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[20080229]

Love on the BeatLove on the Beat
(2001/04/24)
Serge Gainsbourg

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ゲーンズブール晩年の作品になります。80年代特有のダンサブルでフュージュンやソウルがミクスチャーされたアレンジに得意の囁きトーキング歌唱が展開されます。さすがにゲーンズブールでも80年代のアレンジを使うと古臭く聴こえてしまいます。

1. Love on the Beat
2. Sorry Angel
3. HMM HMM HMM
4. Kiss Me Hardy
5. No Comment
6. I'm the Boy
7. Harley David (Son of a Bitch)
8. Lemon Incest

チョッパーベースにシンセドラムといかにもな80年代サウンドでも、ゲーンズブールはセクシャルで官能的な世界を描きます。どうもこうきっちりとした演奏では色気を感じませんが、当時はこれが流行だったのでしょうがありません。マイルスですらこの80年代の落とし穴に気づかなかったのですから。アレンジはフレンチポップ時代から別の人に頼んでいますからどうしても流行の音になってしまいます。

ただサウンドが時代に迎合している分このアルバムは売れました。Kiss Me Hardyは当時親交のあったフランソワーズアルディの事を歌っています。Lemon Incestは娘シャルロットとのデュエットで、近親相姦をテーマにすると言う恐ろしい事をやってくれています。ニューウェイヴなharley david son of a bitchなどかなり若い感性も頂いています。最後まで精力的なオトコを貫いています。

Love on the Beat

Sorry Angel

No Comment

I'm The Boy

harley david son of a bitch

Lemon Incest
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[20080228]

アンナ (1967?1980) ゲーンスブール・コンプリートアンナ (1967?1980) ゲーンスブール・コンプリート
(1994/03/25)
セルジュ・ゲンスブール、カトリーヌ・ドヌーブ 他

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アルバムTVミュージカルのアンナと映画のサントラジュテームから構成されたCDです。アンナ・カリーナの小悪魔的な歌が聴けるアンアとカトリーヌドヌーヴ主演の映画ジュテームといったフィルムに携わったゲーンズブールの隠れた名作です。

1. 太陽の真下で(オーケストラ)
2. 太陽の真下で
3. スタンダールの恋愛論
4. パ・マル最高
5. 好感の持てる男
6. 写真と宗教
7. 何でもない
8. いつものように
9. ブーメラン
10. 愛とは激毒
11. だんだん,少しづつ
12. ローラー・ガール
13. 何も言うな
14. ピストル・ジョー
15. G.I.ジョー
16. 言いたいのはひとことだけ
17. ジョニー・ジェーンのバラード
18. 黄色いトラック
19. あの世でバンジョー
20. ジョニーのロックン・ロール
21. 醜いストリッパー
22. ジョー・バンジョー
23. ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ
24. モテルでジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ
25. ジュ・パンス・クー
26. マリーにご挨拶
27. 過ちを犯した女
28. 神様はハバナタバコが好き

フレンチポップによるミュージカルというとシェルブールの雨傘を思い浮かべますが、あそこまでカワイイ感じではありませんが、これはこれで結構キュートな作品です。カトリーヌドヌーヴはビョーグのミュージカルにも嘆願して参加していたくらい結構ミュージカル好きのようです。フランス独特のシュールな世界観もあり、ゲーンズブールの独特の前衛さもありで楽しめます。

映画にしろ音楽にしろ、フランスは文化に対しての愛情度は日本では想像もつかないくらいのほど日常の中に溶け込んでいます。だからこそゲーンズバーグのような危険な薫りがするフェロモンも受け入れ易いのでしょう。フランス語自体がセクシャルな響きを持っています。その響きを意識しながら曲にしていったゲーンズバーグは正にフランスを代表する作曲家であり表現者でありました。言葉だけでも人間は濡れるものなのです。

ボックスセットからバラ売りされたCDシリーズはここまでとなります。これだけあつめてもゲーンズブールの歴史を辿る事が出来ます。普通にアルバムを集めるよりも枚数が少なくて済みますし、シングルだけだった曲も聴けてお得かと思います。

Sous le Soleil Exactement

Un Jour Comme Un Autre

Boomerang

Un Poison Violent, C'est L'Amour

Roller Girl

Ne Dis Rien

Ballade De Johnny-Jane

[20080228]

MacBookとMacBook Proがモデルチェンジしてさらにスペックアップしています。両機種とも、CPUやメモリなど基本仕様が強化された。CPUはすべてPenrynベースになっています。

Apple Store(Japan) Apple Store(Japan)

MacBook

2.4GHz MacBook (ブラック)、Core 2 Duo 2.4GHz、メモリ2GB(DDR2-667、最大4GB)、HDD 250GB、SuperDriveを搭載し、Apple Store価格は179,800円。

2.4GHz MacBook (ホワイト)、Core 2 Duo 2.4GHz、メモリ2GB(DDR2-667、最大4GB)、HDD 160GB、SuperDriveを搭載し、Apple Store価格は154,800円

2.1GHz MacBook (ホワイト)、Core 2 Duo 2.1GHz、メモリ1GB(同)、HDD 120GB、DVD-ROM/CD-RWコンボドライブを搭載し、Apple Store価格は129,800円

MacBook Pro

17型MacBook Pro Core 2 Duo 2.5GHz、メモリ2GB(最大4GB)、HDD 250GB、GeForce 8600M GT(512MB)、1,680×1,050ドット(WSXGA+)表示対応17型液晶ディスプレイ、SuperDriveを搭載しする。Apple Store価格は329,800円

15型MacBook Proは、上位から液晶を1,440×900ドット(WXGA+)表示対応15型に変更したもので、直販価格は299,800円

15型MacBook Proは、CPUをCore 2 Duo 2.4GHz、HDD容量を200GBに、GPUのビデオメモリを256MBに変更したもので、直販価格は249,800円

MacBookAirで採用されたジーニアス・マルチタッチによりiPod touchと同じようなタッチ操作が出来ます。Macの進化の速度は結構速い展開を魅せてくれています。

[20080227]

フライ・トゥ・ジャマイカ(19フライ・トゥ・ジャマイカ(19
(1994/03/25)
セルジュ・ゲンスブール

商品詳細を見る


アルバム祖国の子供たちへと星からの悪い知らせから構成されたCDです。レゲエ二部作となっており、スライアンドロビーなどが参加しており、ジャマイカでミックスダウンされています。ダブなどのサウンドエフェクトを多用してフレンチレゲエとさえ呼ばれていました。かなりヒットしたアルバムです。

1. ラ・ジャヴァネーズ2
2. 祖国の子供たちへ
3. 俺には間借人がいる
4. 醜男の美学
5. 麻薬捜査班
6. 中年アバズレ
7. ローラ・ラスタクウェールという女
8. リラックス・ベイビー・ビー・クール
9. デイジー・テンプル
10. 建物中に水とガス
11. そんなに時間はとらない
12. マリルーとレゲエ2
13. 国際電報
14. エクセ・オモ
15. 俺はミッキー・マウスを持っている
16. ユダヤ人と神
17. シュッ・シュッ・シャルロット
18. おまえは死ね
19. 友だちノスタルジー
20. バナ・バサディ・バラロ
21. ユージェニー・ソコロフ
22. ネグサ・ネガスト
23. ストライク
24. 星からの悪い知らせ
25. ハーレイ・ダヴィッドソン
26. 彼女はとても…

星からの悪い知らせを出した頃にはジェーンバーキンが娘シャルロットを連れて出て行った為に酒浸りのオヤジになっています。それでも音楽の創作意欲は失せません。元々アヴァンギャルドな作風のある人なので、ダブのようなエフェクティヴなやり方も大胆です。元ボブマーリーのバックコーラスにフランス語で歌ってもらっていますが、かなりエロい歌詞だったようで、意味を知った後にお叱りを受けています。

いたずら心も合ったでしょうが、ゲーンズブールにとっては創作の一貫であり、悪ぶれた様子もありません。ラテンやアフリカンなどの民族音楽もやっていた人ですので、レゲエの取り入れ方も巧妙です。晩年にきても尚精進する男気がエロいです。Aux Armes et Caeteraはフランス国歌である“マルセイエーズ”の詩を流用してかなり批判されていたようですが話題に事欠かない出来事です。かなりサウンド面もしっかり創られており、良質なアルバムです。

Aux Armes et Caetera

Des Laids des Laids

Brigade des Stups

[20080226]

くたばれキャベツ野郎(1975くたばれキャベツ野郎(1975
(1994/03/25)
セルジュ・ゲンスブール

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アルバムくたばれキャベツ野郎!と当時のシングル曲、カトリーヌドヌーヴのアルバムでのデュエット2曲を収録したCDです。キャベツ野郎と言う人形を創ってジャケットにしています。ゲーンズブールは歌手であり、作曲家であり、作詞家であり、プロデューサーであり、映画監督であり、俳優であり、芸術家でありました。その手法は伝統にもとつぎながらもヌーヴェルヴァーグな感覚とスケベな性癖によって独自の個性を生み出しているのです。

1. くたばれキャベツ野郎
2. マックスの理髪店
3. マリルーとレゲエ
4. トランジット・ア・マリルー
5. フラッシュ・フォワード
6. 複葉飛行機
7. 初期症状
8. 僕のマリルー
9. マリルーのヴァリエーション
10. 消火器殺人事件
11. 雪の下のマリルー
12. 変人
13. アミ・カウェット
14. 単語つなぎ遊び
15. マイ・レディ・ヒロイン
16. 3百万のモナリザ
17. さよならエマニュエル夫人
18. 海,セックスそして太陽
19. ミスター・アイスバーグ
20. 海,セックスそして太陽(英語ヴァージョン)
21. ミスター・アイスバーグ(英語ヴァージョン)
22. ささいなこと
23. ジュ・テーム~パート2

まるで語り部のようにささやくように詩を朗読していくキャベツ野郎はかなりシュールな作品です。シンセも使っており、レゲエなども取り入れています。全体的なアレンジと仕手はプログレのようにいろんな要素を含みながらもポップです。さよならエマニュエル夫人の曲などエロティックな表現については第一人者です。チョイ悪オヤジではなく、かなり悪オヤジなのですが、フランスではこれでももてるのです。

ブライアンフェリーも免疫がない人にとってはとても気色悪く感じる人もいると思いますが、ゲーンズブールも免疫が無いとかなり気味が悪いと思う人もいるかもしれません。ただそういう本能をくすぐる男なのであります。この時代はパンクやニューウェイブといった彼の子供達ともいえる連中が出てきた時代であり、そういう時代の変化にもしっかりとついていっている所はさすがです。アレンジ的には結構まともな方でしょう。

Homme A Tete de Chou

Flash Forward

Variations Sur Marilou

Marilou Sous la Neige

sea sex and sun

[20080225]

手ぎれ(1972~1975)手ぎれ(1972~1975)
(1994/03/25)
セルジュ・ゲンスブール

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Rock Around the BunkerRock Around the Bunker
(2001/03/26)
Serge Gainsbourg

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アルバム見かけとRock Around the Bunkerから構成されたCDです。デヴィッドボウイやブライアンフェリーに通じるエロティックなダンディズムが光ります。ゲーンズブール流のグラムロックだったのかもしれません。そして頽廃的な部分も後のボウイによって引き継がれています。

1. デカダンス
2. セックス・ショップ
3. 手ぎれ
4. みかけ
5. パンパン・キュキュ
6. パーラザ・パラゼ
7. 小便くさい奴
8. チチカカ湖
9. パメラ・ポポ
10. プペ人形
11. メスのカバ・イポポダム
12. 官能物語
13. ナチ・ロック
14. タタ・トートンはいかす奴
15. ヴォイス・オフ
16. エヴァ
17. 煙が目にしみる
18. お前の体はジィグジィグだ
19. 狂った暗殺団エス・エス・シ・ボン
20. イエロー・スター
21. ロック・アラウンド・ザ・バンカー
22. S.S.イン・ウルグワイ

見かけはゲンズブール版女性飼育論ともいい、ラウンジポップなムード溢れる作品です。Rock Around the Bunkerはナチスを題材にした過激なロックンロールです。ユダヤ人であるゲーンズブールにしか創れないシニカルでパンクやニューウェイヴを予感させる内容になっています。ゲンズブールの創るロックンロールにはコミカルな部分とジャズ的なクールな部分が同居していて格好いいです。

ゲーンズブールにとってポップスとは5分間で創れる即興的なものであり、そこにヨーロッパ
の伝統的な音楽的教養を活かした旋律と、アヴァンギャルドな彼の人間性が注がれ、実に淫猥な世界を生み出しています。あまりにも人間的な音楽であるが故に彼の音楽を全く受け付けない人と、受け入れられる人にはっきりと分かれる所でありましょう。万人に愛される音楽とは正反対な位置に属します。それ故に彼の音楽はROCKなのであります。

Je Suis Venu Te Dire Que Je M'en Vais

Nazi Rock

[20080224]

ジュ・テーム・モア・ノン・ブリュジュ・テーム・モア・ノン・ブリュ
(1994/03/25)
セルジュ・ゲンスブール

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Je T'Aime...Moi Non PlusJe T'Aime...Moi Non Plus
(2004/08/03)
Jane Birkin、Serge Gainsbourg 他

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Histoire de Melody NelsonHistoire de Melody Nelson
(2001/04/24)
Serge Gainsbourg

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旦那の元に去っていったブリジットバルドーによる傷心でふさぎ込むゲーンズブールに与えられたのが駆け出しの女優だったジェーンバーキンでした。本来は女心をもてあそぶプレイボーイのゲーンズブールにとって最大の傷心に対して始めはバーキンも苦戦しますが、この二人は見事に結ばれて結婚します。そして生まれたのがシャルロットゲーンズブールです。

1. ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ
2. はかない恋
3. 太陽の真下で
4. ’69はエロな年
5. エリザ
6. アニーとボンボン
7. スローガンの歌
8. カナビス
9. チャーリー・ブラウン
10. メロディ
11. メロディ・ネルソンのバラード
12. メロディのワルツ
13. アー! メロディ
14. 特別ホテル
15. メロディについて
16. 貨物飛行機の最期

そのジェーンバーキンとのコラボレイトで創ったアルバムJe T'Aime...Moi Non Plusと彼女と映画を創る事になるのですが、そのサントラとなるCannabis、Histoire de Melody Nelsonで構成されたCDです。本来はバルドーの為に創ったJe T'Aime...Moi Non Plusをバーキンとデュエットして大ヒットとなります。バルドーのような小悪魔的とは違うキュートなバーキンの歌との又又官能的な情事を表現しています。バルドーにはこの曲は人にはあげないと言う約束をしていたのですが、当てつけのようにバーキンと再演してみせています。

’69はエロな年のようにエロエロである事を自らも歌い上げるゲーンズバーグはかなりしたたかな男です。ロックを取り入れるようになってからは専属のアレンジャーを起用していますが、ロックそのものな曲はありません。あくまでもムーディーでセクシャルな世界観を創り出しています。Histoire de Melody Nelsonは15歳のロリータ メロディーの物語です。音楽的にはヴェルヴェットアンダーグラウンドや後のニューウェイブのような頽廃的で淫美的なアレンジになっています。豪華オーケストラや70人のコーラスを使うなどやりたい放題です。

バルドーの時は又違ったクリエイティヴィティーな作品で、これも又名盤と言えます。バーキンはバルドーとは違ったタイプでかなりスタイルが美しい人です。それに比べてゲーンズバーグは老けるほどにどんどん乞食のおっさんのようになっていきます。正に美女と野獣のごとしです。

Je T'Aime Moi Non Plus

L'anamour

Sous le Soleil Exactement

69 Annee Erotique

Elisa

Cannabis

Melody

Ballade de Melody Nelson

Valse de Melody

Ah! Melody

Hotel Particulier

En Melody

Cargo Culte

[20080224]

イニシャル B.B.(1966イニシャル B.B.(1966
(1994/03/25)
セルジュ・ゲンスブール

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Bonnie and ClydeBonnie and Clyde
(2004/06/22)
Serge Gainsbourg、Brigitte Bardot 他

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フランスギャルというロリータアイドルによるフレンチポップが大ヒットとなり、曲を手がけたゲーンズブールも世界的に有名になります。その絶頂期に出された2枚のスキャンダラスな名盤をカップリングした作品です。Initials B.B.とBonnie and Clyde。どちらも小悪魔的な女優として人気を博していたブリジッドバルドーとのコラボレーションで生まれました。イニシャルB.B.とはブリジッドバルドーのイニシャルであり、二人共結婚していたにもかかわらず不倫している事を堂々とアルバムの中で表現してみせたのです。あまりにも赤裸々で淫猥な世界。ゲーンズブールの絶頂期でもあり、一番危険な薫りがする作品です。

1. 囚人の歌
2. 囚人の歌2
3. マノン
4. 馬鹿者のためのレクイエム
5. 柔らかい草
6. イニシャルB.B.
7. コミック・ストリップ
8. ブラッディ・ジャック
9. ジキルとハイド
10. トレイ・キャニオン
11. シュバデュバルバ
12. フォード・ムスタング
13. ボニーとクライド
14. ブラック・アンド・ホワイト
15. 誰がインで誰がアウト
16. ホールド・アップ
17. マリルー
18. ボニーとクライド(英語ヴァージョン)
19. コミック・ストリップ(英語ヴァージョン)
20. チャタトーン
21. ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ

前半のInitials B.B.はゲーンズブールによるバルドーへの焦げるような熱い思いを歌い上げた作品で、ビートロックやカットアップの手法を見事に料理してみせた名盤です。艶かしくも彼の代表作となっているマノンは美しくも淫猥な響きを持ったシャンソンです。ゲーンズブールによってシャンソンはエロい吐息と言う手法が使われるようになり、イエイエの時代からエロエロの時代となります。フォークギターを使う所なんかはフォークロックもちゃんと把握していたのでしょうか。そして最高にエロティックなInitials B.B.、Comic Stripでのバルドーのスキャットがエロくもコミカルです。

後半のBonnie and Clydeは映画の俺たちに明日はないのモデルとなった男女の銀行強盗を自分達に見立てたTV番組の為のサントラで、昔の曲をリメイクしたりしています。そしてこのカップリングCDには当時お蔵入りになっていたバルドーバージョンのje t'aime moi non plus我は言っている子tで勝ちが上がります。この曲はバルドーが私の為に最高に美しい曲を書いてとせがんで生まれた曲で、美しい中にも二人の赤裸々な情事がそのまんまドキュメンタリーのように歌われている世にも稀なスキャンダラスな曲でしたが、バルドーの旦那からNGが出てお蔵入りになっていたのです。後にジェーンバーキンのバージョンで世に出ますが、これがオリジナルです。ジョンとヨーコの情事を想わせる曲がありましたが、それはこれに影響を受けたものと思われます。

前代未聞のスキャンダラスな作品ではありますが、とにかくゲーンズブールはバルドーにメロメロで骨抜きになるくらいにのめり込んでいました。それを作品にまでした彼こそはロックミュージシャンだったのです。この作品からはフレンチポップとしての楽しみ方も出来て、コミカルでエロな世にも淫猥な名盤であります。ロックファンも楽しめます。

Initials B.B.
⇒ 続きを読む

[20080224]

コーヒー・カラー(1963~1コーヒー・カラー(1963~1
(1994/03/25)
セルジュ・ゲーンスブール

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イエイエの時代を象徴する作品です。アルバムGainsbourg Percussions とConfidentiel がカップリングされています。ロックンロールを取り入れながらもまだジャズやシャンソンのスタイルから抜け出せずにいます。この中途半端な感じがゲンズブールの魅力の一つでもあります。完全にロックになった事はないのです。しかしその生き様がロックミュージシャンのライフスタイルの先を行っていました。

1. イエイエの時代に
2. 別れた女は何処へ
3. トーキー・ウォーキー
4. かみそり娘
5. 雨の季節
6. おかしなタイプライター
7. セニック・レイルウェイ
8. ヨーヨーの時代
9. 愛なき愛
10. マリファナはもうたくさん
11. マキシム
12. ネガティヴ・ブルース
13. ジョアンナ
14. あちらではあたりまえ
15. 可哀そうなローラ
16. 6.35口径の誘惑
17. つまらぬもの
18. 大使のサンバ
19. ニューヨークU.S.A.
20. コーヒー・カラー
21. マラブー
22. ささいなこと
23. ジェレミーの刺青
24. COCO AND CO
25. 姉を紹介します

イエイエの時代にではロックンロールのギターにジャズ風のウッドベースと言うシュールな作品です。今聴くとかなり斬新です。エレキギターを使うようになっていますが、プレイスタイルがジャズギターになっているのです。ジャズの方がシャンソンにはしっくりくるみたいです。アルバムGainsbourg Percussionsではラテンやアフリカンなリズムを取り入れています。ワールドミュージックはロック登場以前からありましたが、ここまで大胆に取り入れると言うのも面白いものです。

まるでジャングルに迷い込んだシャンソン歌手と言った面持ちです。アフリカンなコーラスも本格的です。イギリスよりもフランスやスペインの方がアフリカとの関わりがありますので、早くからこういった音楽を取り入れられたのでしょう。ロックンロールだけではないこういった実験的な作風は評価出来ます。ただ時代的にロックンロールスタイルの方が売れていたようです。かなり今聴いても新鮮な素晴らしい作品です。

Chez les ye-ye

Negative Blues

New York USA

Couleur Cafe

Ces Petits Riens

[20080224]

ジャヴァネーズ(1961~19ジャヴァネーズ(1961~19
(1994/03/25)
セルジュ・ゲーンスブール

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ジャズ的な曲もありますが、シャンソンと言うスタイルに向き合っていた時期の作品です。そして後半にはビートルズのの登場により彼の音楽性に一大革命が起こり始めた作品です。ビートルズのYEAH-YEAH-YEAH-というかけ声からフランスではイエイエの時代と呼ばれていました。ビートロックがフランスにももたらされたのです。それに敏感に反応したゲンズブールにとって、それはスターダムへのターニングポイントだったのです。

1. Chanson de Prevert
2. En Relisant Ta Lettre
3. Rock de Nerval
4. Oubliettes
5. Chanson de Maglia
6. Viva Villa
7. Amours Perdues
8. Femmes C'Est du Chinois
9. Personne
10. Sonnet d'Arvers
11. Goemons
12. Black Trombone
13. Baudelaire
14. Intoxicated Man
15. Quand Tu T'Y Mets
16. Cigarillos
17. Requim Pour un Twister
18. Ce Grand Mechant Vous
19. Appareil a Sous
20. Vilaines Filles, Mauvais Garcons
21. Violon, un Jambon
22. Javanaise

風刺色の強い歌詞はダブルミーニングになっていたりと、ボブディランやジョンレノンが直接影響を受けたかについては不明ですが、ロックミュージシャンよりも早くから彼がやっていたスタイルでした。アメリカンポップスやジャズのスタイルは早くから取り入れていますが、ロックンロールと言う概念がフランスのミュージックシーンをもかき混ぜていきます。ロックを取り入れたとしてもそれはシャンソンとして機能している事ですが、あまりにも違う音楽性に従来のシャンソンとビートロックは区別される事になります。

いくらロックを取り入れてもフランス語で歌うと又別の表情を持つものです。発音のイントネーションがどうしてもシャンソンにしてしまうのです。これがフレンチポップなのです。完全にロックになりきれていない、フランスのエスプリもしっかり入っている、そしてそれは女性アイドルによってキュートでチャーミングな歌に生まれ変わっていくのです。時代の変わり目にうごめくゲンズブールの艶かしい世界をご堪能あれ。

Chanson de Prevert

En Relisant Ta Lettre

Femmes C'Est du Chinois

Black Trombone

Baudelaire

Intoxicated Man

Appareil a Sous

Violon, un Jambon

Javanaise

[20080223]

リラの門の切符切り(1958~リラの門の切符切り(1958~
(1994/03/25)
セルジュ・ゲーンスブール

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60年代後半から70年代に突入しようとしている所ですが、アメリカとイギリス以外にも60年代に注目しておきたいものがあります。それはフレンチポップです。ビートルズ旋風の影響はフランスにももたらされ独自のポップスを生み出したのです。そのフレンチポップの仕掛人セルジュゲーンズブールをまずは紹介します。

1. リラの門の切符切り~ボリス・ヴィアンからゲーンスブールへ
2. リラの門の切符切り
3. 狂った恋の処方箋
4. 12人の女にのぼせると
5. 死ぬほど退屈
6. ロンサール’58
7. 他の男の体の下にいる人妻
8. アルコール
9. ジャズと自動車事故
10. ピアノ運送屋のチャールストン
11. フリードランドの義足
12. 指の鳴らし屋
13. 10月の夜
14. アデュー・クレアチュール
15. 無煙炭
16. うまうまマンボ
17. 無関心
18. 若い女とご老人
19. スロー・テンポの恋
20. 狼のチャチャチャ
21. 美人は黙れ
22. レッセ・モア・トランキーユ
23. ジュディット
24. 唇によだれ

彼の作品は輸入盤でも入手困難だったのですが、日本で独自に気か腐れらCDで確認する事が出来ます。CDでは2つのアルバムをカップリングして、シングルなどの作品も織り交ぜたかk達で発売されています。この作品は彼のファーストとセカンドなどから構成されています。元々はシャンソン歌手としてスタートしたSerge Gainsbourgですが、シャンソンとは大衆歌の事で、日本でいう歌謡曲のようなものです。ですから時代時代で流行廃りがあるのです。当時のフランスではジャズが流行っており、ジャズ風のシャンソンを聴く事が出来ます。マンボやチャチャといったスタイルも聴けます。

そして歌詞はプロテストでアナーキーな内容のものが多いです。ジャズと言ってもラテン的なリズムも取り入れています。リラの門の切符切りでデビューするのですが、ロシアから移民してきたユダヤ人であるゲーンズブールのルーツ的なイメージも持った曲です。シャルロットゲーンズブールの父親でもあり、フレンチポップの生みの親でありますが、それが生まれるのはもう少し後です。この頃はまともにスーツを着て歌っています。この実績があるが故に後の奔放な生き方も許されていたのです。

リラの門の切符切り

狂った恋の処方箋

12人の女にのぼせると

死ぬほど退屈

ジャズと自動車事故

アデュー・クレアチュール

うまうまマンボ

唇によだれ

[20080223]

Chicago 19Chicago 19
(1994/10/26)
Chicago

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このアルバムではデヴィッドフォスターはプロデュースしていませんが、デヴィッドフォスターを創り上げた売れ線スタイルはしっかりとものにしています。しかし、ここまでくるともうシカゴではなくてもいいようなサウンドです。現在でも現役で活動しているようですが、もう私もここまでが限界です。紹介もここまでにしたいと思います。

1. Heart in Pieces
2. I Don't Wanna Live Without Your Love
3. I Stand Up
4. We Can Last Forever
5. Come in from the Night
6. Look Away
7. What Kind of Man Would I Be?
8. Runaround
9. You're Not Alone
10. Victorious

私が嫌いな80年代サウンドと言うのはスターシップが創り出したL.A.スタイルの奴です。これだけは何がいいのか分かりません。というか聴いていて気持ち悪くなってしまうのです。それっていい音楽だとはいえないですよね。このアルバムでのシカゴも正にその時代を象徴するサウンドになっています。デヴィッドフォスターとのコラボレート作品では曲が良かったので聴けましたが、たいした曲がないこの作品になってくるともう駄目です。

そもそも音楽とは何かを伝えたいと言う思いから生まれるものであり、何を伝えたいのかも分からないただ売れればいいと言う音楽聴くに耐えません。シカゴと言うバンドは好きなのですが、この辺りからはもう別のバンドだと言ってもいいでしょう。これでも昔からのファンだった人間にしては我慢強く付き合ってきたと思います。

Heart in Pieces

I Don't Wanna Live Without Your Love

I Stand Up

We Can Last Forever

Look Away

What Kind of Man Would I Be?

You're Not Alone

[20080223]

Chicago 18Chicago 18
(1994/12/09)
Chicago

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ピーターセテラが脱退した事によりバンド的にもどぎゃんかせんといかんと言う事で、よりデヴィッドフォスターに依存している作品かと思います。もう売れ線のスタイルは分かっているので、そういう曲を創ればいいのですが、そういった気の抜けた感じではピーターセテラの抜けた穴はなかなか埋められるものではありません。

1. Niagara Falls
2. Forever
3. If She Would Have Been Faithful
4. 25 or 6 to 4
5. Will You Still Love Me?
6. Over and Over
7. It's Alright
8. Free Flight
9. Nothin's Gonna Stop Us Now
10. I Believe
11. One More Day

苦しまぐれなのか25 or 6 to 4の86年バージョンで何とか話題を厚めました。シカゴを代表するこの曲をデジタルリアレンジしています。それはそれでいい感じなのですが、往年のファンには不評だったようです。元々リーダー的な存在だったロバートラムは健在なので、何とかシカゴらしさは維持しています。そしてそれはアレンジしているデヴィッドフォスターも心得ているようです。当時の流行のアレンジの中にもシカゴならではのハーモニーがあります。

新加入のJason Scheffは若いながらも、いかにも80年代に出てきたボーカリストと言った感じで、この時代のシカゴには合っています。当時のアメリカではこれが流行の音であり、日本でもバブル時代を象徴するようなサウンドです。こういうサウンドを懐かしいとして聴くのか、又は新しく聴いた人がどのように感じるのかは分かりませんが、私個人としてはもう聴き続けるのは辛くなっています。

Niagara Falls

If She Would Have Been Faithful

Will You Still Love Me

It's Alright

[20080223]

Chicago 17Chicago 17
(2006/10/03)
Chicago

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デヴィッドフォスターとのコラボレートもより様になり前作よりも全体的に完成度が高くなっています。前作から引き継がれた流れでこの作品も大ヒットとなりましたが、どの曲も出来映えがいいので前作以上かと思います。

1. Stay the Night
2. We Can Stop the Hurtin'
3. Hard Habit to Break
4. Only You
5. Remember the Feeling
6. Along Comes a Woman
7. You're the Inspiration
8. Please Hold On
9. Prima Donna
10. Once in a Lifetime
11. Where We Begin

80年代はそれまでのジャンルの壁が取り除かれ出した時期でもあり、スタイルカウンシルのようなユニットに象徴されるように好きな音楽を好きなようにやって成功する人も現れます。しかしレコード会社側とすればいつも同じなのですが、既成のヒット曲のような安全パイしか望みません。誰かがビッグヒットを出せばみんながそれに群がるような群集心理そのものです。クリエイティヴなはずの職業が事務的になってしまうのです。

そういうレコード会社の要望に沿いながらいい曲を創るのは至難の業です。しかしこのアルバムでのシカゴはそれを見事にやり遂げていると思います。前作のようなヒット曲と同様な創りながらも、曲としてしっかりいい曲を創っているのです。これは向かうべき方向がしっかりと定まった事により、何をやればいいのかを各メンバーが掌握出来たからだと思われます。それだけいい曲ばかりです。しかしこの上昇機運の中、このブームを創り出したピーターセテラ本人が脱退してソロ活動を行うようになります。シカゴは又しても危機に立たされる事になるのです。

Stay the Night

We Can Stop the Hurtin'

Hard Habit to Break

Along Comes a Woman

You're the inspiration

Please Hold On

[20080222]

ラヴ・ミー・トゥモロウ(シカゴ16)ラヴ・ミー・トゥモロウ(シカゴ16)
(2006/04/26)
シカゴ

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シカゴを再びスターダムに復活させたアルバムです。ギターに当時引っ張りだこだったビルチャップリンを迎え、プロデューサーにAORと言うスタイルを完成させた一人のデヴィッドフォスターを起用。デヴィッドフォスターは作曲にも加わり、彼独自のヴォイシングによるアレンジでも貢献しています。今聴くといかにも80年代サウンドで古臭いのですが、当時は最先端の音でした。

1. What You're Missing
2. Waiting for You to Decide
3. Bad Advice
4. Chains
5. Hard to Say I'm Sorry/Get Away
6. Follow Me
7. Sonny Think Twice
8. What Can I Say
9. Rescue You
10. Love Me Tomorrow

シングルコイルのギターによるハーフトーンを多用したビルチャップリンの音は当時は流行の音でしたが、今はかなり古い感じです。デヴィッドフォスターのアレンジも当時の立体的な分配させるアレンジで、当時はオシャレだったのですが、デジタルシンセのチープな音が時代を感じさせます。しかし久々のNo.1ヒットシングルHard to Say I'm Sorryはシカゴの復活を宣言するような名曲です。リヴァーブの感じも古臭いのですが、MTVによる効果もあり大ヒットとなりました。生のオーケストラとブラスを使っているのが良かったと思います。これは今聴いてもいい曲です。

邦題にもなっているLove Me Tomorrowもシングルヒットしました。他の曲はどうでもいいような曲もあるので、往年のファンを納得させられるものではありませんが、このアルバムからはっきりとAORの道を突き進むと言う方向性が明確になりました。TOTOのメンバーもゲストで参加しているのでカチッとした演奏がしっくりこないのですが、シカゴらしさもあり、このアルバムから再度アメリカを代表するビッグネームに返り咲きました。

Chains

Hard to Say I'm Sorry

Hard To Say I'm Sorry/Get Away

Love Me Tomorrow

[20080221]

Chicago XIVChicago XIV
(2003/04/21)
Chicago

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プロデューサーにトムダウドを迎えて、何とか起死回生を望んだのですが見事にこけました。迷走の時期の最後に当たる作品でもあり、ニューウェイヴやテクノが新しい時代を呼んでいた時期で、過去のビッグネームは飽きられていました。そこでこの方向性が定まっていない作品を出しても太刀打ち出来ません。ピーターセテラのバラード調の曲が中心になってはいますが、これまでのような名曲にまでは創れていません。

1. Manipulation
2. Upon Arrival
3. Song for You
4. Where Did the Lovin' Go
5. Birthday Boy
6. Hold On
7. Overnight Cafe
8. Thunder and Lightning
9. I'd Rather Be Rich
10. American Dream
11. Doin' Business
12. Live It Up
13. Soldier of Fortune

シカゴサウンドとしてはしっかりとした曲を創っており、なんとか迷走の時期を脱出したい彼等でしたが、一番売れないアルバムになってしまいました。あまりにも余裕が無い為に真面目に曲を創り過ぎてしまっていると思います。もう少し遊び心があった方が良かったと思います。アレンジもしっかりしていますが綺麗すぎるのです。ブラスアレンジも往年の輝きありません。

ただ80年代のアメリカではMTVの普及で恐ろしいくらいにつまらない曲が沢山作られた時期でもあり、それと同じ感じが充満しています。ここから抜け出すには本当にいい曲を創る他無いのですが、それは次回作で見事にやってくれます。その手前の作品だけに一番つまらなく感じてしまうのは致し方ありません。ただ常にライブでファンを惹き付けている彼等だけに忘れ去られる事はありませんでした。B級フュージュンアルバムというレベルではまあまあの作品です。

Manipulation

Song for You

Overnight Cafe

Thunder and Lightning

American Dream

Soldier Of Fortune

[20080220]

Chicago 13Chicago 13
(2003/04/21)
Chicago

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前作からぱっとしない作品が続くのですが、グレイトフルデッド辺りが好きな人にはかなり好かれるような内容になっているのがこのアルバムです。カントリーロック的な緩やかな曲が多く、又方向性を見失っていると言えばそれまでですが、アメリカのバンドとしてはまずまずの出来映えでしょう。ただ以前はビッグヒットを飛ばしていたバンドだけに目玉となる曲がないのが残念です。

1. Street Player
2. Mama Take
3. Must Have Been Crazy
4. Window Dreamin'
5. Paradise Alley
6. Aloha Mama
7. Reruns
8. Loser With a Broken Heart
9. Life Is What It Is
10. Run Away
11. Closer to You
12. Street Player

Street Playerは当時の流行のディスコ調の曲です。そこまで行っては駄目だろうともいえる曲です。イギリスではシリアスなパンクロックが猛威を振るっている時に、アメリカではこんな脳天気な曲を楽しんでいたのです。勿論若者には受けませんでしたが、アメリカの体質的なものでしょう、こういう曲でもある程度は売れるのです。

そして産業ロックの象徴としてMTVが始まるのです。当時のアメリカではケーブルテレビ広まり、24時間ロックならロックの専門チャンネルでロックの映像を楽しめるようになったのです。それはレコードの売り上げにも大きく影響するものでした。後は売れそうな曲を量産すればいいだけです。そんな安易な方向に行きかけていたのがこの時期です。その為音楽的な質は遥かに全盛期におよばないものになりました。媚を売っているつもりが逆に相手にされないような迷走の時期でした。ただグレイトフルデッドファンには悪くない作品ではあります。

Street Player

Must Have Been Crazy

Paradise Alley

Aloha Mama

Reruns

[20080219]

Hot StreetsHot Streets
(2003/04/21)
Chicago

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テリーキャスの不慮の死から何とか立ち直ろうとしてから元気になっている感じのアルバムです。音楽的には独自の路線を固めていたので大きな変化はないのですが、テリーキャスの存在感の大きさが感じられます。彼の死によりより方向性がはっきりしてきたともいえますが、昔からのファンにとってはもうこれ以上追っかけるのはやめようと思ってしまうやけに明るいジャケットです。

1. Alive Again
2. Greatest Love on Earth
3. Little Miss Lovin'
4. Hot Streets
5. Take a Chance
6. Gone Long Gone
7. Ain't It Time
8. Love Was New
9. No Tell Lover
10. Show Me the Way
11. Love Was New

これまでもAOR化していましたが、どこかにまだロックバンドしていたのですが、そのロック的だったテリーキャスがいなくなった事で完全なAOR化となっています。ここまでくるのに新しいファンも沢山増えていましたので、何とかこの新作も話題となりましたが、ロックファンからはもう特に聴く必要もないと判断されていきます。時代的にもパンクやニューウェイヴが動き始めた時期でもあり、私などもこの辺からアルバムジャケットは目にしても曲は聴かなくなっていました。

完全にアメリカンなジャケットといい、初期の頃のイメージは完全に無くなっています。ホーンアレンジも洗練はされていますが迫力のあるプレイは聴けません。そしてピーターセテラが中心になり始めていきます。ファンク色もブラコンしていますし、パンクスが最も嫌う産業ロックの匂いがします。昔のような反社会的な歌を歌っていた若者ではなくなっています。マイナスイメージばかりかいていますが、AORものとしてはそれなりの出来の作品です。この手の音楽が好きな人にはまずまずのアルバムでしょう。

Alive Again

Greatest Love on Earth

Little Miss Lovin'

Hot Streets

Ain't It Time

No Tell Lover

[20080218]

Chicago XiChicago Xi
(2003/02/24)
Chicago

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ビッグヒット作品の後の作品ですが、コンスタントにヒットを出していきます。フュージュン系の曲が多いですが、常に注目を浴びていたシカゴのこの頃の作品はどれも耳に馴染んでいます。テリーキャスが参加していた最後のアルバムですので、ロックファンとしてはこの辺りまでが付き合える作品かもしれません。

1. Mississippi Delta City Blues
2. Baby, What A Big Surprise
3. Till The End Of Time
4. Policeman
5. Take Me Back To Chicago
6. Vote For Me
7. Takin' It On Uptown
8. This Time
9. The Inner Struggles Of A Man
10. Prelude (Little One)
11. Little One
12. Wish I Could Fly (Rehearsal)
13. Paris (Rehearsal)

バラードのヒット曲としてはBaby, What A Big Surpriseがシングルヒットしました。この辺りからもうシカゴと言えばバラードというイメージが定着しますが、アルバムを聴けばそれだけではない事が分かります。このアルバムで一番耳に残っているのがTake Me Back To Chicagoです。なぜかいつもこの曲を当時は口ずさんでいました。シカゴ出身でありながらロスやニューヨークで活動していた彼等にとっての望郷の歌です。

テリーキャスが弾くテレキャスターによるブルースロックのTakin' It On Uptownのような曲はこのアルバムが聞き納めになります。ワウワウを多用したり、フィードバックをガンガンかけたり、時にはトーキングモジュレーターを使ってワウ効果を出していました。そしてメロウでファンキーなカッティングも巧かったです。そんなテリーキャスがいたからこそロックファンもついてきていたのですが、このアルバム発売の後、拳銃暴発事故によって帰らぬ人となってしまいました。それはバンドにとっても大打撃で、この後の作品では迷路にハマってしまいます。このアルバムまでがシカゴの絶頂期だったと言えます。

Mississippi Delta City Blues

Baby, What A Big Surprise

Take Me Back To Chicago

Takin' It On Uptown

[20080217]

Chicago XChicago X
(2003/02/24)
Chicago

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新しいシカゴサウンドが本格的になった作品です。このアルバムからは始めてのシングルNo.1ヒットも生まれ、メロウなAORサウンドに移行していきます。その為か初期の頃からのファンからは見放す人も現れ、新しいファンを掴んでいきます。昔からのファンにとっては軟弱になった印象があったからです。しかしシカゴの魅力を知っているファンいとっては歓迎すべき作品だと思います。私はバラードのシカゴも認めます。何と言っても曲が素晴らしくいいからです。

1. Once Or Twice
2. You Are On My Mind
3. Skin Tight
4. If You Leave Me Now
5. Together Again
6. Another Rainy Day In New York City
7. Mama Mama
8. Scrapbook
9. Gently I'll Wake You
10. You Get It Up
11. Hope For Love
12. I'd Rather Be Rich (Original Version/Rehearsal)
13. Your Love's An Attitude (Rehearsal)

If You Leave Me NowがNo.1ヒットとなりシカゴにはこの曲のイメージが今後つきまとっていきます。まるでバートバカラックがアレンジしたようなオシャレなアレンジに美しいメロディー。完璧に非の打ち所のない名曲です。ヒット曲とはこうあるべきです。私にとってはエルトンジョンのSorry Seems To Be The Hardest Wordとこの曲がBGMでアメリカの深い夜の国道沿いの風景を見ると涙腺が緩んでしまいます。それほど心を打つ曲です。

Another Rainy Day In New York Cityはラテン系なバラードでこれもいい曲です。他の曲もフュージュン的なオシャレなサウンドになっていますが、決して軟弱になったとは私は思いません。ただ激しい音楽をやるだけが能ではありませんので。ヒット曲も書ける優れたフュージュンバンドだと思えばこれほど素晴らしいバンドはありません。まだテリーキャスも健在で、ロック的なプレイからメロウなプレイまで器用に弾きこなしています。名盤と呼びたい所ですが、全ての曲にいて同じレベルの完成度はありませんので惜しい作品品です。もうひと頑張りあればと言うのが正直な感想です。

Once Or Twice

You Are On My Mind

Skin Tight

If You Leave Me Now

Scrapbook

Hope For Love

[20080217]

VIII(未だ見ぬアメリカ)VIII(未だ見ぬアメリカ)
(2003/01/22)
シカゴ

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才能あふれるメンバーを有するシカゴでは多彩な音楽性が魅力的ですが、実際にはメンバー間やサポート側でも対立があったようです。作品的にはまとまりがありそこが魅力だったりするのですが、この後からまとまるようになっていきます。そのまとまる前の最後の作品がこのアルバムです。まとまってもいい曲を創るのでそれはそれでいいのですが、まとまる前のこれまでの作品が私的には好きです。

1. Anyway You Want
2. Brand New Love Affair - Part I & II
3. Never Been In Love Before
4. Hideaway
5. Till We Meet Again
6. Harry Truman
7. Oh, Thank You Great Spirit
8. Long Time No See
9. Ain't It Blue?
10. Old Days
11. Sixth Sense (Rehearsal)
12. Bright Eyes (Rehearsal)
13. Satin Doll (Live, 1974)

Hideawayではフリーのようなハードロックもあります。Old Daysもなかなかの名曲です。実にいろんなタイプの曲が入っています。ブラスロックと言う言葉さえ過去のものになっていた時代に、このシカゴだけがNo.1ヒットを連発して、この時代にはビーチボーイズを前座にするほどの存在になっていました。もうブラスロックと言うよりシカゴと言う名前だけが残されていました。

ランディーニューマンに影響を受けたHarry Trumanなどとぼけた感じのラグタイムアレンジなどお遊び感覚もあり、実に飽きさせない内容なのですので、全体的にはプログレとして聴くと面白いバンドとしてとらえる事が出来ます。私は初期の方が好きとか、後期の方が好きと言う一般的な聴き方はしません。いい曲はいいのでどちらも好きだし、どちらもそれぞれの良さがあります。どちらかを好きな人にとっては一番とらえようが無い作品です。

Anyway You Want

Harry Truman

Old Days

[20080217]

VII(市俄古への長い道)VII(市俄古への長い道)
(2003/01/22)
シカゴ

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再びアナログ盤では2枚組で出されたアルバムです。フュージュン色が強く出ており、インストものが数曲あります。メンバーそれぞれが豊富なアイデアを持っており、それを全て出すには2枚組くらいの容量がないととても追いつけなかったのでしょう。70年代初期から生まれたあらゆるジャンルをものにしている事が分かります。

1. Prelude To Aire
2. Aire
3. Devil's Sweet
4. Italian From New York
5. Hanky Panky
6. Life Saver
7. Happy Man
8. (I've Been) Searchin' So Long
9. Mongonucleosis
10. Song Of The Evergreens
11. Byblos
12. Wishing You Were Here
13. Call On Me
14. Women Don't Want To Love Me
15. Skinny Boy
16. Byblos (Rehearsal)

Devil's Sweetのようにインプロヴィゼーションを展開するなど、各メンバーの演奏力を出し惜しみせず存分に発揮しています。ヒット性にこだわらない部分とヒット狙いの曲が同居していて楽しい作品です。ボサノヴァ調のHappy Manでのピーターセテラの歌などはいかにもシカゴらしい曲ですが、これだけに終わらないのが懐の深さです。

Wishing You Were Hereのような美しい曲もあり、かなりバラエティーに富んでいます。これだけ優れた曲が沢山出来てしまっては2枚組にするしかないでしょう。初期の頃に持っていた多彩な部分で混沌としていた所を混沌ではなく見事にまとめあげて融合してると言う点で、かなり完成度が高くなっています。見事なアルバムです。

Devil's Sweet

Happy Man

Searchin' So Long

Mongonucleosis

Song Of The Evergreens

Wishing You Were Here

Call On Me

[20080217]

VI 遥かなる亜米利加VI 遥かなる亜米利加
(2002/10/23)
シカゴ、アル・グリーン 他

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前作の成功からAOR路線に進み出した作品です。当時はまだAORと言う言葉はありませんでしたが、フュージュンやソウルをオシャレにアレンジし始めたトッドラングレンなどの貢献もあって、このジャンルは徐々に確立されていく事になります。かといって音楽的に軟弱になったかと言うとそうでもありません。初期の荒削りな部分が無くなったためにロック的なイメージが薄れてはいますが、テリーキャスのギターが存在している内は何とかロック的な部分を失わずにいます。

1. Critics' Choice
2. Just You 'n' Me
3. Darlin' Dear
4. Jenny
5. What's This World Comin' To
6. Something in This City Changes People
7. Hollywood
8. In Terms of Two
9. Discovery
10. Feelin' Stronger Every Day
11. Beyond All Our Sorrows
12. Tired of Being Alone

後のシカゴサウンドともいえるJust You 'n' Meがヒットした事で、よりシカゴの方向性が定まります。Jennyのようなカントリーロックなんだけどフュージュンのようなテンションコードを使った不思議な曲もあります。そしてファンクなどブラスを活かせるスタイルもどんどん取り入れ、コンテンポラリーでソフトロックとしても通用するサウンドが出来上がりつつあります。

Something in This City Changes Peopleはピンクフロイドのようにも聴こえますが、CS&Nに影響を受けた曲だと言うアレンジになっています。Tired of Being Aloneではアルグリーンとコラボレートしています。常に新しい感性を取り込もうとしてる姿勢が伺えます。そしてそれをシカゴと言うバンドでどう吸収して同表現していくのかを提示してみせてくれています。完全にメロウなAORになっていない分ロックとオシャレな音楽の関わり方などがこの時代のシカゴから学ぶ事が出来ます。中途半端に感じる人もいるかもしれませんが、この微妙な感じが私は心地良いです。

Critics' Choice

Just You 'n' Me

What's This World Comin' To

Something in This City Changes People

Feelin' Stronger Every Day

Tired of Being Alone

[20080216]

Chicago VChicago V
(2002/12/10)
Chicago

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シカゴ始めての1枚のみのアルバムです。そのためか9週間にも渡って全米No.1の大ヒットアルバムとなりました。音楽的にもより洗練されたハーモニーを聴かせるようになりました。ただそれでもアヴァンギャルドな部分はしっかり出していますので、丸くなった訳ではありません。ファーストのような荒削りな部分はありませんが、激しさが無くなった訳でもありません。ちょうどバランスがいい作品ではないでしょうか。

1. A Hit By Varese
2. All Is Well
3. Now That You've Gone
4. Dialogue (Part One)
5. Dialogue (Part Two)
6. While The City Sleeps
7. Saturday In The Park
8. Sate Of The Union
9. Goodbye
10. Alma Mater
11. A Song For Richard And His Friends
12. Mississippi Delta City Blues
13. Dialogue (Part I & II) (Single Version)

ジミヘンのようなテリーキャスのフィードバックで始まるA Hit By Vareseは現代音楽家ヴァレーズに捧げた曲で、フュージュンのようなプログレ曲です。All Is Wellはピンクフロイドのような気怠さもある曲で、よりバンドサウンドがまとまっています。彼等の最大のヒット曲Saturday In The Parkは新しい感性を持った名曲です。こうしたビッグヒットがあったからこそシカゴは息の長い活動が出来たのだと思います。

このアルバムから完璧に他のブラスバンドとは違うシカゴにしか創れない世界を創り出せるようになっていると思います。特にSaturday In The Parkの成功は後の彼等の持ち味となる美しいハーモニーのメロウなポップナンバーになっており、ファン層も幅広く掴む事が出来ました。サザンロックのようなSate Of The Unionなどアメリカらしい曲もあり、彼等の想像力は無尽蔵に溢れています。これも又大変な名盤だと思います。

A Hit By Varese

Dialogue

Saturday In The Park

Sate Of The Union

Goodbye

Alma Mater


A Song For Richard And His Friends


[20080216]

Chicago IIIChicago III
(2002/07/29)
Chicago

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サードアルバムもアナログ盤では2枚組でした。普通のバンドでは考えられないリリースです。このアルバムでも組曲風にいくつかのコンセプトを持たせています。ファンク色も出てきて、より表現の幅が出てきました。ブラスセクションと言うとどうしてもファンクになりがちなのですが、それをあえてさけていたにもかかわらずこの作品からはファンク色も出すようになり、新しい時代にも対応しているようです。

1. Sing A Mean Tune Kid
2. Loneliness Is Just A Word
3. What Else Can I Say
4. I Don't Want Yur Money
5. Flight 602
6. Motorboat To Mars
7. Free
8. Free Country
9. At The Sunrise
10. Happy 'Cause I'm Going Home
11. Mother
12. Lowdown
13. A Hard Risin' Mornin Without Breakfast
14. Off To Work
15. Fallin' Out
16. Dreamin' Home
17. Morning Blues Again
18. When All The Laughter Dies In Sorrow
19. Canon
20. Once Upon A Time...
21. Progress?
22. The Approaching Storm
23. Man Vs. Man: The End

このアルバムからは大きなヒット曲が出ていないので、忘れられがちですが、この最初期の3枚の2枚組アルバムが一番混沌としていて面白いと思います。この後は徐々にこぎれいな曲が多くなっていきますので、60年代後半の混沌とした世界を持ち合わせていたこれまでの作品がロックファンとしては楽しく聴けます。他のブラスバンドが失速していく中、このシカゴだけはコンスタントにヒットを飛ばしていけたのも、この混沌とした魅力からではなかったでしょうか。

70年代に入っても人権運動が渦巻くアメリカにおいて、シカゴは見事に時代を映しながらも後世に残るような素晴らしい楽曲を創り出しております。Progressでの現代音楽風の作風やフュージュン的なThe Approaching Stormなど、結構とんがった音楽をやっています。Flight 602はフォークロックだったりしますし、つかみ所がないにも関わらずシカゴと言うバンドとしてのカラーは多くの人に浸透していきます。これ又名盤です。

Flight 602

Free

Happy 'Cause I'm Going Home

Mother

Lowdown

[20080216]

ChicagoChicago
(2002/07/29)
Chicago

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バンド名をただシカゴと変えてからの作品になります。これも又アナログ盤では2枚組の大容量です。ファーストでの混沌とした感じも良かったのですが、このセカンドアルバムからはよりバンドとしてのまとまりが出始めてきています。基本的には同じですが、ポップな面も良く出てきており、方向性が徐々に見えてきています。当時はギタリストが花形でしたのでブラスロックに馴染めない人もいましたが、シカゴにはテリーキャスと言う攻撃的なギタリストがいましたのでロックファンからも一目置かれていました。

1. Movin' In
2. The Road
3. Poem For The People
4. In the Country
5. Wake Up Shineshine
6. Make Me Smile
7. So Much To Say, So Much To Give
8. Anxiety's Moment
9. West Virginia Fantasies
10. Colour My World
11. To Be Free
12. Now More Than Ever
13. Fancy Coours
14. 25 Or 6 To 4
15. Prelude
16. A.M. Mourning
17. P.M. Murning
18. Memories Of Love
19. 1st Movement
20. 2nd Movement
21. 3rd Movement
22. 4th Movement
23. Where Do We Go From Here
24. Make Me Smile (Single Version)
25. 25 Or 6 To 4 (Single Version)

彼等の初期の最大のヒット曲25 Or 6 To 4、邦題が長い夜で御馴染みですが、このアルバムに入っています。曲のタイトルはこの曲を録音していた時間帯をタイトルにしただけですが、邦題は長い夜としています。曲がいいので現在でも愛されている名曲であります。後半になると組曲風のプログレッシヴな曲が多いのですが、前半部分も小曲が立て続けに出てきてこれも組曲風と言えなくもありません。ブラスアレンジでいうとBS&Tに比べると劣る部分もありますが、総合力でいうとシカゴは無敵ともいえる鉄壁なチームワークを持っています。

ピーターセテラはボーカリストとして有名ですが、初期の作品を聴くとかなりベーシストとしても優れているのが分かります。ピックで弾いているようですが、かなり全面にベース音が来ていても安定しています。イエスのクリススクワイアーのようです。メンバーもジャズ的なテクニックを巧くロックに応用していたりとテクニカルですが、演奏はかなりヒートアップしているようで激しく洗い部分もあり、そういう所がロックファンにも受けたのでしょう。このアルバムも名盤です。

Wake Up Shineshine

Make Me Smile

Colour My World

Now More Than Ever

Fancy Coours

25 Or 6 To 4

[20080216]

Chicago Transit AuthorityChicago Transit Authority
(1995/02/28)
Chicago

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ブラスロックバンドで一番成功を収めたのがこのシカゴです。最初はChicago Transit Authorityと言う長いバンド名だったのですが、後にただシカゴと名乗るようになりました。シカゴと言うとデヴィッドフォスターが関わり出したAOR的なサウンドが有名ですが、デビュー当時は実験的なジャズとロックを組み合わせ、BS&Tとは又違った個性を持ったバンドでした。歌詞も政治的なものだったりとプロテストな一面もあり、当時の学生運動の人にも支持されていました。

1. Introduction
2. Does Anybody Really Know What Time It Is?
3. Beginnings
4. Questions 67 and 68
5. Listen
6. Poem 58
7. Free Form Guitar
8. South California Purples
9. I'm a Man
10. Prologue, August 29, 1968
11. Someday (August 29, 1968)
12. Liberation

シカゴの凄い所はアナログ盤ではこのファーストアルバムから2枚組でデビューした事です。それだけ制作コストもかかる事ですので、普通は最初から2枚組みというのはありません。それをサードアルバムまで連続して2枚組で出してきましたのでこれは後にも先にも例のない事です。それだけ作品が豊富にあった事と経済的にも恵まれていたのでしょう。

サウンド的にはBS&Tのようなオシャレなブラスアレンジがあったり、プログレッシヴな展開があったりしますが、テリーキャスというワウワウプレイを得意とするギタリストが存在していた為、かなりロック的な、しかもサイケ色もあったりラテン的でもあったりと混沌としたサウンドでしたが、当時から期待の新人として評価されていました。Free Form Guitarではそんなテリーキャスのジミヘンばりのトリッキーなギターソロが堪能できます。後期にはベースのピーターセテラがリードボーカリストとしての顔になりますが、初期は彼も含めて複数のリードボーカリストがいます。このアルバムではファーストシングルのQuestions 67 and 68と言うヒット曲とスペンサーデイヴィスグループのカバーI'm a Man が目玉です。かなり迫力のある素晴らしいバージョンになっています。

2枚組でありながらまだまだ力を出し切っていないような、これかも期待が持てるような予感を感じさせる作品で、BS&Tほどソウルフルではないので、ロックファンにも馴染みやすい内容になっています。唯一ブラスロックバンドの中で永く活動出来たバンドで、ヒット曲も随時出しております。そのシカゴの歴史の中でもブラスロックと言う形容が一番楽しめるのが最初期の作品です。名盤です。

Introduction

Does Anybody Really Know What Time It Is?

Beginnings

Questions 67 and 68

Listen

Poem 58

Free Form Guitar

I'm a Man

Prologue, August 29

[20080215]

Ennea/Pure MusicEnnea/Pure Music
(1997/10/28)
Chase

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チェイスのセカンドとサードアルバムをカップリングしたCDです。ファーストだけが日本では入手し易く、この作品は輸入盤でしか手に入りません。それだけファーストだけが有名なのですが、この作品でもファーストの延長線上にあり、ファーストが気に入ってくれた人には満足出来るものとなっています。

1. Swanee River
2. So Many People
3. Night
4. It Won't Be Long
5. I Can Feel It
6. Woman of the Dark
7. Cronus (Saturn)
8. Zeus (Jupiter)
9. Poseidon (Neptune)
10. Aphrodite, Pt. 1 (Venus)
11. Aphrodite, Pt. 2 (Venus)
12. Hades (Pluto)
13. Weird Song No. 1
14. Run Back to Mama
15. Twinkles
16. Bochawa
17. Love Is on the Way
18. Close up Tight

セカンドアルバムEnneaはファースト同様前半に歌ものがあり、後半は組曲形式でプログレッシヴな転回を聴かせてくれます。サードPure Musicではリーダーのビルチェイス以外のメンバーが全て入れ替わり、新しい挑戦に挑んでいます。大半がインスト曲になっており、ファンクフュージュンバンドのようになっています。それでもロック寄りな所がファンクバンドにはないカッコ良さを持っています。

新しくスタートを切ったチェイスでしたが、不幸な事にビルチェイスが飛行機事故により帰らぬ人になってしまいました。その為バンドはたった3枚のアルバムを残しただけで終わってしまいました。残されたメンバーでサバイバーと言うバンドで活動していき、後にロッキーのテーマ曲でヒット曲を出す事になります。ファンクではアースウィンドウ&ファイアーのようなバンドはいますが、ロック界ではこの後ブラスロックと言うスタイルは継承されませんでした。ただシカゴだけが息の長い活躍を魅せます。

一瞬の輝きでしたが、ブラスロックの魅力はシンセなどでは再現出来ない生楽器での迫力あるサウンドです。いまでもこういうバンドが出てくると面白いと思うのですが、スカパラでは役不足です。再評価されるべきものがこの時代にはまだまだ多くあると思います。

So Many People

Run Back to Mama

Love Is on the Way

Close up Tight

[20080214]

追跡追跡
(1995/02/01)
チェイス

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ブラスロックで成功したシカゴは後にとっておいて先にチェイスを紹介します。BS&Tと並んでブラスロック3大バンドと呼ばれておりましたが、チェイスの成功は一瞬だったので、その評価は低いです。やはりジャズソウルそしてロックをミックスしたサウンドは迫力があり、特にこのファーストアルバムはいまでもブラスロックの代表作の一つとされています。

1. Open up Wide
2. Livin' in Heat
3. Hello Groceries
4. Handbags and Gladrags
5. Get It On
6. Boys and Girls Together
7. Invitation to a River: Two Minds Meet/Stay/Paint It Sad/Reflec [Medley]

ブラスロックと言ってもトランペットが4本いるだけなのでBS&Tのような豊かなアレンジはありませんが、その分パンチのあるサウンドが売りです。Get It Onがヒットしましたが、Invitation to a Riverのような組曲でプログレソウルファンクなサウンドがハイライトです。Get It Onでのブラスアレンジは和田アキ子の初期の頃で良く聴かれるもので、Boys and Girls Togetherのイントロは西城秀樹の曲でパクられています。

日本の昭和の歌謡曲にも多大な影響をブラスロックは与えているのです。普通のソウルではここまで立体的に動き回るブラスアレンジはありませんので、当時ブラスロックはかなり衝撃的な登場だったと思います。ジャズでもここまでロック的な演奏はしませんのでかなり微妙ですが、ブラスロックと呼ばれていたものはそれまでにないサウンドだったはずです。ただ本家のBS&Tが失速するに従ってその勢力も衰えていきます。それでもこのチェイスは新しいブラスロックの可能性をこのファーストアルバムで提示してみせましたが、彼等も短命に終わってしまいます。

Open up Wide

Handbags and Gladrags

Get It On

[20080213]

Blood, Sweat & Tears: 3 & 4Blood, Sweat & Tears: 3 & 4
(2004/03/23)
Blood Sweat & Tears

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Blood, Sweat & Tearsの3枚目と4枚目のカップリングCDです。1枚目と2枚目は歴史的な名盤でしたが、それ以降の注目度はグンと下がります。このアルバム辺りからボーカルのDCトーマスの歌を中心としたサウンドになり、よりバンドとしてのサウンドを固めていくのですが、その分こじんまりとしてしまった感じがあります。

1. Hi-De-Ho
2. Battle
3. Lucretia MacEvil
4. Lucretia's Reprise
5. Fire and Rain
6. Lonesome Suzie
7. Symphony for the Devil/Sympathy for the Devil
8. He's a Runner
9. Somethin' Comin' On
10. 40,000 Headmen
1. Go Down Gamblin'
2. Cowboys and Indians
3. John the Baptist (Holy John)
4. Redemption
5. Lisa, Listen to Me
6. Look to My Heart [Instrumental]
7. High on a Mountain
8. Valentine's Day
9. Take Me in Your Arms (Rock Me a Little While)
10. For My Lady
11. Mama Gets High
12. Look to My Heart [Duet, Instrumental]

彼等はデビュー作からティンパンアレイ系の作曲家、キャロルキングなどの曲を採用していました。そのセンスはいいのですが、バンドのダイナミズムを考えるとよりアイデアをひねり出す必要があったのですが、ファーストとセカンドで出し尽くしてしまった感があります。ただ4枚目まではそのレベルを持続しているのでファンとしては楽しめます。

それ以降はメンバーが大幅に変わりながらも作品を出し続けていきます。その為オリジナルでの質感はなくなっていくので、このアルバムまでがBlood, Sweat & Tearsだと思った方がいいです。ストーンズのカバーSymphony for the Devilなどアレンジが面白いのですが、最初の2枚の作品のインパクトが強すぎるため、どうしても地味に聴こえてしまいます。ただ、彼等はウッドストックなどに出演し、時代をリードしていたのですが、時代は彼等を飛び越えてハードロック、プログレの時代へと突入してしまいます。

ジャズロックとは違う形でジャズとロックを融合してみせた彼等の偉業は語り尽くせませんが、大人数が必要なブラスロックは一瞬流行りますが、長続きはしませんでした。それでも彼等が残した名曲達はいまも輝きを失っておりません。アレンジの仕方などまだまだ学ぶべき所が多々あります。

Hi-De-Ho

Lucretia MacEvil

Symphony for the Devil

Somethin' Comin' On

Go Down Gamblin'

Redemption

Lisa, Listen to Me

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