ビギン以降、あまり間を空けずにグランドイカ天キングが続出します。特に意外ながらもイカ天No.1の存在となるたまの出現はかなりインパクトがありました。全てのバンドの中でも最高のバンドの称号を手にした彼等ですが、最高のバンドと言うとFLYING KIDSやマルコシアスバンプも同じような評価ですが、それ以上の存在である事は間違いありません。昭和童謡を
アヴァンギャルドにしてアコースティック楽器で演奏する独特の世界観は審査員も評価するのを恐れ多いと思うくらいに突き抜けたバンドなのです。
1. 方向音痴
2. おるがん
3. オゾンのダンス
4. 日本でよかった
5. 学校にまにあわない
6. どんぶらこ
7. ロシヤのパン
8. さよなら人類(オリジナル・ヴァージョン)
9. ワルツおぼえて
10. らんちう
11. れいこおばさんの空中遊泳
見た目はネクラなオタク系のメンバーの演奏もそのイメージの通りなのですが、完成されたその世界観は他を寄せ付けない魅力を放っていました。メンバーは知久寿焼(ボーカル ギター)柳原陽一郎(ボーカル キーボード)石川浩司(ボーカル パーカッション)滝本晃司(ボーカル ベース)で、ベースだけエレクトリックベースですが、他はアコースティック楽器を使用しており、特にドラムは風呂桶など、楽器以外を打楽器にしています。石川浩司はランニングで坊主の裸の大将のような格好をしています。
一番たまのイメージを創っているのは知久寿焼です。かなり古いクラシックギターを引きながら、まことちゃんのような髪型で、
アヴァンギャルドな童謡を生み出しています。柳原陽一郎の創る曲はビートルズにも通じるようなポップで
サイケデリックな曲です。滝本晃司の創る曲はねっとりとしたスローな曲が多いです。石川浩司が創る曲はやたらと楽しい曲だったりします。四人のメンバーがそれぞれ曲を創り、それぞれがリードボーカルをとり、全員でコーラスを担当する為に日本のビートルズという評価もされています。
彼等を人気づけたのはシングルカットされたオゾンのダンスとさよなら人類の大ヒットによるものです。どちらも柳原陽一郎が作曲したポップな曲で、ネクラな部分が薄れているのでヒットしたと思います。子供も一緒になって歌えるような楽しい曲だったので、老若男女に受けました。このヒット曲が入っている為にこのファーストメジャーアルバムも大ヒットしました。そういう意味では一番有名な作品です。しかし、一番彼等らしい曲はらんちうです。これでイカ天キングになりました。彼等の魅力がふんだんに詰まった名盤です。
方向音痴