日本を代表するトランぺッター近藤等則とのコラボレイトアルバムです。近藤等則はエレクトリックマイルス路線をいくミュージシャンです。マイルスもTUTUではヒップホップとの融合を試みておりましたが、この作品はそれ以上にクールな仕上がりになっています。
1. Toh-Sui
2. Tobira-1
3. Mu-Getsu
4. Ha-Doh
5. Sun Is Shining
6. Mu-Chu
7. Tobira-2
8. Fu-Yu
9. Ki-Gen
10. Ko-Ku
11. Shoh-Ka
12. Bu-Seki
13. Tobira-3
近藤等則のミュートトランペットはとてもリリカルですが、DJクラッシュのトリップホップと溶け合うことで淫猥で頽廃的な響きとなります。これはマイルスでも辿り着けなかった世界であり、新たなジャズとヒップホップ、ブラックミュージックとしての可能性を示したアルバムだと言えます。
しかし演奏力のあるジャズミュージシャンは原点回帰する人ばかりで、この先の景色を見てみようとするミュージシャンは現れてきませんので、このアルバムはまるで孤高の作品のようになっています。トランペットの旋律が入る事により分かり易くもなっていますが、それ以上にここで起きている化学変化は価値のあるものだと思います。結構隠れた名盤です。
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