1. My Favorite Things 2. Ev'ry Time We Say Goodbye 3. Summertime 4. But Not for Me
コールポーターのEv'ry Time We Say Goodbye 、ガーシュインのSummertime とBut Not for Me。どれも有名なスタンダードナンバーです。それをコルトレーンは長尺の演奏で、まるでプログレのようなアルバムに仕上げました。メロディーはポップで知っている曲ばかりなので、遠ても分かり易いですが、コルトレーンのやろうとしていた事をどれだけの人が理解していた事でしょう。
My Favorite Thingsではテナーではなくアルトを吹き捲くるコルトレーンですが、この優しい音色にも挑戦者の覚悟が感じられます。これまでの有名な楽曲でこれまでに無い美しい世界を構築しているのです。アドリブももう精神の世界に入っています。この流れが後にフリージャズへ進化していくのですが、ここに既にその芽生えが確認出来ます。決して軟弱なポップスではない事を肝に命じておかないと大地から離れた場所に連れて行かれます。あまりにも先見性のある名盤です。
1. Good Bait 2. I Want To Talk About You 3. You Say You Care 4. Theme For Ernie 5. Russian Lullaby
特に I Want To Talk About Youは生涯愛したバラード曲のようです。このアルバムではバラード曲と性急な曲の二面性がバランス良く配されています。しかしコルトレーンの性急な曲はロリンズンオそれとは緊張感が違います。コルトレーンの方が重量感というか落ち着いた感じがするのです。どちらも持ち味が違うので、後は好みの問題かと思います。