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[20120214]

TrueTrue
(2003/05/06)
Spandau Ballet

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83年のサードアルバムで、彼らの最高傑作であり、一番売れたアルバムです。ファーストはシンセポップ、セカンドはファンカラティーナときて、サードアルバムは当時流行っていたモータウンサウンドを80年代サウンドで再現した作品になっています。スタイルカウンシルを始め、カルチャークラブ、ワムなどがモータウンを意識した曲を創るようになり、当時はファンクやソウルよりも重くない、軽快なモータウンサウンドがもてはやされました。

1. Pleasure
2. Communication
3. Code Of Love
4. Gold
5. Lifeline
6. Heaven Is A Secret
7. Foundation
8. True

タイトル曲のTrue、Gold、Communicationがシングルヒットしました。MTVでヘヴィーローテーションでかけられるような軽快な洗練されたサウンドでした。モータウンレコードレーベルですが、それは音楽として一つのジャンルとして確立された世界であり、リズム&ブルースとビートポップが混じり合ったような、黒人音楽としてはポップなヒット曲を出していました。ホワイトソウルやホワイトファンクが流行る中、モータウンを敬愛する事を表明するミュージシャンが続出しています。Spandau Ballet もその敬愛の念を持って、このアルバムを制作しています。

ですから、曲の出来映えはずば抜けて良いです。Gary Kempが全曲創っているのですが、この人はどんなジャンルでも器用に良い曲を生み出します。ただ、このアルバムがあまりにもよく出来過ぎて、人気はこの時がピークであり、この後はニューロマンティックもともに存在感を薄めていきます。それでもデュランデュランに負けない人気を獲得する事に成功しました。どの曲もソウルフルで、もっと後だったらネオアコと呼ばれていた事でしょう。基本ファンキーである事は守っています。捨て曲一切無しの名盤です。

Pleasure

Communication

Code Of Love
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[20120214]

DiamondDiamond
(2008/03/11)
Spandau Ballet

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82年のセカンドアルバムです。ファーストではシンセポップしていましたが、このアルバムでは当時流行のファンカラティーナしています。ラテンとファンクの融合ですね。ファーストもファンキーでしたが、この変わり身の早さは柔軟です。基本はファンク、ブラックミュージックのバンドなのでしょう。ホーンセクションのアレンジもおしゃれです。

1. Chant No 1 (I Don't Need This Pressure On)
2. Instinction
3. Paint Me Down
4. Coffee Club
5. She Loved Like Diamond
6. Pharoah
7. Innocence And Science
8. Missionary

Chant No. 1がシングルヒットして、ライバルはデュランデュランからヘアカット100に変わっています。ラテンのリズムをファンクやソウルの洗練されたアレンジで表現しています。日本ではクスクスなどがいましたが、あまり馴染みは無いでしょうが、結構名曲が多いのも特徴です。ポップで楽しくて、明るい感じでありますが、数曲テクノのダークな感じも残っています。この辺が他のバンドと違うところで、このバンドの多彩な音楽性を感じさせます。

全曲Gary Kempが創っており、この人がこのバンドのブレインです。ニューロマンティックも時を重ねるごとに多彩な音楽性を身につけていきます。演奏もニューウェイヴな若々しい感じがします。この後、このバンドはもっと成長していきますので、デュランデュランとは違うスタンスを持っていたと言えます。実にユニークなバンドです。Innocence And Scienceではオリエントでエスニックなアンビエントミュージックになっています。

Chant No 1 (I Don't Need This Pressure On)

Instinction

Paint Me Down
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[20120212]

Journeys to GloryJourneys to Glory
(2001/10/30)
Spandau Ballet

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ニューロマンティックのデュランデュランの対抗馬として登場したSpandau Balletです。デビューアルバムは正しくシンセポップしています。かなりデュランデュランを意識したサウンドですが、中世のようなファッションが特徴で、ドイツ発祥のテクノが東洋のY.M.O.によってブームとなり、イギリスでもシンセポップとして発展していきますが、ニューロマンティックというファッションセンスに会わせてよりポップな進化を遂げていきます。

1. To Cut A Long Story Short
2. Reformation
3. Mandolin
4. Musclebound
5. Age Of Blows
6. The Freeze
7. Confused
8. Toys

アダムジアンツは海賊ファッションでしたが、彼らは中世の騎士のようなフッションで、パンクのようなブロークンファッションとは反して王子様キャラクターで君臨していきます。サウンドもテクノでありますが、中世的な雰囲気をテクノしています。メンバーはドラムのJohn Keeble、ベースのMartin Kemp、ギターのSteve Norman、ギター、キーボードのGary Kemp、ボーカル、キーボードのTony Hadleyの5人組です。

このファーストアルバムではTo Cut a Long Story Short、The Freeze、Muscleboundをシングルヒットさせています。かなりインストの部分が多く、アイドル扱いだったデュランデュランに比べるとポストパンクバンドと言う扱いだったと思います。デュランデュランよりルックスが弱かったからでしょうか。その分、音楽性で勝負するようになっていきます。このファーストアルバムではまだまだシンセポップの真似事ですが、多少ファンクっぽい感じもあります。

To Cut A Long Story Short

Reformation

Mandolin
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[20120212]

All You Need Is NowAll You Need Is Now
(2011/03/22)
Duran Duran

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2010年の作品で、現在の最新作です。常に現役を通して、現在も活躍しているタフなバンドです。四人体制も慣れてきたのか、大分まとまりが出てきました。あくまでも昔のシンセポップ時代の雰囲気を残すという姿勢のようですが、新しさも加えています。最近は昔のテクノポップが流行ったりしていますので、このやり方も良いのかもしれません。レディーガガなんて80年代の古くさい曲調をやって売れているのですから、逆に現在では新鮮なのかもしれません。

1. All You Need Is Now
2. Blame The Machines
3. Being Followed
4. Leave A Light On
5. Safe
6. Girl Panic!
7. Diamond In The Mind
8. The Man Who Stole A Leopard
9. Other Peoples Lives
10. Mediterranea
11. Too Bad You're So Beautiful
12. Runway Runaway
13. Return To Now
14. Before The Rain
15. Networker Nation (Bonus Track)

昔のポップな頃を取り戻していますが、これまでやってきた事が身に染み付いていて、古くささを感じさせません。21世紀のシンセポップになっています。やはりこのバンドのポテンシャルは凄かったと言う結論になってしまいます。ストリングスを導入したり、新しい挑戦も行っており、昔のメンバーが戻ってきて、一時は停滞していましたが、またその歩みを進める事が出来たみたいです。ギターがあるだけで大分雰囲気が違ってきます。

もうアイドルではないので、売れる事に固執する必要も無いですし、自分達の音楽を素直に表現して欲しいと思います。Simon Le Bonも若い頃の脂ぎった感じが無くなっていい声を出しています。ビジュアル系だった彼らもおじさんになって、やっと音楽だけを評価してもらえる環境になっていると思いますし、これからも良い作品を出し続けて欲しい思います。時代を牽引する流行が無い現在の音楽シーンは何をやってもゆるされるのだから。

All You Need Is Now

Blame The Machines

Being Followed
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[20120212]

Red Carpet Massacre (Snys)Red Carpet Massacre (Snys)
(2007/11/20)
Duran Duran

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2007年の作品で、リタイアしていたギターのAndy Taylorは続かなかったみたいで、再び脱退してしまいました。四人となってしまいましたが、ボーカルのSimon Le BonとキーボードのNick RhodesがいればDuran Duranは成り立っていましたから、問題は無いと思います。Duran Duranにはいるまではキーボードを弾いた事が無かったNick Rhodesがこのバンドの要だったと言う事が浮き彫りになりました。

1. The Valley
2. Red Carpet Massacre
3. Nite-Runner
4. Falling Down
5. Box Full O' Honey
6. Skin Divers
7. Tempted
8. Tricked Out
9. Zoom In
10. She's Too Much
11. Dirty Great Monster
12. Last Man Standing

昔のようなシンセポップを現在のテクノロジーで表現したらどうなるかと言う試みがなされていると思います。アレンジ自体は昔の感じなのですが、音源は現在のシンセを使っているので、雰囲気はかなり違っています。音源から曲のアイデアが浮かぶ事もありますので、旋律は昔の感じでは無く、最近のDuran Duranのやり方に戻っています。中途半端な感じだった前作いくらべると大分良くなっています。しかしどこか80年代風です。

三人でやっていた頃のようなアグレッシヴさは薄れて、何か落ち着いてしまったような寂しさがあります。昔のメンバーが戻った事で迷いが生じてしまったようです。ブリットポップっぽい曲は良い曲に仕上がっていますが、もっと徹底的に自分達の音楽を追求しても良いと思います。昔の栄光の誘惑に負けない強さが必要だと思います。ここまできたら、どれだけファンを増やせるかではなく、どういう音楽を残せるかが重要だと思います。

The Valley

Red Carpet Massacre

Nite Runner
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[20120212]

AstronautAstronaut
(2004/10/12)
Duran Duran

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2004年の作品で、オリジナルメンバーが揃った5人体制に戻っての作品となりました。金の為に再結成するビッグネームが多い中、常に現役で活動してきたDuran Duranにとってはただの新作になるところですが、これまで引退していたメンバーにとっては金銭的な問題があったのかもしれません。オリジナルメンバーが揃ったと言う事で、昔のようなアイドル的な雰囲気を復活させようと明るめの曲が増えています。

1. (Reach Up For The) Sunrise
2. Want You More
3. What Happens Tomorrow
4. Astronaut
5. Bedroom Toys
6. Nice
7. Taste The Summer
8. Finest Hour
9. Chains
10. One Of Those Days
11. Point Of No Return
12. Still Breathing
13. Still Breathing

サウンドはデジタルロックですが、昔のようなシンセポップな感じを思い出そうとしている曲もあります。ベースアhシンセベースなので、John Taylorはキーボードを弾いているのかもしれません。音楽的には、これまで進化し続けてきたのに、昔に戻ろうとしているので中途半端な感じになっています。ポップであるのは良いのですが、又冒険し無かった頃に戻ってしまった感じで、物足りなさを感じてしまいます。ただ、その分売れたので、世の中は分からないものです。

感動する音楽が売れなくて、感動しない曲が売れていると言う現実は、このバンドだけではなく、近頃の風潮になっています。人々は感情をどこに置き忘れてきたのだろうかと思ってしまいます。それとも私が年を取り過ぎてしまったからなのでしょうか。昔のようなDuran Duranに戻っていますが、Simon LeBonの癖のあった歌い方が洗練されているのだけが救いです。昔よりは良いです。しかし3人で頑張っていた頃の方が作品としては良かったと思います。

(Reach Up For The) Sunrise

Want You More

What Happens Tomorrow
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[20120211]

Pop TrashPop Trash
(2000/07/17)
Duran Duran

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Pop TrashPop Trash
(2000/07/11)
Duran Duran

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2000年の作品で、前作では歌をおろそかにしていた分、今作では歌に重きを置いています。サウンドではデジタルロックとブリットロックが混じり合っています。90年代初期にはブリットポップブループが新しいアイドルとなっていただけに、Duran Duranもこのジャンルに食い込んできてもおかしくなかったのですが、その時はまだ80年代を引きずっていて、ミレニアムになった頃にやっとブリットポップしてきました。

1. Someone Else Not Me
2. Lava Lamp
3. Playing With Uranium
4. Hallucinating Elvis
5. Starting To Remember
6. Pop Trash Movie
7. Fragment
8. Mars Meets Venus
9. Lady Xanax
10. The Sun Doesn't Shine Forever
11. Kiss Goodbye
12. Last Day On Earth

デジタルロックもブリットポップも既に時代遅れになっている時期ですが、Duran Duranの場合は結構良いレベルの完成度を誇っているため、古くさく感じさせません。歌に重きを置いているのが良い方向に行っていると思います。歌がしっかりしているから流行が関係なくなっているのです。ブリットポップ曲ではアコースティックギターを使っています。Duran Duranではおそらく始めての事です。ブラーのような感じであり、真似しているようですが、時期がずれているのでいい感じになっています。

非常に英国的であり、ベテランになっても尚、これだけの曲を創れるのは驚きです。アイドルだった頃は侮っていましたが、かなりのポテンシャルを持っていたバンドだったのです。ただ、その事を広く知らしめられるほど注目されなくなっているのが残念です。当時の若手バンドよりもずっと聴き応えがあります。単なる上辺だけのアイドルだったら、ここまで現役で頑張れなかったでしょうし、手を抜いた作品は一つも創っていません。本当にこのバンドを侮っていました。素晴らしいバンドです。

Someone Else Not Me

Lava Lamp

Playing With Uranium
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[20120211]

メダザランドメダザランド
(1997/09/10)
デュラン・デュラン

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MeddazalandMeddazaland
(1997/10/14)
Duran Duran

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97年の作品で、一番ルックスが良かったベースのJohn Taylorが脱退。またしても三人組になってしまいましたが、John Taylorは数曲で参加しています。当時のイギリスクラブシーンで話題となっていたTalvin Singhが参加しています。ドラムもベースもいない状態ですので、打ち込みが主流になっています。ですから、トランステクノ的な手法のサウンドになっています。あくまでもダンスミュージックにこだわりながらも、時代に追従しています。それでも時代に飲み込まれない確固たるものが感じられます。

1. Medazzaland
2. Big Bang Generation
3. Electric Barberella
4. Out Of My Mind
5. Who Do You Think You Are?
6. Gilva Halo
7. Be My Icon
8. Buried In The Sand
9. Michael You've Got A Lot To Answer For
10. Midnight Sun
11. So Long Suicide
12. Undergoing Treatment

エスニックな要素もあるテクノ、つまりはTalvin Singhのようなインド系のミュージシャンによるエスニックテクノが、イギリスでは流行っていましたので、彼らも大いにそのサウンドを取り入れています。サイケ、グラムロックというイメージを前作のカバーアルバムでも出していたので、違和感はありませんが、その分、歌が省略化されています。80年代特有の豪華な上ものが、大分省略されているのも時代の流れでしょうか。アグレッシヴなくらい乱暴なエスニック感がカッコいいです。

アイドル的な健全さよりもアシッドな危うさを漂わせています。彼らなりの90年代サウンドを模索していますので、面白い効果が出ていますが、少し前までの作品のような説得力は感じられません。まだ消化しきれていない途上の混沌とした感じです。それがかえってユニークに聴こえますので、作品としては楽しめます。売れていた時期には無かった実験性があるので、昔は嫌いでも、これなら楽しめます。少しもひるむ事無く挑戦し続けている姿勢は評価出来ます。

Medazzaland

Big Bang Generation

Electric Barberella
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[20120211]

Thank YouThank You
(2005/05/17)
Duran Duran

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95年の作品で、再びJohn Jonesのプロデュースです。前作で久々のヒットを出したDuran Duranが次に出したのは全曲カバーのアルバムでした。ベテランになると、こういう作品を出したくなるものですが、Duran Duranとしては意外な選曲もあったりして楽しめます。彼らのルーツに対するリスペクトも含めてThank Youとタイトルがつけられています。80年代を牽引してきたバンドだけに70年代の曲が多いですが、それらを全てDuran Duranの曲として昇華しています。

1. White Lines (Don't Do It)
2. I Wanna Take You Higher (Version 1)
3. Perfect Day
4. Watching The Detectives
5. Lay Lady Lay
6. 911 Is A Joke
7. Success
8. Crystal Ship
9. Ball Of Confusion (That's What The World Is Today)
10. Thank You
11. Drive By
12. I Wanna Take You Higher Again

ドラムには旧メンバーのRoger TaylorやTerry Bozzio、Tony Thompsonなどが参加しています。Grandmaster Melle MelのWhite Linesを筆頭にSly & The Family StoneのI Wanna Take You Higher、Lou ReedのPerfect Day、Elvis CostelloのWatching the Detectivesはテクノダブミックスになっています。Bob DylanのLay Lady Lay、Public Enemyの911 Is a Joke、Iggy PopのSuccess、The DoorsのCrystal Ship、The TemptationsのBall of Confusion、タイトル曲はLed ZeppelinのThank You、Drive Byだけはセルフカバーになっています。選曲が若いですが、セレクトが素晴らしく、アレンジも見事に決まっていると思います。

ベテランになり、表現力も豊かになったからこそ出来た作品だと思いますし、この時期に李いr-スした意味はあったと思います。ロックやファンクが輝いていた時代の曲を更に輝きを増して再現していると思います。オリジナル作品でも、これだけのポテンシャルを創っていますので、この時期のDuran Duranは売れていた頃よりももっと高く評価されるべきだと思いますが、再び失われた人気を回復させるのは至難の技でしょう。しかし、カバーアルバムとしては、これまでのあまたある作品の中でも最上級の出来映えであり、これも名盤と言えます。

White Lines (Don't Do It)

I Wanna Take You Higher (Version 1)

Perfect Day
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[20120211]

Duran Duran : The Wedding AlbumDuran Duran : The Wedding Album
(1993/02/02)
Duran Duran

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93年のアルバムで、ドラムのSterling Campbellが脱退して四人となりましたが、ドラムはゲストミュージシャンに任せて、又新境地に挑戦しています。当時はデジタルロックという、バンドの中にサンプリングサウンドも含まれたサウンドを展開してたジーザスジョーンズがいましたが、それを意識したようなサウンドになっています。ブリットポップなど、新しいアイドルがもてはやされていただけに、Duran Duranとしてもアイドルの先輩としての意地を見せつけています。

1. Too Much Information
2. Ordinary World
3. Love Voodoo
4. Drowning Man
5. Shotgun
6. Come Undone (Album Version)
7. Breath After Breath
8. U.M.F.
9. Femme Fatale
10. None Of The Above
11. Shelter
12. To Whom It May Concern
13. Sin Of The City

基本的にはこれまでと同じ、ホワイトファンクやソウルの曲を創っていますが、ドラムパターンなどは当時の流行のハウス系パターンを使用しています。時代に合わせたアレンジでありますが、やはりこのバンドは上ものがしっかりしていて、良い曲を創っています。プロデュースはJohn Jonesで、ダンスフロアもディスコからクラブと呼ばれるようになった時代ですので、クラブ向きのダンスミュージックを創りだしています。ニューロマンティックの発祥もクラブミュージックから発信されていたようなものですから、彼らの得意分野での勝負になっているのです。

しかし、Duran Durangあまだ現役で頑張っている事すら知らない人が多い時期でもあり、それほど注目されていませんでしたが、さすがに本国イギリスではしっかりアピール出来ていて、久々に売り上げが回復しています。内容的には全然現役バリバリのバンドのテンションを保っており、新しいアイドルにも負けていません。と言うよりも、当時のシーンの中でも良質な作品になっています。既に実力派バンドに成長しているのです。ただ、昔の栄光の方が輝かしいだけに、その内容が評価されていないのは残念です。素晴らしい名盤だと思います。

Too Much Information

Ordinary World

Love Voodoo
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[20120210]

LibertyLiberty
(1990/08/21)
Duran Duran

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90年の作品で、テクノロジーは当時の最先端を利用して、前作のようなハウス系の曲もありますが、ここでやっているのは、Duran Duranがアイドルだと言う事を再認識させるような、明るく元気な曲に戻っていると言う事です。アイドルと言うスタンスを外れたから人気が落ちたと言う事だったのでしょうが、それなりに年を取っていますので、年相応な音楽をやるのが正解であり、逆に軽く見られて、更に売り上げは落ちていきます。しかし、それでも最新のサウンドメイキングは見事で、それでいてDuran Duranらしいと言う事で、この努力は認めるべきでしょう。

1. Violence Of Summer (Love's Taking Over)
2. Liberty
3. Hothead
4. Serious
5. All Along The Water
6. My Antarctica
7. First Impression
8. Read My Lips
9. Can You Deal With It
10. Venice Drowning
11. Downtown

これまではゲスト参加していたギターのWarren CuccurulloとドラムのSterling Campbellが正式メンバーとなり、再び5人組となりました。プロデューサーはChris Kimseyで、バンドスタイルを基本として録音されていますが、80年代からの立体的なアレンジは引き継いでいて、それに新しいテクノな雰囲気を持たせています。ちょうど80年代と90年代の境目的な内容になっています。90年代になると上ものが極端に少なくなってくるので、この80年代ならではの上ものの豪華さは痛快です。

海外の音楽に対して、日本の音楽のアレンジの緻密さはやり過ぎだと思われていましたが、80年代サウンドの特徴は、正に日本のアレンジそのものであり、やりすぎるくらいでちょうどいい感じでした。このアルバムもその感じをしっかり保っています。このやり過ぎ感を嫌ったのが90年代サウンドであり、少ない音数でどれだけ空間を広げられるかが主流のやり方であり、ほとんどがドラムとベースだけしっかり前に出ていれば、それで良いような感じになっていきます。それに物足りなさを感じ始めた人達が80年代サウンドを恋しがるようになっていきます。このアルバムなら、その思いに応えられます。

Violence Of Summer (Love's Taking Over)

Liberty

Hothead
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[20120209]

Big ThingBig Thing
(2006/04/04)
Duran Duran

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88年の作品です。前作ではゲストでAndy Taylorも参加していましたが、このアルバムで完全に三人体制になりました。時代はヒップホップ文化が広まって、テクノ、ハウスの時代に突入し始めた頃で、Duran Duranも時代の流れに敏感に反応しています。まだハウスと言っても、80年代サウンドの中での発展系であり、スクリッティポリッティのような立体的なアレンジになっています。完全にハウスになっていないので、その微妙さがかえってよかったりします。

1. Big Thing
2. I Don't Want Your Love (LP Version)
3. All She Wants Is
4. Too Late Marlene
5. Drug (It's Just A State Of Mind)
6. Do You Believe In Shame?
7. Palomino
8. Interlude One
9. Land
10. Flute Interlude
11. The Edge Of America
12. Lake Shore Driving
13. Drug (It's Just A State Of Mind) (Daniel Abraham Mix)

基本はホワイトソウルやホワイトファンクであり、アレンジもまだ80年代しています。ただ、カットアップな手法がハウスと言えるのでしょう。この時代の音でありますが、これまでのDuran Duranのサウンドよりもアダルトになっていますし、ダンサブルでありながらも落ち着いた曲になっています。大きな違いはベースがシンセベースになっていて、結構ブイブイ言わせています。これはペットショップボーイズのようなテクノシンセポップのようになっています。

サンプリングも派手に使っていますし、メンバーが少なくなった分、打ち込みも多くなっています。バンド体制でなくても、ゴージャスな曲が創れる時代になっているのです。女性コーラスを入れたりと、ファンク色が強いと言うか、Power Stationの影響も強いのではないかとも思えます。内容はどんどん良くなっているので、本来なら売り上げも伸びなければならないのですが、ファン以外にとっては注目度が減ってきており、新しい流れが生まれつつある時代ですので、Duran Duranにとってはかえって難しい時期になってきます。しかし、作品としては素晴らしく、名盤と言えます。

Big Thing

I Don't Want Your Love

All She Wants Is
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[20120208]

NotoriousNotorious
(1993/06/29)
Duran Duran

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86年の作品で、Andy TaylorとJohn Taylorが脱退してPower Stationを結成。一世を風靡する成功を収めます。残ったSimon Le Bon、Nick Rhodes、Roger TaylorはArcadiaを結成して対抗、これも話題にはなりましたが、Power Stationの成功が凄まじかったので、単なる悪あがきに見えてしまいました。そしてRoger Taylorはいなくなり、John Taylorが復帰して、Simon Le Bon、Nick Rhodesの三人でDuran Duranを再開させます。Power Stationに対抗して、これまでのアイドル感を無くし、プロフェッショナルな作品を創りましたが、ここから徐々に人気は降下していきます。

1. Notorious
2. American Science
3. Skin Trade
4. A Matter Of Feeling
5. Hold Me
6. Vertigo (Do The Demolition)
7. So Misled
8. Meet El Presidente
9. Winter Marches On
10. Proposition

三人になった事で、どういうサウンドになるのかが話題になり、このアルバムは注目されましたが、アイドルだったから売れていたのに、それを脱ぎ捨てたら売れなくなっていきます。プロデュースはNile Rodgersで、立体的な80年代アレンジが見事に構築されていて、内容的には素晴らしい作品になっています。ギターがいなくなっているので、これまで以上にキーボード中心になっていますが、80年代ならではのコードボイシングをセンスよく使っており、80年代の教則本にしても良いようなアレンジになっています。

Skin Tradeでのファルセットボイスなど、ホワイトアイドソウルな当時の流行のサウンドになっています。Nile Rodgersはギターカッティングでも参加しているので、シックっぽいギターはDuran Duranっぽくありませんが。新境地を拓いています。これまでよりも大人になった感じがします。それが売れなくなった要因であるならば、それは致し方ありません。バンドが成長する為には何かを犠牲にしなければならない時があるのです。キーボードプレイヤーには大いに参考になる演奏ばかりで、やっと彼らにも名盤と呼べる作品が生まれました。

Notorious

American Science

Skin Trade
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[20120208]

ArenaArena
(2004/06/01)
Duran Duran

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84年の作品で、コンサートのドキュメンタリーを映像化した作品のサントラ盤になります。内容的にはライブによるベストアルバムであり、唯一新曲のThe Wild Boysだけがスタジオ録音になっています。アルバムではロングバージョンになっていて、ミルコクロコップの入場曲としてもお馴染みですが、アフリカンリズムを使った新極地を拓いた作品でありましたが、ここが彼らのピークであり、この後バンドは分裂していき、人気も分散されていく事になります。

1. Is There Something I Should Know
2. Hungry Like The Wolf
3. New Religion
4. Save A Prayer
5. The Wild Boys
6. The Seventh Stranger
7. The Chauffeur
8. Union Of The Snake
9. Planet Earth
10. Careless Memories
11. Girls On Film
12. Rio

プロデューサーはDuran Duranでありますが、新曲のThe Wild BoysはNile Rodgersが担当しています。ライブ映像を基にしていますが、ダンスシーンなどはPVのように創られています。もしかしたら演奏もメンバー以外が演奏している可能性もありえます。それだけ当時のイギリスではアイドル的な存在だったのです。後にメンバーが別れてパワーステーションを創って、演奏力もあったのだと言うのが分かります。映画として創られているので、完全にライブ映像だけでは無く、それ以外の挿入映像もあります。DVDもあるので、映像ありの方が楽しめるかもしれません。

これまでの集大成ともなっているだけに、これからの彼らの進む道が分かっていたかのようです。新曲のThe Wild Boysはサンプリングを多用した、これまでとは違うスタイルであり、Nile Rodgersの得意な立体的なアレンジワークは、80年代を象徴する作品の一つです。初期の頃のシンセポップサウンドに比べると、かなりパワフルになっています。本当はこのまま進んでいくはずだったのでしょうが、アイドル的なバンドに意を反するメンバーが脱退していく事になります。最後の打ち上げ花火でした。

Is There Something I Should Know

Hungry Like The Wolf

New Religion
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[20120207]

Seven & The Ragged TigerSeven & The Ragged Tiger
(2003/08/05)
Duran Duran

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83年のサードアルバムです。これまでのシンセポップから、80年代サウンドへ変化しています。アナログシンセからデジタルシンセを使うようになり、ドラムにはゲートリバーヴがかけられ、主役がギターからシンセになっているので、ギターはあくまでもバッキングであり、デジタルシンセの豊富な音色は立体的なアレンジを生み出す事になります。そしてプロデューサーは80年代を代表する天才ミキサーのAlex Sadkinです。Alex Sadkinが手がけた作品で駄作はありません。

1. The Reflex
2. New Moon On Monday
3. (I'm Looking For) Cracks In The Pavement
4. I Take The Dice
5. Of Crime And Passion
6. Union Of The Snake
7. Shadows On Your Side
8. Tiger Tiger
9. The Seventh Stranger

シングルカットされたのはUnion of the Snake、New Moon on Monday、The Reflex、Tiger Tigerの4曲です。どの曲もPVが創られ大ヒットしています。Duran Duranのアルバムでは、冒険的な作品は無く、シングルカットされていない曲でも、いつでもシングルカットしてください的な創りになっていて、シングル用の曲としてしか曲は作っていないのではないかと思えてきます。80年代を象徴するようなサウンドであり、カラフルでダンサブルです。

Duran Duranとしても絶頂期であり、この後にピークを迎えて拡散していきますが、出せば売れる時代であり、そして売れる曲を作っています。どの曲もシングル向けに創られているので、通して聴くと飽きてきますが、ベストアルバムだと思えば良いのでしょう。安っぽくなりがちな派手なサウンドですが、そこにはAlex Sadkinのマジックが発生しているので、軽薄にならずに済んでいます。アメリカではマイケル、プリンス、マドンナが売れていましたが、イギリスにはニューロマンティックの彼らが負けていませんでした。

The Reflex

New Moon On Monday

Cracks In The Pavement
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[20120205]

RioRio
(2001/05/17)
Duran Duran

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82年のセカンドアルバムです。当時のダンスフロアー、ディスコではテクノもかかっていて、ニューロマンティックの曲もダンサブルな曲が多いです。このアルバムはファーストよりもダンサブルなアレンジになっています。ディスコブーム以降、売れる曲は踊れる曲というのが定番になります。Duran Duranもビジュアルだけではなく、踊れる曲でヒットを出すと言う戦略をとっています。

1. Rio
2. My Own Way
3. Lonely In Your Nightmare
4. Hungry Like The Wolf
5. Hold Back The Rain
6. New Religion
7. Last Chance On The Stairway
8. Save A Prayer
9. The Chauffeur

ジャパンと言うバンドはちょうどグラムロックとニューロマンティックの狭間に存在していたので、何のブームもないまま孤軍奮闘していました。それに比べたらDuran Duranはブームの後押しとMTVと言う武器をかざして、ヒット曲を次々と出していきます。このアルバムからはMy Own Way、The Chauffeur、Hungry Like the Wolf、Save a Prayer、Rio、New Religionと6枚ものシングルヒットを生み出しています。まるでベストアルバムのように、当時はよく耳にしていた曲が続いています。

当時はポリフォニックシンセも登場していますが、主流はまだモノフォニックシンセを多用しています。これはシンセポップの名残ではありますが、シーケンサーなどもモノフォニックの方がらしさが出ますので、あえてデジタルシンセまで手を出していません。これもヴィサージの影響を受けついてでいるので、いかにもなサウンドが今聴くと楽しいです。ベースもチョッパーがあったり、シンセドラムがあったりとテクノしています。ビジュアルだけではなく、サウンドのイメージも大切にしていたようです。

Rio

My Own Way

Lonely In Your Nightmare
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[20120205]

Duran DuranDuran Duran
(2003/08/05)
Duran Duran

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やっと80年代に入ります。既にいくつか紹介しているので、紹介していなかったニューロマンティックを紹介します。以前紹介しているスティーヴストレンジのヴィサージが原点なのですが、グラムロック以来のビジュアル系を重視したバンドで、サウンドはシンセポップからの発展になっています。ですから、デヴィッドボウイやロキシーミュージックを開祖としています。ネオグラムと言っても良いのですが、ニューロマンティックは、男でも宝塚のように華やかな衣装を着てきらびやかな世界観を持っています。当時はやったファッションが、フリルのようなヒラヒラした服を男性もきていたのです。私も当時フリス付きのシャツを買った痛い思い出があります。

1. Girls On Film
2. Planet Earth
3. Anyone Out There
4. To The Shore
5. Careless Memories
6. The Night Boat
7. Sound Of Thunder
8. Friends Of Mine
9. Tel Aviv

ニューロマンティックの中でも一番人気だったのがこのデュラン・デュランです。サウンド的にはジャパンのサウンドを継承していますが、シンセポップの軽快なヒット曲を飛ばしました。メンバーはボーカルのSimon Le Bon、キーボードのick Rhodes、ベースのJohn Taylor、ドラムのRoger Taylor、ギターのAndy Taylorの5人組です。この中からは後にパワーステーションを結成するメンバーがいます。ファッションもジャパンのようで、美形のルックスに勿論メーキャップもばっちりです。パンクやニューウェイヴが主流の中、テクノ、ニューウェイヴの流れとしてこのムーヴメントが流行りました。

ファーストなのにPlanet Earth、Careless Memories、Girls on Film、Is There Something I Should Know?と4枚ものシングルヒットを出しています。ビジュアル系と言う事で、MTVも効果的に活用しています。Simon Le Bonの鼻にかかったような歌い方が私は好きになれませんでしたが、この気色悪さもロキシー譲りだとすればアリなのでしょう。悪ガキのパンクスに優等生のニューロマンティック系のファッションがミックスして、当時のロンドンファッションはきらびやかでした。

Girls On Film

Planet Earth

Anyone Out There
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[20120205]

New BloodNew Blood
(2011/10/11)
Peter Gabriel

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2011年の作品で、現在の最新作です。オーケストラをバックに歌う事に快感を覚えたのか、今回は自分の曲をオーケストラアレンジでカバーしています。ここで凄いのが、アフリカンなどのエスニックな感じ、テクノプログレな感じをオーケストラが表現している事で、この作品で一番大変だったのはオーケストラの演奏者側だったと思います。普段のクラシック音楽とは異次元の演奏ですから、いくら楽譜通り演奏すると言っても、ピーターの要求は楽譜を超越していたと思います。

ディスク:1
1. The Rhythm of the Heat
2. Downside Up
3. San Jacinto
4. Intruder
5. Wallflower
6. In Your Eyes
7. Mercy Street
8. Red Rain
9. Darkness
10. Don’t Give Up
11. Digging in the Dirt
12. The Nest that Sailed the Sky (Instrumental)
13. A Quiet Moment
14. Solsbury Hill
ディスク:2
1. The Rhythm of the Heat (Instrumental)
2. Downside Up (Instrumental)
3. San Jacinto (Instrumental)
4. Intruder (Instrumental)
5. Wallflower (Instrumental)
6. In Your Eyes (Instrumental)
7. Mercy Street (Instrumental)
8. Red Rain (Instrumental)
9. Darkness (Instrumental)
10. Don’t Give Up (Instrumental)
11. Digging in the Dirt (Instrumental)
12. The Nest that Sailed the Sky (Instrumental)
13. Blood of Eden

CD1枚バージョンと2枚バージョンがあって、2枚目にはインスト曲集が収められています。オーケストラの演奏だけなのですが、オリジナル曲を知らない人が聴いても面白いと思います。普通ではないリズムをオーケストラが演奏しているからです。原曲を知っていれば、新鮮な気持ちで聴けると思います。そして円熟味を増しながらも衰えないピーターのボーカルに驚嘆する事でしょう。

一番オーケストラアレンジが似合っているのがSolsbury Hillです。この曲の美しさが増しています。このオーケストラバージョンでコンサートもやっていますので、よっぽどこのスタイルを気に入っているようです。この後もこのシリーズが続く可能性もありますが、新曲も聴きたいと言うのがファン心理です。この疲弊しきったミュージックシーンに昔のような衝撃を与えてくれる事は、おそらく無いでしょうが、期待してしまうのが、昔の衝撃を忘れられないファンなのです。


The Rhythm of the Heat

Downside Up

San Jacinto
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[20120205]

Scratch My BackScratch My Back
(2010/02/15)
Peter Gabriel

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2010年の作品ですが、全曲カバー曲になっています。ふるい曲もあれば、最近の曲もカバーしています。共同プロデューサーはBob Ezrinで、オーケストラだけの演奏で歌い上げています。電気楽器は一切使っていないのですが、おそらく編集はデジタル処理されていると思います。それだけ音が精密なのです。オーケストラと言っても壮大なアレンジから現代音楽、ミニマルミュージックなアレンジなど、原曲はあくまでも素材であって、ピーターがやりたかった事はオーケストラをバックに歌うと言う作業であり、それも、かつてのプログレの延長としてだと思います。

1. Heroes
2. The Boy In The Bubble
3. Mirrorball
4. Flume
5. Listening Wind
6. The Power Of The Heart
7. My Body Is A Cage
8. The Book of Love
9. I Think Its Going To Rain Today
10. Apres Moi
11. Philadelphia
12. Street Spirit (Fade Out)

プログレバンドはオーケストラの共演を夢見ていた時代があって、それを実現していたバンドもいました。ピーターにもその欲求はあったと思いますが、ここでは、バンドはいません。オーケストアのみです。それなのに現代的であり、21世紀なりの響きを持っています。しかも驚きなのは、おじさんになっているのに、これだけの肺活量がある事です。歌は全く衰えていません。それだけでも感動します。

David BowieのHeroes、Paul SimonのThe Boy in the Bubble、トーキングヘッドのListening Wind、Lou ReedのThe Power of the Heart、Neil YoungのPhiladelphia、 Randy NewmanのI Think It's Going to Rain Today、RadioheadのStreet Spiritなど、選曲も独特ですが、そのアレンジも独特で、ほとんど切ないくらいのバラード調になっています。既に隠居状態のピーターですから、こうしたアイデアのみで作品を創ってしまうところが、ファンとしては悲しいですが、それなりの魅力を持った作品になっています。

Heroes

The Boy In The Bubble

Mirrorball
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[20120205]

UPUP
(2002/09/19)
ピーター・ガブリエル

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2002年の作品で、サントラのLong Walk Homeとほぼ同時期にリリースされました。その為、オリジナル作品のこのアルバムばかり注目されてLong Walk Homeはあまり話題にならないと言う事になっていました。サントラの方でエスニックなことを思いっきりやっていたので、ここではボーカル入りのポップフォーマット作品になっています。内容的には、これまでやってきた事の集大成のような感じで、アグレッシヴな事からジェネシス初期の頃のようにビートルズっぽいブリットポップな旋律もあったりします。

1. Darkness
2. Growing Up
3. Sky Blue
4. No Way Out
5. I Grieve
6. The Barry Williams Show
7. My Head Sounds Like That
8. More Than This
9. Signal To Noise
10. The Drop

ブレイクビーツやドラムンベースなアレンジも取り入れていますが、ピーターの場合は上もののボーカルやバッキングサウンドをしっかり創るので、ドラムとベースだけを強調するブレイクビーツほどテクノ感はありません。サンプリングミュージックとしてはピーターの方がイノベーターですから、ちょっと若者のスタイルも拝借してみましたと言う感じでしょうか。それよりもやはり歌の方に重きが置かれているように感じます。

今までやってきた事は全て入っているので、特に新しい驚きはありませんが、ベテランならではの充実した内容になっています。Tchad Blakeあたりのアナログなサウンドも取り入れながら、21世紀ならではのサウンド構築を目指しているようです。あまり奇をてらったような事はしておらず、落ち着いたアダルトなロックになっています。彼の場合はSO以降は隠居状態だと思っていいです。それ以降は貪欲に新しさを追求しなくなりました。その状態でもこれだけの作品を創れると言うのが凄いです。これも名盤です。

Darkness

Growing Up

Sky Blue
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[20120204]

Long Walk Home :  Music from The Rabbit-Proof FenceLong Walk Home : Music from The Rabbit-Proof Fence
(2002/04/16)
Peter Gabriel

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2002年の作品で、映画Long Walk Homeのサントラ盤です。オーストラリアのアボリジニの少女を題材にした映画だけに、アボリジニな民族音楽など、エスニック色が強くなっています。参加ミュージシャンもいつものメンバーがいつもサポートしていますが、今回はTchad Blake、Peter Greenなどの他にエスニックミュージシャンやオーケストラも導入しています。エスニック作品としてはもう珍しくなくなっていますが、デジタル処理など、これまでに無かった試みが新鮮です。

1. JIGALONG
2. STEALING THE CHILDREN
3. UNLOCKING THE DOOR
4. THE TRACKER
5. RUNNING TO THE RAIN
6. ON THE MAP
7. A SENSE OF HOME
8. GO AWAY MR EVANS
9. MOODOO’S SECRET
10. GRACIE’S RECAPTURE
11. CROSSING THE SALT PAN
12. THE RETURN(Parts 1,2 and 3)
13. NGANKARRPARNI(SKY BLUE-reprise)
14. THE RABBIT-PROOF FENCE
15. CLOUDLESS

ほとんどがインスト作品なので、マニアックなファン向けですが、静かな中に潜む狂気のごときアグレッシヴさというPeter Gabrielならではの世界観は健在です。DTM環境が発展してきたせいもあってか、以前よりも構成のダイナミズムが豊です。昔に比べると作業は簡単になっている分、周波数レベルでのこだわりが半端無いと思います。こんな音域を今まで使った事があったであろうかと思ってしまう音源がいくつも浮かんでは消えていきます。

この時代だからこそ、テクノロジーが発展したからこそ、ありえる音の洪水が滔々と流れています。これはかなりいいオーディオで聴きたい作品です。それまでも環境音楽のような作品はいくつもありましたが、ここまで音質にこだわった作品は無かったと思います。今まで体験した事の無い周波数、使われていなかった周波数が自然に存在している事の鮮やかな驚き。この音域は聴いた事が無いと言う事実を確認しながら聴き進んでいく事になります。その事は強調されていませんので、不思議な違和感が心地良くなっていきます。名盤です。

JIGALONG

STEALING THE CHILDREN

UNLOCKING THE DOOR
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[20120204]

OVOOVO
(2000/05/24)
Peter Gabriel

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2000年の作品で、ミレニアムを記念してロンドンで行われたサーカスの為の音楽として制作されました。89年から始めたピーター主催によるレーベルReal World Recordsの運営に従事していて、作品リリースがありませんでしたが、その運営の一貫としてこの作品を引き受けています。私も当時からReal World Recordsへデモテープを送り続けていたのですが、ちょうどこの作品の制作時期でピーターは忙しいので本人に聴かせるには時間がかかると言う返事ばかりでした。

1. The Story Of OVO
2. Low Light
3. The Time Of The Turning
4. The Man Who Loved The Earth/The Hand That Sold Shadows
5. The Time Of The Turning (Reprise)/The Weaver's Reel
6. Father, Son
7. The Tower That Ate People
8. Revenge
9. White Ashes
10. Downside-Up
11. The Nest That Sailed The Sky
12. Make Tomorrow

ほとんどこの頃から隠居状態と言っても良いくらいの時期で、自身の作品を創っていませんでしたので、昔ほどのアイデアの洪水は期待出来なくなっていますが、必ず満足出来る作品を届けてくれます。参加ミュージシャンもお馴染みのメンバーですが、変わったところで、Richie Havens、Steve Gaddが参加しています。ピーターの歌い方を真似したシンガーはFrankie Goes To HollywoodのHolly Johnsonが有名でしたが、90年代は普通にピーターのように歌うシンガーが増えていました。それだけ海外では影響力のある人なのですが、ミレニアムを迎えるにあたって、どんな作品を創るのか気がかりでした。

新しい感性も取り入れようとしている感じもありますが、ラップは余計でしょう。ハードディスクレコーディングが主流になり始め、オーディオレコーディングソフト、プロツールスはパソコンの性能に依存しないのでプロの現場で広まりました、現在ではパソコンの性能が格段によくなっているので、プロツールスでなくても同じような作業が出来るソフトだらけになっています。そういうDTM環境が整い始めてきた頃ではありますが、彼は非常に音楽的な内容のものを創っています。サントラ的な作品ですので、テーマに会わせているのでしょうが、ファンとしては昔のような衝撃に飢えているので、そこは満足出来ませんが、音楽的にも素晴らしい名盤だと思います。

The Story Of OVO

Low Light

The Time of the Turning
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[20120204]

USUS
(2003/08/20)
ピーター・ガブリエル

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92年の作品で、オリジナルとしては前作SOからは6年ぶりとなる作品です。SOが大ヒットしたので、その副産物を出していればヒットを連発出来たはずですが、彼はそれをしません。同じような内容を繰り返すような、現在のミュージシャンに見受けられるようなことは恥だと思っているタイプの人間だからです。サンプラーの可能性を大きく示したピーターにとっては、大きく時代が変わっています。サンプラーも手頃な値段になり、素人でも手に入り易くなり、プロには無い発想の使い方が広まり、ブレイクビーツやビッグビートの時代となったのです。

1. Come Talk To Me
2. Love To Be Loved
3. Blood Of Eden
4. Steam
5. Only Us
6. Washing Of The Water
7. Digging In The Dirt
8. Fourteen Black Paintings
9. Kiss That Frog
10. Secret World

サンプリングだけで創ったような作品が多数でてきた時代に、その元祖となったピーターがどういう作品を創るのか興味がありましたが、彼はあくまでもマイペースでした。特に時代に合わせるのでもなく、自分の音楽を追求しているのです。アフリカンなリズムを多用していますが、もうこれは彼の音楽の一部であり、特にアフリカを意識しているのでもなく、ケルトな感じもあり、非常に英国的な作品です。以前から彼の作品に感じていた、彼なりのフュージョンサウンドを追求しているのです。ワールドミュージックも吸収したフュージョンサウンドなのです。

プロデューサーは再びDaniel Lanoisとの共同で、参加ミュージシャンはいつものメンバーにSinéad O'Connor とのデュエットもあります。ドラムンベース系からWilliam Orbit、意外にも始めての遭遇Brian Eno、Shankar、John Paul Jonesなど、面白い組み合わせです。Steamは以前のソウルフルな作風を継承しています。パソコンの性能も上がり、デジタルミュージックも発展してきた時期でもありますが、昔苦労して創ってい時代よりもシンプルになっています。便利さよりもやるべき音楽が定まっているようです。この時代にもっと冒険出来たはずですが、そこまで若くなかったと言う事でしょうか。それでも素晴らしい内容です。名盤です。

Come Talk To Me

Love To Be Loved

Blood Of Eden
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[20120203]

Passion-Music for...Passion-Music for...
(2010/09/28)
Peter Gabriel

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パッション-最後の誘惑パッション-最後の誘惑
(2003/08/20)
ピーター・ガブリエル

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89年の作品で、キリストを題材にした映画Passionのサウンドトラックになります。以前のサントラだったバーディーは、それまでの音源の使い回し的な内容でしたが、今回は、この映画の為に全く新しい曲を提供しています。ピーターの影響でワールドミュージックがもてはやされ、アフリカのミュージシャンであるYoussou N'Dourも有名になりましたが、そのYoussou N'Dourも参加しています。アフリカンミュージックもありですが、題材がキリストだけに中近東的なエスニック曲が多いです。

1. The Feeling Begins
2. Gethsemane
3. Of These, Hope
4. Lazarus Raised
5. Of These, Hope - Reprise
6. In Doubt
7. A Different Drum
8. Zaar
9. Troubled
10. Open
11. Before Night Falls
12. With This Love
13. Sandstorm
14. Stigmata
15. Passion
16. With This Love - Choir
17. Wall Of Breath
18. The Promise Of Shadows
19. Disturbed
20. It Is Accomplished
21. Bread And Wine

シタールも津あkっているので、東洋的な雰囲気もありますが、参加ミュージシャンはいつものメンバーの他にDavid Bottrill、L. Shankar、Nathan East、Bill Cobham、などの顔ぶれもあります。ピーターと言えばエスニックなイメージがありますが、オリジナルアルバムでそれが顕著なのは4枚目の作品だけです。同じ事を繰り返すような事をする人ではないので、常に新しい事に挑戦しています。しかし、こうした映画のサウンドトラックでめいいっぱいエスニックしているので、そのイメージが強いのです。ですから、彼の作品を集めるなら、サントラも外せないのです。

当時の2大サンプラーであるFairlightとEmulatorも使っていますが、日本製のAkai S900も使っています。今でこそパソコンでオーディオデータを簡単に扱えますが、当時はまだ小さな窓のシーケンサーを一生懸命打ち込んでいました。Macによる音楽ソフトもありましたが、ほとんどMIDIシーケンサーと同じような事しか出来ませんでした。ただ、パソコンのでかい画面で操作出来るのと、ドラッグ&ドロップが出来るのは便利でした。Fairlightにはパソコン画面と同じものがついているので、これが一番使い易かったと思います。そうやって苦労して創り上げたこの時代の、この作品は現在のそうした作品よりも重みを感じます。今はDTMでもっと自由度が増しているのに、これほどの作品を創れるミュージシャンがいなくなっています。昔の作品ですが、今でも強烈なインパクトを感じさせます。名盤です。

The Feeling Begins

Gethsemane

Of These, Hope
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[20120203]

SoSo
(1999/01/01)
Peter Gabriel

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86年の作品で、ピーターの作品の中でも一番売れたアルバムです。ピーターが創る歌は結構ポップで、覚え易い旋律なので、すぐ口ずさめます。しかし、徹底的にマニアックなサウンドに仕上げるので、これまでは一般的には売れていませんでした。しかし、このアルバムでは実に普通に曲を創っているのです。それも、これまでと同じくらいの質感のままでです。MTVの影響もありますが、これが一般的にも受けて大ヒットしました。

1. Red Rain
2. Sledgehammer
3. Don't Give Up
4. That Voice Again
5. Mercy Street
6. Big Time
7. We Do What We're Told (Milgram's 37)
8. This Is The Picture (Excellent Birds)
9. In Your Eyes

プロデューサーはDaniel Lanoisなので、結構音を創り込んでいますが、アグレッシヴさは薄れて、ほどよいミキシングになっています。シングルヒットしたSledgehammerとBig Timeはリズム&ブルースのようにソウルフルな曲で、それを創りすぎる事無く素直にアレンジしているので、よく売れました。こういう曲はファーストでもやっていましたが、完成度は勿論こちらの方が高いです。Kate BushとデュエットしたDon't Give Upもシングルヒットしました。マニアックなファンが多かったので、ピーターの曲がここまで売れると言うのはとても意外でありました。当時売れていた古巣のジェネシスと肩を並べたのです。

参加ミュージシャンも多彩で、Tony Levin、David Rhodes、Jerry Marottaのいつものメンバーの他にManu Katché、Stewart Copeland、P. P. Arnold、Richard Tee、L. Shankar、Jim Kerr、Laurie Anderson、Bill Laswell、Nile Rodgersと意外な顔ぶれもいます。アフリカ的なリズムもありますが、それだけではなく、尺八のサンプリングなど、オリエンタルです。全体的に見て、ピーターガブリエルにとってのフュージョンミュージックを構築したのではないかと思われます。それほど大人が楽しめるロックになっているのです。名盤です。

Red Rain

Sledgehammer

Don't Give Up
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[20120201]

BirdyBirdy
(2003/02/25)
Peter Gabriel

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85年の作品で、映画Birdyのサウンドトラック盤になります。プロデューサーは当時時の人だったDaniel Lanoisとピーターが担当しています。参加ミュージシャンはいつもの顔ぶれですが、Jon Hassell、Larry Fast、Tony Levin、Jerry Marotta、David Rhodesなどです。Tony Levinはキングクリムゾンもやりながらピーターの作品にはいつも顔を出しています。よほど気に入られているのでしょう。サントラと言う事でほとんどインスト作品なのですが、一発でピーターガブリエルの作品だと分かります。

1. At Night
2. Floating Dogs
3. Quiet And Alone
4. Close-up
5. Slow Water
6. Dressing The Wound
7. Birdy's Flight
8. Slow Marimbas
9. The Heat
10. Sketch Pad With Trumpet And Voice
11. Under Lock And Key
12. Powerhouse At The Foot Of The Mountain

サウンドとしては、既に確立されてるサンプリングによるアフリカンリズムという、特徴的なサウンドです。シンセによるパッドサウンドにサンプリングやゲートリバーヴという、ピーターガブリエルサウンドになっています。当時は既にそのサウンドは他のミュージシャンに真似されていて、80年代の音になっていましたが、元祖大本のピーターの作品はひと味違います。売れようと言う意欲は薄い人なので、とことん創り込んでいます。

ただ、以前の作品を使い回ししてるものもあります。Close UpはFamily Snapshotですし、Birdy's FlightはNot One of Usです。The HeatはThe Rhythm of the Heat、Under Lock and KeyはWallflower、Powerhouse at the Foot of the MountainはSan Jacintoです。ミキシングし直して別のタイトルをつけているのです。後にリミックスバージョンを創るのが流行りますが、これもその先駆けでしょう。まるでサンプリング素材を取り扱うかのように使われています。歌が無くても強烈です。ファンであれば持っていたくなる作品です。

At Night

Floating Dogs

Quiet And Alone
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