87年のヒット作品で、アナログ盤では2枚組の大容量でしたが、その容量の中でも飽きさせる事無くバラエティー豊かな内容で、一気に聴き通す事が出来る作品です。Bob ClearmountainがJust Like Heavenだけミキシングを手がけています。バンドとしてのアヴァンギャルド性は更に強烈に進化させながら、ポップな様式でもしっかり自分達のカラーを出しており、ポップになり始めたCUREのサウンドが確立された作品になっています。
1. The Kiss 2. Catch 3. If Only Tonight We Could Sleep 4. Why Can't I Be You? 5. How Beautiful You Are... 6. Snakepit 7. Hey You! 8. Just Like Heaven 9. All I Want 10. Hot Hot Hot!!! 11. One More Time 12. Like Cockatoos 13. Icing Sugar 14. The Perfect Girl 15. A Thousand Hours 16. Shiver And Shake 17. Fight
Just Like Heaven、Why Can't I Be You?、Hot Hot Hot!!がシングルヒットし、アルバムも2枚組ながら大ヒットとなりました。世界的な人気を手に入れ、病んでいたヨーロッパの若者以外にも彼らの音楽の中毒になるファンが増えたのです。しかも、産業ロック、ショービジネスのメッカ、アメリカでもファンが増えていきます。アメリカの若者も病んでいたのです。それはやがてニルヴァーナなどのオルタナバンドを生み出していきます。アメリカからニルヴァーナのようなバンドが出てきたのは不思議でしたが、このバンドが影響を撒き散らかしていた事を考えると理解出来ます。
Robert Smithはまるでマークボランのようなコークスクリュービブラートで歌ったりしており、グラムロック感も感じるのですが、サウンドはサイケデリックな浮遊感を持っており、素直にポップしていないところが彼ららしいです。彼らの総決算的な内容でもあり、この作品だけでTHE CUREを満喫出来ます。Hey Youなどではホーンセクションをつけてポップフォーマットな曲をやっています。普通のロックファンでも、このアルバムなら好きになれる事でしょう。それでもまぎれも無くTHE CUREの世界であり、確実に外に放たれた名盤であります。
1. In Between Days 2. Kyoto Song 3. The Blood 4. Six Different Ways 5. Push 6. The Baby Screams 7. Close To Me 8. A Night Like This 9. Screw 10. Sinking
これまでの絶望的なダークなサウンドが嘘なくらい明るくて希望に満ちあふれた曲もあります。ですからシングルヒットも多く、In Between Days、Close to Me、In Between Days、Close to MeがMTVでも人気で売れました。Kyoto Songはヘンテコリンエキゾチックなアレンジになっていたり、多少のユーモアもやる余裕が出ています。かなりバラエティーに富んでいて、ファンクっぽい曲もあったりと、媚を売りだしたのかと思えるくらい変わっていますが、こびを売っているにしては、まだまだ暗い病的な感じは残っています。これが無くなってしまったらもうCUREでは無くなってしまうので、生命線です。
1. Shake Dog Shake 2. Birdmad Girl 3. Wailing Wall 4. Give Me It 5. Dressing Up 6. The Caterpiller 7. Piggy In The Mirror 8. The Empty World 9. Bananafishbones 10. The Top
The Caterpillarがシングルヒットして、MTVでもRobert Smithのツンツンヘアーに白塗りに妖しいメーキャップが異様な動きで登場してきました。これが後のゴスなどの原型と言って良いでしょう。サウンド的にはサイケデリックであり、グラムロックな感じもするもので、それでありながら暗黒世界から響いてくるようなロックでした。バンドを一人で立て直そうとするRobert Smithが一人で頑張っているので、彼一人のカラーが全面に出た作品になっているのですが、これがこの後のCUREのスタイルになっていきます。