スクェアプッシャーの最大の問題作です。打ち込み無しのブレイクビーツ無し。これまではフュージュンっぽさも打ち込みの上で演奏していましたが、完璧に自分で全ての楽器を演奏しています。テクノ系だから聴いていたファンにとっては思いっきり別の分野にとばされたような作品です。しかし元々フュージュンファンだった私にとっては一番好きなアルバムです。
1. Chunks
2. Don't Go Plastic
3. Dust Switch
4. Curve 1
5. 137 (Rinse)
6. Parallelogram Bin
7. Circular Flexing
8. Ill Descent
9. My Sound
10. Drunken Style
11. Theme from Vertical Hold
12. Ruin
13. Shin Triad
14. Step 1
15. Last Ap Roach
一応曲名はありますが、全てが繋がったような一連の流れのある作品です。テクニック的にはジャズミュージシャンにはかないませんので、あえて彼がこのような
音楽をやる必要はないといった意見がありましたが、彼が一人でやる事に意味があると私は思います。一人でやっている私にとっても、この一人フュージュン大会は憧れの世界です。でもただのフュージュンではなく、アンビエントな音響派に通じるサウンドになています。
テクニック的には専門分野の人にはかなわなくても、この挑戦が後のジャムバンドブームに影響を与えた事は疑いありません。一人多重録音なのに即興演奏のように展開しているのです。初期のウェザーリポートのような実験性とテクノモダーンなアンビエンツ。非常にアシッドなアルバムです。ドラムンベースを期待して聴いてはいけません。もっと危険なドープな
音楽です。この路線を突き詰めていって欲しかったけれども、テクノファンが許してはくれませんでした。しかし私にとっては最高の心地良さをもたらす名盤です。
Chunks