1. The Rhythm Of The Heat 2. San Jacinto 3. I Have The Touch 4. The Family And The Fishing Net 5. Shock The Monkey 6. Lay Your Hands On Me 7. Wallflower 8. Kiss Of Life
MTVの時代でもあり、ジャケットはビデオクリップから使われています。I Have the Touch、Kiss of Life、Shock the Monkeyがシングルカットされ、ピーターにしてはかなりヒットしました。ジェネシスに比べたら人気は及びませんが、Y.M.O.ですらここまで使っていなかったサンプラーの可能性を引き出した功績は大きいです。リズムはアフリカのリズムですが、後にリズムを変えてブレイクビーツやビッグビーツに発展していくやり方が行われています。アイデア的にはビッグビーツなんて子供みたいなもので、かなり斬新なサウンドになっています。兎に角リズムが強調されており、これまでのロックには無かったリズムの嵐になっています。この作品も当時はカルチャーショックを大いに受けましたし、文明開化の音がしました。歴史的なる名盤であります。
1. Intruder 2. No Self Control 3. Start 4. I Don't Remember 5. Family Snapshot 6. And Through The Wire 7. Games Without Frontiers 8. Not One Of Us 9. Lead A Normal Life 10. Biko
1. On The Air 2. DIY 3. Mother Of Violence 4. A Wonderful Day In A One-Way World 5. White Shadow 6. Indigo 7. Animal Magic 8. Exposure 9. Flotsam And Jetsam 10. Perspective 11. Home Sweet Home
今回も当時まだスタジオミュージシャンだったTony LevinとRobert Frippが参加しています。ドラムはこの後もピーターのバックを務めるJerry Marottaが担当してます。On the AirやD.I.Y.などポップなシングル曲もありますが、かなり癖があります。D.I.Y.は言わずと知れたDo It Yourselfと言う事で、当時のイギリスでは自分で家具を創ったりするのが流行っていて、後に日本でもホームセンターD.I.Y.のチェーン店が流行りだします。日曜大工用品店ですね。こういう庶民的な観点も彼らしいところです。
A Wonderful Day in a One-Way Worldはひょうきんでポップな曲ですが、ジェネシス的な展開になっていきます。ピーターのアルバムは4枚目までタイトルは単なるPeter Gabrielしかクレジットされておらず、レコード会社の方で見分ける為に1とか2とか数字やCarとかScratchとか愛称をつけて販売しています。このタイトルにこだわらないところも変わっていますし、ソロとなってもステージでは演劇的なパフォーマンスを続けています。Robert Frippのフリッパートロニクスも炸裂するアルバムで、一番地味かもしれませんが、これも名盤です。
1. Moribund The Burgermeister 2. Solsbury Hill 3. Modern Love 4. Excuse Me 5. Humdrum 6. Slowburn 7. Waiting For The Big One 8. Down The Dolce Vita 9. Here Comes The Flood
Modern Loveもビートの効いたロックナンバーですが、これはジェネシス時代でもありました。ジェネシス時代は歌詞を担当していましたが、曲のアイデアは提示していましたので、その音楽性も彼が作り上げてきたと言っていいですが、それを演奏出来るメンバーがいたからこそプログレッシヴな作品になっていましたが、一人で曲を創ると、演奏はシンプルになりますし、それがニューウェイヴな感じにもなっているので、新しい時代がきた事を感じさせるような内容になっています。この流れで80年代サウンドの基礎を作り上げていきますので、これはまだその前哨戦に過ぎません。それでも名盤であります。
1. Jefferson Jericho Blues 2. First Flash Of Freedom 3. Running Man's Bible 4. The Trip To Pirate's Cove 5. Candy 6. No Reason To Cry 7. I Should Have Known It 8. U.S. 41 9. Takin' My Time 10. Let Yourself Go 11. Don't Pull Me Over 12. Lover's Touch 13. High In The Morning 14. Something Good Coming 15. Good Enough
前作でも21世紀の音楽業界やそのあり方について批判していただけに、アナログな録音方法で作品を創っています。音楽的にはブルースロックになっています。当時の Tom Pettyはブルースに凝っていたようで、その趣向がアルバムに反映しています。これまでもそれっぽい感じの曲はありましたが、基本がブルースであり、そこから自分ならではの曲作りで作り上げているので、これまでの作品とは違う雰囲気になっています。アメリカでは、これが全盛期並みに売り上げを伸ばしています。
1. The Last DJ 2. Money Becomes King 3. Dreamville 4. Joe 5. When A Kid Goes Bad 6. Like A Diamond 7. Lost Children 8. Blue Sunday 9. You And Me 10. The Man Who Loves Women 11. Have Love, Will Travel 12. Can't Stop The Sun
タイトル曲でもありシングルカットされたThe Last DJは、MP3の普及で、最後の人間味ある声をもったDJについて歌っています。この曲はバーズのようなフォークロックを思わせます。ロックスターの成長と堕落について歌った Joeは珍しくもヘヴィーなロックナンバーになっています。この重さはジョンレノンっぽい感じでしょうか。以前はボブディランを意識した歌い方でしたが、ジェフリンとの出会いによって、優しい歌い方になっていましたが、このアルバムでは曲に会わせて表現方法が様々です。ジョージハリソンっぽい歌い方も目立ちます。
1. Room At The Top 2. Counting On You 3. Free Girl Now 4. Lonesome Sundown 5. Swingin' 6. Accused Of Love 7. Echo 8. Won't Last Long 9. Billy The Kid 10. I Don't Wanna Fight 11. This One's For Me 12. No More 13. About To Give Out 14. Rhino Skin 15. One More Day, One More Night
96年の作品で、彼らにとっては5年ぶりの新作となりましたが、映画She's The Oneのサウンドトラックとして製作されています。プロデュースにはRick Rubinが加わり、ポップな作品になっていますが、サントラというよりも彼らの久々のオリジナルアルバムとして聴いて大丈夫な内容になっています。前作からポップになった事によって、歌い方もボブディランを意識したものから優しい歌い方に変わってきていて、それが映画のラブストーリーにしっくりくる形になっています。
1. Walls (Circus) 2. Grew Up Fast 3. Zero From Outer Space 4. Climb That Hill 5. Change The Locks 6. Angel Dream (No. 4) 7. Hope You Never 8. Asshole 9. Supernatural Radio 10. California 11. Hope On Board 12. Walls (No.3) 13. Angel Dream (No. 2) 14. Hung Up And Overdue 15. Airport
91年の作品で、前作との間にTom Pettyのソロアルバムや覆面バンド、トラヴェリング・ウィルベリーズに参加していた関係もあって、Jeff Lynneがプロデュースに加わり、ほとんどの曲をJeff Lynneと Tom Pettyが共作しています。その為、Jeff Lynne色が強く出ていて、これまでの作品とは毛並みが違った作品になっています。しかし、ポップになっている分、作品としての完成度も高く、売り上げも伸びました。
1. Learning To Fly 2. Kings Highway 3. Into The Great Wide Open 4. Two Gunslingers 5. The Dark Of The Sun 6. All Or Nothin' 7. All The Wrong Reasons 8. Too Good To Be True 9. Out In The Cold 10. You and I Will Meet Again 11. Makin' Some Noise 12. Built To Last
1. Jammin' Me 2. Runaway Trains 3. The Damage You've Done 4. It'll All Work Out 5. My Life/Your World 6. Think About Me 7. All Mixed Up 8. A Self-Made Man 9. Ain't Love Strange 10. How Many More Days 11. Let Me Up (I've Had Enough)
シングルカットされたのはJammin' Me、Runaway Trains、Think About Me、All Mixed Upで、ヒットしました。前作と同じくらいのポテンシャルを持った作品であるにもかかわらず、前作ほどインパクトが無かったのは、バンドの演奏のみで、多彩なゲストがいなかったからでしょうか。内容的には引けを取らないほど素晴らしい出来映えなのですが、ジャケットがいまいちだった為でしょうか。
Mike Campbellが多くの曲を共作していて、ライブ受けするようなバンドサウンドになっていて、しかもカッコいいので、前作でファンになった人でも満足出来る内容になっています。全体的には明るい雰囲気になっているでしょうか。アレンジは昔に比べると80年代っぽいアメリカンロックになっていますが、Tom Pettyの歌の威力は問題ありませんので、昔からのファンでも違和感無く楽しめます。内容的には申し分無い名盤です。
85年の作品でTom Petty and the Heartbreakersの最高傑作アルバムです。プロデューサーも多彩で、いつものTom PettyとJimmy Iovineの他にユーリズミックスのDavid A. Stewart、ザバンドのRobbie Robertsonという当時絶好調の人達ばかりです。アルバムタイトルは南部訛りと言う意味であり、音楽的にも南部っぽいリズミカルな曲が多いです。Tom Pettyにとっても絶頂期であり、多くのヒット曲を含んだヒットアルバムになっています。
1. Rebels 2. It Ain't Nothin' To Me 3. Don't Come Around Here No More 4. Southern Accents 5. Make It Better (Forget About Me) 6. Spike 7. Dogs On The Run 8. Mary's New Car 9. The Best Of Everything
絵画的なアルバムジャケットも印象的ですが、参加ミュージシャンも過去最高に豪華で、Garth Hudson、Jim Keltner、Richard Manuel にDavid A. Stewart、ホーンセクション、ストリングス、バックコーラスなど大人数です。ストリングスアレンジはJack Nitzscheで、絶好調の時代だけに、かなり力の入った作品になっています。シングルヒットもDon't Come Around Here No More、Make It Better、RebelsとMTVでも人気で大ヒットしています。特にDon't Come Around Here No Moreは80年代らしくシンセドラムなどを使っていますが、シタールや女性コーラスなど、アレンジも凝っています。
ストリートロッカーらしいRebelsもカッコいいですし、It Ain't Nothin' To Meではニューオリンズスタイルのファンキーな曲になっています。ダンサブルなリズム&ブルースのMake It Betterもカッコいい名曲です。サザンロックをやっていても、80年代らしいアイデアが満載で、どの曲をシングルカットしてもヒットしそうな曲ばかりです。多くの人のアイデアも詰まっているはずですし、シンプルな曲でも聴き応えがあります。基本となる曲自体も良いのですが、David A. Stewartも作曲に加わっています。ユーリズミックスでもソウルフルな曲をやりだしていた時期です。文句無しの最高傑作であり、素晴らしい名盤です。私も一番のお気に入りです。
1. A One Story Town 2. You Got Lucky 3. Deliver Me 4. Change Of Heart 5. Finding Out 6. We Stand A Chance 7. Straight Into Darkness 8. The Same Old You 9. Between Two Worlds 10. A Wasted Life
シングルヒットしているYou Got Luckyはデジタルシンセのコードワークがいかにも80年代していますが、トムペティの歌は他のミュージシャンとは違う匂いを発しています。Change of Heartもシングルヒットしていますが、一番印象的なのはYou Got Luckyでしょう。短い曲ながらしっかり起承転結していて、いやがおうにも頭にこびりついてしまう曲です。その他はテンポの速いロックンロール曲が増えていると思います。
81年の作品で、前作から引き続きJimmy Iovineがプロデュースしています。前作でブレイクしたTom Petty and the HeartbreakersはMTVも活用してヒット作品を連発させていきます。売れた事で、多少ポップな曲も創るようになっています。ポップと言ってもバーズみたいな曲です。ロジャーマッギンがボブディランの歌い方を真似しているのをトムペティが真似しているような図式です。
1. The Waiting 2. A Woman In Love (It's Not Me) 3. Nightwatchman 4. Something Big 5. Kings Road 6. Letting You Go 7. A Thing About You 8. Insider 9. The Criminal Kind 10. You Can Still Change Your Mind
Fleetwood Macの歌姫Stevie NicksがInsiderとYou Can Still Change Your Mindにバックコーラスで参加している事でも話題になりました。シングルとしてはThe WaitingとA Woman In Loveがヒットしました。80年代になっていますが、80年代サウンドにはなっておらず、いつものバンドサウンドに徹しています。その中でも多少80年代ならではの音処理がなされているので、80年代でも通用する作品になっています。
1. Refugee 2. Here Comes My Girl 3. Even The Losers 4. Shadow Of A Doubt (A Complex Kid) 5. Century City 6. Don't Do Me Like That 7. You Tell Me 8. What Are You Doin' In My Life? 9. Louisiana Rain
プロデューサーは80年代のアメリカンハードロックを創っていくJimmy Iovineが担当しています。バックメンバーにはまたしてもDonald "Duck" DunnとJim Keltnerが加わっています。シングルとしてRefugeeとDon't Do Me Like Thatが大ヒットします。その他の曲も負けないくらい勢いのある演奏が展開します。決してパンクではないのですが、パンクに負けないくらい若者に支持されました。程よく力の抜けたTom Pettyと程よく間を空けた演奏が心地良いです。
1. When The Time Comes 2. You're Gonna Get It 3. Hurt 4. Magnolia 5. Too Much Ain't Enough 6. I Need To Know 7. Listen To Her Heart 8. No Second Thoughts 9. Restless 10. Baby's A Rock 'N' Roller
1. Rockin' Around (With You) 2. Breakdown 3. Hometown Blues 4. "The Wild One, Forever" 5. Anything That's Rock 'N' Roll 6. Strangered In The Night 7. Fooled Again (I Don't Like It) 8. Mystery Man 9. Luna 10. American Girl
Tom Pettyも後にサザンロックな感じになっていきますが、元々はバーズやビーチボーイズなどからの影響を受けており、特にこのファーストアルバムではバーズの影響が強く出ています。バーズと言えばカントリーロックだけではなく、サイケな感じもありますので、そこはしっかり出していますが、シングルヒットしたBreakdownはパティスミスのような感じの曲で、ここがストリートロッカーのイメージになっています。パンクまでいっていないのです。
1. Calling Elvis 2. On Every Street 3. When It Comes To You 4. Fade To Black5. The Bug 6. You And Your Friend 7. Heavy Fuel 8. Iron Hand 9. Ticket To Heaven 10. My Parties 11. Planet Of New Orleans 12. How Long
サウンドとしては前作の流れを汲んでいますが、ストリングスも加えて、指揮はGeorge Martinに依頼しています。シングルカットも前作に負けていません。Calling Elvis、Heavy Fuel、On Every Street、The Bug、You and Your Friend、Ticket to Heavenとヒットさせています時間は経っていますが、前作からの勢いは止まっていません。しかし、この作品以降は新作をだしていません。Mark Knopflerはセッションギタリストとして引っ張りだこになり、ソロ活動も含めて活躍しています。
1. One World 2. Ride Across The River 3. Your Latest Trick 4. Why Worry 5. Money For Nothing 6. The Man's Too Strong 7. So Far Away 8. Walk Of Life 9. Brothers In Arms
シングルもMoney for Nothing、One World、So Far Away、Brothers in Arms、Walk of Life、Ride Across the River、Your Latest Trickと立て続けにヒットさせています。特にStingがコーラスで参加しているMoney for Nothingが大ヒットしています。MTV社会を批判した曲にも関わらず、MTVでガンガン流され、MTVのテーマ曲のようになってしまいました。Mark Knopflerのデジタル処理されたようなギターサウンドも衝撃的でした。ギターの音もここまできたかと思いました。
1. Tunnel Of Love 2. Romeo & Juliet 3. Skateaway 4. Expresso Love 5. Hand in Hand 6. Solid Rock 7. Les Boys
日本ではまだブームにはなっていませんでしたが、アメリカではMTVが始まりだして、シングル曲はほとんどPVが創られる時代になります。ダイアーストレイツもこれに乗っかってヒット曲を出していきます。このアルバムからは多くの曲がシングルカットされていて、Romeo and Juliet、Expresso Love、Skateaway、Tunnel of Love、Solid Rockがそれぞれヒットしています。7曲しか入っていないアルバムで4曲もシングルカットされるくらい出来が良いものになりました。
特にRomeo & JulietとTunnel of Loveは長尺の曲にも関わらず大ヒットしています。どうしてもダイアーストレイツのシングル曲は悲しきサルタンのパターンになりがちですが、少し新しい感触を与える曲になっています。どちらかというと、ピアノが入っていたりするので、ブルーススプリングスティーンっぽい感じになっています。どちらにしてもアメリカっぽいサウンドに変わりはありません。それでも新境地を拓き始めた作品になっています。名盤です。
1. Once Upon A Time In The West 2. News 3. Where Do You Think You're Going? 4. Communique 5. Lady Writer 6. Angel Of Mercy 7. Portobello Belle 8. Single-Handed Sailor 9. Follow Me Home
1. Down To The Waterline 2. Water Of Love 3. Setting Me Up 4. Six Blade Knife 5. Southbound Again 6. Sultans Of Swing 7. In The Gallery 8. Wild West End 9. Lions
このハーフトーンを好んで使うので、クラプトンのような感じになるのですが、違うのはピックではなく、指でピッキングする事で、独特の質感になりますし、ギターの奏法的にも独創的なスタイルになります。その典型的なものがシングルヒットしたSultans of Swingです。ボブディランのような曲調ですが、m7thコードを絡めたりして、当時のボストンのヒット曲と共通するところがあり、古い感じながらも新しさを覚える曲が新鮮でした。Sultans of Swingがヒットしたから注目されるようになりますが、このヒットが無ければ知る人ぞ知るようなバンドで終わっていたと思います。この分野の中では革新的に売れた名盤です。
1. Synchronicity I 2. Walking In Your Footsteps 3. O My God 4. Mother 5. Miss Gradenko 6. Synchronicity II 7. Every Breath You Take 8. King Of Pain 9. Wrapped Around Your Finger 10. Tea In The Sahara 11. Murder By Numbers
メンバーそれぞれがソロ活動に意欲を燃やすようになっていた事が解散の要因となるのですが、Andy Summersがロバートフィリップ卿とのコラボレート作品で編み出した新しいギターアルペジオをStingが気に入り、それに歌をつけたのが見つめていたい、Every Breath You Takeとなります。コード進行は普通の黄金コード進行なので、ロマンティックなバラードになっていますが、Stingはストーカーの事を歌ったつもりが、ファンにとってはロマンティックなラブソングに聴こえているのだから、それでいいではないですか。
1. Spirits In The Material World 2. Every Little Thing She Does Is Magic 3. Invisible Sun 4. Hungry For You 5. Demolition Man 6. Too Much Information 7. Re-Humanise Yourself 8. One World (Not Three) 9. Omegaman 10. Secret Journey 11. Darkness
シングルカットされたのはInvisible Sun、Every Little Thing She Does Is Magic、One World、Spirits in the Material World、Secret Journeyで、特に大ヒットしたEvery Little Thing She Does Is MagiとSpirits in the Material Worldはアレンジも含めて素晴らしい作品になっていると思います。特に80年代サウンドの象徴でもあるHugh Padghamのサウンドメイキングは見事にポリスに新しい境地を開かせています。バンドサウンドでありながら、バンドを感じさせないようなシンセアレンジも80年代らしいですし、オールドウェイヴな彼らが生み出した新しい80年代の音になっています。
80年のサードアルバムで、ワールドミュージックとしてアフリカのリズムが流行りだすのですが、Stewart Copelandは早くからアフリカのリズムに関心を示しており、このアルバムではStewart Copelandのリズムアレンジが強調されています。この頃からポリスの曲はヒットしながらも頭でっかちな感じになり始めます。それでありながらDe Do Do Do, De Da Da Daのようなアホな曲も創っています。来日も重なり、この曲は日本語バージョンもあります。
1. Don't Stand So Close To Me 2. Driven To Tears 3. When The World Is Running Down, You Make The Best Of What Is Still Around 4. Canary In A Coalmine 5. Voices Inside My Head 6. Bombs Away 7. De Do Do Do, De Da Da 8. Behind My Camel 9. Man In A Suitcase 10. Shadows In The Rain 11. The Other Way Of Stopping
1. Message in a bottle 2. Regatta de blanc 3. It's alright for you 4. Bring on the night 5. Deathwish 6. Walking on the moon 7. On any other day 8. Bed's too big without you 9. Contact 10. Does everyone stare 11. No time this time 12. Walking on the moon (video)
特にAndy Summersのギターアレンジの革新性は目を見張るものがあります。プログレッシヴ感覚をニューウェイヴらしくシンプルにまとめてかっこ良くアレンジする技は、XTCも含めて日本のBoøwyの布袋寅泰にも多大な影響を与えています。特にシングルヒットしたMessage in a bottleでのアルペジオ奏法も、これまでのギターアルペジオとは違う衝撃的な新しさを感じました。ほんのささいな工夫なのですが、それでも新しくかっこ良くなるのです。レゲエのWalking on the Moonもシングルとして大ヒットしました。パンクのイメージは強調しなくなりましたが、白人レゲエのイメージは保っています。
Stewart Copelandのリズムの作り方も複雑で、ダヴやアフリカのリズムからヒントを得ていますが、それらの革新的なアレンジの中でStingが又良い曲を創ります。この三人のコンビネーションがこのバンドの魅力である訳ですが、日本ではカバーバンドはいましたが、彼らのような音楽をやれるバンドはいませんでした。海外ではU2などのポストパンクバンドが、彼らのようなシンプルなギターだけどかっこ良く聴かせるアレンジを継承していきます。パンクバンドとしてデビューした事は冗談でしかありませんが、ニューウェイヴバンドとしては新しいスタイルを確立させたという事で、大きな役割を果たしています。ファースト以上にプログレッシヴになった名盤です。
1. Next To You 2. So Lonely 3. Roxanne 4. Hole In My Life 5. Peanuts 6. Can't Stand Losing You 7. Truth Hits Everybody 8. Born In The 50's 9. Be My Girl - Sally 10. Masoko Tanga
パンクをかたった形で売れた為に、ポールウェラーなどからは総スカンされています。特にパンクらしい主張も持たないのに、形だけいただいて売れたのが気に入らないのでしょう。私もパンクというにはいかがわしい感じがしていたので好きにはなれませんでした。しかし、なぜ彼らが売れたのかというと、曲が良かったのです。オールウェイヴの人はニューウェイヴな人よりも良い曲を書けるのです。このファーストアルバムは一番パンクっぽい作品ですが、私の好きな曲が多く含まれています。So Lonely、Can't Stand Losing Youなど、ポリスは嫌いでも曲は好きでした。
シングルカットされたのはCan't Stand Losing You、Roxanne、So Lonelyで、全て大ヒットしてます。特にマイナー調のレゲエ曲Roxanneは彼らの代表曲となるくらい大ヒットしました。どうみてもパンクバンドとは言えないので、ニューウェイヴとして語られますが、ニューウェイヴファン層に受けるような曲を創れるオールドウェーヴバンドというのが私の見解です。それだけ器用であり、才能もあったのです。ただ売れなかったので、売れる為に手段を選ばなかったのです。ですからスリーピースながら演奏はプログレッシヴなくらいによくアレンジされています。この後ヒット街道をばく進しますが、このファーストが一番ラフでシンプルで、一番カッコいいです。名盤ですね。何といっても曲が良いのです。
1. Dave 2. Over And Over 3. Drag Me Down 4. A Hold Of Me 5. Another Sad Story 6. Tonight 7. Hard Times 8. Lucky 9. An Icicle In The Sun 10. Up Or Down 11. Dave (Single Version) 12. Walking Down Town (B-side) 13. Precious Time (B-side) 14. She's Not The Best (Home Demo)
1. He Watches It All 2. Never In A Million Years 3. Talking In Code 4. The Bitter End 5. The Little Death 6. A Storm Breaks 7. Up All Night 8. House On Fire 9. Charmed Lives 10. Skin On Skin 11. Say Hi To Mick 12. No Hiding Place (B-side) 13. House On Fire (12" Dub Version) 14. Up All Night (Long Version)
大きな成功を収めながらも、そこにとどまらずに新しいものを追求した結果がこのアルバムなのですが、大ヒットしたThe Fine Art of Surfacingの感動を再び味わいたいファンにとっては、全く違う方向に進んでおり、この作品辺りからファン離れが始まっています。バンドにとっては、スプリットエンズとポップグループとヘアカット100とディーヴォが融合したようなサウンドを生み出しているのですが、その工夫が評価されていませんですし、ほとんど無視されるようになり、バンドは忘れかけられます。