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[20120229]

4:13 Dream4:13 Dream
(2008/10/28)
Cure

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2008年の作品で、現在までの最新作になります。4年おきぐらいで作品をリリースしているので、今年あたり何か動きがあるかもしれません。ギターのPorl Thompsonが復帰しているので、バンドの勢いが感じられる内容になっています。継続宣言からやっと意欲的な作品が出来上がったと思います。ポップになっていて躍動感が感じられますが、いつも以上に病んでいます。少しも衰えていません。

1. Underneath The Stars
2. The Only One
3. The Reasons Why
4. Freakshow
5. Sirensong
6. The Real Snow White
7. The Hungry Ghost
8. Switch
9. The Perfect Boy
10. This. Here And Now. With You
11. Sleep When I'm Dead
12. The Scream
13. It's Over

ダークな感じもいつも通りですが、いつもよりもエモーショナルであり、気持ちが充実している事がよく分かります。The Only One、Freakshow、Sleep When I'm Dead、The Perfect Boyがシングルカットされています。多彩でポップなタイプのアルバムです。このバンドのフォロワーも沢山出てきましたので、こういったサウンドも珍しくなくなっていますが、このバンドにしか出せない世界観は唯一無二であり、常に異端なバンドであったと思います。売れているのにメジャーな感じがしないと言うのもこのバンドらしいところです。

テクニックをひけらかすバンドでもなく、世間に媚びるバンドでもなく、希望も無いような音楽をやったかと思うと、とても優しく美しい曲をやったりと、振り幅は結構あって、実力もあるバンドではありますが、ルーリードのように上手に歌おうとはしないし、ポストパンクバンドとしては正統でありながら、誰も入り込めないような世界観を持っているバンドであり、もしもその世界に入り込んだなら、その深い闇は感覚を麻痺させて快楽を呼び起こす事でしょう。素晴らしい名盤です。

Underneath The Stars

The Only One

The Reasons Why
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[20120228]

CureCure
(2004/06/29)
Cure

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2004年の作品で、前作からは4年ぶりのアルバムになります。バンドを継続すると言い直してからの作品で、始めてバンド名をアルバムタイトルに持ってきました。プロデュースはRoss RobinsonとRobert Smithで、前作ではブレイクビーツも取り入れていましたが、このアルバムではバンドでのライブ演奏にこだわって制作されています。ですから、これまでと変わらないキュアーのサウンドになっています。

1. Lost
2. Labyrinth
3. Before Three
4. The End Of The World
5. Anniversary
6. Us Or Them
7. Alt. End
8. (I Don't Know What's Going) On
9. Taking Off
10. Never
11. The Promise

キュアーらしいサウンドなので、ファンは大満足ですが、あまりにもいつも通りなので、逆に物足りなく感じてしまいます。これまでは何かしらの新しい要素を生み出していましたが、どこをとってもオルタナなアレンジであり、多少ポップな曲もありますが、バンドスタイルにこだわっている為か、4年も待って、この内容なのかと拍子抜けしてしまいます。しかし、このいつもの感じが一番受ける訳であり、売れると言う事を知ってしまった彼らは、あえてこの路線で健在をアピールしています。

80年代かわこの感じなので、新鮮味がありません。初期の頃のような不協和音も復活していますが、多少冒険はあっていいと思います。出なければバンドを継続する意味が無いからです。意欲的な事は解散宣言をしたときまでだったのかもしれません。このスタイルで、あまり多くないコード数で、良くこれだけ新しい曲を創れるものだとも思えますが、あまり創りすぎると他の曲との区別がつきにくくなって、曲の印象も薄く感じてしまいます。バンドを継続させるのは多いに結構ですが、そろそろ道を外しても良い頃ではないでしょうか。

Lost

Labyrinth

Before Three
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[20120228]

BloodflowersBloodflowers
(2000/05/25)
The Cure

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2000年の作品で、前作では売り上げが落ち、バンド内もゴタゴタしていたので、このアルバムで解散する予定で制作されたアルバムです。最後と言う事で彼ららしい内向的な内容になっているのですが、ファンにとってはこのスタイルこそが求められていたので、予想以上にこの作品は売れました。そうすると気が変わったのか、Robert Smithは解散を撤回して、まだやれそうだとバンドを存続する事を決めました。最初からこの路線が一番受けると言う事を自覚しておけば良かったのに。

1. Out Of This World
2. Watching Me Fall
3. Where The Birds Always Sing
4. Maybe Someday
5. The Last Day Of Summer
6. There Is No If...
7. The Loudest Sound
8. 39
9. Bloodflowers

アコースティックとサンプリングループなど、2000年らしいアレンジも入っていますが、世界観はいつものCUREであり、Disintegrationのような静かな優しさ、儚さをもったサウンドになっています。この作品も売り上げが落ちていたらそのまま解散していたかもしれませんが、予想を覆して売れた為に、まだやれるし、新しいアイデアも枯渇していない事を確信したRobert Smithは解散宣言を無かった事にします。ちゃっかりしていますが、彼にとってCUREと言う世界観を無くしたら、表現する場所が無いのも現実でしょう。

CUREと言うバンド名ですが、治療とか医療と言う意味がありますが、もう一つの意味で奇人、変人と言う意味もあります。どちらの意味もこのバンドには似合っていると思います。太ってしまったRobert Smithはまるでドラえもんのようですし、サイケデリックなサウンドは絶望的でもありながらヒーリング的な響きも持っていると思います。特にこのアルバムのようなサウンドはダークでありながらも救いの光は見えています。初期の頃のようなエレクトリックなサウンドも効果的で、見事な名盤に仕上がっていると思います。

Out Of This World

Watching Me Fall

Where The Birds Always Sing
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[20120228]

Wild Mood SwingsWild Mood Swings
(2011/11/08)
The Cure

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96年の作品で、Boris Williams、Porl Thompsonが脱退、新しくJason Cooper がドラムで加わりましたが、バンドとしては危機的な状況となりました。作品としては売れているのですが、前作の成功に比べると落ちているので、いよいよバンドの限界を感じ始めていたようですが、サウンド的にはホーンセクションやストリングスなどを加えて多彩な音楽をまき散らしています。

1. Want
2. Club America
3. This Is A Lie
4. The 13th
5. Strange Attraction
6. Mint Car
7. Jupiter Crash
8. Round & Round & Round
9. Gone!
10. Numb
11. Return
12. Trap
13. Treasure
14. Bare

Wantはいつもの彼ららしい曲で、人気が高いですが、それ以外はポップでカラフルなスタイルに戻っています。やはりRobert Smithが全面的に掌握するとこうなってしまうのです。日本ではビジュアル系というジャンルも確立されていましたが、その元祖的な存在がこのCUREであり、ゴシックやカルトのカリスマでもあります。Mint CarとThe 13thがシングルヒットしていますが、前作があまりにも売れたので、それと比べてしまうとどうしてもバンドとしては満足出来ない結果となったようです。

後継のオルタナも新しい局面に立たせられるような時期でもあり。このバンドも新しい局面が欲しいところですが、このバンドはいろんなベリエーションを見せても、このバンドでしかないサウンドを確立させているので、大きな変化はありません。大分ロック的なポップさは許容されるようになっています。ジャズやメキシカンといった要素も取り入れる積極性も見せながら、病んだ感じは失われていません。このバンドの特徴である、イントロがやたら長くて、インストかと思っていたら半分を過ぎた頃にやっと歌が出てくドラマティックな展開も定着してきました。

Want

Club America

This Is A Lie
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[20120228]

WishWish
(1992/04/21)
Cure

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92年の作品で、絶大な人気を得た彼らが頂点に達した作品です。アルバムが全米2位、ヨーロッパでも1位を獲得し、名実共にトップバンドに君臨しました。ロックの裏街道を歩んできた彼らの時代がきたのです。時はオルタナの時代であり、時代がやっと彼らに追いついてきたのです。90年代は申し合わせたようにダウナーな曲が支持を集めるようになりますが、その先駆けである彼らの作品は見事に時代の頂点に立ったのです。

1. Open
2. High
3. Apart
4. From The Edge Of The Deep Green Sea
5. Wendy Time
6. Doing The Unstuck
7. Friday I'm In Love
8. Trust
9. A Letter To Elise
10. Cut
11. To Wish Impossible Things
12. End

全体的にトータルアルバムのような雰囲気があります。曲名も一言で終わっているものが多く、一つの言葉の中に多くの意味を持たせる効果になっています。全体的に前作のようなダークな感じもありますが、前作ほど美しくはなく、カラフルになっていますが、CUREというバンドの進化した形であり、暗い曲ほど受ける時代だったので、彼らは自然にしているだけでカリスマでした。

Friday I'm in Love、High、A Letter to Eliseがシングルカットされ、どれもがトップヒットの好セールスとなりました。80年代は異端な扱いだったものが主役となったのです。彼らを聴いて育った若者がバンドを始め、シーンを創りだして言った事が追い風となりました。内容も申し分無いのですが、売れる音楽かというと疑問ですが、これが売れるのですから、時代は大きく変わりました。逆に病んだ若者にとっては、明るい曲の方が違和感を覚えるようになったのです。時代を反映させた名盤です。

Open

High

Apart
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[20120227]

DisintegrationDisintegration
(1989/05/02)
Cure

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89年の作品で、CUREの最高傑作アルバムです。前作までは外に向けたポップ性もありましたが、それで成功していたので、その路線を貫くのかと思わせておいて、この内省的を創りだしました。これまでの路線違う作品なだけにレコード会社はリリースを渋りましたが、このアルバムはこれまで以上の売り上げを出しました。前作で確実に世界的なバンドになり、人気も着実につけていたので、こうした内省的な作品を出してもファンはついて来れたのです。それどころか、これこそがCUREだと歓迎されたのです。

1. Plainsong
2. Pictures Of You
3. Closedown
4. Love Song
5. Last Dance
6. Lullaby
7. Fascination Street
8. Prayers For Rain
9. The Same Deep Water As You
10. Disintegration
11. Homesick
12. Untitled

内省的と言っても、初期の頃のように救いを見いだせないような絶望感とは違い、美しく、儚く、きめ細やかでデリケートな世界が広がっています。絶望する事さえ意味をなさないような美しさがあるのです。今回はRobert Smithだけで曲を作らず、バンドで曲を生み出しているので、バンドとして進化した姿を見せています。前作までのポップ性も、この作品を生み出す為には無駄にはなっておらず、ポップな手法もこなした上でのバンドらしさを表現しています。

Lullaby、Fascination Street、Lovesong、Pictures of Youがシングルヒットしていて、レコード会社も売れるか心配していながら、ちゃっかりPVをこさえてヒットを飛ばしています。この作品で絶大な人気を獲得し、後のレディオヘッドなどのダウナー系バンドへの影響を残しています。やるせないような初期の頃とは違って、優しさと余裕が感じられます。ファンが求めていたサウンドと彼らの進化した音が見事にシンクロした名盤です。

Plainsong

Pictures Of You

Closedown
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[20120226]

Kiss Me Kiss Me Kiss MeKiss Me Kiss Me Kiss Me
(2006/08/08)
Cure

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87年のヒット作品で、アナログ盤では2枚組の大容量でしたが、その容量の中でも飽きさせる事無くバラエティー豊かな内容で、一気に聴き通す事が出来る作品です。Bob ClearmountainがJust Like Heavenだけミキシングを手がけています。バンドとしてのアヴァンギャルド性は更に強烈に進化させながら、ポップな様式でもしっかり自分達のカラーを出しており、ポップになり始めたCUREのサウンドが確立された作品になっています。

1. The Kiss
2. Catch
3. If Only Tonight We Could Sleep
4. Why Can't I Be You?
5. How Beautiful You Are...
6. Snakepit
7. Hey You!
8. Just Like Heaven
9. All I Want
10. Hot Hot Hot!!!
11. One More Time
12. Like Cockatoos
13. Icing Sugar
14. The Perfect Girl
15. A Thousand Hours
16. Shiver And Shake
17. Fight

Just Like Heaven、Why Can't I Be You?、Hot Hot Hot!!がシングルヒットし、アルバムも2枚組ながら大ヒットとなりました。世界的な人気を手に入れ、病んでいたヨーロッパの若者以外にも彼らの音楽の中毒になるファンが増えたのです。しかも、産業ロック、ショービジネスのメッカ、アメリカでもファンが増えていきます。アメリカの若者も病んでいたのです。それはやがてニルヴァーナなどのオルタナバンドを生み出していきます。アメリカからニルヴァーナのようなバンドが出てきたのは不思議でしたが、このバンドが影響を撒き散らかしていた事を考えると理解出来ます。

Robert Smithはまるでマークボランのようなコークスクリュービブラートで歌ったりしており、グラムロック感も感じるのですが、サウンドはサイケデリックな浮遊感を持っており、素直にポップしていないところが彼ららしいです。彼らの総決算的な内容でもあり、この作品だけでTHE CUREを満喫出来ます。Hey Youなどではホーンセクションをつけてポップフォーマットな曲をやっています。普通のロックファンでも、このアルバムなら好きになれる事でしょう。それでもまぎれも無くTHE CUREの世界であり、確実に外に放たれた名盤であります。

The Kiss

Catch

If Only Tonight We Could Sleep
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[20120226]

Head on the DoorHead on the Door
(2006/08/15)
Cure

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85年の作品で、ベースのSimon Gallupが復帰して、ドラムはBoris Williamsになり、ギターがPorl Thompson、キーボードがLol Tolhurstで、Robert Smithの5人組になりますが、前作で苦しみながらもRobert Smithのカラーを前面に出したスタイルを押し進めて、更にポップでカラフルになっていきます。前作のThe Caterpillarでもやっていたスパニッシュとカリプソをミックスしたようなアコースティックアヴァンギャルドポップもレパートリーとしてものにしています。

1. In Between Days
2. Kyoto Song
3. The Blood
4. Six Different Ways
5. Push
6. The Baby Screams
7. Close To Me
8. A Night Like This
9. Screw
10. Sinking

これまでの絶望的なダークなサウンドが嘘なくらい明るくて希望に満ちあふれた曲もあります。ですからシングルヒットも多く、In Between Days、Close to Me、In Between Days、Close to MeがMTVでも人気で売れました。Kyoto Songはヘンテコリンエキゾチックなアレンジになっていたり、多少のユーモアもやる余裕が出ています。かなりバラエティーに富んでいて、ファンクっぽい曲もあったりと、媚を売りだしたのかと思えるくらい変わっていますが、こびを売っているにしては、まだまだ暗い病的な感じは残っています。これが無くなってしまったらもうCUREでは無くなってしまうので、生命線です。

シングルヒットのおかげもあり、アルバムもかなり売れました。インディーズ系なバンドでしたが、メジャーでも成功することになりました。暗い曲を作るのは結構難しいのですが、暗い曲を創れる人にとっては明るい曲を創れば、これだけアイデアに溢れているのがよく分かります。それでもどこか陰はあります。全曲Robert Smithが書いていて、Robert Smith自体はポップなセンスを持っていた事になります。入門編としてはうってつけです。ですが内容も濃い名盤です。

In Between Days

Kyoto Song

The Blood
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[20120226]

TopTop
(2006/08/15)
Cure

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84年の作品で、バンド内でのいざこざもあり、Simon Gallupが脱退して、バンドとしては一時活動停止していました。Robert Smithはスージー・アンド・ザ・バンシーズにも参加して、バンドを掛け持ちしていましたが、体調を崩した事もあり、結局Robert Smithは自分のバンドであるCUREを選択しました。しかし、バンドはバラバラな状態であり、この時のメンバーはボーカルのRobert Smith、ドラムがAndy Anderson、ベースがPhil Thornalley、他にサックスでPorl Thompson、Lol Tolhurstはいろんな楽器を扱っています。

1. Shake Dog Shake
2. Birdmad Girl
3. Wailing Wall
4. Give Me It
5. Dressing Up
6. The Caterpiller
7. Piggy In The Mirror
8. The Empty World
9. Bananafishbones
10. The Top

The Caterpillarがシングルヒットして、MTVでもRobert Smithのツンツンヘアーに白塗りに妖しいメーキャップが異様な動きで登場してきました。これが後のゴスなどの原型と言って良いでしょう。サウンド的にはサイケデリックであり、グラムロックな感じもするもので、それでありながら暗黒世界から響いてくるようなロックでした。バンドを一人で立て直そうとするRobert Smithが一人で頑張っているので、彼一人のカラーが全面に出た作品になっているのですが、これがこの後のCUREのスタイルになっていきます。

デビュー当時は普通の青年のようだったRobert Smithは、ビジュアル系のカリスマのようになり、ゴスファッションなどにも影響を与えるようになります。徐々に太っていき、存在そのものがドラえもんのようなキャラクター化していくのも面白いのですが、まだこの時は端正な感じでいます。これまではギターノイズの陰に隠れていたキーボードもしっかり出てきていて、かなりポップになっています。ポップと言っても暗いですが、それでも絶望感は無くなっています。どこかに救いがあるのです。歌の旋律も明確になってきています。なので入り易い作品かも知れません。名盤です。

Shake Dog Shake

Birdmad Girl

Wailing Wall
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[20120226]

PornographyPornography
(2005/09/01)
Cure

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82年の作品で、日本でもやっとこのアルバムから正式にリリースされるようになりました。内容はダークではありますが、これまでほどの絶望感は無くなり、内向性から外向性を持った作品になっています。その為か、売り上げも上がり、世界的に知られるようになっていきます。トリオ編成ですが、メンバー全員がキーボードを担当するなど、サウンドメイキングもカラフルになっています。

1. One Hundred Years
2. A Short Term Effect
3. Hanging Garden
4. Siamese Twins
5. Figurehead
6. Strange Day
7. Cold
8. Pornography

彼らの特徴として、特殊なコード進行があります。基本から外れた不協和音な響きをあえて選んだコード進行が深い闇を生み出しているのです。そして微妙に外しながら歌うRobert Smithのボーカルこそがこのバンドの魅力と言えるでしょう。ヘタウマでもなく、パンク以降のわざと外した感のある歌い方が当時は新しかったのです。これまでのコード進行になかった独創的なコード進行も新しかったですね。ポストパンクの時代は、こうした新しい感覚を身につけるに必死でした。それまでコピーしていたハードロックとは全く違うアプローチは何を生み出すのかも分からないまま必死で吸収しようとしていました。

日本にはまずいないタイプのバンドであり、後のビジュアル系にも影響を与えていますが、こんなに暗いサウンドを演奏出来るバンドはほとんどいませんでした。それだけでこのバンドが特別な存在だと言う認識がありました。海外では売れていると言っても日本ではまだ現実味が無かったのです。このバンドが評価されるようになるのは90年代に入ってからではないでしょうか。こんなバンドが増える何て想像出来ませんでしたが、90年代に出てきたバンドはあらかたCUREの影響を受けていたのです。そのきっかけともなった初期の名盤です。

One Hundred Years

A Short Term Effect

Hanging Garden
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[20120225]

FaithFaith
(1990/10/25)
Cure

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81年の作品で、より絶望的でダークな世界観が創られています。メンバーは再び三人になって、Robert Smithがボーカルの他にギター、キーボード、ベースを担当しています。Simon Gallupのベース、Lol Tolhurstのドラムだけですので、どうしてもベースが曲の根幹をなしていて目立っています。ギターは浮遊感があって、後のU2やエコバニのようなバンドのスタイルの元になっています。

1. The Holy Hour
2. Primary
3. Other Voices
4. All Cats Are Grey
5. The Funeral Party
6. Doubt
7. The Drowning Man
8. Faith

プロデュースはバンドの他にMike Hedgesが担当しています。イギリスではPrimaryがシングルヒットして、日本ではまだまだ知る人ぞ知るバンドでした。リズムはこれまでのようなテクノビートから、複雑なビートも取り入れるようになり、バンド独自の世界観が徐々に固まってきています。一般的にはまだまだ暗い音楽はバカにされていた時代でしたが、特にイギリスなどのヨーロッパでは明るい方が虚構であり、現実には暗い日常と向かい合っている人が多くいましたので、こういう音楽は社会的にも浸透していきます。

しかし、幸せな人間がこんな音楽を創ろうと思っていたら、相当苦労します。どんなにマイナーなコードを使っても暗い曲を創るのは簡単な事ではありません。選ばれた人間のみがこの暗い世界観を創りだせるのです。又、こんな音が売れるとはレコード会社も思っていませんが、パンク以降はそういう概念が崩れていたので、こういうバンドが出てきたのです。音楽は夢や希望を与えるだけではないのです。絶望と向き合う勇気も時には必要なのです。

The Holy Hour

Primary

Other Voices
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[20120225]

Seventeen SecondsSeventeen Seconds
(2006/04/04)
Cure

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80年のセカンドアルバムです。ここで早くもメンバーチェンジが行われて、ギターとボーカルのRobert Smith、キーボードのMatthieu Hartley、ドラムのLol Tolhurst、ベースのSimon Gallupというラインナップになります。プロデュースも自分達でやるようになり、よりシンプルでダークなサウンドを追求するようになっていきます。この頃からやっとイギリスのシーンの中でも注目されるようになっていきますが、世界的にはまだまだ無名に近い感じでした。

1. Reflection
2. Play for Today
3. Secrets
4. In Your House
5. Three
6. Final Sound
7. Forest
8. M
9. At Night
10. Seventeen Sounds

彼らがおそらく参考にしていたサウンドと言うのは、当時のjoy divisionのような、テクノ的なミニマルなリズムパターンの淡々としたビートで、ダウナーなくらい雰囲気だったと思われます。ダウナー、つまり鬱である事をカミングアウトするミュージシャンが続出する90年代の先駆けとなっています。joy divisionはマジで鬱だったので破滅的な終焉を迎えますが、The Cureは健全なまでにこのスタイルを維持していきます。シンプルでありながらも練り込まれたアレンジは絶望的なくらいに暗いです。

本来、80年代のきらびやかポップスが売れていた時代に、こんなに暗いサウンドは売れないはずなのですが、派手なくらいにまぶしい世界の裏側では、確実に病んでいる人達が増えていましたので、このダウナーな世界は、そうした人達によって支えられていきます。そして、この世界が市民権を得ていくのが90年代になるのですが、そのきっかけを作ったのがjoy divisionとThe Cureでした。決して表舞台では騒がれませんが、着実なニーズを増やしていきます。カルトやゴスといったバンドの元祖です。

Reflection

Play for Today

Secrets
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[20120225]

Three Imaginary BoysThree Imaginary Boys
(2006/03/28)
Cure

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キュアーは79年デビューのバンドで、ポストパンクバンドなのですが、ニューウェイヴバンドと言う形容の仕方も似合わず、様々な進化をしていきます。深いメーキャップをしてニューロマンティックと言われてもおかしくなかったのですが、サウンドが全く違うので、ただポストパンクと呼ばれていましたが、後のゴシックやオルタナのスタイルを既に持っていました。私的にはネオグラムというイメージで捉えていました。

1. 10:15 Saturday Night
2. Accuracy
3. Grinding Halt
4. Another Day
5. Object
6. Subway Song
7. Foxy Lady
8. Meathook
9. So What
10. Fire In Chairo
11. It's Not You
12. Three Imaginary Boys
13. Weedy Burton

このファーストアルバムでは、まだバンドとしてのスタイルは確立されていませんので、とてもラフな感じですが、既にその妖しさは生まれています。この時点でのメンバーは三人で、ボーカルのRobert Smith、ベースのMichael Dempsey、ドラムのLaurence Tolhurstです。ギターは後にオリジナルメンバーに加わるPorl Thompsonが担当しています。サウンド的にはスージー・アンド・ザ・バンシーズの影響を受けていると思います。

このアルバムを出した時点では全く話題にもなっておらず、最初は売れないバンドでしたが、後にカリスマ的なバンドに成長していきます。おそらくカリスマと言う言葉も、このバンドあたりからよく使われるようになったように思います。スリーピースバンドではありますのが、ギターが含まれているので、実質は四人組バンドでの音になっているのですが、さほど装飾も無いサウンドでありながら、刃物のような鋭さを持っています。しかし、まだ研ぎすまされていない刃物です。

10:15 Saturday Night

Accuracy

Grinding Hal
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[20120225]

TrafficTraffic
(2008/04/29)
ABC

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2008年の作品で、前作で又解散していたので、11年ぶりの作品になっています。現在はこれが最新盤です。Martin Fryは常にいますが、今回はオリジナルメンバーのドラムのDavid Palmerが復活しています。久々の作品ですが、前作同様グラムロックなスタイルになっています。Martin Fryは基本グラムロックなのでしょう。前作以上にロック色が強くなっています。

1. Sixteen Seconds To Choose
2. The Very First Time
3. Ride
4. Love Is Strong
5. Caroline
6. Life Shapes You
7. One Way Traffic
8. Way Back When
9. Validation
10. Lose Yourself
11. Fugitives
12. Minus Love

グラムロックと言ってもロキシーミュージックやデヴィッドボウイのような妖しい感じのスタイルであり、ABCらしいダンサブルなおしゃれな感覚も失われていないので、艶かしくもありながら洗練されていて、70年代のグラムロックにはなかった感覚を持っているので、この時代でも十分に通用するものになっています。これが売れてくればこのスタイルを貫けると思いますが、なにぶん流行のサウンドではないので売れていません。

しかし、私はグラムロック大好き人間で、このブログのタイトルの淫美と言う表現もグラムロックからきているくらいなので、こういう作品をどんどん創って欲しいと思います。ロックは変態的で妖しい感じが健全だと思っているので、仲良しこよしのいいこちゃんロックはロックではないので、最近のバンドには何も魅力を感じません。たまに再結成して作品を出しているABCですが、これだけのポテンシャルを常に出しているのは高く評価されるべきです。決して力みがある訳でもなく、必要な音はしっかりおさえているあたり、見事な名盤だと思います。

Sixteen Seconds To Choose

The Very First Time

Ride
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[20120224]

SkyscrapingSkyscraping
(1998/06/30)
ABC

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SkyscrapingSkyscraping
(1998/06/30)
ABC

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97年の作品で、前作からは6年ぶりのアルバムとなりました。解散と再結成を繰り返しながらも、忘れた頃に作品をリリースしています。これまでのようなダンスチューンから一変して、普通にポップでロックよりな作品になっています。テクノ的な方向性から、グラムロックな感じもします。Light Yearsなどはまるでロキシーミュージックです。本来やりたかった音楽に戻っているのしょう。

1. Stranger Things
2. Ask A Thousand Times
3. Skyscraping
4. Who Can I Turn To?
5. Rolling Sevens
6. Only The Best Will Do
7. Love Is Its Own Reward
8. Light Years
9. Seven Day Weekend
10. Heaven Knows
11. Faraway

音楽的には面白くなっているのですが、アルバムをリリースしても話題にもならなくなっていました。時代としてはブレイクビーツからドラムンベース、2ステップなど、昔の彼らなら飛びついていたであろうスタイルには進んでいません。まるで時代に反するようにグラムロックになっています。ブリットポップの時代はありましたが、グラムロックに先祖帰りするとは誰も思っていなかったので、意外なくらいに新鮮な作品になっています。サウンドは勿論90年代ならではのものであり、90年代のグラムロックになっています。

ニューロマンティック自体ネオグラムロックムーヴメントでありましたので、彼らがこんなスタイルをやると嬉しくなりますし、私好みのサウンドでありますので、このアルバムはこれまでの作品の中でも一番の出来映えだと思いますし、名盤です。ABCと言うバンドでは異色の内容ですが、これまでの作品の中でもずば抜けて楽しめます。こういう音楽は大歓迎です。しかも、古くささを全く感じさせません。新しいグラムロックです。

Stranger Things

Skyscraping

Light Years

[20120223]

AbracadabraAbracadabra
(1991/01/01)
ABC

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AbracadabraAbracadabra
(1991/10/01)
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91年の作品で、完全にネオアコやハウスの世界になっており、ダンスチューンとしてはかなり高いレベルの作品に仕上がっています。モータウンからニューソウルへ、そしてブラコン風にエレクトロニクスを加えた感じになっていて、とてもおしゃれな音楽だと思います。彼らもこの作風に自信を持っているようで、これまで以上に素晴らしい仕上がりになっています。

1. Love Conquers All
2. Unlock The Secrets Of Your Heart
3. Answered Prayer
4. Spellbound
5. Say It
6. Welcome To The Real World
7. Satori
8. All That Matters
9. This Must Be Magic
10. What's Good About Goodbye
11. Say It (Black Box Mix)

ファンもやっと彼らのこのスタイルに慣れてきたようで、昔ほどの騒がれ方はされなくなりましたが、このジャンルでは売れていきます。トランスのようなミニマル的なリズムパターンなど、しっかり90年代サウンドに馴染み始めています。しかし、歌ものをしっかり創ると言う点に置いては80年代を生き抜いてきた力量が光ります。グラウンドビートなど、様々なダンスミュージックが興ってきますが、その中でもかなり良く出来た作品だと思います。

何といっても曲が良いですから、曲の出来よりもリズムを重視する90年代サウンドの中では完成度が高いものだと思います。ただ、逆に歌がしっかりしていると古くさいと言うイメージも出来上がってくるので、曲が良くても支持されるかと言うと別問題になってしまいます。ABCはこれまでも解散してはすぐ再結成していたので、連続していたように感じますが、ここでも又解散して、今度はしばらく活動しない時期が長引きます。それでも素知らぬ顔で新作を出してくるので、把握しずらいバンドでもあります。

Love Conquers All

Unlock The Secrets Of Your Heart

Answered Prayer
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[20120222]

UpUp
(2005/11/15)
ABC

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UpUp
(2005/11/15)
ABC

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89年の作品で、Martin FryとMark Whiteの二人体制によるABCサウンドを更に押し進めて、MIXバージョンなども取り入れて、クラブ向きなダンスチューン揃いの作品になっています。ネオアコのようなソウルフルな曲をよりダンサブルなアレンジにして、曲も長めにしてクラブ向きな作品に仕上げています。もともと80年代特有のダンサブルなサウンドをやっていましたが、完全に踊らせる事を目的として制作されています。

1. Never More Than Now
2. The Real Thing
3. One Better World
4. Where Is The Heaven
5. The Greatest Love Of All
6. North
7. I'm In Love With YouPlay
8. Paper Thin (Album Version)
9. One Better World (Picker Park Mix)
10. One Better World (Percapella Mix)
11. The Real Thing (Frankie Knuckles Dub Mix)
12. The Greatest Love Of All (May Day Mix)
13. Paper Thin (1986 Demo)

The Real ThingとOne Better Worldが軽くヒットしたぐらいで、アルバムとしては徐々に売れなくなっていきます。この頃になると、ABCも過去のバンドのような扱いになっていきます。それでもダンスチューンばかりですが、作品としての水準はかなり高く、曲も良い曲を創っています。シンセポップとネオアコが融合したような作品であり、とてもおしゃれな内容になっています。

時代はハウスになっていますし、テクノやユーロビートがもてはやされ始める頃で、そうした時代に呼応しているのですが、以前ほどのヒットには及んでいません。四つ打ちのユーロビートのパターンが多く、そこにホワイトソウルな歌が心地良く浮かんでいます。ディスコブームから始まったダンスミュージックブームもヒップホップが市民権を得てから、更に加速していきます。モータウンからニューソウルな方向性に進んでいってハウスしています。

The Real Thing

Where Is The Heaven

North
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[20120221]

Alphabet CityAlphabet City
(1999/02/09)
ABC

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Alphabet CityAlphabet City
(2005/11/15)
ABC

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87年の作品で、Martin FryとMark Whiteの二人で創っていますが、共同プロデューサーにBernard Edwardsが加わっています。よりモータウン系の曲を80年代サウンドで再現しています。完全に自分達のサウンドと言うものを確固たるものにしています。ABCと言うバンドのイメージも固まって、一発屋にはならずに済んでいます。前作でも盛り返していましたが、より洗練されたサウンドを展開しています。

1. Avenue A
2. When Smokey Sings
3. The Night You Murdered Love
4. Think Again
5. Rage Then Regret
6. Ark-Angel
7. King Without A Crown
8. Bad Blood
9. Jealous Lover
10. One Day
11. Avenue Z
12. Minneapolis
13. When Smokey Sings(The Miami Mix)
14. The Night You Murdered Love(The Whole Story)
15. Chicago(Abridged)

シングルで大ヒットしたWhen Smokey Singsは勿論、スモーキーロビンソンを讃える歌であり、シルキーボイスと言われたスモーキーに敬意を表しながら、80年代ソウルの担い手としての自負を持った曲です。やはりほとんどのパートをサンプリングで創っていて、ゲストの多くはバックコーラスとオーケストラになっています。さすがにサウンプラーでオーケストラをリアルに再現するのは至難の技であり、ファーストアルバムのオープニングは奇跡のような代物です。それよりも生オーケストラのほうが手っ取り早いのです。

シンセベースを使ったテクノソウルミュージックが融合したようなサウンドはスタイルカウンシルが広めましたが、これこそが80年代ならではの音であり、ABCで聴けるサウンドはまぎれも無く80年代そのものと言って良いでしょう。本作も曲が良く、このちゃらいような80年代サウンドもセンスよく聴こえます。ミキシングが良いのだと思いますが、低温と中高音のメリハリとバランスが凄く良いと思います。

Avenue A/When Smokey Sings

The Night You Murdered Love

Rage Then Regret
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[20120220]

How to Be a ZillionaireHow to Be a Zillionaire
(2005/11/15)
ABC

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85年の作品で、メンバーはMartin FryとMark Whiteの二人だけになってしまいました。後はゲストミュージシャンとサンプラーで創られています。プロデュースもMartin FryとMark Whiteでやっています。セカンドアルバムはトレヴァーホーン色を無くそうとしていましたが、それでは売れないと判断したのか、ファーストアルバムのような作品に戻っています。やはりセカンドアルバムは残り物の曲で創っていたのか、きっちり曲を作れば売れる曲を創れています。

1. Fear Of The World
2. Be Near Me
3. Ocean Blue
4. 15 Storey Halo
5. A To Z
6. How To Be A Millionaire
7. Tower Of London
8. So Hip It Hurts
9. Between You And Me
10. How To Be A Trillionaire (Harajuku Mix) (Fry-White) (Bonus Track)
11. What's Your Destination? (Bonus Track)
12. Vanity Kills (US Remix) (Bonus Track)
13. Vanity Kills (Abigail's Party mix) (Bonus Track)
14. Ocean Blue (Single Mix) (Bonus Track)
15. Judy's Jewels (Bonus Track)
16. Fear Of The World (In Cinemascope) (Bonus Track)
17. Tower Of London (Instrumental) (Bonus Track)

Be Near MeやVanity Killsのようなシングルヒットを出して、やっとデビュー当時みたいに売れました。サンプラー使いまくり、トレヴァーホーンがやっていた頃に逆戻りです。やはりこの時代はこんな音でなければ売れないと判断したのでしょう。さすがにファースとアルバムのような統一感はありませんが、ファンが求めていた感じに戻りました。曲は良い曲を創れるので、後は飾り付けだけです。メンバーがいなくなった事もあって、サンプラーに頼りまくりなので、どうしてもこんな感じになってしまいます。

P.P. Arnold などのバックボーカルもつけてモータウンな感じが蘇っています。アレンジはいかにも80年代なきらびやかなサウンドです。ギミックな感じも大事な要素だと言う事で、オーバープロデュースだったファーストアルバムのサウンドを開き直って自分達の音楽だと肯定出来たようです。それこそがファンが求めていたサウンドだったので、すべからくヒットチャートに戻ってきました。ここはフランキーとは違うところですが、ファッション的にはニューロマンティックとは言いがたいですが、ビジュアル系と言う意味ではニューロマンティックなのでしょう。

Fear Of The World

Be Near Me

Ocean Blue
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[20120219]

Beauty StabBeauty Stab
(2005/12/20)
ABC

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83年のセカンドアルバムです。ファーストはトレヴァーホーンのプロデュースで売れましたが、トレヴァーカラーが強く出ていたので、その反動でバンドとしてやれる音楽を追究するようになっていきます。フランキーの二の舞になりそうです。前作のようなサウンドの曲もありますが、バンドサウンドで創っているので、ギターが前面に出ていたりしています。その為か、一気に売れなくなってしまいました。一発屋のようになりそうでしたが、何とかもちこたえようとします。

1. That Was Then But This Is Now
2. Love's A Dangerous Language
3. If I Ever Thought You'd Be Lonely
4. The Power Of Persuasion
5. Beauty Stab
6. By Default By Design
7. Hey Citizen!
8. King Money
9. Bite The Hand
10. Unzip
11. S.O.S.
12. United Kingdom
13. Vertigo

トレヴァー色を無くそうとしているのにも関わらず、デジタルリバーブをたっぷりかけたり、、オーケストラを使ったりと、ファーストに近い曲もありますが、サンプリングによるめくるめくようなアレンジは無くなっています。基本的な曲の作り方は変わっていないのですが、一気に地味な感じになってしまったので、売り上げは一気に落ちてしまいます。ソウルフルな曲が中心ではありますが、それだけではないところが、バンドメンバーのそれぞれの趣向が出ていると思います。

やはりフランキーのリバプールを思い浮かべてしまいますが、バンドとしてやっても悪くないのですが、トレヴァーの派手ながらも巧妙に作られたサウンドで喜んでいたので、やはり物足りなさはあります。もしかするとファーストでは採用されなかった曲をやっているのかもしれません。ですからシングル向きな曲は少なくなっています。ファーストが売れ過ぎていただけに、セカンドアルバムは時間をかけて作るべきだったと思いますが、すぐにリリースしたのは、残り物だった事が考えられます。バンドとしては気に入っていた曲も多かったのでしょう。

That Was Then But This Is Now

Love's A Dangerous Language

The Power Of Persuasion
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[20120219]

Lexicon of LoveLexicon of Love
(2002/02/05)
ABC

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82年にデビューしたABCです。このファーストアルバムで時の人Trevor Hornプロデュースという大きなバックアップを持って、最初から大ヒットしました。サウンド的にはカルチャークラブと同じで、モータウンへの敬愛の念が深い作品ばかりで、それをTrevor Hornが手を加えているので、やたらとデジタルリバーブが深くかかっているのが鼻につきますが、それでポップアルバムとして大ヒットしたのですから、オーバープロデュースも目をつむった方がいいのかもしれません。

1. Show Me
2. Poison Arrow
3. Many Happy Returns
4. Tears Are Not Enough
5. Valentine's Day
6. The Look Of Love (Part One)
7. Date Stamp
8. All Of My Heart
9. 4 Ever 2 Gether
10. The Look Of Love (Part Four)
11. Theme From 'Mantrap'

いきなり壮大なオーケストラで始まるShow Meですが、オーケストラのクレジットはありませんので、この音はサンプリングだけで創っているようです。現在の環境でもここまでリアルなオーケストラサウンドでオリジナル曲を演奏すると言うのは至難の技です。勿論これはプログラマーの力量によるものですが、バックにはアートオブノイズのAnne DudleyとJ. J. Jeczalikが関わっています。この二人がいなければTrevor Hornマジックも始まらないのです。シングルとしてはPoison Arrow、Tears Are Not Enough、All of My Heart、The Look of Loveが大ヒット島四tあ。日本ではCMに使われたValentine's Dayもシングルカットされています。

メンバーはモータウン大好きなボーカルのMartin Fry、ドラムのDavid Palmer、サックスのStephen Singleton、ギター、キーボードのMark Whiteの四人組ですが、メンバーは流動的に変わっていきます。繊細な生楽器を再現したサンプリグサウンドに、いかにもサンプリングですよと言わんばかりの派手なサウンドなど、縦横無尽にTrevor Hornマジックが炸裂しています。スパンドーバレーに感じは似ていますが、この頃はまだスパンドーバレーはシンセポップしていたので、モータウンサウンドと言う事では彼らの影響があったと思います。デジタルリバーブがかけ過ぎなの以外は見事な名盤です。

Show Me

Poison Arrow

Many Happy Returns
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[20120219]

Don\'t Mind If I DoDon\'t Mind If I Do
(1999/10/22)
Culture Club

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99年に再結成をした時のアルバムです。Boy Georgeはソロとして頑張ろうとしていましたが、あまりかんばしくなく、ついにCulture Clubを再結成させます。当時は話題にはなりました、音楽的にもいい出来ですが、昔のようなヒットには繋がらず、この1枚だけの再結成となりました。意外にもCDサイズで創られたアルバムはこのアルバムだけになっています。昔はまだビニール盤サイズの収録曲でした。ですから曲数の多さにびっくりしてしまいます。

1. I Just Wann Be Loved
2. Sign Language
3. Your Kisses Are Charity
4. Strange Voodoo
5. Confidence Trick
6. Cold Shoulder
7. Mirror
8. Weep For The Child
9. Truth Behind Her Smile
10. Starman
11. Maybe I'm A Fool
12. Black Comedy
13. See Thru
14. Fat Cat
15. Less Than Perfect

オネエ系も若い頃は良くても年を取ってくればおっさんになるだけなので、流石のBoy Georgeも、どこから見ても男にしか見えません。曲は往年のように良い曲を創るセンスは晩つぐんであり、素晴らしい内容ですが、Boy Georgeの声はかすれていますし、声も男になっています。それでも曲が良いので許せます。オーケストラも大胆に取り入れたりと、音楽的にはかなり凝った作品になっています。アシッドなブレイクビーツなど、さすがにBoy Georgeはクラブで流行っている最先端な音を表現しています。

流行へのアンテナ、作曲のセンスは他に類を見ないくらいずば抜けていて、これまでの作品はどれも駄作がありません。そのため、このバンド名では、ここまでにした方が懸命でもあったでしょうが、それにしても、スキャンダルの為に、いい環境で仕事ができない状態は、この才能をつぶす事になるので、もったいないと思います。おっさんになったBoy Georgeは、あまり見たくありませんが、現時点でどんな音楽を創りだすのか興味があります。David BowieのStarmanをカバーする辺り、あの時代の人なんだなと言うのがよく分かります。CDサイズで曲数は多いですが、少しもたるむ事無く良い曲ばかり揃っています。これで声が全盛時代と同じなら名盤としたいところです。最高のソウルアルバムです。

I Just Wann Be Loved

Sign Language

Your Kisses Are Charity
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[20120219]

From Luxury to HeartacheFrom Luxury to Heartache
()
culture club

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86年の作品で、プロデューサーにArif Mardinを起用して、再びキャッチーな曲創りで挽回を計りました。ヒットはしていますが、この後にBoy Georgeがドラッグ中毒が発覚してバンドは活動停止状態となる為に、すべからくメジャーシーンから話題も無くなっていきます。Boy Georgeはこの頃からショートカットにしているので、男なところが見え隠れするようになり、これまでは男だと分かっていても女のような格好で人気だったので、次第に世間から興味を無くされていきます。

1. Move Away
2. I Pray
3. Work On Me Baby
4. Gusto Blusto
5. Heaven's Children
6. God Thank You Woman
7. Reasons
8. Too Bad
9. Come Clean
10. Sexuality
11. Move Away (Extended)
12. God Thank You Woman (Extended)
13. Sexuality (Extended)

音楽的にはセカンドアルバムに匹敵するくらいの出来映えであり、Move Awayがシングルで大ヒットします。しかし続くGod Thank You Womanはそれほどでもなく、アルバムとしても伸び悩みます。ファッションなど、どうしてもキワモノ的な扱いだったので、彼らのようなファッションも当たり前になってくると飽きられてきます。それでもこのアルバムの内容は素晴らしいもので、さすがはArif Mardinといえる仕事をしています。曲もアダルトにはなりきらずにキャッチーなので、安心して聴いていられます。

これぞCulture Clubといえる曲ばかりで、それでいて新しい感じもあります。MTVも効果的に使って、ここから盛り返すのかとおもいきや、私生活でもアブノーマルなBoy Georgeのスキャンダルで活動出来なくなっていきます。彼にとっては当たり前な事でも、世間はそれを認めないからです。後に男性を監禁するなどの問題も起こしていますが、悪いイメージは人気を衰えさせていきます。しかし、私は音楽が素晴らしければ私生活で問題があってもしょうがないと言う考えなので、このアルバムはもっと再評価されるべきだと思います。教科書になっているクラシックの作曲家でもまともな私生活を送っていなかったので、ロックミュージシャンならなおさらです。

Move Away

I Pray

Work On Me Baby
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[20120218]

Waking Up With the House on FireWaking Up With the House on Fire
(2003/10/07)
Culture Club

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84年のサードアルバムです。これまでのような軽快な曲もありますが、音楽的には進化していて、ホワイトソウルなアダルトな感じのアレンジもあったり、バンドエイドに参加した後だけに戦争反対みたいな歌詞があったりと、これまでの作品に比べて少し重たい内容になっています。ベースもシンセベースになったり、ホーンセクションやバックボーカルを増やしてアレンジの重厚さを出しているので、曲創りも進化しているのですが、それだけ軽快さは後退しています。

1. Dangerous Man
2. The War Song
3. Unfortunate Thing
4. Crime Time
5. Mistake Number 3
6. The Dive
7. The Medal Song
8. Don't Talk About It
9. Mannequin
10. Hello Goodbye
11. La Cancion De Guerra
12. Love Is Love
13. The Dream
14. Don't Go Down That Street

日本語歌詞も出てくる戦争反対のThe War Song、The Medal Song、Mistake No. 3がシングルヒットしましたが、前作ほどの売り上げには至っていません。まだまだ人気はありましたが、この辺りから徐々に世間はBoy Georgeのキャラクターにも飽き始めていたように思います。曲の質は良くなっていますが、その分キャッチーさが無くなっているのです。少し真面目になり過ぎているとも言えます。バブルガムのようなポップさが受けていたので、真剣になりすぎるとトゥーマッチになってしまいます。

来日もしていて、ステージでは日本語で歌ってください、踊ってください、楽しんでくださいと言っていたのが印象的でした。シンガーになってもDJ的な気持ちで演奏していたのかと思ってしまいました。Boy Georgeの素晴らしい歌声を活かす為にも、もっと音楽的にし進化しても良いとは思いますが、あまりにもプロフェッショナルになりすぎるとヒットチャートから離れていってしまいます。そんな心配をしてしまうような予兆を感じてしまう作品です。でもここまでは売れていました。

Dangerous Man

The War Song

Unfortunate Thing
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[20120218]

Colour By NumbersColour By Numbers
(1992/06/29)
Culture Club

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83年のセカンドアルバムで、彼らの人気を決定づけた作品です。MTVでもお馴染みのシングルヒット曲を多数排出しており、全てがベスト10入りするヒットとなっています。作曲クレジットはバンド名であり、バンドで曲を作ると言う共産主義はドアーズやストラングラーズの影響でしょうか。よりモータウンのような軽快でポップな曲が増えています。Boy Georgeは見た目だけではなく、声も女性シンガーのようですので、よりポップさが増しています。

1. Karma Chameleon
2. It's A Miracle
3. Black Money
4. Changing Every Day
5. That's The Way (I'm Only Trying To Help You)
6. Church Of The Poison Mind
7. Miss Me Blind
8. Mister Man
9. Stormkeeper
10. Victims

Church of the Poison Mind、Karma Chameleon、Victims、It's a Miracle、Miss Me Blindと、彼らを代表するヒット曲が満載です。ファーストにあった荒削りな部分も洗練されて一番出来映えがいい作品になっていると思います。モータウンのキュートでキャッチーな良さを見事に再現していいますので、モータウンリバイバルのきっかけににもなっています。バンドとしての演奏も良くなっていますが、何よりもこのバンドの魅力はBoy George嬢のボーカルだと思います。これだけは変えがたいくらいの貴重なものです。

Boy Georgeは女性のようですが、よく見ると結構顔が大きいですし、スタイルも良くないと思います。ですから結構ダブダブの服を着てごまかしているファッションですが、これはこれでファンションリーダーとして流行らせています。ゲイとしても不格好でも美しく見せられると言う前例を作ったと思います。今でこそオネエ系はいっぱいいますが、そういう事が恥ずかしくない事だと言う勇気を与えられた存在だったと思います。社旗的にも影響力をもったバンドの代表的な名盤です。

Karma Chameleon

It's A Miracle

Black Money
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[20120218]

Kissing to Be CleverKissing to Be Clever
(2003/10/07)
Culture Club

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82年にデビューしたカルチャークラブはBoy Georgeを中心としたバンドです。Boy Georgeはニューロマンティック発祥の地であるクラブ・ビリーズに出入りしていて、後に自分もDJとして活動していましたが、彼を売り出す為にこのバンドが結成されました。他のニューロマンティックとは違って、シンセポップではなく、早くからモータウン色の強い曲や、レゲエ、ファンカラティーナのようなラテンのリズムなどを取り入れています。このスタイルがやがてニューロマンティックに間でも流行るようになっていきます。

1. White Boy (Dance Mix)
2. You Know I'm Not Crazy
3. I'll Tumble 4 Ya
4. Take Control
5. Love Twist
6. Boy-Boy-I'm The Boy
7. I'm Afraid Of Me (Remix)
8. White Boys Can't Control It
9. Do You Really Want To Hurt Me

見ても分かる通りゲイであるBoy Georgeや黒人がいたりと、無差別なメンバーが揃っている事でもユニークなバンドでした。メンバーはベースのMichael Craig、ギター、キーボードのRoy Hay、ドラムのJon MossとBoy Georgeの四人組です。このファーストから既にsynclavierという当時は最新の高価なワークステーションシンセを使用しています。シングルヒットしたのはDo You Really Want to Hurt Meを始め、I'll Tumble 4 Ya、I'm Afraid of Meなどで、これぞ80年代ポップスといえるような曲ばかりです。

歌詞の内容もアブノーマルな自分達と世間とのギャップを歌ったものが多く、ゲイが市民権を得ていく上で、大きな役割を果たしたとも言えます。奇抜なファッションもポップであり、曲もこのファーストでは結構まだ荒削りですが、ポップで親しみ易い曲が多く、他の仰々しいニューロマンティックバンドとは異なっています。ファッショナブルなニューロマンティックの新しいスタイルを提示してみせた、究極のファイナルウェポンでありました。

White Boy

You Know I'm Not Crazy

I'll Tumble 4 Ya

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[20120218]

Once MoreOnce More
(2009/10/27)
Spandau Ballet

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2009年に再結成した時のアルバムです。ビッグネームバンドの復活は金になるので、企画的に再結成するバンドが多いのですが、この再結成ももっともたるものになっています。新曲は3曲のみで、後は昔のヒット曲をセルフカバーしているだけの作品です。本当にもう一度バンドをやっていこうと言う試みではないのは確かです。新曲も含めてアコースティックなアレンジになっていて、既にダンスナンバーでもないような曲を作っています。

1. Once More
2. To Cut A Long Story Short
3. Gold
4. True
5. Chant No 1
6. I'll Fly For You
7. Only When You Leave
8. Through The Barricades
9. She Loved Like Diamond
10. Communication
11. Lifeline
12. With The Pride
13. Love Is All

昔のヒット曲もアコースティックなアレンジになっていたりと、新鮮な気持ちで聴けるのですが、全曲新曲にしないところがモチベーションの低さを物語っています。しかし、ファンとしては大喜びで、この後のツアーも大成功に終わっています。昔ファンだった人は当時よりも金を持っているので、惜しみなく金をつぎ込んでくれるから、こういった企画は瞬発的に金を稼げるのです。バンドが復活したと言うのとは少しニュアンスが違っています。

昔のヒット曲は名曲ばかりなので、ベストアルバムとしても楽しめます。楽曲が良いと言うのは基本ですから、アレンジが変わってもその存在感は変わりません。新曲も新しい手法を使っていますが、既に他のバンドがやっている事ばかりなので、新しいインスピレーションを奮い立たせるものでもなく、この後も再結成してから活動するのかも怪しいものです。一度だけのお祭りとしてはこれで良いと思います。

Once More

To Cut A Long Story Short

Gold
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[20120217]

Heart Like a SkyHeart Like a Sky
(2009/10/20)
Spandau Ballet

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89年の作品で、前作の延長線上にあり、彼らなりのA.O.R.作品になっています。デジタルシンセを多用した80年代ならではのアレンジになっています。完全に売れ線を狙っているようですが、誰も彼らに、こんな誰でもやるような音楽を求めていませんし、既にこの時期には古くさくなっている手法になっていますので、売れませんでしたし、話題にもなりませんでした。ほどなくしてこのバンドは解散と言う事になっていきます。

1. Be Free With Your Love
2. Crashed Into Love
3. Big Feeling
4. A Matter Of Time
5. Motivator
6. Raw
7. Empty Spaces
8. Windy Town
9. A Handful Of Dust

Gary Kempの才能だけでやってきたようなバンドですが、最後まで彼の作曲の才能が光っています。ライバルデュランデュランはこの時期にはハウスを取り入れるなど、新しい時代に適応しようと努力した事によって生きながらえていきますが、このバンドは新しい時代の流れには乗る前につぶれてしまいました。ソウルフルなタッチに初期の頃を思わせるラテンのリズムを混ぜるなど、このバンドの良さは十分に出ていますが、失った人気を取り戻すにはインパクトに欠けています。

曲の完成度でいったら前作の方が遥かに上です。ソウルフルな曲をやるならスクポリ辺りの手法を使えば少しは盛り返していたかもしれませんが、そこまでの柔軟性は持っていなかったようです。愚直なくらいに真面目な作品になっています。これまでは生のホーンセクションを使っていたのが、デジタルシンセで代用しているので、音も薄いです。ここがデジタルシンセの落とし穴で、音がいいからと言って多用すると薄っぺらな音圧になってしまうのです。それをいい気になって使っていたのが80年代の一番良くない事で、この落とし穴を回避した作品のみが今でも聞くに堪えうる作品となっています。

Be Free With Your Love

Crashed Into Love

Big Feeling
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[20120216]

Through the BarricadesThrough the Barricades
(2005/11/15)
Spandau Ballet

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86年の作品で、この頃からブームも去っていき、彼らの人気も後退していくのですが、音楽的には充実していきます。これまでのようなモータウンサウンドでも無くなり、80年代ポップスになっていますが、TOTOやBOSTONのようなA.O.R.、アメリカンプログレなサウンドに近い感じがしています。バラエティーに富んでいますが、Gary Kempの作曲の才能がより開花した作品と言えるでしょう。

1. Barricades
2. Cross The Line
3. Man In Chains
4. How Many Lies?
5. Virgin
6. Fight For Ourselves
7. Swept
8. Snakes And Lovers
9. Through The Barricades

これまでの彼らの特徴だったファンカラティーナのようなラテン系16ビートが無くなり、普通のポップスをやっているのですが、曲が良いので、これまでよりも質が向上しているように感じます。ただ、それを世間にアピール出来るような注目度は少なくなっているので、この作品の良さは、あまり世間には伝わっていません。ソウルミュージックが洗練されてきてA.O.R.になったように、彼らの音楽性も洗練されています。実に素晴らしい作品です。

特にタイトル曲のThrough The Barricadesはバラードとしても名曲です。バンドクルーのメンバーの死に対して捧げられている部分もあるようですが、Gary Kempの歌の魅力を伝えるのにふさわしい曲が創られています。ただ、こういうサウンドは当時は山ほどありましたので、その中に埋もれてしまったと思います。それでも、その中でも魅力的な輝きを持った作品なので、もっと高く評価されるべき名盤だと思います。普通になっていますが、前作ほど守りに入っていないので、その姿勢が作品に現れていると思います。

Through The Barricades

Cross The Line

Man In Chains
⇒ 続きを読む

[20120215]

ParadeParade
(2007/03/20)
Spandau Ballet

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84年の作品で、前作の成功で、続いてモータウン系のソウルフルな作品になっています。というより、80年代の典型的な作品であり、ファンカラティーナ辺りからの流れで、カッティングストロークの早いギターワークが特徴でもあり、後に出てくるシャーディー辺りのムーディーな感じもあって、とてもセンスのいい作品になっています。前作に比べるとインパクトに欠けますが、このスタイルをよりものにしています。

1. Only When You Leave
2. Highly Strung
3. I'll Fly For You
4. Nature Of The Beast
5. Revenge For Love
6. Always In The Back Of My Mind
7. With The Pride
8. Round And Round

Only When You Leaveがシングルカットされましたが、前作ほどのヒットにはなりませんでした。曲のまとまりはあるのですが、前作ではまだシンセポップやファンカラティーナのような流れから、しっかり創り込まれたアレンジが印象に残りましたが、このアルバムではまともなポップスになり過ぎて、あまり印象に残るような曲がありません。じっくり聴き込むタイプの作品だと思います。シンセよりもサックスソロを使ったりと、当たり前なアレンジになっているので、昔からのファンには物足りないと思います。

しかし、前作の成功があるので、このアルバムまでは売れました。売れた事により守りに入ってしまった事が良くない方向に行ったと思います。勿論、やりたい音楽を確立して、その路線を追求するのは良い事だと思いますが、このバンドはもっと破天荒な感じで出てきましたので、ここでも、もっと羽目を外してくれれば面白かったと思うのですが、まとまり過ぎてしまった作品だと思います。勿論それでも良い作品にはなっています。

Only When You Leave

Highly Strung

I'll Fly For You
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