再びブルーノートを離れたタレンタインはインディーレーベルを渡り歩いていきます。The Look of Love というスムーズジャズの名盤を出していますが、残念ながらCD化されておらず、Music Mastersというレーベルから、このアルバムが出されました。このアルバムではジャズの名曲をカバーしており、再びモダンジャズに回帰しています。
1. Thomasville 2. They Can't Take That Away From Me 3. In A Sentimental Mood 4. Easy Walker 5. Triste 6. Pieces Of Dreams 7. Spirits Up Above 8. More Than A Mood
Smooth Jazz という形容がしっくりくるアルバムです。ストリングアレンジも軽快に、大人のセンチメンタリズムをくすぐる素晴らしい作品に仕上がっています。リズム&ブルースを基調としたソウルミュージックと、ジャズとラテンがミックスされたライトフュージュンの洗練さが巧く溶け合って、素敵な音楽が産み落とされています。
1. Terrible T 2. Cruisin' 3. Night Breeze 4. Take 4 5. Touching 6. La Place Street 7. Sparkle
1. Bird of Beauty 2. Creepin' 3. You and I 4. Living for the City 5. Boogie on Reggae Woman 6. Rocket Love 7. Don't You Worry 'Bout a Thing 8. Sir Duke
古巣ブルーノートレーベルに舞い戻ってからの作品です。参加メンバーも旧友のJimmy Smithを始め、George Benson、Ron Carter という昔懐かしいメンバーが揃っています。サウンドも昔ながらのファンキージャズに戻っています。オルガンジャズの再興、それは90年代のジャズバンドへとつながるものでもあります。
1. Plum 2. A Child Is Born 3. Other side of Town 4. Longer You Wait 5. Ah Rio
1. Hermanos 2. I'll Give You My Love 3. Tamarac 4. After the Love Is Gone 5. Cherubim 6. Only You and Me 7. World Chimes 8. Pure Love (Interlude) 9. Havin' Fun With Mr. T.
Earth, Wind & Fire的なアレンジでStanley Turrentineが歌心溢れるサックスを披露しています。81年の作品ですので、パンク全盛のイギリスでは一番嫌われる類いの音楽ですが、アメリカではまだ受けるスタイルで、ジャズアルバムではトップテンに入っています。I'll Give You My LoveではPhilip Baileyのファルセットヴォイスが聴けます。
ブラコン的なサウンドは、日本で言えば山下達郎辺りに近いものです。これもタレンタインにとってはファンキージャズの延長なのでしょう。実に伸びやかに演奏しています。フュージュンとしても、ブラコンとしても古いスタイルではありますが、80年代サウンドになっていないので、今聴いても自然と楽しめる内容になっています。Only You and MeではDianne Reevesのボーカルを楽しめます。いつもの事ですが、楽しい気分になれる作品です。
ファンタジーレコードにはWhat About You!とUse the Stairsというアルバムを残していますが、CD化されていないようです。それ以降は様々なレーベルを渡り歩いていく事になります。このアルバムはElektraレコードで録音したものになります。この時代のものもCD化されていないものが多いです。
1. Take Me Home 2. Love Is the Answer 3. Betcha 4. Concentrate on You 5. You 6. Hamlet (So Peaceful) 7. Long Time Gone 8. Together Again
よりフュージュンな作品になっており、どちらかと言うとA.O.R.な洗練されたものになっています。ジェフポーカロやリーリトナーが参加しています。カーペンターズのリチャードも関わっており、Love Is the Answerはトッドラングレンの曲です。
ファンタジーレコードではIn the Pocket、Have You Ever Seen the Rainという作品を残しているのですが、どうもCD化されていないようです。ですから飛ばしてこのアルバムの紹介になります。よりポップ化が進んでおり、ポップスのカバー曲が目立っています。ジャズアレンジにする事によって、新しいサムシングが生まれています。
1. Everybody Come On Out 2. Stairway To Heaven 3. There Is A Place (Rita's Theme) 4. Many Rivers To Cross 5. Hope That We Can Be Together Soon 6. All By Myself 7. Airport Love Theme 8. I'm Not In Love
参加ミュージシャンも大きく変わり、ジョーサンプルやリーリトナーなど、クロスオーヴァー系のミュージシャンが目立ちます。他にポールジャクソンやビルサマーズなどが、より洗練されたサウンドを生み出しています。曲目もお馴染みのもので、Many Rivers To Crossはレゲエの名曲ですし、All By Myselfはエリック・カルメンの名曲です。そして I'm Not In Loveは10CCの名曲ですね。Airport Love Themeは映画音楽です。
1. Pieces Of Dreams 2. I Know It's You 3. Deep In Love 4. Midnight And You 5. Evil 6. Blanket On The Beach 7. I'm In Love 8. Pieces Of Dreams (Take 5-Alternate) 9. Blanket On The Beach (Take 11-Alternate) 10. I'm In Love (Take 9-Alternate)
一つ間違えるとイージーリスニングな方向に行ってしまいがちですが、タレンタインのサックスがしっかりビバップしているので、厚みがあります。ギターは他にDean Parks、 David T. Walkerも参加しており、この辺のギタリストの起用の仕方も、彼のサウンドに大きく影響があるようです。あくまでも主旋律がサックスなので、他のフュージュンとは毛色が違っています。
間にFreddie Hubbard/Stanley Turrentine In Concert Volume OneとIn Concert Volume Twoというライブアルバムをはさんで出されたアルバムで、CTIでは最後のアルバムとなります。ファンキージャズ全開の作品で、感動的なくらいソウルフルな作品に仕上がっています。ここまで歌心を持ったサックスプレイも珍しいです。
1. Don't Mess With Mister "T." 2. Two For T. 3. Too Blue 4. I Could Never Repay Your Love 5. Pieces Of Dreams 6. Don't Mess With Mister "T." (Alternative Take) 7. Mississippi City Strut 8. Harlem Dawn
特にタイトル曲のDon't Mess With Mister "T."はマーヴィングゲイの作品ですが、泣けてくるくらいにソウルフルです。リチャードティーによるオルガンプレイも素晴らしく、原曲以上に名曲に仕上げています。今回もお馴染みのロンカーター他、ボブジェイムス、エリックゲイル、そしてランディーブレッカーが参加しています。その他にジョーファレルも参加してホーンの構成を厚くしています。
スタンリー・タレンタインとミルトジャクソンのコラボレート作品となっている今作はスタンリー・タレンタインの作品の中でも一番有名で、代表作になっています。ファンキージャズではありますが、ハードバップに近い演奏が展開されています。Modern Jazz Quartetのvibraphone奏者のミルトとスタンリーのサックスの絡み合いが絶妙です。
1. Speedball 2. I Remember You 3. The Revs 4. Sister Sanctified 5. Cherry 6. Introspective
リチャードティー、エリックゲイルというニューヨークのセッションプレイヤー、後のスタッフのメンバーですが、彼等が加わっている事で、ニューソウルなおしゃれ感も出ています。CTIという事で、プロデューサーはCreed Taylor。エンジニアはRudy Van Gelderです。ファンキージャズよりは新しく、フュージュンよりは古い、この微妙なタッチが心地いいと思える人にはたまりません。
1. Song For Barry 2. King Of The Lobby 3. Big Idea 4. Above & Below 5. That's All There Is To It 6. Wakaria (What's Up?) 7. On The Backside 8. Sozinho (Alone) 9. Spherical 10. Good Gracious 11. Roppongi
スティーヴィーワンダーのような歌ものファンクを中心とした作品です。ドラムにスティーヴガッドなど、スタジオミュージシャンを起用して、手堅いサウンドに仕上げています。前作Heavy Metal Be-Bopの成功により、来日も果たしています。しかし、前作のハードドライヴィングに比べて、かなりポップな仕上がりになっています。
1. You Ga (Ta Give It) 2. Not Tonight 3. Don't Get Funny With My Money 4. Tee'd Off 5. You Left Something Behind 6. Squish 7. Dream Theme 8. Baffled 9. I Don't Know Either
1. Keep It Steady (Brecker Bump) 2. If You Wanna Boogie...Forget It 3. Lovely Lady 4. Night Flight 5. Slick Stuff 6. Dig A Little Deeper 7. Grease Piece 8. What Can A Miracle Do 9. I Love Wastin' Time With You
1. Fascinating Rhythm 2. Para-Raio 3. The Trolley Song 4. That Old Black Magic 5. Dinorah/Morning 6. It's Only A Paper Moon 7. Let's Face the Music & Dance 8. Morning Coffee 9. I've Grown Accustomed To Her Face 10. Who Are You? 11. Besame Mucho 12. Anything Goes 13. I've Got You Under My Skin 14. Laura
1. Libertango 2. The Look Of Love 3. Colors 4. I Want You 5. Think About It 6. Dorita 7. Lady In My Life 8. Love At First Glance 9. Magic Man 10. Slow Train
1. TKO 2. Slinky 3. Beba 4. Passion Dance 5. Creepin 6. Que Pasa Mr. Jones? 7. Baila Conmigo (Dance With Me) 8. Until We Meet Again 9. Stormy Sunday 10. Route 101
1. Second Wind 2. Flirtation 3. Wherever You Are 4. Sneakin' In 5. Drivin' Home 6. Can't Stop Thinking About You 7. Flamingo 8. My Funny Valentine 9. Side Steppin' 10. Rendezvous 11. Across The Bridge 12. Sugar Cane
My Funny Valentineのようなスタンダード曲や、ティファナ・ブラスでもカバーしていたFlamingoを再度カバーし直している辺りは、前作と共通するものです。90年代のマイルスが得意としていた、ヒップホップなスタイルと、センチメンタリズムの融合は、大人も若者も楽しめるようになっています。
1. Midnight Sun 2. All The Things You Are 3. Someone To Watch Over Me 4. In The Wee Small Hours 5. Friends 6. A Taste Of Honey 7. Mona Lisa 8. I've Grown Accustomed To Her Face 9. Silent Tears And Roses 10. Smile
お馴染みのジャズスタンダード曲ばかりですが、特にティファナ・ブラスでもカバーしたA Taste Of Honeyを、今度はバラード調にアレンジしています。とても美しい作品です。クールジャズというか、モードジャズ的な響きもあり、モダンジャズを現代風にはしていますが、マイルスが昔出していたバラードスタンダード曲などに近いです。