

女装したジャケットが印象的ですが、ローリングストーンズを連想させます。
音楽的には前作からの流れでジャズ的なアレンジなど、新しい彼等のサウンドを確立しつつあります。ロカビリーから発展したようなジャズや、ファンキーな曲もあります。サウンドは進化していますが、歌詞の強烈な世界はブランキーならではのものです。
1. 円を描く時
2. 親愛なる母へ
3. 風になるまで
4. カモメ
5. 嘆きの白
6. 螺旋階段
7. 小さなガラスの空
8. 幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする
9. 砂漠
10. 青い花
リトルフィートやタワーオブホーンズなど、海外からのゲストを迎えて、バンドサウンド以上の脚色が加えられています。ジャズやファンクなどのアレンジでも、ハードロックとして演奏している所がカッコいいのです。これは土屋昌巳がいい塩梅を心得ています。シングルカットされている青い花はテレビプログラムの速報!!甲子園への道二使われていました。これまでのブランキーにはなかったメロディアスでポップなナンバーです。
ホーンアレンジと、ギターアレンジの絡みが見事で、打ち込み無しでも、ここまで精密なアレンジ構築が行われると躍動的である事を知らしめています。どんなにゴージャズなアレンジになっても浅井健一の歌の刹那がこのバンドのキモです。ストーリーテラーとしての力量も増しています。昔からのファンは戸惑うような作品ではありますが、芯がブレていないので、この多様性は成功していると思います。素晴らしい名盤です。
親愛なる母へ