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[20070630]

Mingus in Europe Mingus in Europe
Charles Mingus (1993/11/18)
Enja
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Mingus in Europe, Vol. 2 Mingus in Europe, Vol. 2
Charles Mingus (1997/11/17)
Enja
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WORKSHOPのメンバーでヨーロッパツアーした時のライブ盤です。コンボプレイによるソロの応酬が聴きものです。フリージャズが芽生え出した頃ですが、それに負けないくらいの熱いステージになっています。

Mingus in Europe Vol. 1
1. Fables of Faubus
2. Starting
3. Meditations
Mingus in Europe, Vol. 2
1. Orange Was the Color of Her Dress, Then Blue Silk
2. Sophisticated Lady
3. At FW USA (A.K.A. At Fy Ou)
4. Peggy's Blue Skylight
5. So Long Eric

圧巻はやはりエリックドルフィーです。ドルフィーのような若手の台頭は明らかにミンガスにも刺激になっています。ビバップもモードもフリーもメンバーとの駆け引きが重要になってきます。独りよがりなプレイではまとまらないのです。自分以外のプレイヤーとの関わりがその日の演奏に明らかに反映されるのがジャズです。Fables of Faubusではミンガスのベースとドルフィーのサックスの語り合いが聴きものです。性格的なものが垣間見えます。

御馴染みの曲でもライブでは毎回違う表情をしているのです。ですからジャズではライブアルバムが大きな意味を持っています。ミンガスもスタジオ盤以外にも膨大なライブ音源をかかえています。そのどれもが興味深いものばかりです。特にエリックドルフィーがいた頃のライブはかなり白熱しております。

Fables of Faubus

So Long Eric

Jazz Workshop

Amazing Eric Dolphy solo
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[20070630]

Let My Children Hear Music Let My Children Hear Music
Charles Mingus (1992/04/21)
Columbia
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ミンガスのバンドメンバーには修行のような日々が続きます。ミンガスは楽譜を渡しませんので、口頭で指示を与えて、各メンバーの資質を引き出すようにしむけます。それはオーケストラでも同じで彼はある意味指導者なのです。そんなミンガスが子供の為に始動した事もあります。このアルバムもそんな未来のミュージシャンへのメッセージが込められているのでしょう。

1. Shoes of the Fisherman's Wife Are Some Jive Ass Slippers
2. Adagio ma Non Troppo
3. Don't Be Afraid, the Clown's Afraid Too
4. Taurus in the Arena of Life
5. Hobo Ho
6. Chill of Death
7. I of Hurricane Sue

オーケストラによる演奏はジャズではありません。まるで映画音楽のようですが、とても質の高い音楽が創られています。彼は自分の成長も目指しながら、他社の成長も望んでいたのです。許されない事は怠慢だけです。真剣な思いには真剣に応えるだけの容量を持っていました。ただ気に食わない事には徹底して攻撃的になるのがミンガスなのです。

このアルバムはその真剣に音楽と向き合うものだけに許された愛を感じます。愛情といっても男と女のそれとはスケールが違います。音楽に対する愛は人類愛をも超越すると私は日頃から思っています。それがこのアルバムにはあるのです。ジャズではない作品にもミンガスの音楽は見事に表現されています。

Mingus Epitaph Orchestra

[20070630]

Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus
Charles Mingus (1995/08/15)
Verve
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The Black Saint and the Sinner Lady,Mingus Plays Pianoとともにインパルスレーベルでの3部作と言われている作品です。こちらではエリックドルフィーやブッカーアーヴィンなど所謂WORKSHOPのメンバーになっています。しかしこのインパルスでの吹き込みではどうもテーマはエリントンのようです。ここでもジャズオーケストレーションをコンボスタイルでやっています。

1. II B.S.
2. I X Love
3. Celia
4. Mood Indigo
5. Better Get Hit in Yo' Soul
6. Theme for Lester Young (Goodbye Pork Pie Hat)
7. Hora Decubitus
8. Freedom

Celiaでのセクシャルな色気はエリントン譲りであり、エリントン以外でここまでやってしまう人はミンガスくらいなものです。プリンスはビートがエロいですが、このエリントン、ミンガスの場合はアンサンブルがエロいのです。

このエロさをバンドメンバーにも徹底させているところが凄いです。彼らは普段ここまで官能的なプレイはいたしません。それでもこのアルバムに収められている演奏はとてつもなく官能的なのです。これだけの表現力をもったエロい演奏は他には無いのではないでしょうか。そのフレーズの一つ一つがまるで艶かしい愛撫のようです。そしてそのアンサンブルがオーケストレーションとして昇華した時には止めどのない果てしないオルガズムスへと登り詰めていくのです。知性の化けの皮がはがされるくらいのエロさです。

Goodbye Pork Pie Hat

Freedom

[20070630]

Mingus Plays Piano Mingus Plays Piano
Charles Mingus (1997/03/25)
Mobile Fidelity
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作曲家でもあるチャールズミンガスはピアノの腕も持っています。タイトル通り、このアルバムはピアニストとしてのミンガスに焦点をおいています。

1. Myself When I Am Real
2. I Can't Get Started
3. Body and Soul
4. Roland Kirk's Message
5. Memories of You
6. She's Just Miss Popular Hybird
7. Orange Was the Color of Her Dress, Then Silk Blues
8. Meditations for Moses
9. Old Portrait
10. I'm Getting Sentimental over You
11. Compositional Theme Story: Medleys, Anthems and Folklore

スタンダードナンバーからオリジナル曲としっとりとしたムーディーなジャズナンバーが揃えられています。反骨精神な部分ばかり注目されているミンガスですが、こういうロマンティックな部分も持った男だったのです。余分なビートはありませんが、ミンガスのピアノには独特のグルーブを感じます。バドパウエルをもっと繊細にしたような感じでしょうか。

純粋にジャズバラードが楽しめますが、こういう雰囲気で口説かれる女性には結構強引なイメージを与えてしまうでしょう。そこがミンガスらしいところではありますが。Orange Was the Color of Her Dress, Then Silk Bluesは有名な艶かしさを持った曲ですが、これはピアノソロよりもオーケストラバージョンの方が名演です。

ちょっと変わったミンガス作品としてこのようなアルバムもたまにはいいのではないでしょうか。

I Can't Get Started

[20070630]

The Black Saint and the Sinner Lady The Black Saint and the Sinner Lady
Charles Mingus (2001/01/01)
Impulse
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黒い聖者と罪ある女という邦題で、ある詩を元に創られたバレエ音楽となっています。つまり組曲のような構成です。自分でもレーベルを立ち上げるなど、ミンガスはいろんなレーベルから作品を出しています。それは白人による搾取が鼻持ちならないかららしいです。

1. Track A - Solo Dancer
2. Track B - Duet Solo Dancers
3. Track C - Group Dancers
4. Mode D - Trio and Group Dancers/Mode E - Single Solos and Group Dance

音楽的にはデュークエリントンのジャングルサウンドの影響が強いです。ただでさえ艶かしいジャングルサウンドにミンガスはもっとお下劣とも言えるエロティシズムを加えています。その分ロック的には格好良く聴こえます。そしてフラメンコの要素を取り入れており、アコースティック楽器ですが、まるでリターントゥフォーエヴァーを予感させるフュージュンのような音楽性も確立しています。

とても洗練されたアレンジではありますが、どこか人間の本能に呼びかけるような生々しさがあるのがミンガスの特徴です。エリントンの影響でジャズオーケストレーションにより、マイルスが先頭に立つジャズの進化とは別の道を進んでいますが、これはこれで革新的なジャズだと思います。マイルスもスパニッシュな音楽をやったりしましたが、こちらはもっと激しく荒々しいフラメンコになっています。フュージュン、プログレの先取りですね。ロックファンがジャズに近づくには、こういう作品から入った方がいいかもしれません。とても格好いいです。

Solo Dancer/4

[20070629]

Oh Yeah Oh Yeah
Charles Mingus (2004/05/03)
Rhino
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ミンガス流のブルースアルバムです。しかもミンガスはベースをダウグワトキンに任せ、自分はピアノとボーカルというポジションにいます。それなのにここに流れる音楽はミンガスミュージックなのであります。意表をついた作品ですが、ミンガスサウンドは堪能出来るという訳です。

1. Hog Callin' Blues
2. Devil Woman
3. Wham Bam Thank You Ma'am
4. Ecclusiastics
5. Oh Lord, Don't Let Them Drop That Atomic Bomb on Me
6. Eat That Chicken
7. Passions of a Man
8. "Old" Blues for Walt's Torin
9. Peggy's Blue Skylight
10. Invisible Lady

ホーンセクションがブッカーアーヴィンのテナー、ローランドカークのフルート、テナーetc、ジミーネッパーのトロンボーンとなっています。特にカークのブヒブヒテナーの訛具合がミンガスサウンドにマッチしています。

見んが寸簿ボーカルはブルースとしてはしっくりきています。アルバムタイトルのOh Yeahというシャウトが多いです。Wham Bam Thank You Ma'amというとデヴィッドボウイのジギースターダストを思い出しますが、これは黒人特有のかけ声で、ロックンロールでよく使われていました。カークとアーヴィンのテナー合戦が聴きものです。

どんなに個性の強いミュージシャンをバックに起用しても、ミンガスの音楽になってしまうところは流石です。スリーコードのブルースもミンガス色に染まっています。ベースはやっぱりミンガスの方が良いですが、悪くはありません。ミンガスのピアノもいい味を出しています。

Peggy's Blue Skylight

Lover Man

[20070629]

K-1 WORLD MAXは中量級でスピードもあり、KOもあるので面白いのですが、本来はこの時期が決勝トーナメントでした。しかし今年は10月にあります。今回は開幕戦でしたが、面白い試合ばかりでした。

オープニングファイト
× ノンタナン・ポー.プラムック vs ファリッド・ヴィヨム ○
○ 名城裕司 vs 白虎 ×
△ 尾崎圭司 vs パクウィング・ヒョング △

スーパーファイト
○ TATSUJI vs アンディ・オロゴン ×
アンディの方が優勢に見えましたが、判定でTATSUJIが勝ちました。納得のいかない結果でした。しかし双方とも試合運びなど課題が残る内容でした。
○ 小比類巻貴之 vs ツグト“忍”アマラ ×
小比類巻のローキックが効いて判定で何とか勝ちましたが、小比類巻の成長は見られませんでした。病み上がりなのでしょうがないのかもしれませんが。

世界一決定トーナメント
○ アルトゥール・キシェンコ vs イ・スファン ×
イ・スファンは結構良い選手で頑張りましたが、アルトゥールの攻撃は凄まじく、KOとなりました。
× ドラゴ vs マイク・ザンビディス ○
両者激しい打ち合いを続け、延長まで行きました。何とかザンビディスが判定勝ちしましたが、互角と言ってもいいくらい拮抗しておりました。
○ 佐藤嘉洋 vs デニス・シュナイドミラー ×
佐藤のローキック地獄で判定勝ちしました。強いとは思いますが、もっとKOも見てみたいです。
○ アンディ・サワー vs オーレ・ローセン ×
オーレ・ローセンは打たれ強いのですが、サワーのパンチでKO。今年のサワーは強そうです。
○ アルバート・クラウス vs ヴァージル・カラコダ ×
今年のクラウスは今までで一番良い動きを見せました。常に攻撃を仕掛けていましたが、これもKOまで行かず判定で何とか勝ちました。
○ ブアカーオ・ポー.プラムック vs ニキー“ザ・ナチュラル”ホルツケン ×
王者ブアカーオは無敵ですが、これもKOは出来ず。なぜあれだけ強いのにKOが出来ないのでしょうか。決勝までにはもっと万全に仕上げて来るとは思いますが。
○ 魔裟斗 vs J.Z.カルバン ×
魔裟斗の圧倒的な優勢勝ちでした。カルバンがまるでボブサップに見えました。しかしカルバンは良いパンチを沢山貰いましたが、ダウンしませんでした。その為判定で魔裟斗が勝ちました。

MAXはヘヴィー級より密度が濃いです。この序盤戦で見応えのある試合ばかりでした。決勝トーナメントはもっと盛り上がる事でしょう。期待いたします。

[20070628]

ミンガス・プレゼンツ・ミンガス ミンガス・プレゼンツ・ミンガス
チャールズ・ミンガス (1997/07/24)
テイチクエンタテインメント
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キャンディドレーベルという2年間しかもたなかったが、ミュージシャンに自由な作品を出させれる環境を持ったレーベルから出されたアルバムです。天才エリックドルフィーが本格的に関わっております。ミンガスはこの時のメンバーをWORK SHOPと名付けておりました。メンバーはCharles Mingus(b) Eric Dolphy(as.bcl) Ted Curson(tp) Dannie Richmond(ds)です。ドラムのDannie Richmondはもはやミンガスのバンドには無くてはならない存在になっております。

1. Folk Forms, No. 1
2. Original Faubus Fables
3. What Love?
4. All the Things You Could Be by Now if Sigmund Freud's Wife Was ...

ジャズクラブでお客さんが入っている中をレコーディングしています。それで曲の前にMCが入ります。レコーディングするので私語厳禁、雑音を入れないでくれと呼びかけます。ジョージャクソンがやっていたのはこの真似だったんですね。

スタジオでの演奏とライブでの演奏の違いをなくす為にとられた処置でした。お陰でかなり緊張感のある素晴らしい演奏を聴く事が出来ます。スタイル的にはハードバップのソロ部分はフリーのようでいてミンガスという重力にしっかりと統率されながら自己啓発しているプレイが実現しております。

Original Faubus Fablesは以前出したバージョンはボーカル部分の録音をレコード会社が許してくれていなかったため、ここで初めてミンガスによる歌が加わった完全バージョンが聴けます。エリックドルフィーはフリージャズの部類に入るプレイヤーですが、しっかりとコード進行を把握した上で違う調を演奏しています。ミンガスによる小編成でのバンドによる追求が実った演奏が聴けますが、ミンガスの思い描いているサウンドを完璧に再現出来るバンドは生涯であえませんでした。その為常に求道者として存在していたミンガスの一つの到達点とも言えるアルバムです。

Faubus Fables

[20070627]

プリ・バード プリ・バード
チャールズ・ミンガス (2000/05/24)
ユニバーサルクラシック
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Pre-Birdのバードはチャーリーパーカーの事で、Pre-Birdでチャーリーパーカー以前という事になります。それはビバップ以前という事で、スィングの事、ミンガスにとってそれはデュークエリントンの事になります。ミンガスがまだビバップに出会う前に創っていたエリントンに影響を受けた曲がこのアルバムには収められています。

1. Take the "A" Train
2. Prayer for Passive Resistance
3. Eclipse
4. Mingus Fingus No. 2
5. Weird Nightmare
6. Do Nothin' Till You Hear from Me
7. Bemoanable Lady
8. Half-Mast Inhibition

Take the "A" TrainとDo Nothin' Till You Hear from Meはエリントンの曲ですが、それ以外はミンガスのオリジナルです。しかし随所にエリントンの曲をパロディー化したフレーズがちりばめられていてエリントンフリークであるミンガス全開の作品になっています。

又、フリージャズの新星エリックドルフィーはミンガスのバンドに一時加入するのですが、このアルバムで初めてエリックドルフィーとミンガスの共演が行われています。しかし出番はBemoanable Ladyで超絶的なソロを聴かせてくれますが、それ以外ではほとんど目立ちません。

このBemoanable Ladyではエリントンお得意の悩ましげなジャングルホーンを見事に再現しています。ジャズを芸術まで押し上げたエリントンの後を継ぐべく、ここでのミンガスは非常に緻密に構成されたアレンジでビバップで失われかけたジャズの芸術性を見事に復活させています。しかもミンガス流であるというところが心憎いです。

Eclipse

[20070626]

Mingus Dynasty Mingus Dynasty
Charles Mingus (1999/02/16)
Sony Jazz
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ミンガスはあらゆるフォーマットでの演奏形態を試していますが、このアルバムでは7人編成と10人編成を試しています。エリントンに影響を受けたミンガスにはビバップのようなコンボスタイルへのこだわりはありません。自分の思い描く音を再現出来る編成こそが必要だったのです。その為まるでビッグバンドのようにカラフルな世界が広がっています。

1. Slop
2. Diane
3. Song With Orange
4. Gunslinging Bird
5. Things Ain't What They Used to Be
6. Far Wells, Mill Valley
7. New Now Know How
8. Mood Indigo
9. Put Me in That Dungeon
10. Strollin'

本来はStrollin' を除く9曲で、数曲は短く編集されて発表されておりました。CD化にあたりStrollin' を足して、編集されていた曲も完全な形に直して出されました。ですからこのアルバムでは当時のセッションを完璧な形で聴く事が出来ます。ジャケットで中国衣装を身にまとったミンガスが映っています。とてもジャズのアルバムには見えませんが、この独自の感性こそがミンガスなのです。

Things Ain't What They Used to BeとMood Indigoはエリントンの曲で、いかに彼がエリントンフリークであるかが伺えます。他は全てミンガスのオリジナルです。Slopのソウルフルな曲が印象的です。Gunslinging Birdはチャーリーパーカーに捧げられて曲のようです。Birdとついていたらパーカーの曲だと思っていいです。この曲はまるでビバップの熱狂そのものな曲です。

このアルバム、ステレオと書かれていますが、ジャズ界では早いうちからステレオレコーディングが行われていたようです。プロデューサーはテオマセロです。Far Wells, Mill Valleyのような美しいジャズオーケストレーションもこなすミンガスの多様な才能が炸裂しています。

Strollin' at 2

[20070625]

Mingus Ah Um Mingus Ah Um
Charles Mingus (1999/02/16)
Sony
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チャールズミンガスの作曲家としての資質が見事に華開いた名作です。これまでのコンセプトなアルバムとは違い、ヒット曲を集めたような内容になっています。どの曲もスタンダーとになりうる素晴らしい出来映えの名曲ばかりです。ジャズメンはコンポーザーというよりプレイヤーである事が多いのですが、彼は数少ない素晴らしいクォリティの作品を創れるコンポーザーでもあったのです。

1. Better Get Hit in Yo' Soul
2. Goodbye Pork Pie Hat
3. Boogie Stop Shuffle
4. Self-Portrait in Three Colors
5. Open Letter to Duke
6. Bird Calls
7. Fables of Faubus
8. Pussy Cat Dues
9. Jelly Roll
10. Pedal Point Blues
11. GG Train
12. Girl of My Dreams

Better Get Hit in Yo' Soulはゴスペル調でソウルフルな作品です。これまでもこのような曲がありましたが、テンポを変則的に変えて利しておりましたが、この曲は実に素直に普通に演奏しています。それだけ曲に自信があったのでしょう。素晴らしい名曲です。Goodbye Pork Pie Hatは彼の曲の中では一番有名な曲ではないでしょうか。ジェフベックがカバーしたのを始め多くのミュージシャンに演奏され続けているスタンダードナンバーになっています。この曲はレスターヤングへの鎮魂歌として創られており、まるでラブソングのようなバラードに仕上がっています。

Boogie Stop Shuffle はデュークエリントンを意識した曲でホーンアレンジもかなり真似しています。Open Letter to Dukeではなぜかビバップのようなソロを多用した曲で、エリントンをビバップの世界へ招待しようとしているのでしょうか。Bird Callsは恐らくチャーリーパーカーの事でしょうが、不フリーフォームな演奏からやはりソロ大会になります。一番の問題作がFables of Faubusです。黒人と白人の共学での事件があり、そのとき白人側の偏見を支持したフォーバス知事に対する怒りの歌です。Jelly Rollは前作に入っていたマイジェリーロールソウルに手を加えたものになります。

全曲ミンガスによるオリジナルで、これまでのようにアルバム単位ではなく、曲単位での実力を示したアルバムです。彼の代表曲と言われる曲がここに多く収められています。そして演奏もいつも通りの、いやいつも以上に演奏者の腕が上がっており、かなり質の高い作品になっています。

Goodbye Pork Pie Hat

Boogie Stop Shuffle

Fables of Faubus

Jelly Roll

[20070625]

K-1オランダ大会が行われました。
GPとへヴィー級タイトルマッチが中心でしたが、他にも面白い試合がありました。

スーパーファイト
○ メルヴィン・マヌーフ vs ルスラン・カラエフ ×
好試合が期待されましたが、秒殺でマヌーフのフックによりカラエフの失神KOでした。
○ HIROYA vs ロイ・タン ×
KOは出来ませんでしたが、HIROYAが判定勝ちしました。オンスが大きめでパンチのいりょくが半減していたため、キック中心の戦いでした。
○ 澤屋敷純一 vs ニコラ・ヴェルモン ×
いつもと違う闘い方でしたが、何とかKO勝利しました。
○ ピーター・アーツ vs ボブ・サップ ×
サップの試合はいつも笑えます。汚名返上での復帰戦でしたが、昔のように猛獣アタックをしたのが裏目に出ました。アーツの膝をボディーに受けて秒殺KOでした。しっかりと練習はしていたみたいなので正統派の闘い方をすればもう少し善戦したのではないでしょうか。しかしこれでK-1に又サップが返り咲く事になるでしょう。ピーターアーツの入場曲がボブディランのハリケーンになっていました。あの会場でも負けていないハリケーンは凄いと思いました。


EUROPE GPトーナメント準々決勝

○ ビヨン・ブレギー vs ブレクト・ウォリス ×
○ マゴメド・マゴメドフ vs マキシム・ネレドバ ×
× 天田ヒロミ vs ポール・スロウィンスキー ○
× ジェームス・フィリップス vs ザビット・サメドフ ○
EUROPE GPトーナメント準決勝
○ ビヨン・ブレギーvs マゴメド・マゴメドフ ×
○ ポール・スロウィンスキー vs ザビット・サメドフ ×
EUROPE GPトーナメント決勝戦
× ビヨン・ブレギー vs ポール・スロウィンスキー ○
ブレギーは巨漢で予選では無敵な感じですが、高さ故の防御が甘いようです。スロウィンスキーのフックで脳を揺らしてしまいました。

スーパーヘビー級タイルマッチ
○ セーム・シュルト vs マイティ・モー ×
流石のモーもシュルトには歯が立ちませんでした。果敢に中に入ろうとしましたが、ローキックが効いて踏み込めなくなり、ボディーへの攻撃も相当効いていました。KOこそしませんでしたが、判定でシュルツの貫禄勝ちとなりました。いったい誰がシュルツを倒せるのでしょうか。

今年はいつもと形式が違うので、年末のGP前でも面白い試合があります。しかしやっぱり最後に盛り上がるのは年末のGPでしょう。それまでにどれほどインパクトのある試合を見せてくれるのでしょうか。

[20070624]

Blues and Roots Blues and Roots
Charles Mingus (1990/10/25)
Warner Bros
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Blues and Roots Blues and Roots
Charles Mingus (2002/09/23)
Warner Jazz
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自分のルーツミュージックとしてのブルースやゴスペル調のソウルフルなイメージで創られたアルバムです。それを当時の現代風にアレンジしており、いつものカッコいいミンガスサウンドになっています。しかしいつも以上に黒っぽさを追求しているようです。彼は完全な黒人ではないので肌はの色は少し薄いのです。そのコンプレックスもあったでしょうが、ミンガスがやればそれはブルースでもジャズでもなくミンガスサウンドなのです。

1. Wednesday Night Prayer Meeting
2. Cryin' Blues
3. Moanin'
4. Tensions
5. My Jelly Roll Soul
6. E's Flat Ah's Flat Too
7. Wednesday Night Prayer Meeting [Alternate Take]
8. Tensions [Alternate Take]
9. My Jelly Roll Soul [Alternate Take]
10. E's Flat Ah's Flat Too [Alternate Take]

やはりデラックス盤のボーナストラック入りの方がお得だと思います。7曲目以降がそれです。7人編成での演奏は単なるブルースには終わっていません。ハードバップ自体がソウルフルな黒人特有の音楽性への回帰だっただけに、このアルバムは一番ハードバップしていますが、他のアーティストとは質が完全に違います。

Moanin'はアートブレイキーのヒット曲とは同名異曲です。全曲ミンガスの作曲でMy Jelly Roll Soulはジェリーロールモートンのイメージで作曲されています。彼が創り出すブルースフレーズはジャズ特有のテンションを含んでおり、一般的なブルースには聴こえません。それはまるでロックミュージシャンが実験的にビッグブルースを創り出すような感覚です。恐らくクラシックの教養もあるのでしょう、めまぐるしい曲の展開はプログレのようです。このアルバムも名作ですが、ミンガスの作品はいつも裏切る事はありません。全ての曲に誠実な対応が成されています。

Moanin'

Tensions

[20070624]

Tijuana Moods Tijuana Moods
Charles Mingus ()

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ミンガスがリーダーシップをとりいろんなレーベルから作品を出すようになるのですが、これはRCAから出されたもので、メキシコのエキゾチックな雰囲気を持った作品です。当時はマリアッチがが流行ったりしていましたから、ミンガスの中では一番コマーシャルな一面を持った作品です。当時は一番親しまれていた作品だったようです。

1. Dizzy's Moods
2. Ysabel's Table Dance
3. Mariachis (The Street Musicians)
4. Flamingo
5. Tijuana Gift Shop

ミンガスにはフリーフォームな演奏もありますが、ほとんどがしっかり作曲されて統率がとれた演奏になります。Dizzy's Moodsのようにその中でもテンポや拍子がが自在に変化するような演奏は彼のワンマンな統率力によるもので、バンドの方もよく応えています。明快な内容ではありますが、普通ではない感性が彼の魅力でもあります。ミンガスが亡くなったのはメキシコの地でありましたので、結構メキシコはお気に入りだったようです。

Ysabel's Table Danceは丸でフラメンコのリズムで狂乱の宴となり、ジャズフォームへ移行していきます。ウッドベースでフラメンコギターを模したのはミンガスくらいのものでしょう。どの曲も明快なテーマを持っており、それを表現出来る見事な演奏力を自在に自分の呼吸にあわせて指揮するミンガスは怪物であります。巨漢のベーシストでありながらまるでギターを演奏するような柔軟なプレイも常人の域ではありません。エキゾチックで親しみ易い初期の名作であります。

Dizzy's Moods

[20070624]

The Clown The Clown
Charles Mingus (2004/05/03)
Rhino
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The Clown The Clown
Charles Mingus (1999/02/16)
Wea International
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フリーフォームなベースソロからHaitian Fight Songのベースリフが始まる鳥肌もののオープニング。まるでツェッペリンのファーストアルバムを聴いているみたいだ。そして他の楽器も加わって来るとテンポが早くなったり、抑えられたりと柔軟な演奏を聴かせてくれる。これも又アトランティックレーベルに残した名盤であります。

1. Haitian Fight Song
2. Blue Cee
3. Reincarnation of a Lovebird
4. Clown
5. Passions of a Woman Loved
6. Tonight at Noon

デラックスエディション盤では本来このアルバムに入れられるはずだった5と6の曲がボーナストラックとして付け加えられています。購入するならデラックス盤です。ジャケットのオリジナル性を表現する為にオリジナル盤のバナーをでかくしているだけです。ハイチ人の戦闘の歌という邦題で知られているHaitian Fight Songで完全に持っていかれます。作曲者としてのミンガスの力量も大いに発揮されていますが、それ以上にベーシストとしての存在感も桁違いです。

リーダーアルバムなのでベースの音量が一般のれコードに比べると大きめです。ですからウッドベースの弦がネック上でバチバチはじかれる音が生々しく聴こえてきます。ハードバップといってもミンガスの音楽は全て彼の意思によりコントロールされています。彼の意のままに機能する事を常にバンドに求めております。そうする事で彼が表現しようとする事に近づく事が彼の永遠のテーマでした。

フランクザッパが優秀なミュージシャンをバックに表現しながらも、結局彼が求める音楽に近づく事が出来たのはシンクラビアによる録音が可能になってからでした。それほど思い描いている音をバンドで表現するのは難しい事なのです。その挑戦の日々がミンガスの人生そのものだったとも言えます。それでも完全ではないにしろ、ここで表現されている音楽は我々を魅了してやまない素晴らしい作品に仕上がっています。プログレッシヴジャズというジャンルがあるとしたら彼こそがその始祖となるでしょう。

Haitian Fight Song

Reincarnation of a Lovebird

Clown

Tonight at Noon

[20070624]

直立猿人 直立猿人
チャールズ・ミンガス (1991/02/25)
イーストウエスト・ジャパン
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直立猿人という邦題で御馴染みのチャールズミンガスのリーダーシップをとった第一弾アルバムになります。この第一弾からミンガスの独特な唯我独尊の世界が展開され、ジャズの歴史の中でも問題作としてその名を残す名盤となりました。

1. Pithecanthropus Erectus
2. A Foggy Day
3. Profile of Jackie
4. Love Chant

タイトル曲のPithecanthropus Erectusは直立歩行を始めた猿人をテーマにした一種の標題音楽。「進化」から始まって、「優越感」「衰退」「滅亡」へと至る四部作になっており、まるでプログレのような感覚で創られています。ミンガスはベーシストでありますが、モンク同様作曲者でもあり、スタンダードとまではいきませんが、数々の名曲を世に出しています。曲のテーマは彼の自己主張とユーモアが混じっており、それを表現した音楽もユニークなものになっています。Pithecanthropus Erectusもこれまでのジャズには無い表現がとても格好いいのです。

ガーシュインのA Foggy Dayでは管楽器を効果音的な使い方をしていてとても斬新です。時はハードバップ全盛の時代でありますが、ミンガスの音楽はその中に属しながらも独自のスタンスを持っています。ジャズのアルバムなのに4曲しかないというところに既にプログレ的なセンスが潜んでいます。

モードジャズやフリージャズに比べるとミンガスの音楽は主張がはっきりとしているので、とても分かり易いものだと思います。どこに辿り着こうとしているのか不明なマイルスに比べるととてもはっきりとしています。そういう意味でもロックファンにも入り込み易いのがミンガスの音楽ではないでしょうか。模範的なジャズではありませんが、このカッコ良さは他では味わえません。素晴らしい名盤であります。

A Foggy Day

[20070623]

Jazzical Moods Jazzical Moods
Charles Mingus (1995/01/25)
Original Jazz Classics
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ビバップを代表するベーシストといえばチャールズミンガスです。ミントンハウスでのセッションでも知られており、それ以前にはルイアームストロングのセッションにも参加しておりました。かなり古くから活動していたのです。しかし自身の作品を出し始めたのが50年代になってからなので、音楽的にはハードバップに属していたりします。

1. What Is This Thing Called Love?
2. Stormy Weather
3. Minor Intrusion
4. Abstractions
5. Thrice upon a Theme
6. Four Hands
7. Spur of the Moment/Echonitus

このアルバムはソロとして活動する以前のBethlehem Recordsに録音した音源を集めたものになります。メンバーにはテオマセオの名前があります。音楽的にはビッグバンドををもっと進化させたような内容で、シクステッド編成になります。

チャールズミンガスの唯我独尊の世界を展開する前夜となるセッションなので、とても貴重な作品です。彼はデュークエリントンを崇拝しており、ビッグバンドなアレンジもこの後も展開するので、この作品も違和感はありません。しかし独特のウネリはまだ出ていません。

Thrice upon a Theme at last

[20070623]

That's the Way I Feel Now: A Tribute to Thelonious Monk That's the Way I Feel Now: A Tribute to Thelonious Monk
Various Artists (1991/07/01)
A&M
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セロニアスモンクの最後にトリビュートアルバムを紹介いたします。80年代にハル・ウィルナーの企画によりニーノ・ロータ、クルト・ワイルのトリビュート作品が出され、セロニアスモンクもその一環として出されました。今では普通になっているトリビュートものの走りとなっている作品です。各方面のミュージシャンによる独自のアレンジが大変面白く、特にこのアルバムの出来映えは最高のものではないでしょうか。

しかしこのアルバム現在では入手困難なようで、中古盤でも¥ 18,985よりとなっています。しかもCDでは7曲がカットされ全16曲となっているそうなので、できればアナログ盤を見つけられると良いと思います。

1. Thelonious
2. Little Rootie Tootie
3. Reflections
4. Blue Monk
5. Misterioso
6. 'Round Midnight
7. Friday the 13th
8. Work
9. Gallop's Gallop
10. Bye-Ya
11. Bemsha Swing
12. Pannonica
13. Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are
14. Brilliant Corners
15. Ask Me Now
16. Monk's Mood
17. Four in One
18. Functional
19. Evidence
20. Shuffle Boil
21. In Walked Bud
22. Criss-Cross
23. Jackie-Ing

NRBQによるLittle Rootie Tootieが実にロック的なリフになっているのに気づかされます。ドナルド・フェイゲンによるReflectionsではフェイゲンによるハーモニカをシュミレートしたシンセサイザーの音色が美しく、彼のモンクに対する愛情が感じられます。ドクター・ジョンによるBlue Monkはドクタージョンそのものの雰囲気でニューオリンズスタイルで演奏されています。カーラブレイによるMisteriosoは実験的なジャズ作品のようにアレンジされていてユニークです。

本来はチェレスタで演奏されていたPannonicaをトイピアノのようにチューニングされたピアノで演奏されているバリーハリスの演奏も面白いです。ウォズノットウォズのBa-Lue Bolivar Ba-Lues-Areでのサンプラーを駆使した作品も強烈です。マークビンガムのBrilliant Cornersはファンキーなフュージュンに仕上げられており、スティーヴレイシーとチャーリーラウズによるAsk Me Nowはテナーとあるとサックスによるデュエット作品。Monk's Moodはシャロンフリーマンによる雄大なオーケストレーションジャズになっています。

奇才トッドラングレンによるFour in Oneはエレクトリックポップになっています。しかも打ち込みというモンクの音楽とは全く違うアプローチが逆に印象深い作品に仕上がっています。Shuffle Boilでのジョンゾーンはアヴァンギャルドなオルガンサウンドになっています。極端ですがよくモンクの音楽を表現していると思います。ジョージャクソンによる17人のミュージシャンでオーヴァーダブなしの一発録音による'Round Midnight、そして私がこのアルバムを買うきっかけとなったクリススペディングとピーターフランプトンによるWorkが一番の目玉だと思います。レスポールをマーシャルアンプにダイレクトに繋いだナチュラルトーンによるリフの格好いい事。私はこの1曲でロックとジャズの境界が取り除かれたました。

ジャズ方面のアレンジの仕方とロック方面でのアレンジの仕方の違いなども興味深く楽しめる名盤で、トリビュートものの作品の中では最高傑作だと思っています。現在もこれを越える作品は無いのではないでしょうか。全ての曲からセロニアスモンクへの深い愛情が伝わって来る温かい作品になっています。時代的なサンプラーの使用によってもです。

Nice Work If You Can Get It

Wes Montgomery - 'Round Midnight

Off Minor/Milt Jackson

[20070623]

Monk's Blues Monk's Blues
Thelonious Monk (1994/01/25)
Jazz
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オリヴァー・ネルソンの編曲・指揮によるオーケストラをバックにモンクがピアノを弾くという企画で録音された作品です。これまでの彼の代表曲がビッグバンドによって再現されています。その為オリジナルのあくのつよさは抑えられていますが、彼の創った曲がどれほど素晴らしい曲であったかが確認出来ます。

1. Let's Cool One
2. Reflections
3. Little Rootie Tootie
4. Just a Glance at Love
5. Brilliant Corners
6. Consecutive Seconds
7. Monk's Point
8. Trinkle, Tinkle
9. Straight, No Chaser
10. Blue Monk
11. 'Round Midnight

ビッグバンドを相手にモンクはかなりフリーキーなソロを聴かせてくれます。そこに洗練されたジャズオーケストラが心地良く絡んできます。1982年に脳梗塞で亡くなるまで常にジャズと向かい合ってきたモンクの晩年の名作だと思います。

理屈抜きに楽しめる名演になっています。このアルバムから入門して彼のあくの強さに徐々に慣れていくのも良いかもしれません。感覚としてはブルースマン、ロックミュージシャンに近かったように思えます。ですからロックミュージシャンにも多大な影響を与え続けているのでしょう。

Reflections

Straight, No Chaser

Blue Monk

'Round Midnight/Andy Summers

[20070623]

Underground Underground
Thelonious Monk (2003/08/19)
Sony
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セロニアスモンク晩年の作品です。時は60年代後半、革新的な音楽が生み出され、ジャズもエレクトリックへと移行し始めた頃、モンクは相変わらず我が道を行っておりました。モンクはモンクでしかありえないのです。流行も関係がないのです。

1. Thelonious [Take 1]
2. Ugly Beauty [Take 5]
3. Raise Four
4. Boo Boo's Birthday [Take 11]
5. Easy Street
6. Green Chimneys
7. In Walked Bud
8. Ugly Beauty [Take 4]
9. Boo Boo's Birthday [Take 2]
10. Thelonious [Take 3]

音楽的にはハードバップです。しかもいつも以上に熱いハードバップになっています。Raise Fourでの頑固なくらいに同じフレーズをくり返しますが、それはループ感を出す為ではなく、感情の起伏を表す為に行われています。In Walked Budではボーカルものになっています。モンクはモンクなりに新しい事に挑戦しようとしていたのでしょう。

演奏家ばかりのジャズシーンにおいて、それ以上にコンポーザーでもあったモンクの音楽性は時代がどんなに変わっても色褪せない響きを持っている事が再認識出来るはずです。彼も生涯一ミュージシャンでありました。

Green Chimneys

In Walked Bud

[20070622]

Monk's Dream Monk's Dream
Thelonious Monk (2002/09/03)
Sony
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大物ミュージシャンではなく、若手のミュージシャンを引き連れての作品。その為モンクの意のままにコントロールしており、予期せぬハプニングこそありませんが、それだけ純粋に音楽,演奏が楽しめるアルバムです。

1. Monk's Dream (Take 8)
2. Body And Soul (Re-Take 2)
3. Bright Mississippi (Take 1)
4. Blues Five Spot
5. Blue Bolivar Blues (Take 2)
6. Just A Gigolo
7. Bye-Ya
8. Sweet And Lovely
9. Monk's Dream (Take 3)
10. Body And Soul (Take 1)
11. Bright Mississippi (Take 3)
12. Blue Bolivar Blues (Take 1)

このアルバムを出す前に、多くのライブアルバムを出しており、Blues Five Spotのような御馴染みの曲もありますが、新しい息吹が吹き込まれています。勿論ジャズはライブに魅力があるのですが、スタジオ盤でも生演奏を何テイクも録音した中から選ばれます。その生の魅力を大事にしますから、これまでミステイクも平気で出していました。日本ではミステイクが無くなるまで何度でも録音し続けますが、その為完璧な演奏は出来ても迫力が失われていたりします。海外では、特に昔は完璧な演奏よりも雰囲気や空気感を大事にします。ジミーペイジだってヘタクソ丸出しの演奏をそのまま出したりしていました。

だからファンには愛情が生まれいつまでも聴き継がれているのです。最近の音楽にはそれがないでしょう。すぐ忘れ去られるような音楽ばかりです。楽譜通りに演奏するのはアマチュアでも出来るのです。譜面上には無い何かを表現出来ない演奏には感動はありません。モンクの音楽にはそれがあるのです。

Monk's Dream

Body And Soul

Monk's Dream/Bye-Ya

[20070622]

マイスペースでやっているダイ・ハード4.0 イメージソングコンテストに応募してしまいました。この曲は昔ジェロムレバンナの為に創った曲ですが、結構映像にあっていたので使ってみました。

このコンテストは投票数が多いものが優勝となり、TVCMの際、その曲が使用されるとの事です。

なんて事のないコンテストですが、そこから仕事に繋がる事も予想されますので、優勝するに越した事はありません。

マイスペースユーザーしか投票出来ないようですので、よかったらこの機会にユーザー登録されてはいかがでしょうか。投票は http://www.myspace.com/jp_diehard4 から投票用メールを送信する事になりますが、よかったら応援して下さい。よろしくお願いいたします。

DIE HARD (JEROME)






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2007-06-22(Fri) 23:00 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) | 編集 |
[20070621]

モンクス・ミュージック モンクス・ミュージック
セロニアス・モンク (2007/04/11)
ユニバーサルクラシック
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ブリリアント・コーナーズと並びセロニアスモンクの最高傑作です。まずメンバーが豪華です。ドラムがアートブレイキー、ベースはウイルバーウェア、テナーサックスに若手のジョンコルトレーンと大先輩に当たるコールマンホーキンス、アルトサックスにジジグライス、トランペットに例コープランドとなっています。しかしこのアルバムが凄いのはこれだけのメンバーでミステイクの方を採用している事です。とてもモンクらしい作品です。

1. Abide with Me
2. Well, You Needn't
3. Ruby, My Dear
4. Off Minor (Take 5)
5. Off Minor (Take 4)
6. Epistrophy
7. Crepuscule with Nellie (Take 6)
8. Crepuscule with Nellie (Takes 4 and 5)

まずジャケットが一番セロニアスモンクらしいです。このジャケットのイメージから聴いた方がとっ掴み易いと思います。Abide with Meはファンファーレのような曲で続くWell, You Needn'tでミスが起きます。モンクのピアノソロが終わり、コルトレーンのソロになってもコルトレーンが吹きません。モンクがコルトレーンと呼びかけますが、モンクの方のし時が早かったのです。コルトレーンはきちんと自分の番に吹き始めますが、モンクの指示が早かったためにアートブレイキーがあわてて得意のナイアガラ瀑布的ロールを叩き始めます。拍が滅茶苦茶になってしまい戸惑うウイルバー、ととてもOKテイクとは言えませんが、こちらのテイクの方がモンクらしいのでこちらが選ばれています。

Epistrophyではコールマンホーキンスが間違えます。それで他のメンバーが何とか修正しようとてんやわんやになっているのですが、このテイクがそのまま使われています。ですからコンボスタイルでありながらモンクのピアノソロのような奔放さがあふれている内容になっています。

マイルスとのセッションでは決して許されない行為ですが、モンクのアルバムではOKなのです。そしてそれが彼の代表作であり、最高傑作と称されるところに音楽の妙があります。確かにとても印象的なアルバムになっており大好きなアルバムであります。

Well, You Needn't

Ruby, My Dear

Off Minor

Epistrophy

Crepuscule with Nellie

[20070620]

Thelonious Himself Thelonious Himself
Thelonious Monk (1991/07/01)
Victor Entertainment
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Thelonious Alone in San Francisco Thelonious Alone in San Francisco
Thelonious Monk (1991/07/01)
Riverside/OJC
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Solo Monk Solo Monk
Thelonious Monk (2003/08/19)
Sony
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セロニアスモンクがピアノだけで演奏した作品集になります。バンドでも彼独自の間で演奏されますが、ピアノ一台になる事でより自由に感情のままに演奏出来ているところが凄いアルバムです。ピアノソロアルバムとして3枚ほど代表的な作品を紹介いたします。

Thelonious Himself
1. April in Paris
2. (I Don't Stand) A Ghost of a Chance (With You)
3. Functional
4. I'm Getting Sentimental over You
5. I Should Care
6. 'Round Midnight
7. All Alone
8. Monk's Mood
9. 'Round Midnight (In Progress)
Thelonious Alone in San Francisco
1. Blue Monk
2. Ruby, My Dear
3. Round Lights
4. Everything Happens to Me
5. You Took the Words Right Out of My Heart
6. Bluehawk
7. Pannonica
8. Remember
9. There's Danger in Your Eyes, Cherie [Take 2]
10. There's Danger in Your Eyes, Cherie [Take 1]
11. Reflections
Solo Monk
1. Dinah [Take 2]
2. I Surrender, Dear
3. Sweet and Lovely [Take 2]
4. North of the Sunset
5. Ruby, My Dear [Take 3]
6. I'm Confessin' (That I Love You)
7. I Hadn't Told Anyone Till You
8. Everything Happens to Me [Take 3]
9. Monk's Point
10. I Should Care
11. Ask Me Now [Take 2]
12. These Foolish Things
13. Introspection
14. Darn That Dream
15. Dinah [Take 1]
16. Sweet and Lovely [Take 1]
17. Ruby, My Dear [Take 1]
18. I'm Confessin' (That I Love You) [Take 1]
19. I Hadn't Told Anyone Till You [Take 2]
20. Everything Happens to Me [Retake 1]
21. Ask Me Now [Take 1]

Thelonious HimselfのMonk's Moodだけテナー奏者ジョン・コルトレーンとバス奏者ウィルバー・ウェアのトリオ編成になります。モンクのピアノはチューニングのずれたホンキートンクピアノのような音色です。そしてタイム感も彼の人体時計任せです。まるでそれは言葉を交わすようなコミュニケーションとして存在した音楽です。

もしモダンジャズ以前のジャズしか知らない人が聴いたら、モンクはミスタッチの連続のように聴こえるでしょう。しかしそれが故意に生み出されている不協和音である事に気ずいた時に、人は彼の音楽にのめり込んでいるか、拒絶反応を示すかのどちらかでしょう。しかしあまりにもきっちりし過ぎている音楽も気色の悪いものです。まるで呼吸するかのごとく、血液が流れるごときモンクの音楽の方が心地良いはずです。ピアノだけの演奏を集めたこれらのアルバムでは、それをまんべんなく体感出来ます。

I'm Getting Sentimental over You

'Round Midnight

Monk's Mood

Dinah

Blue Monk

[20070619]

ブリリアント・コーナーズ ブリリアント・コーナーズ
セロニアス・モンク (2007/04/11)
ユニバーサルクラシック
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言わずと知れたセロニアスモンクの最高傑作の一つです。コンボスタイルによるジャズは時代的にはハードバップです。つまりソウルフルなのでありますが、モンクのソウルはこれまた一味違います。アルバムジャケットも一番二枚目に移っています。この爽やかな男は誰だと言いたくなるような写真です。

1. Brilliant Corners
2. Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are
3. Pannonica
4. I Surrender, Dear
5. Bemsha Swing

メンバーはテナーサックスにソニーロリンズ、アルトサックスにアーニーヘンリー、ベースにオスカーペティフォード、ドラムがマックスローチのバージョンとベースがポールチェンバースでアーニーの変わりにトランペットのクラークテリーが加わったバージョンがあります。管を2つ使う事でピアノ以外でも和音を構成する事が出来ます。

タイトルのBrilliant Corners のメロディーの不思議だけれども耳に残る旋律、これをモンク独特の訛ったプレイで表現しており、ソニーロリンズもそれにあわせて、ブボッとか変な訛を出そうとしています。モンクは作曲家でもありますからこれだけ個性的な演奏の中でも記憶に凝るメロディーを創作しているところが流石です。Bemsha Swingもそうした名曲の一つです。Pannonica ではモンクがチェレスタを弾いています。

モンクの音楽はユーモアを美しさが同居して尚楽しくもあり、悲しくもある人間味溢れる音楽です。テンンションを重ねて洗練されるのではなく、人間の生臭さを如実に表していると思います。それを一番最高の面子で表現してくれたこれらの作品はジャズの歴史においても貴重な名盤であります。

Pannonica

Bemsha Swing

[20070618]

The Unique Thelonious Monk The Unique Thelonious Monk
Thelonious Monk (1991/07/01)
Riverside/OJC
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セロニアスモンクの個性がより明確に発揮され始めた作品です。まるでジャズではない音楽を聴いているかのようです。そこにはモンクにしか語れない語法があるのです。

1. Liza (All the Clouds'll Roll Away)
2. Memories of You
3. Honeysuckle Rose
4. Darn That Dream
5. Tea for Two
6. You Are Too Beautiful
7. Just You, Just Me

彼の個性の特徴はまず和音にあります。不協和音なのになぜか美しいのです。ビバップの意識が一番強いのはピアニストなのです。ピアノトリオもしくはコンボで和音を出すのはピアノだけなのです。代理コードや転調の流れを創るのもピアニストなのです。ビバップの革新の温床として、それまでに無かった音楽を創ってもいいことになります。つまり間違いというものが無いのです。

そこでその個性を遺憾なく発揮したのがセロニアスモンクだった訳です。他のミュージシャンでここまで個性的な人はいません。それでいて美しさもあるのです。本来そのようなミュージシャンは生存時に評価される事はありませんが、モンクは現役のときから評価されていた希有のミュージシャンだったのです。

この後その音楽は益々増殖していく事になります。その入門編としてはこの辺りから入るのが良いのではないでしょうか。

Thelonious Monk episode

Thelonious and Theodore

[20070617]

MONK MONK
Thelonious Monk (1991/07/01)
PRESTIGE
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ビバップピアニストの走りであるモンクですが、彼の音楽には黒人独特の訛があり、洗練された他のアーティストとは別の音楽のようです。スタンダード曲をやっても別の曲のように聴こえます。それでこそモンクなのですが。

1. We See
2. Smoke Gets in Your Eyes
3. Locomotive
4. Hackensack
5. Let's Call This
6. Think of One [2 Takes]
7. Think of One

ビバップでのアドリブはあくまでもコード進行に基づいて行われますので、突拍子も無いフレーズにはありません。これ以降フリーに近づくにつれ突拍子も無い演奏を聴かされる事になりますが、ビバップの時代は曲の進行を逸脱したような演奏はありません。それが縛りになるのですが、その中でもいかに個性的な演奏が出来るかが重要でした。

モンクの場合はパーカーとは違う意味で個性的でした。まるでパーカッションのようにピアノをプレイするのも彼が初めてではないでしょうか。ピアノの可能性を拡げたという事でも彼はとても重要な人物だったのです。ジャズの奏法に留まらず、ロックミュージシャンからもリスペクトされ続けている意味が分かって頂ければと思います。

Caravan

[20070617]

セロニアス・モンク・トリオ セロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク (2007/04/11)
ユニバーサルクラシック
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ビバップのピアニストとしての草分けはこのセロニアスモンクです。ミントンハウスのセッションにも参加しており、バドパウエルにも手ほどきをしたほどの存在であります。ピアニストでもあり作曲家としてもラウンドミッドナイトなど多くのスタンダードナンバーを創っています。40年代はいろんなセッションに顔を出していましたが、50年代に入って自身のバンドで活躍するようになります。

1. Blue Monk
2. Just A Gigolo
3. Bemsha Swing
4. Reflections
5. Little Rootie Tootie
6. Sweet And Lovely
7. Bye-Ya
8. Monk's Dream
9. Trinkle, Tinkle
10. These Foolish Things

このアルバムはトリオ編成で録音で、メンバーはパーシーヒース , アートブレイキー , ゲイリーマップ , マックスローチ と違うメンバーでの録音となっています。モンクは実にユニークなプレイヤーで単にビバップミュージシャンとは呼べない人であります。彼の演奏はまるで民族音楽のように独特の訛があるのです。それこそがモンクたらしめているのです。

彼独自の間合いで演奏されていきますので彼のバックバンドなら太刀打ち出来るのですが、アンサンブルを大切にするマイルスデイヴィスとのセッションではよくぶつかり合っていました。タイム感覚が正確ではないのです。しかしその正確ではない演奏が魅力でもあるのです。

ジャズというよりモンクミュージックと呼んでいいでしょう。彼の音楽が好きか嫌いかでのめり込み度も違ってきますが、このアルバムではジャズとしての音楽とモンクの個性がぶつかり合った名盤となっています。

Blue Monk

Reflections

Monk's Dream/Bye-Ya

Trinkle, Tinkle

[20070617]

バド・パウエルの芸術 バド・パウエルの芸術
バド・パウエル (2006/06/14)
東芝EMI
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The Scene Changes (The Amazing Bud Powell, Vol. 5) The Scene Changes (The Amazing Bud Powell, Vol. 5)
Bud Powell (1990/10/25)
Capitol
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ビバップピアニストを代表するバドパウエルであります。彼こそがビバップピアニストだとも言えるほどそのプレイは特徴的です。少し跳ねたような、繊細なフレーズでもぶっきらぼうなプレイが目立ちます。流麗なアートテイタムに比べるとゴツゴツとしたイメージがあります。しかしあまりにも有名なクレオパトラの夢のようにマイナー調の曲は哀愁を帯びていて感動を生みます。

又、曲調が早く、早いパッセージの中で雄弁にかたりかけるような、いや、吐き捨てるような語り口をもったプレイが特徴です。ビバップですのでアドリブに重点が置かれますが、それまでのピアニストのソロとは明らかに表情が違います。相当指や手首を鍛えていなければこれだけの硬い音は出ないのではないかと思います。

ピアノ特有の柔らかい音ではなく、ハンマーで叩いたかのような硬い音質です。ピアノを改造でもしているのではないかと疑ってしまうほど異質な音です。メーカーによっても音が違いますが、明らかにプレイヤーによるタッチの違いだと思われます。又、映画「ラウンド・ミッドナイト」はパウエルがフランスに滞在し、演奏活動を行っていた時のエピソードを元に作られた作品だと言われています。

当時はそれほど高い評価を得られていなかったのですが、後継者により現在は高く評価されてはおります。又曲中歌っているのはパウエル自身です。キースジャレットもそうですが、マイクでピアノの音を録りますのでプレイヤーの息づかいも拾われます。彼はピアノを弾くとき歌いながらそれにあわせてフレージングしていたので、スキャットらしきものが聴こえるのです。スタジオ盤なのにそうなのです。その為特別な臨場感があります。ビバップを語る上で欠かせないピアニストであります。

Shaw Nuff

Get Happy

Anthropology

Blues in the Closet

[20070617]

Art Tatum Trio Art Tatum Trio
Art Tatum (2000/06/27)
JVC Victor
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The Art of Tatum The Art of Tatum
Art Tatum (2003/12/22)
Living Era
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アートテイタムはビバップ以前から活躍しているピアニストですが、まず彼を語らなければその後のピアニストを語れないというほど影響力のあるピアニストでした。いわゆるストライドピアノという奏法から高音域から低音域へ玉を転がすような下降フレーズなどテクニックもさることながら、歌心を持ったピアニストでもありました。

目が悪かったため、ほとんど盲目状態でもプレイでした。後にレイチャールズやスティーヴィーワンダーが出てきますが、彼はその走りでもありました。目が不自由だという事はマイナスではなく、それだけ感性が磨かれるので天才的な人が多いようです。ジャズピアニストの第一人者としてはジェリーロールモートンが上げられますが、テイタムはモダンジャズへの橋渡しをするような位置につけています。ビバップスタイルではありませんが、その後に出て来るビバップピアニストへの影響力は計り知れません。

ジャズピアノもクラシックピアノのような倫理は通用しません。クラシックではタブーとされている事を平気で無視するというか、基本の知識が無いので黒人特有のスタイルで演奏してしまうのです。音楽理論として西洋音楽の理論も学ぶのですが、学ぶ以前に出来上がっている黒人音楽をどう理論付けしていくかで、ジャズ理論というものが出来上がっていきます。それが現在のポピュラー音楽の基礎となります。このタブーを覆していく歴史がポップスの歴史と言ってもいいのです。つまりは心地良い音楽こそが第一であり、理論は後からついてくれば良いのです。

そんな理論が固まっていく前の感性で演奏されていたテイタムのピアノは理屈抜きにも感じ入るものであります。チャックベリーのロックンロールのフレーズもピアニストから盗んだものであります。黒人のピアノプレイから盗めるものはギタリストにもまだまだあると思います。

Tiger Rag

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She's Funny That Way

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