dip in the poolのラストアルバムになります。甲田益也子との木村達司の2人が、やりたい事を素直に出し尽くした作品になっています。アシッドジャズ色が強い感じですが、dip in the poolならではの世界観が貫かれています。結局最後にやりたかった事は、普通にポップスだったのかと思ってしまいますが、それもいいでしょう。
1. LUCY 2. I FEEL SO GOOD 3. SPRING OF LOVE 4. MIDORI NO KOSEN 5. SHES A FRUIT 6. ON LINE 7. WISDOM OF THE HILL 8. TRICOLORE
これまでのdip in the poolの音楽はダンス向きではなかったのに、最後に来て踊れるリズムを持っています。初期の頃のインパクトは失われていますが、ここまで頑張ってきた事に敬意を払いたいです。打ち込みによるタイトなグルーヴはこれまでになく一般的なポップスに仕上げていますが、音楽的なセンスの良さは最後まで貫かれています。
ユニット解散後、甲田益也子はソロ活動を始めます。この人はファションセンスだけではなく、音楽的にも才能のある人だった事が分かります。木村達司はプロデュース業など、制作者側になっていきます。日本のロックでは軽薄なものから、このようなセンスの高いミュージシャンもいるという事で、奥の深さを感じさせてくれたユニットでした。今の日本の音楽シーンには失われつつある良質な音楽を、これから与えてくれるミュージシャンが登場してくれる事を期待しつつ、日本が世界に誇れるdip in the poolの紹介を終わりたいと思います。
七番目のアルバムなので、単純に7というタイトルで、曲にもななというdip in the poolらしい曲が含まれています。漫画のナナとは関係ありません。この辺りになるともう流行など気にせず、マイペースで自分達の音楽を創っていると感じます。牧歌的とデジタルの共存という不思議な雰囲気も、この頃には珍しくもなく、普通に聴いてしまいます。
それでも、ここまで良質な音楽性を保っているアーティストも少なく、dip in the poolじゃなければ味わえない雰囲気というものもあります。木村達司はデジタルミュージックを極めようとしていますが、ブレイクビーツやドラムンベースにはなびかなかった事がdip in the poolらしいスタンスだったのかもしれません。やっててもおかしくないのですが、このユニットでの表現においては選択されませんでした。
1. CallingI 2. Diana 3. 虹のしるし 4. CallingII 5. ネフェルティティ 6. Le monde 7. Adios 8. CallingIII 9. A breath from the Queen of Snow 10. 背骨のような雲 11. We love you 12. CallingIV 13. THEEGO 14. CallingV