ヒット作コンビのPhil Ramoneがプロデュースしていますが、前作までの成功で満足したのか、このアルバムではA.O.R.を封印して趣味的な方向で創った作品です。キーワードはロックンロールとビートルズです。時代は80年代になっており、パンクにとってヒットメーカーのビリージョエルは商業ロックの権化のような存在でやり玉にあげられていた事への反発で、自分はロックンロールだって創れるんだと主張したかったのだと思いますが、これまでのようなA.O.R.を望んでいたファンにとっては物議を醸し出す作品となりましたが、ヒットはきっちりしています。
1. You May Be Right
2. Sometimes A Fantasy
3. Don't Ask Me Why
4. It's Still Rock And Roll To Me
5. All For Leyna
6. I Don't Want To Be Alone
7. Sleeping With The Television On
8. C'etait Toi (You Were The One)
9. Close To The Borderline
10. Through The Long Night
ロックンロールというのはロックの基礎であり、オーソドックスであるが故に新曲として創るのは難しいのですが、ヒット曲を創れる人間がロックンロールを創ればどうなるかという事を示した作品とも言えます。エルトンジョンもロックンロール曲を多く創っていますが、オーソドックスであるしか無いのですが、ビリージョエルはビートルズの要素も加えながらオーソドックスから一歩踏み出したロックンロールを創りだしています。ただ、これだとパンクス達は黙らせられませんが。
サウンドやアレンジはしっかり80年代ならではのものになっています。この辺の嗅覚はたいしたものだと思います。バックメンバーもライブでのバックメンバーだけで創ってバンド感を出しています。これだけキャッチーな曲を創ればMTV効果でヒットは間違い無しで、イメージは変わっても売れまくりました。ガラスを割るジャケットは反抗のイメージを出していますが、パンクスにとっては響かない作品であります。それよりも80年代のアメリカンロック。いわゆる商業ロックを象徴するような作品に仕上がっていると言う本末転倒な所もあります。
You May Be Right
VIDEO Sometimes A Fantasy
VIDEO Don't Ask Me Why
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