ディスク:1 1. Dawn / Go Within 2. Carnaval 3. Let The Children Play 4. Jugando 5. I'll Be Waiting 6. Zulu 7. Bahia 8. Black Magic Woman / Gypsy Queen 9. Dance Sister Dance (Baila Mi Hermana) 10. Europa (Earth's Cry Heaven's Smile) ディスク:2 1. She's Not There 2. Flor D'Luna (Moonflower) 3. Soul Sacrifice / Head, Hands & Feet (Drum Solo) 4. El Morocco 5. Transcendance 6. Savor / Toussaint L'Overture 7. Black Magic Woman (Single Version) 8. I'll Be Waiting (Single Version) 9. She's Not There (Single Version)
ゾンビーズのShe's Not Thereをラテンフレイヴァーにアレンジしてカバーしてシングルヒットとなりました。ここまでが第一線で売れていた頃のサンタナになります。しかし、私はこのアルバムを聴いて、もうサンタナもネタ切れだと予感して、これ以降は真面目に聴きませんでした。そしたら、これ以降最近になるまでヒット曲が出なくなりました。原因はパンクニューウェイヴの台頭と、新しいギターヒーローが登場して、サンタナは古いタイプのギタリスト認識されたからです。
1. Carnaval 2. Let the Children Play 3. Jugando 4. Give Me Love 5. Verão Vermelho 6. Let the Music Set You Free 7. Revelations 8. Reach Up 9. The River 10. Try a Little Harder 11. Maria Caracoles
1. Dance Sister Dance (Baila Mi Hermana) 2. Take Me With You 3. Let Me 4. Gitano 5. Tell Me Are You Tired 6. Europa (Earth's Cry Heaven's Smile) 7. Let It Shine
フュージュンに傾倒していた頃の作品で、前作でも参加していたFlora Purimの他に旦那のAirto Moreira、そしてReturn to ForeverつながりでStanley Clarkeも参加しています。前作よりも薄まってはいますが、ブラジリアンな音楽とブルースロック、ジャズの絡み合いから何か新しいものを生み出そうとしている産みの苦しみを感じさせる作品です。
1. Spring Manifestations 2. Canto De Los Flores 3. Life Is Anew 4. Give And Take 5. One With The Sun 6. Aspirations 7. Practice What You Preach 8. Mirage 9. Here And Now 10. Flor De Canela 11. Promise of The Fisherman 12. Borboletta
1. Going Home 2. Love, Devotion and Surrender 3. Samba de Sausalito 4. When I Look into Your Eyes 5. Yours Is the Light 6. Mother Africa 7. Light of Life 8. Flame-Sky 9. Welcome 10. Mantra
ボサノヴァ的なリズムなので洗練されていますが、凶暴だったラテンロックの影が薄れています。タイトル曲のWelcomeはジョンコルトレーンの曲で、コルトレーンの方法論を取り入れたプレイになっています。初期リターントゥフォーエヴァーの歌姫、アイアートモレイラの奥方Flora PurimがYours Is the Lightで歌っています。当時はフュージュンが大ブームだった事も有りますが、その先駆けのような存在だったサンタナがそのスタイルを逆に取り入れているというのも興味深いものです。
1. Eternal Caravan Of Reincarnation 2. Waves Within 3. Look Up (To See What's Coming Down) 4. Just In Time To See The Sun 5. Song Of The Wind 6. All The Love Of The Universe 7. Future Primitive 8. Stone Flower 9. La Fuente Del Ritmo 10. Every Step Of The Way
1. Singing winds 2. Crying beasts 3. Black magic woman/Gypsy Queen 4. Oye como va 5. Incident at Neshabur 6. Se a cabo 7. Mother's daughter 8. Samba pa ti 9. Hope you're feeling better 10. El Nicoya 11. Se a cabo 12. Toussaint l'overture 13. Black magic woman/Gypsy Queen
最初のヒット曲Black magic womanが含まれています。この曲はフリートウッドマックのカバーですが、ラテンのリズムと新しい構成によりサンタナのバージョンの方が有名になるくらいヒットしました。最初の4曲はそれぞれメドレーでつながっています。そして哀愁のヨーロッパ以前の代表曲ともなるSamba Pa Ti、邦題は君に捧げるサンバもこのアルバムに入っています。ギターインストですが、分かり易いテーマ曲を持っているので、親しみ易かったのです。このサンタナの功績により、後のクロスオーヴァーでのギターインストものも、ロックファンは受け入れ易くなる前準備が出来ていました。クロスオーヴァーの前にサンタナ有りなのです。
ラテンロックの代表曲ともなるOye como vaも入っています。ラテン語で始めは馴染みにくい感じでも有りましたが、シンプルで分かり易いというのと、ロック的なギタープレイによって、否応無しに馴染まされました。当時はまだレスポールを弾いていたと思いますが、ハムバッキングのピックアップのフロントを使ったナチュラルディストーションがサンタナの武器でした。ウーマントーンのような伸びやかなロングサスティーンにより、より精神世界を表現出来るようになっています。ほとんどの曲が当時のライブの定番ともいえる重要な曲ばかりで、かなり内容が濃い名盤であります。
1. Waiting 2. Evil Ways 3. Shades Of Time 4. Savor 5. Jingo 6. Persuasion 7. Treat 8. You Just Don't Care 9. Soul Sacrifice 10. Savor Alternate Take #2 11. Soul Sacrifice Alternate Take #4 12. Studio Jam
2010年リリースのSteve Miller Bandの現在の最新作です。今回はブルースのカバー曲集になっています。これまでもブルースのカバー曲はアルバムに数曲収められていましたが、全曲カバー曲になっているのは初めてです。60年代後半のビッグブルースをやっていた頃に戻った感じですが、今聴いても十分迫力のある素晴らしい演奏が収められています。滅茶苦茶カッコいいです。決して懐かしさからやっているのではなく、最新系のブルースとしてやっている所が素晴らしい。
1. Hey Yeah 2. Who's Been Talkin' 3. Don't Cha Know 4. Rock Me Baby 5. Tramp 6. Sweet Soul Vibe 7. Come On [Let The Good Times Roll] 8. All Your Love [I Miss Loving] 9. You Got Me Dizzy 10. Ooh Poo Pah Doo 11. Ain't That Lovin' You Baby 12. Further on Up the Road 13. Look on Yonder Wall 14. Drivin' Wheel
これほどブルースパワーが普遍の魅力に溢れていると思わせる作品はありません。全編かっこいいです。ツェッペリンの初期の頃の作品にぶちのめされていた衝撃を味わえます。きっとそれほど話題にはならなかったので売れていなかったのだろうと思いますが、この作品は全てカバー曲ばかりですが、Steve Miller Bandの最高傑作だと思います。ジョンレノンのロックンロールが最高傑作と言えるというのと同じで、全く新しい命が宿った生きている音楽です。このアルバムを高く評価出来ない音楽界はおしまいだと思います。時代を超越した大名盤です。かっちょいいーーー!これこそがROCK魂というもんだ。
93年のSteve Miller Bandとしての作品です。90年代になるとオルタナが流行り出しましたので、彼等も原点回帰なサウンドに戻っています。テクノな余計な装飾は省いてソリッドなアメリカンロックになっています。それでもポップさは失っていないのでとてもいい作品です。しかし、どうしてもアピール力に弱く、売り上げには結びついていません。Ben Sidranも戻っているので、昔のビッグバンドの再結成みたいな感じにすればもっと盛り上がったのでしょうが、宣伝が行き届いていなかったと思います。
1. Wide River 2. Midnight Train 3. Blue Eyes 4. Lost In Your Eyes 5. Perfect World 6. Horse And Rider 7. Circle Of Fire 8. Conversation 9. Cry Cry Cry 10. Starnger Blues 11. Walks Like A Lady 12. All Your Love(I Miss Loving)
Steve Millerノソロ名義になるアルバムになりますが、バックメンバーはSteve Miller Bandになっています。なぜソロ名義なのかというと、全てカバー曲になっているからです。ジャズのスタンダードとロックンロールのカバー曲集になっています。それをA.O.R.なアレンジにしてスムーズジャズな作品にしています。旧友ボズスキャッグスを意識したのか、そうでないかは不明ですが、カバー曲をやってもSteve Millerなほのぼのとした雰囲気は変わりません。
1. Zip-A-Dee-Doo-Dah 2. Ya Ya 3. God Bless The Child 4. Filthy McNasty 5. Born To Be Blue 6. Mary Ann 7. Just A Little Bit 8. When Sunny Gets Blue 9. Willow Weep For Me 10. Red Top
Ben Sidranが久々に参加しています。既に十分ヒットを飛ばしてきただけに、たまにはこうしたリラクスした作品を創ってもいいと思います。Steve Millerの癖の無い声はジャズスタンダードにもあっています。単なるカバー曲集というよりは80年代ならではのA.O.R.なアレンジを楽しむ為の題材としてスタンダード曲を選んだのだと思います。オリジナル曲でやるとイメージが違い過ぎますので、この方法論は正解だったと思います。
1. Radio 1 2. Italian X Rays 3. Daybreak 4. Shangri-La 5. Who Do You Love? 6. Harmony of the Spheres 1 7. Radio 2 8. Bongo Bongo 9. Out of the Night 10. Golden Opportunity 11. The Hollywood Dream 12. One in a Million 13. Harmony of the Spheres
スクリッティポリッティのような立体的なアレンジをやっていますが、いつものほのぼのソングがのっかると嫌みに感じません。当時の流行ものをパロディにしていると思えば、かなり面白い事をやっています。昔からパクリは得意なスティーヴミラーだけに、スクポリもフランキーもパクりまくっているのに、Steve Miller Bandとして成り立っている所が、このバンドの魅力なのであります。注目度は落ちていきますが、決して悪い作品ではありません。
新生Steve Miller Bandとしての唯一の大ヒット作品です。80年代に対応する為にテクノ、ニューウェイヴの手法を大胆に取り入れて、Steve Miller Bandならではのほのぼのした歌い方で、再び栄光を手にしたのです。彼等の力の抜け加減はニューウェウィヴ感覚にかなりマッチしています。MTVに時代というのもあって、PVが大きな効果となって売り上げに反映出来る時代でした。
1. Keeps Me Wondering Why 2. Abracadabra 3. Something Special 4. Give It Up 5. Never Say No 6. Things I Told You 7. Young Girl's Heart 8. Goobye Love 9. Cool Magic 10. While I'm Watching
売れ線狙いではあるでしょうが、このほんわかムードが嫌味を無くしています。まるで新人バンドのような爽やかさです。スティーヴミラーの凄い所は、こういう状態になっても自分を打ち出す術を知っていると言う事です。これまでの作品の中でも一番軽いサウンドですが、時代に合わせたサウンドですが、聴けばすぐSteve Miller Bandだと分かる所も凄い所だと思います。名盤とは言いにくいですが、捨て曲は一切ありません。
大ヒットを出した事で、しばらく新作を出せずにいましたが、81年になってやっと作品を出しました。アナログ盤でのA面では、これまでのようなほのぼの系の軽快なロックンロールが収められていますが、B面では16分以上もあるMacho City 1曲のみで、ファンクを大胆に導入しています。80年代サウンドにはまだなっていませんが、一つ一つの音が鮮明に録音されています。
1. Heart Like A Wheel 2. Get On Home 3. Baby Wanna Dance 4. Circle Of Love 5. Macho City
Fly Like an Eagleでもファンクを取り入れていましたが、Macho Cityではもっとあからさまにファンクしています。トーキングスタイルのの歌い方は当時のラップでもあり、ヒップホップも早くから取り入れているのでした。当時の白人がやるとこういうラップになってしまうというのはご愛嬌ですが、ちゃんとポップスとして成り立つような工夫が成されています。トムトムクラブのおおしゃべり魔女に近いチープさです。作品としてはアピール出来るものは少ないですが、出来が悪い訳ではありません。久々の作品だっただけに勘が戻っていないだけのようです。次回作はヒットを飛ばします。
Steve Miller Band最大のヒット作です。これがピークですね。前作同様シンセサイザーを多用したスペースロックになっています。録音も同じ時期のもので、それを二つの作品に分けているようです。同じ時期にこれだけのヒット作品を二つ分も創っていたというのは驚異です。絶頂期だったんですね。二つとも捨て曲無しの大名盤ですので、ものすごい充実ぶりです。当時はポールマッカートニーが絶頂期で、その影響で、他のミュージシャンも素晴らしい作品を出していた時期でもあります。パンク登場前の創造性溢れる時代でした。
1. Threshold 2. Jet Airliner 3. Winter Time 4. Swingtown 5. True Fine Love 6. Wish Upon A Star 7. Jungle Love 8. Electro Lux Imbroglio 9. Sacrifice 10. The Stake 11. My Own Space 12. Babes In The Wood
前作同様、シンセサイザーのスペイシーなThresholdから続けて始まるJet Airlinerがシングルで大ヒットします。この曲と同じ暗いシングル性の有る曲がずらりと並んでいます。Jungle Loveもシングルヒットしますが、私はこの曲が一番好きです。SwingtownもTrue Fine Loveもポップなシングル向きな曲ですが、重苦しいWinter Timeが冬将軍という邦題でシングルカットされました。私はこの曲から初めて冬将軍という言葉を憶えました。
やっぱりカントリー的なほのぼのとした歌い方ですが、Winter TimeやWish Upon A Starのような重苦しいスローな曲もあります。しかし全体的にはポップです。この時期のロックンロールナンバーは、どれもパクリ精神溢れる感じで、イカサマっぽさも有るのですが、憎めない心地良さがあるのです。どこかで聴いた事がある。それがポップの必要条件ですから、これは正統なポップアルバムなのです。この後に始まるアメリカンプログレブーム前哨戦のような響きも持っています。文句無しの大名盤です。