ジョージラッセルはギルエヴァンスに対抗しうるアレンジャーであり、クール
ジャズからの系譜を持っているのですが、彼はクール
ジャズからモード
ジャズへと
音楽理論を追求しました。あまり知られていない作品など多数あるのですが、代表的なものを紹介します。
1. Ezz-Thetic
2. Nardis
3. Lydiot
4. Thoughts
5. Honesty
6. 'Round Midnight
彼は独自の理論リディアン理論を提唱いたします。ビバップではコード進行にあわせて最適な音程をとる必要があったためアドリブにも制約が出来ていました。そこで民族
音楽などで用いられるモード、つまり旋法、分かり易く言うとある一定の音階であればコード進行に関係なく発音する事を可能にしました。その為アドリブで使える音程が大幅に増える訳です。
ジョージラッセルはこのモードの自由度をもっと拡げる為に、いくつかのモードを複合する事によって発音しては行けない音程をなくす工夫をしたのです。それがリディアン理論なのですが、かなり複雑な理論なので簡単には説明出来ません。簡略に言うとどの音程でも発音を可能にする為の和音構成を考える理論です。その為フリーに近い形でソロをとる事が可能になったのです。
このアルバムでは6人編成をとってあり、フリーの天才エリックドルフィーが参加しています。しかし基本はクール
ジャズですので、譜面化された
音楽なのですが、ソロでは束縛しておりませんので、かなり熱く、激しいカッコいい
ジャズを聴く事が出来ます。それでいて知的なので申し分無い訳です。私は個人的にはギルエヴァンスよりもこのジョージラッセルの
音楽の方が好きです。
'Round Midnightなど有名なスタンダードナンバーを題材に使っていますので、このリディアン理論で演奏されているものがどれほど違うものなのかが確認出来ます。理論で追求しながら自由な
ジャズの在り方を求めたそのサウンドはかなり活き活きしております。一般的にはメジャーではありませんが、私はジャズアルバムの中では最も愛聴している作品であります。
George Russell Ornette Coleman Conversation