ピアノのみの弾き語りというシンプルな構成で、あがた森魚、佐野元春、大貫妙子、山下達郎などカバー曲を演奏しています。これらのカバー曲を童謡のように、民謡のように歌う事によってSUPER FOLK SONGと銘打っています。タイトル曲はオリジナルになります。この曲の歌い出しはビートルズのアデイインザライフの歌詞を引用しています。ジョンの曲もFOLK SONGなのだという彼女の認識が読み取れます。
ただ、曲を愛するあまり、元ネタの歌い方を真似しているような不思議な感じもあります。SUPER FOLK SONG、つまり超民謡な音楽達を提示してみせた挑戦的な意味合いもあると思います。ピアノだけの弾き語りというのは、最小限の肉付けだけのアレンジなので、歌に集中して聴けますし、ギターによるフォークソングとは違い、ピアノによるフォークソングは、もっと豊かな表現が出来ると言う事でSUPER FOLK SONGなのだと思います。とても矢野顕子の良さを認識出来る名盤だと思います。