミックタルボットの二人を中心に創られておりましたが、準メンバーとしてドラムのスティーヴホワイトが定着し、バックボーカルに女性黒人シンガーのDCリーも準メンバーになりかけています。その為、今作はバンドサウンドプラスホーンやストリングスが加わり、ゴージャスな音使いになっています。上記ヒット曲以外の曲もチャーミングな曲だらけで、どの曲も愛聴され続けられる曲ばかりです。

個人的にはMan of Great Promiseのスウィートでキュートな曲が好きです。どの曲も短くまとめられ、それがたっぷりと並べられた、彼等のフェヴァリットショップのようにレイアウトされています。スタイルカウンシルの人気を決定的にした名盤で、新しいファンもこのアルバムからつくようになりました。軽快な曲が多く、パンクに比べると軟弱になった印象ですが、それでも研ぎすまされた鋭利な感覚を覚えるという不思議な奇跡のような音楽がここにはあります。

Homebreakers

Come to Milton Keynes

Stones Throw Away

Boy Who Cried Wolf

Man of Great Promise

Lodgers

With Everything to Lose

Walls Come Tumbling Down

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