1. Contenders 2. Strangers 3. Denmark Street 4. Get Back in the Line 5. Lola 6. Top of the Pops 7. Moneygoround 8. This Time Tomorrow 9. Long Way from Home 10. Rats 11. Apeman 12. Powerman 13. Got to Be Free 14. Lola 15. Apeman [Demo Version] 16. Powerman [Demo Version]
Top of the Popsはストーンズのような曲です。途中でダンス天国を演奏し出します。Apemanもシングルヒットした曲です。トロピカルなリズムにブルースロック的なピアノが絡んでいる変わった曲です。アルバム全体にピアノやオルガンによるアレンジにより音に厚みが出来ていると思います。そしてまるで演技者のように歌うレイデイヴィスの歌に注目して下さい。奇妙なビブラートを効かせるようになっています。これは後にマークボランが真似したのではないかとも思える歌い方でコークスクリューヴォイスとでも呼びましょうか。
Powermanにしてもちょっとひねくれたロックンロールになっています。これまでの牧歌的なホノボノした感じが薄れています。ラストのGot to Be Freeもフェイセスのようなトラディショナルフォークロックのような曲です。時代の音とも言えます。この後もこのストーンズ的なノリが多くなっていきます。でもキンクスのポップな曲創りは健在です。
1. Victoria 2. Yes Sir, No Sir 3. Some Mother's Son 4. Drivin' 5. Brainwashed 6. Australia 7. Shangri-La 8. Mr. Churchill Says 9. She's Bought a Hat Like Princess Marina 10. Young and Innocent Days 11. Nothing to Say 12. Arthur
Victoriaはヴィクトリア王女時代の大英帝国の絶頂期から衰退を歌っている格好いいロックンロールナンバーです。Yes Sir, No Sirは吟遊詩人たるレイデイヴィスの語りかけるような歌が印象的で曲中で変化していく流れが心地良いです。Some Mother's Sonは室内楽を取り入れた後期のピンクフロイドのような曲です。Drivin'が一番好きな曲です。イギリスの田園風景を眺めながらのんびりと時間が過ぎていく情景が目に浮かびます。コーラスがとても心地良いです。Brainwashedはバンドフィルが印象的なロックンロールナンバーで、フォーキーな曲だけじゃない所がこのアルバムの良さです。ギターもかなりディストーションがかかっています。
She's Bought a Hat Like Princess Marinaはビートルズ的な曲で、バロック調の雰囲気からロックンロール、ヴォードヴィルへと変貌していく様は一曲でビートルズのホワイトアルバムしております。Young and Innocent Daysもバロック調の美しいバラードです。チェンバロの響きもいいすが旋律が素晴らしいです。Nothing to Sayはカントリーロックにアカペラ風のコーラスが絡んできます。 最後までこの濃密な時間が持続されるのか心配になりながら始まるラストのArthurは軽快なカントリーというかトラッドフォークのような曲で最後まで心地良さを持続させながら聴き終える事が出来ます。最高のアルバムです。
1. Village Green Preservation Society 2. Do You Remember Walter? 3. Picture Book 4. Johnny Thunder 5. Last of the Steam-Powered Trains 6. Big Sky 7. Sitting By the Riverside 8. Animal Farm 9. Village Green 10. Starstruck 11. Phenomenal Cat 12. All of My Friends Were There 13. Wicked Annabella 14. Monica 15. People Take Pictures of Each Other 28. Days
イギリスのトラッドフォーク調のVillage Green Preservation Societyからビートルズ的なDo You Remember Walter?、ラヴィンスプーンフルのようなPicture Book、そしてCCRのような7thによるブルースナンバー Last of the Steam-Powered Trainsなど、ほのぼのとしながらもユーモラスなキンクスの世界が展開しています。Sitting By the Riversideはポールマッカートニーの創るような曲ですし、このコンセプトアルバム時代のキンクスの印象はパロディー精神により風刺したメッセージ性を持っており、吟遊詩人のごときレイデイヴィスの世界観に浸る事が出来ます。
Village Greenは日本の甲斐バンドの裏切りの街角にそっくりです。恐らく甲斐バンドがパクっているのでしょう。Phenomenal Catではまるでストロベリーのようなフルートのメロトロンサウンドが使われています。当時はレイドバックするのが流行出していた時期でもあり、その点ではこのアルバムのテーマは合っているのですが、音楽的にはかなりいろんな要素がからんでいて時代性は関係なくなっています。商業的には失敗したアルバムですが、キンクスの中でも名盤と呼べるもので、ストーンズやビートルズのフォーキーな所が好きだけれども、別の新しい曲が聴きたくなったらこのアルバムをお勧めします。時代の流れとは違う時計がこの時のキンクスには刻まれていたのでしょう。
1. Till the End of the Day 2. Well Respected Man 3. You're Lookin' Fine 4. Sunny Afternoon 5. Dandy 6. I'm on an Island 7. Come on Now 8. You Really Got Me 9. Medley: Milk Cow Blues/Batman Theme/Tired of Waiting for You
演奏はステレオにふられており、前面に出ているのですがヴォーカルがステージリヴァーブにより奥に引っ込んでいる感じがしますが、オープニングのTill the End of the Dayの始まり方は結構ゾクゾクするようなカッコ良さがあります。Well Respected Manは社会風刺による最初のヒット曲であり、その後のキンクスの方向性を決定づけた重要な曲です。Sunny AfternoonやDandy、I'm on an Islandのようなポップな曲でも盛り上がれると言う所がアイドルしています。
Come on Nowはとてもライブ映えのする格好いい曲です。ビートルズのペーパーバックライターににています。そして問答無用のYou Really Got Meが一番盛り上がっているようですが、ハイライトはMilk Cow Bluesから始まるメドレーです。バットマンのテーマはジャムもカバーしていました。そしてヒット曲Tired of Waiting for Youへとつながります。現在で言えばインディーズ系のバンドが自主制作で創ったライブアルバムのような音質ですが、ライブの臨場感をストレートに感じられるパワフルな作品です。