アイデンティティというタイトルで、ジャケットでは指の指紋を消しています。これはどの国にも属さないと言う
音楽 性と、パーカッショニストは指が命という表現だと思います。裏ジャケットには彼のパスポートが並べられています。アメリカにおける彼のアイデンティティはパスポートというよりもこのアルバムのような作品達だと思います。
1. Magicians
2. Tales From Home (Lendas)
3. Identity
4. Encounter (Encontro No Bar)
5. Wake Up Song (Baiao Do Acordar)
6. Mae Cambina
7. Flora On My Mind
今回は同じ
フュージュン 仲間でもハービーハンコックとウェインショーターが参加しています。ウェインショーターもブラジル的なソロアルバムを創ったりしていました。それよりも驚きなのはハービーのフォーキーなピアノプレイです。見事にブラジル
音楽 をものにしていると思います。それとジョンウィリアムスやチョッパーベースのルイスジョンソンも参加しています。
その中でも一番の目玉はマルチプレイヤーのエギベルト・ヂスモンチとの共演です。これまでの作品は曲の完成度が重視されていましたが、このアルバムではパーカッショニストのリーダーアルバムらしく、パーカッションが大前提で
音楽 が形成されています。かなりブラジル色が強いのですが、それを見事に演奏するジャズメンの驚異的なプレイによって、普通の
フュージュン とは違った独特の世界観をを生み出しています。これこそが彼のアイデンティティなのです。見事な名盤です。
Magicians
Identity