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[20070831]

Future ShockFuture Shock
(2000/02/08)
Herbie Hancock

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ヒップホップを世界的に有名にしてしまった歴史的名盤です。テクノに移行しようとしていたハービーにカルチャーショックを与えたのが、世界で初めてヒップホップを世界的に紹介したマルコムマクラレーンのバッファロウギャルズでした。これと同じようなサウンドを表現する為に選ばれたのが、当時はまだ新鋭だったニューヨークアヴァンギャルド集団のマテリアルを率いるビルラズウェルでした。そして創り上げたのがこのアルバムです。

1. Rockit
2. Future Shock
3. T. F. S.
4. Earthbeat
5. Autodrive
6. Rough
7. Rockit (Mega Mix)

まるでバッファロウギャルズそのまんまのドラムフィルで始まるRockit はMTVでのロボットがブレイクダンスするPVによって世界中のお茶の間に流されるヒットとなりました。これで一気にヒップホップと言う文化が知れ渡る事になったのです。このヒットでハービーはグラミー賞まで頂き、ロックすら知らない人でもハービーとその音楽を知る事になったのです。この曲ではまだラップは使われていませんがスクラッチ奏法が脚光を浴びます。

タイトル曲Future Shockはこれまでのようなダンサブルなファンクですが、かなりテクノ的な味付けがされています。T. F. S. はテクノそのものな、いかにも80年代っぽいサウンドです。アレンジもかなり立体的になっています。Earthbeatではヒップホップなアレンジでエスニックなサウンドを創り上げています。これはマクラレーンのアルバムでアフリカの音楽が紹介されていたので、その影響もあると思います。どれも当時車が買えるだけの値段がしていたサンプラー、フェアライトによって創られています。DX-7なんて日本が誇るFM音源シンセも使われており、80年代の最新鋭の音が凝縮しています。

Autodrive、Roughもヒップホップとテクノが融合しており、プロデューサーのビルラズウェルの手腕が活かされています。ヒップホップはここから市民権を手にするようになり現在に至っています。しかしあれから30年近く経っているのにいまだにヒップホップに代わるムーヴメントは起こっていません。現在は主流になり得る音楽が無いのです。そんな悲しい現状も踏まえつつ、この歴史的アルバムをご賞味下さい。

Rockit

Future Shock

Rock It LIVE
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[20070830]

Magic WindowsMagic Windows
(1996/11/04)
Herbie Hancock

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80年代に入って最初のアルバムになります。サウンド的にはクィンシージョーンズファミリーのブラザースジョンソンが参加しており、これまで同様ブラックコンテンポラリーな作品ばかりです。しかし、当時はディスコブームは去り、パンクニューウェイヴ、テクノの時代です。さすがにハービーはパンクには行きませんでしたが、ニューウェイヴやテクノの影響は徐々に浸透しています。

1. Magic Number
2. Tonight's the Night
3. Everybody's Broke
4. Help Yourself
5. Satisfied With Love
6. Twilight Clone

ラストのTwilight Cloneではブラザースジョンソンをバックに、当時フランクザッパのバンドからトーキングヘッズに呼ばれていたエイドリアンブリューがギターを弾きまくっています。しかもこの曲は来るべきテクノやヒップホップ予感させるようなデジタルな作品になっています。

ボーカルもヴォコーダーではなく、シンガーを参加させています。それでもこれまでのような軽薄な作品ではなく、きちんと工夫されたアレンジなので飽きずに聴けます。Everybody's Brokeではシンセベースとルイスジョンソンのチョッパーベースとの合わせ技という当時でもかなりの革新的なアレンジになっています。

当時のハーバーが手本としていたのがスティーヴィーワンダーやクィンシージョーンズでしたが、彼らにも負けていない質感が出来ていると思います。80年代らしいコンプレッサーとノイズゲートの使い方などはクィンシーの影響でしょう。時代はいよいよアナログからデジタルの時代へと進んでいきます。

jams with his Fairlight CMI

[20070829]

Mr. HandsMr. Hands
(2001/04/17)
Herbie Hancock

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これまでの作品でのセッションで録音はされたが、採用されなかった曲にシンセサイザーをダビングして創られたアルバムです。ボツになったと言ってもアルバムのトータル性に合わなかったと言うだけで、曲自体は聴いてもらえば分かる通り素晴らしいものばかりです。前2作でディスコ歌ものになっていた為に歯がゆい思いをしていた人にとっては、久々のキーボードソロが満喫出来る作品になっています。

1. Spiraling Prism
2. Calypso
3. Just Around the Corner
4. 4 A.M.
5. Shiftless Shuffle
6. Textures

Spiraling Prismはサンライトのセッションのものですが、プログレッシブなシンセソロが格好いい出来映えになっています。Calypsoはロンカーターとトニーウィリアムスと言う旧友トリオによるアコースティック名曲にシーラEのパーカッションとシンセを足してモダンな感じにしています。しかもカリプソなのにマイナーだといういかにもジャズミュージシャンらしい曲です。

Just Around the Cornerはモンスターでのセッションですが、歌ものではなく、エレピソロなどでこれほど格好良くなると言う曲になっています。あのアルバムも歌ではなくキーボードに歌わせておればこれだけ格好良くなったのに、と言う曲です。4 A.M.はサンライトでのジャコパストリアスとのセッションになっています。しかしドラムはハーヴィーメイソンです。まるでウェザーリポートのような曲です。Shiftless Shuffleはヘッドハンターズでのセッションです。ダイレクトステップでもリメイクされていましたが、この曲だけ当時のままでダビングはされていないとの事です。

Texturesだけが新曲で、ハービーによるシンセの多重録音になっています。リンドラムなどを使い、テクノへと移行していくハービーの奇跡がここにあります。70年代最後のアルバムであり、来るべき80年代へ備えた作品とも言えるでしょう。

4 A.M.

[20070828]

MonsterMonster
(1996/11/04)
Herbie Hancock

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前作同様ディスコサウンドが基本ですが、サンタナが参加しているのでラテン系だったりロック的だったりしています。このアルバムではハービーのヴォコーダーボーカルはなく、別にシンガーを参加させています。後にシカゴに入るビルチャップリンなどです。そしてプリンスファミリーになって有名になるシーラEもいます。

1. Saturday Night
2. Stars in Your Eyes
3. Go for It
4. Don't Hold It In
5. Making Love
6. It All Comes Around

ドラムがレアグルーヴの最右翼にされているアルフォンソムザーンです。その為現在は見直されているアルバムですが、当時はジャズファンには無視されていました。多少凝った事はしていますが、ディスコの軽薄な所をためらわずにやっているので、今聴くとあんまりなものです。

いくら当時流行っていたからと言っても、もう少しなんとかしようがあったのではないかとも思います。当時はVSOPのようなジャズフォーマットでの演奏もしているので、その反動でこちらでは全くジャズの要素の無い音楽になっています。長い目で見ればこれもハービーハンコックらしい作品ですので、流れとしてこのアルバムを聴くのがいいかもしれません。

Fairlight on Sesame Street

[20070827]

Feets, Don't Fail Me Now Feets, Don't Fail Me Now
Herbie Hancock (1990/10/25)
Sony
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ソウルファンクで踊っていた黒人に対して、シンプルで白人でも踊れるディスコミュージックが流行り出しました。ハービーもしっかりと時代に合わせてディスコサウンドを脱しています。これまでのはじけまくっていたビートがシンプルなドラムパターンになっています。ですからこれまでは軟弱な曲でも格好良く聴こえていたのですが、ここでは思いっきり軟弱になっています。

1. You Bet Your Love
2. Trust Me
3. Ready or Not
4. Tell Everybody
5. Honey from the Jar
6. Knee Deep

サンライトで歌に味をしめたハービーはここでもヴォコーダーを使って歌いまくっています。リズムがシンプルになったら曲までもがシンプルになっており、かなり軽薄です。当時はかなりけなされた作品です。しかしレアグルーヴと言う観点からは見直されてもいます。

ディスコやソウルミュージックが好きな人には楽しめるでしょうが、プログレッシヴなハービーを好きな人には物足りないはずです。ディスコにもいい曲はありますが、ここでの曲はそのいい曲の部類には入らないでしょう。あまりにも大味なファンクなのです。全曲他のメンバーとの共作になっているのが原因かもしれません。

ではこのアルバムの聴き所はと言うと、このシンプルな流れの中で多彩に使われているアナログシンセのバリエーションでしょう。時代の音と言ってしまえばそれまでですが、今の時代でも聴けるのはやはりファンクのアレンジの方です。それでもハービ-がディスコサウンドをやっているという珍しいアルバムとしては価値があるかもしれません。

You Bet Your Love

Ready or Not

Tell Everybody

Honey from the Jar

[20070826]

ダイレクトステップダイレクトステップ
(1999/11/03)
ハービー・ハンコック

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ハービーが来日した時に公演の合間を縫って録音したアルバムです。ダイレクトカッティングという録音したそのままの状態で盤が出来上がっていくと言う方式で、音は良くなりますが、一発勝負という緊張感が伴います。その為演奏しなれている曲が選ばれていますが最高の演奏を聴かせています。

1.butterfly
2.shiftless shuffle
3.I thought it was you

オーヴァーダビング無しなので、それまでのスタジオバージョンとも違う雰囲気になっていますが、ライブ以上の集中力を発揮しています。shiftless shuffleは未発表曲でしたが、後にMr.ハンズと言うアルバムにおさめられます。

オリジナルアルバムではありませんが、日本で生まれたアルバムとして誇れるものであります。オリジナルスタジオアルバムとも違う、ライブとも違う本気のハービーハンコックがここにいます。しかし、この頃のハービーは他のどのファンクバンドよりもはじけています。

butterfly

I thought it was you

[20070826]

SunlightSunlight
(2001/04/03)
Herbie Hancock

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ハービーハンコック唯一のヴォーカルアルバムです。ヴォーカルと言ってもヴォコーダーを使って歌っているのですが、歌詞もあり、きちんとしたヴォーカルナンバーになっています。AOR的とも言えるブラックコンテンポラリーは後のスタイルカウンシルへもつながるもので、ここでこれだけのコンポージングができてしまうハンコックは正に天才であります。

1. I Thought It Was You
2. Come Running to Me
3. Sunlight
4. No Means Yes
5. Good Question

表ジャケットはいかにもブラコンしていますが、裏ジャケットには使用したシンセがずらりと紹介されています。ミニムーグ、ポリムーグ、オーヴァーハイム、アープ、シーケンシャルサーキットなど、現在ではヴィンテージもののアナログシンセ群です。そして創られた曲はスィートソウルなポップスであります。まるでシックのような80年代を予感させる楽曲は見事なまでに創り込まれています。

自分で歌ってみたかったハービーにとってヴォコーダーはこの上ない味方となったのです。この後YMOが使ってヴォコーダーは脚光を浴びるようになりますが、一時使われていなくなり、最近になってアメリカのダンスものやテクノ系で使われ出して再び脚光を浴びています。

後期マーヴィンゲイが好きな人にはお勧めのアルバムですが、最後に強烈なGood Questionがまっています。旧友トニーウィリアムスとハービーが発掘したジャコパストリアスとのトリオ編成に多少のパーカッションが加えられた曲です。ラテン系の曲なのにかなり凶暴な演奏で格好いいです。トニーとジャコはハバナでのコンサートで場外乱闘にもなりかねない険悪な伝説を生んでいますが、この時はもめ事は起きなかったようです。

ハービーの作品の中では一番ポップなアルバムでありますが、軟弱に聴こえないのがハービーの魅力でもあります。これはヒットチャートにも登りましたが、影の名盤と言えるものではないでしょうか。

I Thought It Was You
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[20070826]

SecretsSecrets
(1990/10/25)
Herbie Hancock

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モータウンの重鎮ワウワウワトソンを正式にバンドに迎え入れ、もう一人、当時はまだ新人だったレイパーカーJrをサイドギターで加え、ギターによるファンキーなカッティングを充実させました。黒人音楽を総まとめにしたようなブラックコンテンポラリーを追求しています。

1. Doin' It
2. People Music
3. Cantaloupe Island
4. Spider
5. Gentle Thoughts
6. Swamp Rat
7. Sansho Shima

P-FUNKのようなルーズなグルーヴではなく、メリハリのはっきりしたビートで、尚かつ熱気を持ったファンクが展開されています。Doin' Itではギターに使っていたトーキングモジュレーターをキーボードで出力しています。ヴォコーダーが出てくるのはすぐこの後なのですが、かなり先取りしたような事をやっています。

Cantaloupe Islandはウォーターメロンマン同様、ジャズ時代のヒット曲のリメイクです。レゲエ風にエレクトリックアレンジされています。シンセの音色も多彩になっており、ハービーの表現力は留まる事を知りません。Sansho Shimaは仏法用語だそうです。ストレートにタイトルに持ってくる所なんか、外人さんは信仰に対して純粋だと思います。ハービーのファンクはソフティケイテッドされているようで、どこかに挑戦的な炎を感じてしまいます。

Doin' It

Cantaloupe Island

[20070826]

洪水洪水
(1997/10/22)
ハービー・ハンコック

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エレクトリックファンクバンドとして来日した時のライブアルバムです。日本だけの発売でしたが、その演奏内容の充実ぶりから名作とされています。今でも東京ジャズなどを手がけるハービーは日本の仏教を信仰している事もあり大の親日家です。日本にも何度も公演に来ていますが、この時期の充実ぶりはそうあるものではありません。

1.Introduction/Maiden Voyage
2.Actual Proof
3.Spank-A-Lee
4.Watermelon Man
5.Butterfly
6.Chameleon
7.Hang Up Your Hang Ups

オープニングの処女航海はハービーのピアノだけで静かに始まります。何度も演奏されてきたこの名曲も熟成したような演奏で魅了してくれます。そしてバンドが加わり、Actual Proofへ突入する時には早くも最高のテンションへ登っており、このバンドがどれほどまとまっておりながらも充実しているかが伺えます。

曲目もエレクトリック時代の代表曲ばかりで、ベスト盤のようでもありますが、スタジオ盤以上の集中力とテンションによって演奏されており、いかにこれらの曲が格好いいものなのかを再確認する事が出来ます。ハンコック入門としてはこれ以上無い贅沢なくらいの名盤です。

Maiden Voyage

Actual Proof

Chameleon

Hang Up Your Hang Ups

[20070825]

Man-ChildMan-Child
(1990/10/25)
Herbie Hancock

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ヘッドハンターズからのメンバーに加え、ギターにワウワウワトソンを迎え、旧友ウェインショーターやハーモニカでスティーヴィーワンダーまでもが参加してる豪華メンバーによる作品です。これがきっかけでハービーはスティーヴィーの名作キーオブライフに参加しています。

1. Hang Up Your Hang Ups
2. Sun Touch
3. Traitor
4. Bubbles
5. Steppin' in It
6. Heartbeat

冒頭Hang Up Your Hang Upsからワウワウワトソンのファンキーなギターリフが格好良く決まっています。繰り返されるポリリズムに合わせインプロヴィゼイションが展開されていきます。ファンク特有の間をとりながらセンスのいいプレイがクールです。

このアルバムからハービーはギタープレイヤーも使いながら、ライブを見据えたプレイヤーを使っていく事になります。メリハリの効いたソリッドなビートが格好いいです。当時はフュージュンブームでありましたが、ファンクソウルも流行っており、両方のファンを満足させられると言う点でハービーは絶好調でした。

ジャズミュージシャンとスティーヴィーワンダーがコラボレートすると言うのも面白い現象ですが、吹っ切れてしまったハービーハンコックにとっては可能性のみが存在するような状況だったのでしょう。今聴いても充分格好良くノレる音楽です。

Hang Up Your Hang Ups

Steppin' in It

[20070825]

ThrustThrust
(1998/07/06)
Herbie Hancock

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ヘッドハンターズのメンバーからハーヴィーメイソンに代わりドラムにマイククラークが入りました。内容的にはヘッドハンターズの延長線上にあるものの、リズムプラス作曲面で押し進めた形になっています。

1. Palm Grease
2. Actual Proof
3. Butterfly
4. Spank-A-Lee

SFっぽいジャケットのように未来的なファンク三度ですが、かなり肉感的なビートでもあります。跳ね方が半端じゃないです。ファンク専門にやっているバンドよりも跳ねた感じになっています。これはジャズマン特有の感覚なのでしょうか。跳ね方にも凝っています。

Butterflyはハービーのライブでは欠かせない曲になりまして、彼の代表曲になっていきます。ヘッドハンターズではシンプルなポリリズムが印象的でしたが、ここではそれに加え、これまでのようなソロプレイでのジャズミュージシャンらしさが入っています。これも成功したが故の余裕でしょうか。それでもポップに聴かせる所にハービーの当時の決意が感じられます。レアグルーヴとしては激し過ぎますが、サンプリングネタの宝庫でもあります。

Actual Proof

Butterfly

Spank-A-Lee

[20070825]

Head HuntersHead Hunters
(1997/03/25)
Herbie Hancock

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ハービーハンコックの一大転機となった大ヒット作品です。シンプルなソウルファンクフュージュンとなっています。ロックよりな他のフュージュンバンドに比べるとよりソウルフルになっており、これが当時のディスコで大流行りしてポップス並みの大ヒットとなります。

1. Chameleon
2. Watermelon Man
3. Sly
4. Vein Melter

このアルバムを制作するきっかけは、ハービーの友人宅に行った時に自分のアルバムが奥にしまわれていた事に始まります。よく聴く音楽を表に出しており、ハービーの音楽は好きだが気軽に聴ける音楽ではないと言うのだ。それまで懸命に努力して創った音楽が頭でっかちなだけの音楽だと言う事に気づいたハービーはショックを覚えます。確かに音楽は気軽に楽しめるものであるべきだと思ったのです。

ジャズ界では有名な話ですが、そんなある日、寝ていたハービーの枕元に日蓮大聖人が現れて啓示を示したそうです。それを元に創ったのがこのヘッドハンターズと言うアルバムなのです。特に大ヒットとなったChameleon でのシンプルなベースラインは印象的です。そこにまるでギターのようなクラヴィネットによるファンキーなリフレインが絡むとソウルファンクそのものとも言える作品に仕上がります。

ヘッドハンターズのメンバーはサックスのベニーモウピン、ベースのポールジャクソン、ドラムのハーヴィーメイソン、パーカッションのビルサマーズです。彼らはこの後もセッションミュージシャンとしても活躍しますが、独自にヘッドハンタースを再結成させたりしています。後にハービーと同じ仏教に帰依しています。正にこれは日本の仏教が生んだファンクの超名作アルバムなのです。

当時はウェザーリポート、マハヴィシュヌオーケストラ、リターントゥフォーエヴァーの三大フュージュンバンドに加え、ハービーも方を並べるだけの存在となったのです。又ハービーのファーストに入っていたWatermelon Manをエレクトリックにリメイクしており、ファンキージャズだったこの曲をエスニックなスローファンクにアレンジし直しています。スライ&ザファミリーストーンからとったSlyなど、ドファンクな名曲揃いです。クロスオーヴァーというか、それまでのジャンルの垣根が一気に外された歴史的名盤であります。

Chameleon


Watermelon Man

Sly

Vein Melter

[20070825]

SextantSextant
(1998/08/18)
Herbie Hancock

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ワーナーからコロンビアレコードに移籍しての作品です。コロンビアでの時代が一番長いハービーですが、最初のこの作品はこれまでのセクステットバンドをそのまま移行した形で、タイトルもそのままのセクスタントになっています。音楽的にも延長線上にありますが、よりシンセの割合が多くなっています。混沌としながらもアフロアフリカンなファンクビートが強調されています。

1. Rain Dance
2. Hidden Shadows
3. Hornets

ジャケットも不思議で、表はアフリカンダンスが描かれており、裏ジャケットには大仏が描かれていると言う文明交差になっており、これは恐らく宇宙と言う概念を描いているのではないかとも思われます。まだ複雑な構成になっていますが、よく聴くと以前よりも洗練されているのが分かります。

フリージャズのような場面も効果的な場所に配置するなど、曲の構成も冷静に計算されているのが分かります。ミニマルなビートも無秩序なフリージャズをある秩序に従わせているようなイメージです。マイルスのやっていた音楽にも似ていますが、ギターではなくシンセを使っている所がより幻想的です。この後の作品がポップになっていきますので、このアルバムまではマイルスの遺伝子が受け継がれていると思っていいです。好き嫌いはあると思いますが、このアルバムの頃のハービーが私は一番面白いです。

Hidden Shadows

[20070824]

Crossings Crossings
Herbie Hancock (2001/01/29)
Reprise
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前作同様の実験的な音楽に加え、初めてシンセサイザーをハービーが手にします。まだ効果音的な使い方ですが、ジョーザビヌルに続いてジャズにもシンセが浸透していくようになります。ジャケットは何だかインドにアフリカ人がいるような不思議な絵です。

1. Sleeping Giant
2. Quasar
3. Water Torture

組曲仕立てになっている大作Sleeping Giantは精神性を追求したような曲ですが、前作と違うのはしっかりとしたテーマがある事です。無調性のようであり、テーマではしっかりコード感があります。ワーナー一作目と二作目が合体したような感じでしょうか。

初期のウェザーリポートが好きな人にはお勧めのアルバムです。幻想的でもファンキーでロック的なカッコ良さがあるのです。エコーなどのサウンドエフェクトの使用など、それまでのジャズのアルバムには無かったものです。ジャズミュージシャンは演奏する事が大事ですからスタジオワークなどは二の次だったのです。それだけハービーが表現者として目覚めた事が伺えます。Water Tortureではメロトロンまで登場してまるでプログレのようでもあります。

ここまでのワーナー三部作が一番自由にやりたい事をやっていた時期であり、この後はハービーも聴く人の事を考えるようになります。アヴァンギャルドなハービーを知りたい人には、このワーナー三部作がお勧めです。

LIVE IN MONTREAUX

[20070823]

Mwandishi Mwandishi
Herbie Hancock (2001/01/29)
Reprise
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ワーナー第一作である程度の成功を収めたハービーは自由に音楽を作れる環境を手に入れた。そして続けて創られた第二弾がこのアルバムです。これまでもやっていた実験的な音楽をより確かなものしています。同時期に出たウェザーリポートのファーストアルバムのように大胆なくらいに実験的でエレクトリックファンクロックジャズなアルバムに仕上げています。

1. Ostinato (Suite for Angela)
2. You'll Know When You Get There
3. Wandering Spirit Song

ハービー自身はこのアルバムが一番好きだと言っていますが、これまでのアルバムの中では一番混沌とした無いようです。マイルスのビッチェズブリューの姉妹品のように感じる部分もあります。民族音楽的な妖しさもあり、ロック的な攻撃性もあります。そしてジャズのように繊細で、ファンクのようにヒっプです。

ジャズロックと呼ばれていたものが、フュージュンと呼ばれ出した時期であり、マイルスチルドレンが巣立っていった頃のハービーの作品です。ウェザーやマハヴィシュヌ、リターントゥフォエヴァーばかりが注目されていましたが、ハービーも負けないくらいの作品を創っていたのです。調性というかコードが決められていないので、フリージャズのような得体の知れないものになっています。変拍子もありますが、ロック的なビートが何とか道筋を創っているようです。

ハービーは仏教に目覚めたせいか、テクニックよりも精神性を追求するようになり、フリージャズに近いコンセプトで演奏しています。ワーナーを離れた後の作品があまりにも有名ですが、こうした影の名盤も揃えておくのがハービーファンと言うものでしょう。

Ostinato

[20070822]

Fat Albert Rotunda Fat Albert Rotunda
Herbie Hancock (2001/01/29)
Reprise
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ブルーノートを離れ、マイルスのバンドを離れたハービーが初めて自分のバンドを組んで、ワーナーに3枚のアルバムを残しました。そのワーナー三部作の第一弾です。マイルスはハービーはトリオを組むと思っていたらセクステットを組んだので驚きます。そんな大所帯は長続きしないと言うのです。しかしハービーがスピークライクチャイルドで試みた3管編成をより具体的なものにするにはセクステットが必要だったのです。しかも今回はエレクトリックバージョンになっています。

1. Wiggle-Waggle
2. Fat Mama
3. Tell Me a Bedtime Story
4. Oh! Oh! Here He Comes
5. Jessica
6. Fat Albert Rotunda
7. Lil' Brother

ワーナー三部作はハービーの経歴の中では一番難解な時代です。実験的すぎるのです。しかし、この一作目ではハービーがテレビアニメ用に創っていたファットアルバートをリメイクする形で分かり易いものになっています。ファンキーでロックのリズムを加える事によりとてもポップになっています。Tell Me a Bedtime Storyはボサノヴァ調の名曲で、スタンダード化している作品で、第一弾と言う事で売れ線を狙った向きがあります。

フュージュンが生まれる前ですが、その原型とも言える内容を、ハービーも創っていたのです。ファンキージャズで鳴らしたハービーにとって、これらのファンキーな演奏はお手の物で、マイルスバンドで鍛えたエレクトリックでのフリーなソロも活かされており、バンドメンバーも同じ感覚でソロをとっています。バンドとしてのまとまりは上出来でしょう。この後の大ヒット作品に比べるとマイナーなアルバムですが、ワーナー時代では唯一ポップでノリのいいカッコ良さのあるアルバムです。もっと陽の目を見てもいいのでしょうが、レーベルとして兼ね合いから目立てないようになっています。ジャズロックと呼ばれているものの中ではなかなかの好作品なのですが。

Wiggle-Waggle

Tell Me a Bedtime Story

[20070821]

ザ・プリズナー+2(完全限定生産/紙ジャケット仕様) ザ・プリズナー+2(完全限定生産/紙ジャケット仕様)
ハービー・ハンコック (2003/01/22)
EMIミュージック・ジャパン
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ハービーハンコックのブルーノート時代の最後のアルバムになります。この頃はもうマイルスの黄金のクィンテットは解散状態にあり、マイルスはエレクトリック化していきます。ロンカーターがエレクトリックベースを引くのを拒否したため、実質解散状態になります。ハービーもソロ活動に専念するため、マイルスとのセッションはゲスト参加と言う形になります。

1. I Have a Dream
2. Prisoner
3. Firewater
4. He Who Lives in Fear
5. Promise of the Sun
6. Prisoner [Alternate Take]
7. Firewater [Alternate Take]

タイトルやジャケットから黒人のアクション映画のサントラのようでもありますが、普通のオリジナルアルバムです。凶弾に倒れたキング牧師に捧げられています。ハービーは次のワーナーレコードで展開するバンドのリハーサル的な感覚でこの作品を手がけているようです。これまでのギルエヴァンス的なアレンジを実行する為に、今回は9管編成になっています。エレピも弾いています。

このアルバムから参加したベースのバスターウィリアムスは日本の仏教に帰依しており、その影響でハービーも仏教を信仰するようになっていきます。当時のジャズ界では本来クリスチャンが多かったのですが、ジョンマクラフリンやサンタがヒンズー教に帰依しており、仏教と言うのは珍しかったのですが、これをきっかけにウェインショーターやラリーコリエルなどが仏教に帰依するようになります。現在ではサンタナも同じ仏教団体に所属しておりますから面白い構図になっています。

音楽的にはこれまでの実験的な音楽を押し進めていますが、次第に難解になっていき、次期バンドではかなりの実験的な音楽に着手していく事になります。このアルバムまでは何とかモダンジャズの枠組みに収まっている感じです。

Herbie Hancock & Oscar Peterson

[20070820]

Speak Like a Child Speak Like a Child
Herbie Hancock (2005/03/01)
Blue Note
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処女航海と双璧を成すモダンジャズでのハービーの傑作アルバムです。タイトルのSpeak Like a Childはスタイルカウンシルの曲にもありますが、子供のように喋る女の子はカワイイと言う意味もありますし、子供のように素直に喋ればこの世からは争いごとは亡くなると言う平和の意味もあります。ジャケットに映るハービーと当時の恋人ジジとキスしている写真がこのアルバムのコンセプトとなったようです。

1. Riot
2. Speak Like a Child
3. First Trip
4. Toys
5. Goodbye to Childhood
6. Sorcerer
7. Riot [First Alternate Take]
8. Riot [Second Alternate Take]
9. Goodbye to Childhood [Alternate Take]

ハービーはアルバムごとにバンド構成を代えてきます。バンドの構成がすなわちアレンジそのものになってくるからです。このアルバムではドラムのミッキーローカー、ベースのロンカーターとのピアノトリオをメインに3管セクションをつけています。フリューゲルホーン、トロンボーン、フルートの3管です。この3管はハーモニー付けの為に用いられており、ソロをとる事はありません。ソロをとるのはピアノのハービーだけというビバップの概念を覆した構成になっています。

Riot とSorcererは既にマイルスのアルバムで紹介していた曲ですが、子供と言うコンセプトに会うので採用されています。ハービーはマイルスを通してギルエヴァンスのアレンジを修得しており、ギルによる影響を強く打ち出したアレンジになっています。何と言ってもタイトルのSpeak Like a Child のボサノヴァ調の曲の際立ちますが、これはピアノトリオの演奏に3管でギルエヴァンスのようなハーモニーをつけています。ギルの場合は玄人肌な所がありますが、ハービーが持つポップ感覚により、これらのアレンジがより後継に浸透していく事となっていきます。

毎回実験的な試みをしてくるハービーですが、テーマが明快なだけに多くの人に受け入れられてきたのだと思います。挑戦的でありながら繊細な美しさがこの作品を芸術的なものに押し上げています。素晴らしい名盤です。

Sorcerer

[20070819]

処女航海 (紙ジャケ仕様) 処女航海 (紙ジャケ仕様)
ハービー・ハンコック (1998/07/23)
EMIミュージック・ジャパン
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ハービーハンコックが海をテーマに創り上げた一大叙情詩。邦題は処女航海です。フレディー・ハバード(tp)、ジョージ・コールマン(sax)、ロン・カーター(b)、アンソニー・ウィリアムス(ds)と言う編成で、モードジャズの最高傑作とも言える名盤です。モダンジャズにおけるハービーの一番の代表作でもあります。

1. Maiden Voyage
2. Eye of the Hurricane
3. Little One
4. Survival of the Fittest
5. Dolphin Dance

分数コードの軽やかな動きによる穏やかな船出は、やがて台風の目の中に入り、イルカの舞踏の宴を迎えていきます。まだマイルスのバンドに在籍していた時期の作品ですが、ハービーの作曲能力に加え、よりモードの可能性を追求しながらも、リリカルな美しさを持っています。

この作品によりハービーも巨匠の仲間入りしたと言っても過言ではありません。このアルバムはそれまでのジャズの歴史においてもなかった美しさを持った作品です。リターントゥフォーエヴァーの初期の頃のようなソフトフュージュンとも呼べる部分もありますが、このアルバムは1965年に発表されており、クリスタル系ジャズの手本とも言えるものです。

静かなだけではなく、動的な海の厳しさも表現しており、プログレッシヴロックによる組曲的な構成も当時はユニークなものでした。しかし、斬新でありながらもジャズとしての枠を逸していない所がハービーのセンスの良さだと思います。モードジャズが身近な存在となった歴史的名盤です。

Maiden Voyage

Eye of the Hurricane

Dolphin Dance

[20070819]

Empyrean Isles Empyrean Isles
Herbie Hancock (1990/10/25)
EMI
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マイルスバンドで御馴染みのトニーウィリアムスとロンカーターが参加し、ホーンはフレディーハバードのコルネット1本という、又しても変則的な構成になっています。

1. One Finger Snap
2. Oliloqui Valley
3. Cantaloupe Island
4. Egg
5. One Finger Snap [Alternate Take]
6. Oliloqui Valley [Alternate Take]

前作ではピアノをメインに持ってきたインプロヴィゼーションを展開しましたが、今回はそれにはバードのトランペットが加わるといった趣向です。ヒットしたCantaloupe Islandはファンキージャズですが、それ以外はモードジャズをより押し進めた形になっています。

Eggではフリージャズの要素が強く、マイルスのバンドでは出来ないような事に挑戦しているのがよく分かります。ハバードのワンホーンの使い方も挑戦的で、これまでには無かったような攻撃性もあります。ビバップピアノも身につけてきたハービーですが、明らかに次世代的なボイシング感覚に満ち溢れています。モードジャズでのフレージング感覚がもたらしたものだと思いますが、大きく変わろうとしているジャズの流れの真っただ中にいる事が分かる作品です。

One Finger Snap

Oliloqui Valley

Cantaloupe Island

[20070819]

Inventions & Dimensions Inventions & Dimensions
Herbie Hancock (2005/07/19)
Blue Note
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マイルスデイヴィスのバンドに入ってからのソロアルバムになります。しかもホーン無しのピアノトリオにウィリーボボのパーカッションが加わっただけのシンプルな構成になっています。しかし、このシンプルな構成にはハービーならではの仕掛けが施されていました。

1. Succotash
2. Triangle
3. Jack Rabbit
4. Mimosa
5. Jump Ahead
6. Mimosa [Alternate Take]

マイルスのバンドに入る前にエリックドルフィーとのセッションでフリージャズに触れ、マイルスとのセッションでモードジャズを修得したハービーがこのアルバムで打ち出したのはパーカッションにより生まれるグルーヴ上で、インプロヴィゼーションを展開していくと言うやり方です。現在のプログレッシヴテクノのヒントとなるような内容になっているのです。先見の明が隠された名盤です。

このアルバムからは完全にモードジャズに移行しており、しかもピアノトリオと言う編成により、よりハービーのピアノプレイに焦点が当てられた内容になっています。作曲家からピアニストとしての意思表明が感じられるアルバムです。これはマイルスのバンドではやっていなかった事であり、ハービーの独立心が既にここに現れていた事になります。ジャケットもハードボイルドで素晴らしい名盤です。

Nefertiti

[20070819]

マイ・ポイント・オブ・ヴュー マイ・ポイント・オブ・ヴュー
ハービー・ハンコック (1999/11/26)
EMIミュージック・ジャパン
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ハービーのソロ第二弾アルバムです。今回は当時の師匠ドナルドバードも参加しています。そしてその後一緒にマイルスのバンドに参加するまだ10代のトニーウィリアムスがドラムで参加しています。

1. Blind Man, Blind Man
2. Tribute to Someone
3. King Cobra
4. Pleasure Is Mine
5. And What If I Don't
6. Blind Man, Blind Man [Alternate Take]

Blind Man, Blind Manはウォーターメロンマンの第二弾とも言えるようなファンキージャズです。リズム&ブルース的なスリーコードがジャズにはかえって新鮮なイメージを与えています。今回も全曲ハービーのオリジナルなのですが、Tribute to Someoneはまるで往年のジャズスタンダードナンバーのような風格のある曲になっています。恐るべし。

ウォーターメロンマンはスイカ売りのかけ声をモチーフに創られておりましたが、Blind Man, Blind Manは盲目のストリートミュージシャンを題材にしているようです。目のつけどころが新しく、ポップな感性を既に持ち合わせていた事が伺えます。まだマイルスのバンドには入っておりませんでしたが、既に面識はあり、モードジャズのような構成もものにしています。

ある時期を過ぎるとポップフュージュン化してしまうハービーですが、こういったモダンジャズの名作を残している事で、許されている部分もあります。ハービー独特のフィンガープレイと言うのもあり、ハービー以降のピアニストに大きな影響を与えております。

And What If I Don't

[20070818]

Takin' Off Takin' Off
Herbie Hancock (1996/06/01)
Blue Note
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フリージャズの次はモードジャズを紹介します。しかし、モードジャズだけで有名な人はいません。ハードバップをやっていた人がモードジャズに移行した人ばかりだからです。ですからここからはマイルスデイヴィスの黄金のクィンテットにいた人達のソロ作品を紹介していきます。

まずはハービーハンコックからです。この人はメンバーの中でも一番多くのソロ作品を出しています。彼は最初ドナルドバードのバンドに加入し、すぐさまこのファーストアルバムを出しました。したがって、ここで聴けるのはファンキージャズになっています。

1. Watermelon Man
2. Three Bags Full
3. Empty Pockets
4. Maze
5. Driftin'
6. Alone and I
7. Watermelon Man [Alternate Take]
8. Three Bags Full [Alternate Take]
9. Empty Pockets [Alternate Take]

後にセルフカバーすることになるWatermelon Manはファンキージャズを代表するくらいヒットした曲です。このアルバムでハービーの将来は保証されたようなものですが、マイルスのクィンテットに加入してからはジャズ界を引っ張る原動力とも言える活躍を見せていく事になります。

このアルバムにはフレディーハバードやデクスターゴードン、ブッチウォーレン、ビリーヒギンズといった大物がバックアップしており、その中でもきちんと主役として存在している所が大物としての予感を感じさせます。とても20代前半の若者とは思えない風格が既にあります。ハービーは全曲作曲しており、オリジナルが書けるピアニストとしても評価されます。ハードバップ風の曲もありますが、ファンキージャズの期待の新人としての評価が注目を集める作品となりました。初期の名盤でもあります。

Manfred Mann - Watermelon Man

Driftin'

Watermelon Man

[20070818]

Mu First Part, Mu Second Part Mu First Part, Mu Second Part
Don Cherry (2001/07/02)
Charly
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ドンチェリーとドラムパーカッションのエドブラックウェルの二人だけで創られた作品です。最初はファーストパートとセカンドパートに分けられて発売されいましたが、その後一緒になった2枚組として発売されるようになりました。タイトルのMUはムー大陸をテーマとしておいます。

1. Brilliant Action
2. Amejelo
3. Total Vibration
4. Sun of the East
5. Terrestrial Beings
6. Mysticism of My Sound
7. Medley: Dollar Brand/Spontaneous Composing/Exert, Man on the Moon
8. Bamboo Night
9. Teo-Teo Can
10. Smiling Faces, Going Places
11. Psycho Drama
12. Medley: Theme: Albert Heath/Theme: Dollar Brand/Babyrest, Time for...

ドンチェリーはトランペット以外にもバンブーフルート、インディアンフルート、ピアノ、ベルズ、パーカッションなどマルチな演奏を聴かせ、立った二人だけで、これほど雄大なテーマを組曲のように構築してみせました。ムーという民族音楽ともとれますが、やはり無国籍であり、多国籍な音楽です。

この世の平和と生命の謳歌とも言える内容で、ドンチェリーの思想を見事に表現した作品です。パンク以降に出てきたポップグループの残党としてリップリッグ&ザパニックに娘のネネチェリーが参加し、ドンチェリーもご意見番として関わっていました。ジャンルを超えて尊敬されていたのです。ドンチェリーのアルバムはなかなか手に入りにくいのですが、代表的なこれらのアルバムは何とか入手出来るので、聴いてみて下さい。音楽が本来持っている意味を再認識するいい経験が出来ると思います。

Mu

Sun Ra and Don Cherry

don cherry, james blood ulmer and rashied ali live

[20070818]

永遠のリズム 永遠のリズム
ドン・チェリー (2003/11/21)
ユニバーサルクラシック
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オーネットコールマンとフリージャズの創成期から関わってきた重鎮ドンチェリーです。彼は他のミュージシャンとのセッションに多く関わってきていました。リーダー作品としては数は少ないのですが、世界中の民族音楽とフリージャズの概念での融合的な作品を多く発表しています。

1. Eternal Rhythm, Pt. 1
2. Eternal Rhythm, Pt. 2

これはエターナルリズムという1曲が収録されており、アナログ盤の都合でパート1と2に分けられています。これはドイツで行われた世界音楽祭での演奏がおさめられており、ギターのソニーシャーロック以外は現地のジャズメンとの共演となっています。ドンチェリーはトランペット以外にも民族楽器などを多用して、世界中の民族音楽的な響きを出しながらも多国籍で無国籍な世界観を打ち出しています。

ガムランやアフリカン、そしてインディアンの血を引くドンチェリーならではのネイティヴアメリカンな音楽などなど、かなり実験的ではありますが、精神的な高揚の場でもあるようです。フリージャズの行き着く先には民族音楽が必ずと言ってもいいほどついて回るのですが、ここまで混沌としていると一つの芸術としかいいようがありません。これはあまりにもいろんな音楽が含まれており、逆に形容のしようがない音楽になっております。人間讃歌とでも呼ぶしか無いでしょう。それほど崇高な音楽です。

Italian TV

Sonny Rollins and Don Cherry

[20070818]

Love Cry Love Cry
Albert Ayler (1991/11/01)
GRP
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フリージャズの中でも特異な存在だったのがこのアルバートアイラーです。自由な発想でジャズを再構築していくと言う意味では純粋なくらいにフリージャズなのですが、無調な現代音楽的な部分はなく、魂から沸き上がるような情炎とも言える感情をむき出しにしたような音楽なのです。アルバートアイラーという個人から生まれる民族音楽のようなものだとも言えます。

1. Love Cry
2. Ghosts
3. Omega
4. Dancing Flowers
5. Bells
6. Love Flower
7. Love Cry, Pt. 2
8. Zion Hill [Alternate Take]
9. Universal Indians [Alternate Take]
10. Zion Hill
11. Universal Indians

アルバートアイラーも若死にしておりますので、作品はそんなに多くはないのですが、その中でも名盤と言われているのがこのラブクライです。このアルバムはジョンコルトレーンの死を悼み、鎮魂歌のような意味合いを持つ作品です。その為、ここに流れる哀愁と魂から沸き上がる祈りのようなプレイには身震いしてしまいます。フリージャズとは本来ここまで個人的な表現の場ではなかったかと思わせる作品です。

まるでミサ曲のような祈りにも似た黒人特有のペイソスと、サックスにまぎれて出てくるスキャットなど、黒人のルーツミュージックのようでありながら新しいというユニークな音楽です。これぞ本当のアヴァンギャルドだと思うのですが、ここまでの精神性をもったミュージシャンは多くいません。4ビートでもないのにジャズを感じさせるのは、黒人の原点とも言えるベクトルを持っているからです。あまり高い評価を受けなかったアイラーですが、フリージャズという精神性を語る上では筆頭に持ってこなければならない人です。人間としてさけては通れない部分でありながら、多くの人が無視しているような赤裸々な部分を具体化したような音楽です。これを受け入れられないと言う事は人間失格かもしれません。

Ghosts

Universal Indians

swing low

SPIRITUAL UNITY

[20070817]

Unit Structures Unit Structures
Cecil Taylor (1990/10/25)
Blue Note
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フリージャズでの代表的なピアニストと言えばこのセシルテイラーです。まるで子供が無茶苦茶にピアノを叩いているようなプレイに聴こえるかもしれませんが、このアルバムは結構音楽としてまとまっている作品です。

1. Steps
2. Enter, Evening [Soft Line Structure]
3. Enter, Evening [Alternate Take]
4. Unit Structure/As of a Now/Section
5. Tales (8 Whisps)

フリージャズのピアニストと言えば、日本では山下洋輔です。彼のピアノプレイを見た事がある人なら、このアルバムも何とか聴けるのではないでしょうか。所謂ピアノを打楽器のように叩くプレイ、拳で叩いたり、裏拳で叩いたり。いわゆる観音様奏法ですね。などなど、ピアノの先生が見たら怒り出しそうなプレイばかりです。そんな山下洋輔に影響を与えたのがこのセシルタイラーです。

山下洋輔の時代は学生運動の真っ最中で、新宿の地下街ではフォークソングを歌ったり、このフリージャズを聴いたりしていたのです。反体制的なイメージがあったのでしょう。現在の学生には無いパワフルな時代だったのです。

音楽的にはと言うと無調ですから、現代音楽に共通する所があり、他のアルバムではもっと無茶苦茶に演奏しているのですが、ここではある程度曲を創ると言う意思が働いているようです。ドラムもビートレスなプレイで、常にピアノが全てをコントロールしているようです。セシルテイラーのようにピアノという定められた音程しか出せない楽器でのフリージャズの方がかなり無茶苦茶な表現をしているように感じます。これが受け入れられたら、もうフリージャズは何でも聴けます。それだけセシルタイラーはぶっ飛んでいます。

Unit Structure

Piano Solo

Cecil Taylor Unit

[20070816]

The Illinois Concert The Illinois Concert
Eric Dolphy (1999/10/04)
Blue Note
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エリックドルフィーは自分のバンドではバックの演奏にフリージャズな演奏はさせていない。あくまでも自分一人でフリーの領域に入ろうとしている。そこでバックとの演奏に不協和音がひびく事を楽しんでいるような所がある。しかし、やはりバックとの関係性は重要な事で、不協和音でも意味のあるハーモニーを追求しているふしがある。それがよく分かるのが、このライブに参加しているハービーハンコックの存在である。

1. Softly, As in a Morning Sunrise
2. Something Sweet, Something Tender
3. God Bless the Child
4. South Street Exit
5. Iron Man
6. Red Planet
7. G.W.

マイルスのバンドに入る前のハンコックが参加しています。ハービーはまともな演奏をしていますが、ドルフィーの自由な演奏を際立たせるようなハーモニーとフレージングでバックアップしています。どうもドルフィーが主役なので、ピアノの音は引っ込みがちでですが、モードジャズとフリージャズが同居しているような内容になっています。

フリージャズの風雲児エリックドルフィーもる地点へ向けて登っていっていたのかと思わせる記録であります。36歳の若さで亡くなった為に、その完結した姿を見せる事はありませんが、彼が残した音源はどれも半端なく名演です。若手のハービーハンコックとの共演が聴ける唯一の作品として大変貴重な作品でもあります。

Softly, As in a Morning Sunrise

God Bless the Child

G.W.

[20070815]

Eric Dolphy at the Five Spot, Vol. 1 Eric Dolphy at the Five Spot, Vol. 1
Eric Dolphy Quintet with Booker Little (1994/03/15)
Original Jazz Classics
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Eric Dolphy At The Five Spot, Vol. 2 Eric Dolphy At The Five Spot, Vol. 2
Eric Dolphy Quintet with Booker Little (1994/03/15)
Prestige/OJC
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チャールスミンガスやソニーロリンズとのセッションで有名なエリックドルフィーです。そのフリーキーなプレイから次世代のサックス奏者として期待がもたれておりました。しかし若くしてなくなった為に、リーダーアルバムはあまりありません。残されているのがライブ盤での名演が多いです。

Eric Dolphy at the Five Spot, Vol. 1
1. Fire Waltz
2. Bee Vamp
3. Prophet
4. Bee Vamp [Alternate Take]
Eric Dolphy At The Five Spot, Vol. 2
1. Aggression
2. Like Someone in Love

ドルフィーはどちらかと言うとハードバップ系サックス奏者です。しかしブロウイングなど、譜面上では解釈出来ないプレイがフリーなイメージを持たれてフリージャズの新鋭と呼ばれていました。しかもコールマンのようなフリージャズの作品にも参加して水を得た魚のようなプレイをしているので、フリージャズというスタイルがとても良く似合う男なのです。

しかし曲を聴いてもらうと分かりますが、ドルフィー以外はまともな演奏に終始しています。ドルフィー一人が凄いのです。そんなドルフィーを堪能出来るのがライブ盤なのです。このアルバムではブッカーリトルも凄いプレイをしています。とにかくフリージャズを紹介したのはコールマンでしたが、火をつけたのはこのやんちゃなプレイのエリックドルフィーでした。新しいヒーローとなるはずでしたが、志半ばで他界する事になります。そしてドルフィーと言えばこのファイヴスポットでのライブです。

Prophet

Dolphy Quintet in Berlin

[20070815]

Tone Dialing Tone Dialing
Ornette Coleman & Prime Time (1995/09/26)
Harmolodic/Verve
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フリージャズは長く人の気持ちを惹き付けておく事は出来ませんでした。多くの人は単純で分かり易い音楽が好きなのです。フュージュンが流行ってフリージャズをやるのはオーネットくらいになってしまいますが、ニューヨークアヴァンギャルドジャズという集団達により受け継がれていました。そして時は90年代、大御所オーネットの新譜が届けられたのです。

1. Street Blues
2. Search for Life
3. Guadalupe
4. Bach Prelude
5. Sound Is Everywhere
6. Miguel's Fortune
7. Capella
8. O.A.C.
9. If I Knew as Much About You (As You Know About Me)
10. When Will I See You Again
11. Kathelin Gray
12. Badal
13. Tone Dialing
14. Family Reunion
15. Local Instinct
16. Ying Yang

オーネットが提唱するハーモロディック理論をそのままレーベル名にしての発売です。ハーモロディックとは簡単に言うとハーモニーとメロディーが合体した造語です。ハーモニーによるメロディーが生み出すリズムによって曲を創り出すという事です。これは現在の作曲法としては当たり前になっていますが、昔から提唱しているのはコールマンだったのです。メロディーが生み出すリズムを最初に構築して、その流れでAメロ、Bメロ、サビを創っていくのが常であります。それが出来るか出来ないかでプロとアマの違いが出てきます。

私はそれに言葉が持つリズムも重要だと思っています。これはボブディランやジョンレノンの作曲法から私が独自に解釈している事ですが、言葉が持つイントネーションによって曲の印象が大きく変わってくるのです。ですから作詞も作曲の一部なのです。的確な言葉を選ぶ事もセンスが問われる事になるのです。それでいてしっかりとした説得力がある言葉なら尚いいのです。

そういった作曲するという事においては普遍的事を解いているのがハーモロディック理論であると思っていいのですが、これがまた精神性も問われて深い内容になっていくのです。さてこのアルバム、そのハーモロディック理論を活かしながらもラップやエスニックな部分などもあり、そしていつも以上にポップな聴き心地になっています。マイルスは常に新しい挑戦をしていましたが、80年代以降はつまらなくなっていったという事は正直な感想です。しかし、当時60歳を越えていたオーネットの作品は挑戦者でありながらも面白い作品に仕立てております。これは奇跡のようなアルバムです。フリー故にデタラメなプレイと罵られてきたコールマンが最後に高笑いでもしているような名作であります。

Ramblin

live 1979

Historic Tour

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