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[20070731]

The Cape Verdean Blues The Cape Verdean Blues
Horace Silver Quintet with J.J. Johnson (2004/03/23)
Blue Note Japan
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ファンキージャズとは別にラテン系ジャズは流行っていました。中南米からの移民が多くニューヨークに移り住んだのも原因です。しかしホレスシルヴァーは自分のルーツ音楽としてラテンの血を通わせています。

1. Cape Verdean Blues
2. African Queen
3. Pretty Eyes
4. Nutville
5. Bonita
6. Mo' Joe

バンドメンバーも完全に新メンバーに入れ代わり、シルヴァーが思い描いている音楽が表現出来ていると思います。ソング・フォー・マイ・ファーザーで完成されつつあった音楽がここにきて完成されているようです。ブルーノート時代のシルヴァーは名作ばかり残しています。

まるでラテンフレイヴァーを取り入れたフュージュンバンド、リターントゥフォーエヴァーのアコースティックヴァージョンのようです。時代を先取りしているようです。ドラムパターンなどかなり格好いいものです。フュージュンファンにもロックファンにもアピール出来る作品です。

Cape Verdean Blues

Nutville
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[20070730]

ソング・フォー・マイ・ファーザー ソング・フォー・マイ・ファーザー
ホレス・シルバー (1999/03/25)
EMIミュージック・ジャパン
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ホレスシルヴァーの一番の代表作であり、最高傑作とも言えるアルバムです。亡き父に捧げたタイトル曲はファンキージャズの代表曲にもなっており、ジャケットに映っているお父さんのルーツでもあるポルトガル系ラテンビートになっています。

1. Song for My Father
2. Natives Are Restless Tonight
3. Calcutta Cutie
4. Que Pasa
5. Kicker
6. Lonely Woman
7. Sanctimonious Sam
8. Que Pasa [Trio Version]
9. Sighin' and Cryin'
10. Silver Treads Among My Soul

このアルバムには新しく集めたメンバーと今までのメンバーでの録音の両方がおさめられています。新たな意欲とこれまでに育んできた音楽の両方が共存しているのです。ですから演奏面も優れており、又家族に対する愛情に溢れた楽曲も素晴らしいものばかりです。

Lonely Womanは未亡人となった母親に捧げられた曲です。哀愁とラテンの血が騒ぐ躍動感が共存しています。どちらかと言うとCalcutta Cutie が鎮魂歌のようなイメージがあります。どの曲も哀愁がありますがファンキーなのです。ファンキージャズもここまで進化したかというような境地に達しています。ピアノのはずし方も独特のファンクネスです。この味わいはホレスシルヴァーにしか出せないでしょう。歴史的な名盤であります。

Song for My Father

Que Pasa

[20070729]

Silver's Serenade Silver's Serenade
Horace Silver (2006/02/21)
Blue Note
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Silver's Serenadeというタイトルで、バラード調が多いのですが、音的にはゴージャズなアレンジでファンキーです。静ではなく、動的なバラード集だと思います。

1. Silver's Serenade
2. Let's Get to the Nitty Gritty
3. Sweet Sweetie Dee
4. Dragon Lady
5. Nineteen Bars

まるで絹の肌触りとも言えるサウンドなのですが、とてもソウルフルです。コルトレーンのようなバラードとも違う、独自の脈を感じます。夜想曲という事で、ジャズハウスでの夜をイメージしているのでしょうか。

夜想曲は徐々に盛り上がり、ラストのNineteen Barsではいつもの激しいファンキージャズが展開されていきます。いつもジェントリーなホレスシルヴァーですが、このアルバムでは一段とジェントリーであります。ファンキージャズの作品は多く出されるようになりましたが、ホレスシルヴァーの作品は別の世界観を持っているようです。

Silver's Serenade

[20070729]

The Tokyo Blues The Tokyo Blues
Horace Silver (1996/11/05)
Blue Note Japan
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来日公演を終えたホレスシルヴァーが日本の印象を題材にした曲を集めて創ったアルバムです。日本の聴衆はラテン音楽が好きだという印象をもったシルヴァーは自然とラテンのビートを元にした曲を創っていました。全体的に日本の印象派ラテン系になっているのです。

1. Too Much Sake
2. Sayonara Blues
3. Tokyo Blues
4. Cherry Blossom
5. Ah! So

確かに日本ではロックンロールが流行る前はラテン系のバンドが主流でした。日本では大歓迎を受けたシルヴァーにとっての思い出は日本酒や宴会でのノリだったようです。そんなノリがこのアルバムには反映されているようです。

しかしジャケットの着物の女性は岸本加世子に似ているが、別人なんでしょうねー。当時は日本でもファンキージャズブームで、ホレスシルヴァーの来日はかなり大きなイヴェントだったようです。その印象はとても優しさに満ち溢れています。シルヴァーも大満足していた事が分かります。そういう訳で日本では特に印象深いアルバムであります。

Senor Blues

[20070729]

Doin' the Thing (At the Village Gate) Doin' the Thing (At the Village Gate)
Horace Silver (2006/09/12)
Blue Note Records
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Village Gateでのライブ音源ですが、全曲新曲でありますので、オリジナルアルバムとしての位置づけと、ライブならではのテンションの高い演奏が楽しめる名作であります。このバンドがいかにまとまりのあるバンドであったかが伝わってきます。

1. Filthy McNasty
2. Doin' the Thing
3. Kiss Me Right
4. Gringo/Cool Eyes (Theme)
5. It Ain't S'posed to Be Like That
6. Cool Eyes

ハードバップやファンキージャズは黒人音楽が本来持っている黒い部分、ソウルフルな部分を強調した音楽であり、原点回帰のような性格を持っていますが、シルヴァーのようなクリエイティヴな人達によって全く新しい感覚を持ったジャズとなっています。懐かしさと新しさが同居しているのです。

ですから人々には分かり易く熱狂的に人気がありました。日本でもジャズ喫茶などのブームが起き出したのもこの時期です。一部のインテリが聴く音楽になりかけていたジャズを再び一般聴衆の元へ返したのです。その熱狂ぶりがリアルに伝わってくる好アルバムになっています。

Filthy McNasty

Cool Eyes

[20070729]

Blowin' the Blues Away Blowin' the Blues Away
Horace Silver (1999/04/05)
Blue Note
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タイトルは悲しみを吹き飛ばせみたいな意味合いで、正にタイトル通りの悲しみを吹き飛ばすようなハードドライヴィングなファンキージャズが炸裂しまくっています。ホレスシルヴァーの最高傑作と呼ぶ人も多いです。

1. Blowin' the Blues Away
2. St. Vitus Dance
3. Break City
4. Peace
5. Sister Sadie
6. Baghdad Blues
7. Melancholy Mood
8. How Did It Happen

Peaceでの緩やかで穏やかな曲以外はどれもスピーディーながらもファンキーな演奏が堪能出来ます。シルヴァーのピアノの音は他の誰とも違うニュアンスがあり、すぐ彼のピアノである事が分かるくらい暖かみのあるサウンドになっています。それでハードな曲を演奏するのですから面白いものです。嫌み無く自然と音楽に聴き入ってしまいます。

ゴスペル調のSister Sadieなど黒人らしい曲やBaghdad Bluesでは中近東風のユニークな曲で、どれもジャンプアップなファンキージャズが満載です。分かり易い音楽ですが、随所に工夫が施され、飽きる事無く楽しめます。ジャケットから悲しいブルースを連想してしまいますが、このアルバムはこれまで以上に躍動感のある名演がおさめられた名盤であります。

Peace

Sister Sadie

[20070729]

Finger Poppin Finger Poppin
Horace Silver (2003/01/28)
Blue Note Records
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アートブレイキー同様ビバップの時代から活躍している人で、ブレイキーとのメッセンジャーズを組んでからはハードバップの繁栄に貢献いたしました。マイルスやロリンズとのセッションもこなし、自信のクィンテッドを組んでからはファンキージャズの名作を生んでいきます。ホレスシルヴァーは正にモダンジャズの名ピアニストと呼べる人でした。

1. Finger Poppin'
2. Juicy Lucy
3. Swingin' The Samba
4. Sweet Stuff
5. Cookin' At The Continental
6. Come On Home
7. You Happened My Way
8. Mellow D

このアルバムはファンキージャズとして成功し始めたシルヴァーの作品で、タイトルのFinger Poppin' はラテン的なアレンジが巧妙な作品です。楽しく踊れるファンキーなジャズという点ではブレイキーと同じですが、この人は曲を創れるので独自の雰囲気を創り出す事に成功しています。

Swingin' The Samba など中南米的なラテンの味付けは見事なもので、ジャズだけではないピアノテクニックの柔軟性が特徴でしょう。元々はバドパウエルを継承するビバップピアニストであったシルヴァーでしたが、アートブレイキーとのセッションから独自のカラーを生み出すに至っています。そしてリーダー作を創り出してからはもっと自分のプレイを確立するようになりました。そんなシルヴァーのファンキーなプレイを楽しめる名作であります。

Juicy Lucy

[20070728]

Free for All Free for All
Art Blakey & the Jazz Messengers (2004/08/10)
Toshiba
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ファンキージャズの代表だったメッセンジャーズも時代の流れにあわせてモードの時代に入ります。昔から民族音楽を取り入れていたブレイキーにとっては自然な流れでのモードと鳴りました。しかしウェインショーターによるアレンジ力の洗練さが一番ものをいっています。

1. Free for All
2. Hammer Head
3. Core
4. Pensativa

この後、マイルスデイヴィスによる強引な引き抜きにあい、ウェインショーターは取られてしまう事になり、マイルスの黄金のカルテットの一員になるのですが、まだメッセンジャーズとの契約が残っていたため、カルテットのメンバーの中では一番遅れていく事になります。それほどメッセンジャーズにとっては大打撃になる出来事でした。しかもブレイキーはマイルスの大先輩です。それでも自分のバンドにみんな入りたがっていると決めつけているマイルスの唯我独尊のスタンスにはかないませんでした。

メッセンジャーズでの活躍を認められてマイルスのバンドに入ったからと言って、マイルスのバンドではメッセンジャーズと同じような事は求められていませんでした。マイルスにとってメンバーはマイルスの代わりに別の楽器を演奏してくれる人材にしか過ぎなかったからです。マイルスのバンドではマイルスが何を求めているのかを読み取らなければならなかったので、メッセンジャーズでやっていた音楽とは違うものになっていきます。それでもマイルスのバンドはメッセンジャーズ以上に修行の場であったのです。

そんな訳で、ショーターの力強いプレイを堪能出来るのは、これらメッセンジャーズの音源に限ります。その中でも最高の出来映えがこのアルバムなのです。Free for Allではブレイキーのナイアガラロールの連続技が凄まじいです。この後もブレイキーは生涯現役でかつどうを続け、晩年は毎年日本に来てはジャズフェスの名物オジさんになっていきます。陽気なジャズを楽しむにはブレイキーが一番です。

Free for All

Pensativa

[20070728]

The African Beat The African Beat
Art Blakey (2000/01/25)
Blue Note Japan
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オージーインリズムというアルバムでアフリカンビートを紹介したアートブレイキーですが、メッセンジャーズの活動に忙殺されており、この路線を継続出来ておりませんでした。再びこのアルバムでアフリカンビートを追求しております。メッセンジャーズではなく、アフロドラムアンサンブルとしての作品になります。

1. Prayer by Solomon G Llori
2. Ife l'Ayo (There Is Happiness in Love)
3. Obirin African (Woman of Africa)
4. Love, the Mystery Of
5. Ero Ti Nr'ojeje
6. Ayiko, Ayiko
7. Tobi Ilu

アートブレイキーはアフリカへ渡りイスラム教に帰依したりしてアフリカの音楽を学んでいました。この作品ではアフリカのミュージシャンによる演奏にブレイキーのモダンなドラムが被さってくるというスリリングなカッコ良さがあります。

何と言っても凄いのがブレイキーのドラムの鳴りです。ナチュラルリバーヴだと思いますが、まるでフィルコリンズのようなドラム音です。プレイートリバーヴも使っているのかは不明ですが、明らかに他の演奏とは違う場所で録音されているようです。その為難しいかもしれませんが、サンプリングネタとしても使える部分があるかもしれません。ピーターガブリエルよりも20年も早くこうしたサウンドを録音しているのですから、このアルバムの価値は自ずと分かると思います。

Love, the Mystery Of /7

[20070728]

The Witch Doctor The Witch Doctor
Art Blakey & The Jazz Messengers (1999/12/06)
Blue Note
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サウンドトラックも多く手がけていたアートブレイキーですが、そこで培ったものはこうしたオリジナルアルバムにも反映しています。黒人アクション映画、それも上級クラスの映画で使ったらさぞや格好いいだろうと思わせる作品です。

1. Witch Doctor
2. Afrique
3. Those Who Sit and Wit
4. Little Busy
5. Joelle
6. Lost and Found
7. Witch Doctor [Alternate Take]

音楽監督であるウェインショーターの業績が一番大きいでしょうが、ラテンの要素の取り入れ方が非常にセンスがよく、ハードボイルドなカッコ良さがあります。ジャズメッセンジャーズとしての新しい個性が確立されていくのが確認出来るアルバムでもあります。

ハードバップからモードジャズへの予感も感じますし、民族音楽ジャズの融合は面白い流れを生み出していく事になるのです。ジャズにもプログレッシヴな動きありますが、この頃のメッセンジャーズは正にその当事者だったと言えます。ロックファンにも好かれる作品だと思います。

Witch Doctor

[20070728]

Mosaic Mosaic
Art Blakey & the Jazz Messengers (2006/02/21)
Blue Note
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フレディーハバード、ウェインショーター、カーティスフラーという3管体勢となった作品です。管を増やした事によりショーターのアレンジの幅も広がっています。ブラスヒットのような格好いいサウンドが満載です。

1. Mosaic
2. Down Under
3. Children of the Night
4. Arabia
5. Crisis

ファンキージャズというよりアクション映画のサントラを聴いているような躍動感があります。ブラスオーケストレーション的なアレンジと各ソロの時のアンサンブルが見事です。このアレンジ力は音楽監督に抜擢された理由が分かります。

ウェザーリポートでのショーターのリリカルなプレイしか知らない人にとっては、このモダンジャズ時代のショーターの若々しいプレイは新鮮に映ると思います。しかし、その繊細さはこの時からもあります。それでも若さ故の大胆さが面白い作品を生み出しています。

Children of the Night

[20070728]

Roots & Herbs Roots & Herbs
Art Blakey (1999/12/06)
Blue Note
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ウェインショーターとリーモーガンのコンビネーションもまとまりが良くなってきており、若手にバンドを任せている御大アートブレイキーも、この若いエッセンスを楽しんでいるようです。ファンキージャズが流行る中、単なるファンキージャズに留まる事をしなかったこの采配は見事でした。

1. Ping Pong
2. Roots and Herbs
3. Back Sliders
4. United
5. Look at the Birdie
6. Master Mind
7. Back Sliders (Alt. TK.)
8. Ping Pong (Alt. Version)
9. United (Alt. Version)

ラテンの要素も盛り込んだショーターが創る曲はファンキージャズには無かった気品が感じられます。しかしタイトルのセンスもこれまでのジャズには無かったものです。ジャズメッセンジャーズという修行の場とも言えるこのバンドはショーターにとって、自分のアイデアを遺憾なく発揮出来るこの上ない環境だったようです。

一番有名なのはモーニンであり、素晴らしいアルバムだったのですが、この時期のメッセンジャーズの実験的なサウンドも評価されるべきものであります。どうしてもウェインショーターと言うとマイルスのバンドに入ってからのものが有名ですが、それ以前にこれだけ活躍していた事は見逃せない事実であります。

at San Remo

[20070728]

The Big Beat The Big Beat
Art Blakey、Jazz Messengers 他 (2005/07/19)
Blue Note
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ジャズメッセンジャーズにウェインショーターが加入しての初めてのスタジオアルバムになります。当時まだ無名だったウェインショーターに音楽監督という役職を与え、作曲なども任せていたおり、始めからただものではなかった事が分かります。

1. Chess Players
2. Sakeena's Vision
3. Politely
4. Dat Dere
5. Lester Left Town
6. It's Only a Paper Moon
7. It's Only a Paper Moon [Alternate Take]

躍動するファンキージャズに加え、ショーターの感性はよりエレガントな音楽性をメッセンジャーズに加える事に成功いたしました。音楽的にはこの時期が一番充実していたのではないでしょうか。音楽的にもコアなジャズファンにも一目置かれるようになっていきます。

この新しい才能のウェインショーターを黙って見ているマイルスではありませんで、後にヘッドハンティングされてしまうのですが、それほど有望だったのです。ロリンズ、コルトレーンに続く新しい才能はジャズメッセンジャーズに良い緊張感を加えています。

Dat Dere

Lester Left Town

[20070727]

Moanin' Moanin'
Art Blakey & The Jazz Messengers (1999/04/26)
Blue Note
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ファンキージャズの代名詞とも言えるモーニンを含むジャズメッセンジャーズの代表作であります。世界中で大ヒットとなったモーニンは当時の誰も口ずさむくらい有名な曲でジャズでは珍しいほどの売り上げを叩き出します。コードの付け方はマイルスのソーホワットのようですが、どちらもモダンジャズを代表する名曲として知られています。

1. Warm-Up and Dialogue Between Lee and Rudy
2. Moanin'
3. Are You Real
4. Along Came Betty
5. Drum Thunder Suite: First Theme: Drum Thunder/Second Theme: Cry a Blue
6. Blues March
7. Come Rain or Come Shine
8. Moanin' [Alternate Take]

この時のメッセンジャーズのメンツはリー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)です。リーモーガンはメッセンジャーズの最初の花形プレイヤーとも言える人で、ファンキージャズでは欠かせない人です。ハードバップと違うのは踊れるという事です。アドリブ合戦もありますが、踊れるビートをキープしています。そして覚え易いメロディー。特にモーニンの出だしの旋律でのモーガンのトランペットはまるで人が喋っているようなイントネーションを持っています。力を抑えたこのようなプレイにこそ、その人のセンスが分かります。

このアルバムにはモーニン以外にもアートブレイキーの代表作となるBlues Marchも入っています。こちらもヒットしました。阻止てDrum Thunder Suiteというドラムを題材とした組曲まで入っています。とてもプログレッシヴで挑戦的な作品です。Are You Realも親しみ易い曲ですし、スタンダードのCome Rain or Come Shineも名曲です。メッセンジャーズの名を世界に知らしめた名盤であります。

全ての曲がメッセンジャーズの代表曲であり期待の新星リーモーガンの名をあげた作品であり、ファンキージャズというジャンルを確立した作品でもあります。これ以降多くのジャズメンが後に続けとばかりに踊れるジャズを生み出していきます。ナイアガラロールもそれ以上のドラミングもたっぷり入っています。メジャーになり過ぎたジャズはバカにされがちですが、この作品は内容も伴っておりますのでモダンジャズを代表する名盤としてお勧めいたします。

Moanin'

Are You Real

Along Came Betty

Blues March

[20070726]

Orgy in Rhythm, Vol. 1-2 Orgy in Rhythm, Vol. 1-2
Art Blakey (1997/06/17)
Parlophone Jazz
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アルフレッド・ライオンとアート・ブレイキーがアフリカンリズムを追求したアルバムで、ジャズ色は全くありません。なのにブルーノートから出されているアルバムで、非常に異色な作品です。

1. Buhaina Chant
2. Ya Ya
3. Toffi
4. Split Skins
5. Amuck
6. Elephant Walk
7. Come Out and Meet Me Tonight
8. Abdullah's Delight

アナログ盤ではVol. 1とVol. 2に分けられて出されていましたが、CDでは一つにまとめられています。アートブレイキーは早くからアフロアフリカンなリズムを取り入れたりしていましたが、ここではそのものの音楽を表現しています。80年代に入ってようやくアフリカなどのワールドミュージックが一般化しましたので、1957年に出されたこの作品はかなり先を行っていた訳ですが、当時は酷評されていたりしていました。

現在の耳で聴くとかなり水準の高い作品である事が分かります。ジャズを求める人にとっては何だ、と言うような作品ですが、ワールドミュージックを愛する人にとってはとても優れた作品だと思います。黒人音楽のルーツである訳ですから、ジャズのルーツでもある訳です。柔軟な耳で聴いて頂きたい。

drum solo

[20070725]

The Jazz Messengers The Jazz Messengers
Art Blakey (1997/08/26)
Columbia/Legacy
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ジャズメッセンジャーズとしての最初のスタジオ盤です。ピアノのホレスシルヴァーはブレイキー同様ビバップの時代から活躍している人ですが、メッセンジャーズではこれが最後の吹き込みとなりました、

1. Infra-Rae
2. Nica's Dream
3. It's You or No One
4. Ecaroh
5. Carol's Interlude
6. End of a Love Affair
7. Hank's Symphony
8. Weird-O
9. Ill Wind
10. Late Show
11. Deciphering the Message
12. Carol's Interlude [Alternate Take]

まだどちらかと言うとハードバップしていますが、Hank's Symphony でのラテンなパーカッションアレンジなんかはファンキージャズの熱狂に近いものがあります。随所にブレイキーのユーモアが活きていますが、オーソドックなハードバップとも言えます。

ブレイキーとシルヴァーが共演した音源と仕手は貴重な作品の一つですし、価値のある作品だと思います。癖のない聴き易いモダンジャズとしてはうってつけの作品ではないでしょうか。陽気でいてセンスもいいですので文句のつけようはありません。

Nica's Dream

[20070724]

At the Cafe Bohemia, Vol. 1 At the Cafe Bohemia, Vol. 1
Art Blakey / Jazz Messengers (2001/08/06)
Blue Note
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At the Cafe Bohemia, Vol. 2 At the Cafe Bohemia, Vol. 2
Art Blakey & The Jazz Messengers (2001/07/31)
EMI
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ジャズメッセンジャーズ名義でのライブ盤です。A Night at Birdland同様アナウンスメントから始まる所が人間性が出ていていいです。当時のメンバーはHorace Silver - piano、Kenny Dorham - trumpet、Hank Mobley - saxophone、Doug Watkins - bassの布陣です。

At the Cafe Bohemia, Vol. 1
1. Announcement by Art Blakey
2. Soft Winds
3. Theme
4. Minor's Holiday
5. Alone Together
6. Prince Albert
7. Lady Bird
8. What's New?
9. Deciphering the Message
At the Cafe Bohemia, Vol. 2
1. Sportin' Crowd
2. Like Someone in Love
3. Yesterdays
4. Just One of Those Things
5. Hank's Symphony
6. Gone with the Wind
7. Avila and Tequila
8. I Waited for You

ハードバップとも呼べますが、既にファンキージャズしています。非情に明快で大衆的なノリにアートブレイキーのドラムを全面に出したアレンジが楽しいです。当時日本でもジャズと言えばドラマーというくらいアートブレイキーの存在は大きかったのです。フランキー堺や石原裕次郎がおいらはドラマーと歌っていましたが、子供ながらになぜドラマーなのだろうと思っていました。ジャズの花形は金管プレイヤーだろうと言うイメージですが、ドラマーが主人公なのです。

ハードバップ特有のラテンなノリもあり、ブレイキーの必殺技ナイアガラロールもありとサービス精神がおおらかです。マイルスやコルトレーンのように悲壮感や文学的なものとは無縁な陽気なサウンドです。ジャズファンにはつい軽く見られがちな音ですが、これが本来のジャズの姿とも言えます。サッチモのようなエンターテイメント性をもったブレイキーは日本びいきでもあり晩年まで来日をくり返していました。ジャズフェスには無くてはならない存在だったのです。その原点とも言えるアルバムです。

Minor's Holiday

[20070723]

A Night at Birdland, Vol.1 A Night at Birdland, Vol.1
Art Blakey Quintet (2001/08/06)
Blue Note
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A Night at Birdland, Vol. 2 A Night at Birdland, Vol. 2
Art Blakey (2001/08/06)
Blue Note
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ハードバップから派生したファンキージャズを紹介します。白人により洗練されていたクールジャズやウェストコーストジャズに対抗して、より黒人らしさを強調したのがハードバップです。よりソウルフルであろうとする姿勢はやがてファンキーで踊れるジャズに進化いたしました。元々ジャズはダンスホールなど親しまれていましたが、ビバップの登場で踊るよりも聴き入る音楽になりました。ですから踊れるジャズという原点回帰的な事が怒ったのです。

テーマもシンプルで覚え易く、ポップ性がありましたので、ファンキージャズの多くの曲は大ヒットいたしました。ジャズで名盤といってもポップスやロックのアルバムに比べると売り上げ枚数はたいしたことがありません。しかしファンキージャズはポップス並みに売れたのです。ですから売り上げを上げる為にレコード会社はファンキージャズ求めるようになっていくのです。

A Night at Birdland, Vol.1
1. Announcement by Pee Wee Marquette
2. Split Kick
3. Once in a While
4. Quicksilver
5. Night in Tunisia
6. Mayreh
7. Wee-Dot [Alternate Take]
8. Blues (Improvisation)
A Night at Birdland, Vol. 2
1. Wee Dot
2. If I Had You
3. Quicksilver [Alternate Master]
4. Way You Look Tonight
5. Lou's Blues
6. Now's the Time
7. Confirmation

アートブレイキーはビバップ時代から活躍しているドラマーであります。このアルバムはハードバップ時代のものですが、とても大衆的でノリのいいアルバムです。やがてファンキージャズの御大となっていくのですが、ここでの演奏も結構ファンキーです。

アートブレイキー率いるジャズメッセンジャーズはマイルスのバンドがそうであったように、多くの優れたミュージシャンを育て上げるアカデミックな場でもありました。まずこのアルバムに参加しているメンバーはクリフォード・ブラウンにルー・ドナルドソンという後に名を成すプレイヤーが揃っています。

ビバップ時代の名曲を演奏していますが、明らかにハードバップなノリになっています。楽しいジャズそれがアートブレイキーの本領であります。

Night in Tunisia

Wee-Dot

[20070723]

大関昇進をかけた琴光喜が大関昇進を確実にする成績をおさめました。
大関になるには三役力士で三場所の合計が33勝である必要があります。その後、相撲内容を横綱審議委員会が吟味して昇進を決めるのです。
優勝に絡む活躍を見せた琴光喜の昇進は濃厚でしょう。

本来琴光喜は横綱候補と言われるくらいに期待されていた力士でした。
私も貴乃花無き後、琴光喜を応援してきました。しかし怪我により負け越しが続き、怪我が治っても負け癖がついてしました。毎場所勝ち越すのがやっとの場所が続き、関脇が長く続きました。今回が最後の昇進のチャンスでしたが、見事にものにしてみせました。横綱を目指すならば立ち合いの待ったをしていてはなりません。待った無しの相撲が運を呼び起こすからです。精神的には待ったをしてしまいがちですが、そこを乗り越えなければ上は目指せません。

優勝争いは白鵬が3敗したので、朝青龍と琴光喜の二人にしぼられました。そして千秋楽、琴光喜は負けてしまい。横綱対決で朝青龍が今場所最高の力強い立ち合いで勝ち、逆転優勝しました。

主な上位の成績
朝青龍 14勝1敗 優勝
白鵬 11勝4敗
魁皇 8勝5敗2休
千代大海 9勝6敗
琴欧洲 9勝6敗
琴光喜 13勝2敗

初入幕の豊響が三賞を貰う活躍を見せたり、帰り入幕の海鵬がいい相撲を見せたりと暑い名古屋場所でした。秋場所も熱戦を期待いたします。

[20070722]

Expression Expression
John Coltrane (1993/11/01)
Unknown Label
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ジョンコルトレーン死の数ヶ月前に録音された最後のレコーディング作品です。メンバーはジョン・コルトレーン(ts、fl)、アリス・コルトレーン(p)、ジミー・ギャリソン(b)、ラシッド・アリ(ds)、ファラオ・サンダース(pic、fl)。アリスはコルトレーンの奥さんです。

1. Ogunde
2. To Be
3. Offering
4. Expression
5. Number One

この最後の録音まで追求していたのがフリージャズになります。しかしフリーな演奏をしてますが、これまでのように激しいだけの演奏ではなく、とても穏やかなくらいに達観した感じで演奏されています。これよりも先の世界へ突入していたならもっと違った形でのフリージャズが進化していたかもしれません。

まるで悟りの境地に達したような緩やかな世界が広がります。常に挑戦者であったコルトレーンも41歳の若さでガンの為にこの世を去ります。ジャズ界ではマイルスの一人大将時代となっていきます。しかしこれまで創られたコルトレーンの音楽は今も私達に影響を与え続けています。

Expression

[20070722]

オム オム
ジョン・コルトレーン (1998/08/05)
ユニバーサルクラシック
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よりフリージャズとしての意義を深めた作品です。呪術的であり、宗教的な解釈も出来ますが、なぜフリーで演奏する必要があるのかを考える必要があるかもしれません。

1. Om

人が音楽を頭で理解しようとする時、今まで聴いてきた音楽と比べて判断します。何何風だ。何々的だとこれまで聴いた事のある音楽と比較して、この音楽はこれこれこうだと理解するのです。しかし本来音楽は頭で理解する以前に心で感じるものであるはずです。心に訴えかけてくる音楽を聴いて初めて感動が生まれるものなのです。

それならば頭で理解する必要なありません。これまで聴いた事も無いような音楽でも何かを感じられればその音楽が好きか嫌いかを判断出来ます。フリージャズというのは比較対象となる調性がありません。その音楽がどう成り立っているのかがなかなか見えてこないのです。それならば好きか嫌いかで判断するしか無いのです。

既成の音楽に飽き飽きしている私にとってはフリージャズはとても心地いいものです。勿論理解しようとはしません。感じ取るだけです。それが本来の音楽の楽しみ方だと思っています。現在のJ-POPには何も感じないのもその為です。何も訴える力の無い音楽ばかりです。そしてこのアルバムはと言うと大いに感じ入るコルトレーン晩年の作品なのであります。

FOR JOHN COLTRANE A.AYLER

[20070722]

Kulu Se Mama Kulu Se Mama
John Coltrane (2000/06/06)
Polygram Records
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以前追求していたアフリカなイメージと情緒的な音楽、それにフリーな感性が相まって独特の世界観を持ったアルバムです。

1. Kulu Se Mama (Juno Se Mama)
2. Vigil
3. Welcome
4. Selflessness
5. Dusk Dawn
6. Dusk Dawn

未発表曲で創られているのか、分かりませんが、この時期にしては聴き易さもあり人気のあるアルバムです。アフリカンパーカッションによる呪術的なKulu Se Mama。アフリカンな歌も入っています。しっかりと作曲された曲ではありますが、フリーフォームな演奏により、よりアフリカの大地を連想させる曲になっています。

VigilやWelcomeは既にお馴染みになっている曲ですが、新たな解釈のもとで演奏されています。タイトルといい、ジャケットといい、とてもコルトレーンらしい作品で人気はあります。音楽的にも密度の濃い時間を体験出来ます。フリージャズとしてはおとなしめですが、従来のファンにも聴ける内容です。

Kulu Se Mama

[20070722]

Ascension Ascension
John Coltrane (2000/06/06)
Impulse!
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いよいよ本格的にフリージャズを宣言したアルバムになります。マッコイ・タイナーとエルヴィンジョーンズはいるもののフレディ・ハバード、デューイ・ジョンソン、ジョン・チカイ、マリオン・ブラウン、ファラオ・サンダーズ、アーチー・シェップ、アート・デイヴィスなどのフリー系のメンバーが加わっています。

1. Ascension
2. Ascension

CDでは「コンプリートエディション」として「エディション1」と「エディション2」が収録されています。アナログでは当初、「エディション1」が収められましたが、なぜだか「エディション2」に差し替えられてしまいます。したがって「エディション1」は長い間お蔵入りになっていました。どこが違うかというと「エディション1」の方が凶暴過ぎた為の差し替えられたようです。どちらも混沌とした世界にはかわりはありませんが。

フリーというのは自由に吹いて言い訳で、調性にも縛られません。無調音楽なのです。現代音楽では追求されている領域ですが、ジャズでは考えられなかった世界です。交代でソロをとるハードバップやモードでも束縛感があったプレイヤーにとっては無限の自由を手に入れた事になります。しかもこのアルバム、交代どころか同時に別々の演奏をしまくるほどの混沌ぶりです。

最初から最後まで無法状態とも言える世界です。しかしテーマは一つで、一曲のみの作品です。何らかの指示を元に演奏しているとも思われます。しかし2度と同じ演奏は出来ないでしょう。その瞬間でしか存在しない音楽とも言えます。あまりにもそれまでの音楽と違っていた為、発売当初から問題作とされてきましたが、コルトレーンにとっては又一つ階段を上った事を証明した作品でもあります。フリージャズの世界から見るとかなりの名演であり、名盤です。

John Coltrane Interview

[20070721]

First Meditations First Meditations
John Coltrane (1992/07/07)
Impulse!
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Meditations Meditations
John Coltrane (1996/09/24)
Impulse!
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マッコイ,ギャリソン,エルヴィンが揃ったカルテットでの最後の録音作品がFirst Meditationsです。ほぼフリージャズへ移行しようとしているのが分かります。阻止て3ヶ月後に録音されたのがMeditationsで、ここでは完璧にフリージャズになっています。

First Meditations
1. Love
2. Compassion
3. Joy
4. Consequences
5. Serenity
6. Joy [Alternate Version]
Meditations
1. Father and the Son and the Holy Ghost
2. Compassion
3. Love
4. Consequences
5. Serenity

気も狂わんばかりのフリージャズ。フレーズというよりは雄叫びであります。しかもリズムセクションもフリーな演奏をしていますので、リズムは自分でキープしていなければなりません。自己主張が出来ないプレイヤーには難しい領域です。アドリブを苦手としていたコルトレーンも、とうとうここまできたという感じです。

精神的な求道心から主張するべき事が多くなってきたのです。しかし、聴き手としては頭で理解するより感じ取れるかどうかになってきます。聴く方にも集中力を要する音楽です。特にMeditationsでの傍若無人ぶりは極めつけでしょう。同じ曲目がありますが、全く別物になっています。

いよいよ最後期に入ったコルトレーンの音楽は大きく変貌しながら、その求道心は頂点へと向かっていきます。奇をてらう為のフリーではなく、裏付けされた精神性が伝わって来るので無法地帯にはなっていません。それでもジャズ初心者には難しい作品だと思います。

John Coltrane

John Coltrane pt 2

[20070721]

トランジション トランジション
ジョン・コルトレーン (2001/06/27)
ユニバーサルクラシック
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コルトレーンの死後に発売された作品ですが、ちょうどモードジャズからフリージャズへ移行しようとしている時期の作品で、内容も基本はモードジャズですがアドリブはフリーになりつつあります。

1. Transition
2. Welcome
3. Suite: Prayer and Meditation - Day/Peace and After/Prayer and ...
4. Vigil

メンバーは黄金のカルテットですが、この黄金のカルテットは最強のチームワークを持っていましたが、フリージャズへは抵抗があったようで、コルトレーンについていけなくなります。このアルバム以降は次々にメンバーが入れ替わっていきます。それでも追求を止めないコルトレーンは男でありました。

シーツオブサウンズと呼ばれていたコルトレーンのサックスもブロウしまくるフリーフォームなプレイが続出しています。宗教や哲学数学を追究していたコルトレーンにとって、もはやモードジャズでは表現出来ないものが多くなってきたのでしょう。より感情をぶつけられるフリージャズへいくしか道はなかったようです。その過程を見事に記録したこの作品もあなどれません。

Vigil

[20070721]

Love Supreme (Sl) Love Supreme (Sl)
John Coltrane (2002/12/10)
Umvd Labels
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ジョンコルトレーンの最高傑作アルバムです。4部作のなった組曲A Love Supremeは決して男と女の甘い愛のことではないので、ロマンティックなイメージでは聴かないで下さい。この作品には詩がつけられており、それは神への愛を高らかに謳っております。神への感謝を持って音楽で表現出来る喜びに満ちているのです。

1. Love Supreme, Pt. 1: Acknowledgement
2. Love Supreme, Pt. 2: Resolution
3. Love Supreme, Pt. 3: Pursuance/Pt. 4: Psalm

この曲もモードジャズの完成形とも言える内容で、神への感謝の念をアドリブで表現しています。ですから娯楽的なジャズを聴く感覚でいるととても重苦しかったりします。その為この時期のコルトレーンにはついていけないファンが出てきてしまうのです。しかし一つの音楽として聴く分にはどうでしょう。ハードロックやへヴィーロック、もしくはプログレを聴いていた私にとってはその完成度の美しさに感動してしまいます。ただ甘い愛をイメージすると重くのしかかってきます。

マイルスとは違う形でモードジャズを完成させてしまったコルトレーン。かなり力強いアドリブは今にもフリージャズへと飛んでいきそうですが、一つのしっかりとしたテーマが重力となっています。途中お粗末ではありますが、Love Supremeというコーラスが入ります。この部分は特に無くても良いと思いますが、何かを訴えた方のでしょう。必ずしも一番人気のあるアルバムではありませんが、音楽的には最高の領域に達した名盤中の名盤であります。

Love Supreme

Acknowledgement

[20070721]

Crescent Crescent
John Coltrane Quartet (1996/09/24)
MCA
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コルトレーンカルテッドとしてインパルスレーベルに残した作品はどれも水準が高く、特に至上の愛が最高傑作でありますが、至上の愛と同じ年に先に出されたこのアルバムも又名作であります。

1. Crescent
2. Wise One
3. Bessie's Blues
4. Lonnie's Lament
5. Drum Thing

回教に帰依していた時期で、宗教的な精神性とモードジャズへの極みが一つになっていっている時期の作品です。このアルバムはバラードものが占めておりますが、もはや男と女の愛を越えた愛の歌へと登り詰めています。

神がかっているくらいに絶好調の時期の演奏で、バラッズとは違う意味でのバラード集になっています。バンドとしての充実度もこれ以上ないくらいのレベルに達しています。しかし、至上の愛に比べるとこちらの方が宗教色は強くないので、こちらの方が聴き込み易いかもしれません。

どちらにしても名盤である事に代わりは無く、初期の頃の音楽を好きな人もいればこの時期こそがコルトレーンらしいと思っている人もおります。後は好みの問題ではないでしょうか。

Wise One

Bessie's Blues

Lonnie's Lament

[20070720]

インプレッションズ インプレッションズ
ジョン・コルトレーン (2005/09/28)
ユニバーサルクラシック
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いろんなメンバーをシャッフルしていたコルトレーンがメンバー固めをして揃ったのが、McCoy Tyner - Piano、Jimmy Garrison - Bass、 Elvin Jones - Drumsに落ち着きます。そこにエリックドルフィーやロイヘインズなどが加わったヴィレッジヴァンガードでのセッションにスタジオ録音を足したアルバムになります。モードジャズを極めた名盤であります。

1. India
2. Up 'Gainst the Wall
3. Impressions
4. After the Rain
5. Dear Old Stockholm

バーズのロジャーマッギンがこのアルバムを飛行機の中で聴いて8マイルズハイを創った事はあまりにも有名な話です。モードジャズに加え、インド音楽にも傾倒していたコルトレーンは正にサイケデリックサウンズのお手本のような存在だったのです。ロックではブルーノートという旋律のみで弾きまくるというモードが出来上がりますが、ジャズではもっと細分化したスケールになります。

アドリブが苦手だったコルトレーン青年はここにはもういません。そしてそれをもっと煽るようなエリックドルフィーのフリーに近い暴挙ぶりは凄まじいものです。当時はマイルスと双璧をなすぐらいまで成長した事が分かります。モードでより自由を手に入れた演奏家は感情の赴くままに演奏しまくります。コルトレーンはその中での閃きをどんどん展開していき、新たなテーマを見つけ出していきます。そしてモードでも満足出来ないエリックドルフィーはフリージャズに近い演奏で暴れまくります。バックのメンバーの追従も見事な裁きでコルトレーンの意思を拡大しています。

そして美しいAfter the Rainでもう一つの表情を見せます。正にコルトレーンが創り上げたコルトレーンならではの音楽です。1963年の作品ですからビートルズは誕生していますが、まだロックンロールしていた時代です。後のヒッピームーヴメントに繋がる感性を既にコルトレーンはこの時期に見つけ出していたのです。コルトレーンの最高傑作の一つでもあり名盤です。

India

Impressions

After the Rain

[20070719]

Ballads Ballads
John Coltrane Quartet (2007/03/19)
Verve
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以前からコルトレーンのバラードプレイは定評がありましたが、ここでは改めてバラッズというタイトルをつけてバラードをテーマにしたアルバムを創っています。

1. Say It (Over and Over Again)
2. You Don't Know What Love Is
3. Too Young to Go Steady
4. All or Nothing at All
5. I Wish I Knew
6. What's New?
7. It's Easy to Remember
8. Nancy (With the Laughing Face)

コルトレーンは素直に旋律を情感たっぷりに吹いています。バックの演奏はオーソドックスのようであり、実際にはモードジャズ以降の作品なだけに代理コードを使ったりと旋律とは離れた部分にいく事がたまにあります。それが時代性でしょう。

難解になっていった時代に出された分かり易いジャズという事で、結構愛されているアルバムです。特にSay Itの美しい旋律には泣かされます。このアルバム以降は非情なくらいに突き進んでいく事を考えると、ここでこれまでの自分のプレイを見直したかったのではないかとも推測されます。コルトレーンのもう一つの真髄であります。

Say It

You Don't Know What Love Is

I Wish I Knew

[20070718]

Ol? Coltrane Ol? Coltrane
John Coltrane (1990/10/25)
Wea Japan
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コード進行に束縛されるハードバップをより自由にする為に導入されたのがモードジャズです。コードの流れに関係なく、決められたスケールの音であればどれを発音しても良いのです。これはコードの概念が無い民族音楽によく見られます。そして、モードの時代にマイルスを始め多くのジャズミュージシャンが取り入れ出したのが、フラメンコなどのスパニッシュな味付けです。このアルバムもコルトレーン流のスパニッシュを意識したラテン系の作品です。

1. Ole
2. Dahomey Dance
3. Aisha
4. To Her Ladyship

この頃のコルトレーンはメンバーを定着させる事無く、いろんなプレイヤーを差し替えたりして実験的な音楽に没頭しています。フラメンコタッチのOleの何と格好いい事か。そしてとても格調高い。モードジャズは所謂ジャズで言う所のサイケデリックな部分があります。とてもアシッドな感覚を持っているのです。ルート音に縛られないのでとても浮遊感があります。

コルトレーンはそれをもっと芸術性の高い次元で構築しています。マイルスともロリンズとも違うコルトレーンにしか創れない音楽を生み出しています。新たなジャズの創造者が育っていく過程の音楽です。この実験性がとても心地良く染み渡ります。陰に隠れたアルバムですがこれも名盤です。

Ole

Dahomey Dance

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