86年の作品で、売れる為にはなりふり構わないという感じで、思いっきり80年代サウンドになっています。曲もしっかり良い曲を創っていますし、ギターソロもヴァンへイレンのような流暢なフィンガリングに徹するなど、流行の傾向と対策がしっかり行われています。しかし、一度落ちた人気はなかなかとりかせません。当時のフォリナーの作品に比べても、断然こちらの方がいい作品なのですが、へなちょこフォリナーの作品の方が売れるというのが現実でした。
1. Stop
2. Hiding from A Heartache
3. You Know So Well
4. Premonition
5. Lying
6. Moving A Mountain
7. All Eyes On You
8. Into View
9. Call Of The Wild
コードもデジタルシンセのドローンサウンドだったり、サンプラーのチョッパーベースを使ったりと、流行の音源は使いたい放題です。ギターのアレンジも控えめにはなっていますが、当時の流行に比べると、まだまだ弾きまくっています。ここでフランプトンが思い違いをしているのは、当時の流行のアメリカのMTV的なサウンドよりも、次の段階としてイギリス的なサイケサウンドが新しかったのに、売れない事での焦りからか、時代の行く末を見極める事が出来ず、既に廃れ始めているサウンドに固執している事です。
だから、どんなに良い曲を創っても、掃いて捨てるほどある、こうしたサウンドにしてしまった事によって、なおさら売れませんでした。作品としての出来はいいのに、次に何がくるのか見極めないと時代の流れから振り落とされてしまうほど、激動の時代だったのです。現在のように十何年も新しいサウンドが生まれない停滞しているような状況ではなかったのです。ベテランになるほど、時代の流れを見失ってしまったミュージシャンが数多くいます。しかし、その中でもフランプトンはしっかりと自分のカラーは打ち出しながら曲を創っているのは凄い事だと思います。そして徐々に彼がまだ現役で頑張っている事が世間に知れ渡るようになっていくのでした。
Stop
VIDEO Hiding from A Heartache
VIDEO You Know So Well
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