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[20120430]

Squirrel & G-Man 24 Hour PartySquirrel & G-Man 24 Hour Party
(2000/04/03)
The Happy Mondays

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Squirrel & G-Man 24 Hour PartySquirrel & G-Man 24 Hour Party
(2000/04/03)
The Happy Mondays

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マンチェスターブームの火付け役となるHappy Mondaysの87年のデビュー作です。イギリスのマンチェスターから多くのバンドが続出する現象が起こり、道を歩けばバンドの勧誘ばかりだったと言う当時の熱狂ぶりは、日本のバンドブームと重なるのですが、このファーストアルバムでは、まだアンダーグラウンドなバンドと言う感じです。

1. Kuff Dam
2. Tart Tart
3. Enery
4. Russell
5. Olive Oil
6. Weekend S
7. Little Matchstick Owen
8. Oasis
9. 24 Hr Party People
10. Cob 20

プロデューサーがVelvet Undergroundのアヴァンギャルドな部分を担当してたJohn Caleですから、相当曲者なバンドである事が分かります。歌も経ヘタうまだし、かなり遅れてきたポストパンクな感じですが、マンチェスターとマッドと言う言葉をくっつけてブームはマッドチェスターと呼ばれていました。その元祖はNew Orderであり、直接的な影響を与えているのはStone Rosesと言えます。そしてこの流れはそのままブリットポップブームへとつがっていきます。

メンバーはボーカルのShaun Ryder、キーボードのPaul Davis、パーカッションのMark "Bez" Berry、ベースのPaul Ryder、ドラムのGary Whelan、ギターのMark "Cow" Dayの6人組です。エコバニのようなサイケな感じを薄めたようなサウンドで、まだ、どこに向かおうとしているのか見えていないような感じなので、デビュー当時は、それほど話題にはなりませんでした。しかし、イギリスの若者を突き動かすような何かを秘めていたバンドであり、後のマッドチェスターブームを巻き起こし、リパプールのようにマンチェスターと言うブランド銘を世界中に知らしめていきます。

Kuff Dam

Tart Tart

Enery
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[20120430]

Beautiful FutureBeautiful Future
(2008/07/29)
Primal Scream

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2008年の作品で、現在の最新作です。もはやこの時代に、いまさらテクノやエレクトロニカというのも新鮮味がありませんので、その辺の感覚がつかめてきたのでしょう。前作はロックンロールな作品でした。そして今回はロックバンドスタイルによるダンスミュージックになっています。テクノ無しでのダンスミュージックという、これまた新しい試みになっています。つまり、ポップなんです。これまでのパンキッシュな怒りは消え失せて、音楽を感じて楽しめという基本に戻った感じです。

1. Beautiful Future
2. Can't Go Back
3. Uptown
4. The Glory Of Love
5. Suicide Bomb
6. Zombie Man
7. Beautiful Summer
8. I Love To Hurt [You Love To Be Hurt]
9. Over & Over
10. Necro Hex Blues
11. The Glory Of Love

少したくましくなって、デビュー当時のギターポップバンドに戻った感じです。毒を吐き過ぎて窒息してしまいそうになったところで、これです。この見事な変化三昧こそがこのバンドの特色でもありますが、ここまで潔いと感動してしまいます。まさかデビュー当時の感じに戻るとは誰も予想出来なかった事でしょう。勿論あの中世的で弱々しかった感じはなくて、ここ最近でたくましくなったバンドの演奏でのこのポップさは斬新です。

ポップですから曲も良いのです。シンセもチープに使って、80年代サウンドにはならないように工夫しています。テクノにもアレンジ出来そうな曲ばかりなので、アイデア次第で、いかようにもアルバムを脚色出来る能力があるのだと思います。この辺のさじ加減で巧いと言うのも熟練となった証でしょう。まだまだ、いかようにも変化していけるだけの振り幅を持ったバンドだと思いますので、この後の新作も楽しみです。変化しなくなった音楽シーンをあざ笑うかのような名盤です。

Beautiful Future

Can't Go Back

Uptown
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[20120430]

Riot City BluesRiot City Blues
(2006/08/22)
Primal Scream

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2006年の作品で、Give Out But Don't Give Up以来のバンドスタイルによるサザンロックアルバムです。ストーンズをモチーフにしている彼らにとっては、やっぱりこのスタイルが一番カッコいいと思っている事でしょう。プロデュースはKilling JokeのYouthに依頼しています。ただ、Give Out But Don't Give Upの頃とは違っているのは、ここ最近攻撃的になっている演奏のままこのスタイルをやっているので、Give Out But Don't Give Upよりもロック色が強く出ています。

1. Country Girl
2. Nitty Gritty
3. Suicide Sally & Johnny Guitar
4. When The Bomb Drops
5. Little Death
6. The 99th Floor
7. We're Gonna Boogie
8. Dolls (Sweet Rock And Roll)
9. Hell's Comin' Down
10. Sometimes I Feel So Lonely
11. Stone Ya To The Bone
12. Gimme Some Truth
13. Suicide Sally & Johnny Guitar (Live At XFM)

ローリングストーンズの真似事では収まらずに、独自のロックンロールになっているのが大きなポイントであり、このバンドは元々ロックバンドなのだと言う事を再認識させてくれます。Dolls (Sweet Rock And Roll)なんて曲もありますので、ストーンズと言うよりもニューヨークドールズをモチーフにしているではないかとも勘ぐってしまいます。ニューヨークドールズはちょうどストーンズとパンクの間に位置するバンドなので、この辺りにヒントをえたのではないでしょうか。little deathだけは初期のピンクフロイドみたいです。

Alison Mosshartがバックコーラスに参加していたり、イギリスの人脈で創られたサザンロックになっています。いや、これは完全にパンクロックでしょう。このバンドにとって心地良いのは、もはやパンクロックなのでしょう。それをこの時期に新しいサウンドとして演奏する事に意義があると思います。メロコアなんてふざけたパンクもどきがはびこる時代に、本質的なパンクの復権を目指しているように感じます。中性的だったBobby Gillespieの歌も、ここ最近は怒りまくっています。名盤です。

Country Girl

Nitty Gritty

Suicide Sally & Johnny Guitar

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[20120430]

Evil HeatEvil Heat
(2002/11/26)
Primal Scream

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2002年の作品です。今回はハードテクノになっています。前作でのエレクトロニカとは又別の冷淡なシンセビートが淡々と流れ、時にはヒステリックにサウンドコラージュされたシンセ音は前作での攻撃性とは違った刺激をもっています。プロデューサーはAndrew Weatherall、Keith Tenniswood、Kevin Shields、Jagz Koonerになっています。昔のバウハウスのようなダークテクノな感じもあります。単なるテクノとは違うサイケデリアこそがこのバンドの真骨頂です。

1. Deep Hit Of Morning Sun
2. Miss Lucifer
3. Autobahn 66
4. Detroit
5. Rise
6. The Lord Is My Shotgun
7. City
8. Some Velvet Morning
9. Skull X
10. A Scanner Darkly
11. Space Blues Number 2

2000年にBomb the Pentagonと叫んだ事が現実となった後の作品だけに、意味深な作品になっています。勿論攻撃した方も、攻撃を受けた方も、どちらかを擁護している訳ではなく、そうした憎しみを生んだ人間の業を哀れんでいるものだと思いたいです。かなりパンキッシュなリズムなど、70年代のテクノやパンクの創世記の頃を思い出させるような勢いで、最新のテクノサウンドを操っています。

イギーポップのストゥージス辺りのパンクの初期衝動に立ち返った精神性を21世紀に落ち込んだ、本来イギリスのテクノ勢が進むべき道へ立ち返っているのだと思います。ポップグループのアヴァンギャルドさなど、商業ロックにうつつを抜かして忘れてしまっていた衝動を思い出させます。これはもはやサイケデリックのような逝ってしまう音楽ではなく、覚醒の音楽だと思います。恐るべき名盤です。

Deep Hit Of Morning Sun

Miss Lucifer

Autobahn 66
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[20120429]

XtrmntrXtrmntr
(2000/05/02)
Primal Scream

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2000年のアルバムで、これまでになかったくらいアグレッシヴな作品になっています。プロデューサーは Brendan Lynchを始め、Adrian Maxwell Sherwood、Jagz Kooner、David Holmes、Hugo Nicolson、The Chemical Brothers、Kevin Shields、Tim Holmesと複数起用して、エレクトロニカな部分では、これまで消化不良なところがありましたが、ここではとことんエレクトロニカしています。90年代にこんなサウンドであってよかったと思いますが、ここにきてやっとアグレッシヴなブレイクビーツを展開しています。

1. Kill All Hippies
2. Accelerator
3. Exterminator
4. Swastika Eyes
5. Pills
6. Blood Money
7. Keep Your Dreams
8. Insect Royalty
9. MBV Arkestra (If They Move Kill 'Em)
10. Swastika Eyes (Chemical Brother's Remix)
11. Shoot Speed/Kill Light

これまでは、あくまでもバンドサウンドにこだわっていたところがありましたが、ここではライブでの再現など無視したように徹底的にテクノしています。勿論ライブではそれなりな演奏をしています。先行シングルSwastika Eyesで、ある程度の音の予想は出来ていたので、それほど衝撃はありませんでしたが、本来ならこんなアルバムの方が衝撃的になるはずですが、昔のScreamadelicaの方が、まだ時代も成熟していなかったので衝撃的でした。2000年では、もはや新しいとは言えないサウンドですが、このバンドとしては新しい試みになっています。

アシッドでサイケデリックという事は一貫していますが、毎回表現方法が違っているのがこのバンドの特徴です。歌詞もかなり過激になっていて、これまでの中性的なイメージから男性的な攻撃性を持った作品になっています。フィルターサウンドも全開で、どこかスパイ映画やアクション映画のサントラのような要素があるのはプロペラヘッドの影響でしょうか。前作以上に疾走感もあります。ジャケットからすると、車からジェット機に変化したサウンドと言う事になるのでしょうか。名盤です。

Kill All Hippies

Accelerator

Exterminator
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[20120429]

Vanishing PointVanishing Point
(1997/07/09)
Primal Scream

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97年の作品で、時代はエレクトロニカがどんどん進化していって、前作で横道にそれた彼らも、ここではしっかりとエレクトロニカを取り入れたデジタルロックに戻っています。アルバムタイトルは70年代の車を盗む映画のタイトルであり、その映画からサンプリングした音源で曲を創ったりしています。今回のプロデューサーはBrendan Lynch、Andrew Weatherallを起用しており、作品ごとにプロデューサーを変えて、サウンドも変えていく彼ららしい作品になっています。

1. Burning Wheel
2. Get Duffy
3. Kowalski
4. Star
5. If They Move, Kill 'Em
6. Out of the Void
7. Stuka
8. Medication
9. Motorhead
10. Trainspotting
11. Long Life
12. Jesus

サイケデリックな雰囲気も復活して、サウンドは意外性はなく、思ったようなサウンドが思ったような感じでちりばめられており、アルバムタイトルから連想されるような疾走感もあり、期待通りの音をあからさまに並べたような確信犯的な創りになっています。逆にその素直さが意表をついています。まるで映画のサントラのような所もあり、実際にTrainspottingは映画でも使われている曲です。

ビッグビートやブレイクビーツっぽい曲もありますが、基本的にはダブを進化させたアシッドなサウンドです。当時の流行っていたサウンドと少しレトロなリズムボックスを使った曲が共存しており、当時のサウンドとしては新しさはなかったのですが、Screamadelicaの次はこれだろうと思えるようなサウンドになっていますので、ファンとしては痛快な思いで聴けると思います。意外なほどに期待を外さない名盤です。

Burning Wheel

Get Duffy

Kowalski
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[20120429]

Give Out But Don\'t Give UpGive Out But Don\'t Give Up
(2008/08/26)
Primal Scream

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94年の作品で、前作での大成功に安住する事なく、作品ごとに違うテーマを持って製作されていきます。今回はテネシー州メンフィスまで赴きレコーディングした、ルーツミュージックというか、ストーンズのカントリーロック的な部分を掘り下げるような作品になっています。プロデューサーはTom Dowdの他にDavid Bianco,、George Clinton、George Drakouliasと、ジャケットの南部的な旗のようにファンクなどやサザンロックがテーマになっています。

1. Jailbird
2. Rocks
3. (I'm gonna) cry myself blind
4. Funky jam
5. Big jet plane
6. Free
7. Call on me
8. Struttin'
9. Sad and blue
10. Give out but don't give up
11. I'll be there for you

ハウス的な部分が薄れているので、本来なら期待はずれな作品になるところですが、彼らの本質が70年代ロックということを見抜いているファンにとっては、この流れも自然に受け止められています。前作のようなサウンドを期待してこのアルバムを聴くと、ロック色の強さに面食らってしまいますが、ハウスのリズムはサザンロックとも共通する部分があるので、前作の流れからとして聴く事が出来ます。サイケな部分が泥臭くなっていると言うだけです。

90年代になると、その前の80年代は否定されますが、もっと前の70年代は逆に新鮮になり、この時期は世界中で70年代リバイバルが興ります。70年代といえば、ストーンズがビートルズの呪縛から逃れて、独自のサウンドを追求するようになった時代であり、彼らもその部分を強調したような作品になっています。特にRocksはスティッキーフィンガーのような格好良さがあります。ですがこのアルバムは原点回帰な作品でも懐古主義でもなく、温故知新な新しさを感じさせる作品になっています。これも名盤です。

Jailbird

Rocks

(I'm gonna) cry myself blind
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[20120429]

ScreamadelicaScreamadelica
(1991/10/08)
Primal Scream

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91年の作品で、Primal Screamの名前を一気に世界中に知らしめた衝撃作品です。当時はジーザスジョーンズが登場して、ロックバンドでもハウスミュージックが出来る事を証明してみせたデジタルロックが一世を風靡していましたが、Primal Screamもデジタルロックへの接近を試みた作品であり、アルバムタイトルはPrimal Screamならではのサイケデリカと言う事でしょうが、ロックとアシッドハウスがサイケデリックに渦巻く名盤となりました。

1. Movin' On Up
2. Slip Inside This House
3. Don't Fight It, Feel It
4. Higher Than The Sun
5. Inner Flight
6. Come Together
7. Loaded
8. Damaged
9. I'm Comin' Down
10. Higher Than The Sun (A Dub Symphony In Two Parts)
11. Shine Like Stars

プロデューサーには当時のハウス系リミクサーThe Orb、Hypnotone、Andrew Weatherall、Hugo Nicolsonそしてストーンズで有名な Jimmy Millerと複数器用しています。このバンドは基本中性的なストーンズな感じがあり、Movin' On Upはストーンズの悪魔を憐れむ歌をモチーフに創られたサイケデリカルな曲で、このミディアムテンポのリズムがアルバム全体を支配していきます。バックのゴスペルコーラスもストーンズを連想させます。シングルもLoaded、Come Together、Higher Than the Sun、Don't Fight It, Feel It、Movin' on Up、Damagedとカットされて、複数のリミックスバージョンを創らせるなど、当時のハウスの戦略を見事に取り入れました、

古いロックファンも熱狂させながら、当時流行のアシッドハウスと融合させたそのスタイルは、当時はかなりの衝撃をもって時代を震撼させました。まだスタイルとしては完成はされていませんが、その分、アシッド感が独特で、セカンドサマーオブラブの熱狂を世界中に蔓延させました。踊ると言うより、音に浸ると言う形容がふさわしいと思います。それだけ緩やかでジワジワと染みてくる音楽です。それでいてシンプルなので、難しい事は考えずにただ、感じろ、と訴えてきます。この作品によって彼らは時代の寵児となっていくのでした。妖しいくらいに妖艶な名盤です。

Movin' On Up

Slip Inside This House

Don't Fight It, Feel It
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[20120428]

Primal ScreamPrimal Scream
(1997/08/11)
Primal Scream

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89年のセカンドアルバムで始めてバンド名をアルバムにタイトルに冠しました。12弦ギターを弾いていたJim Navajoが脱退してRobert "Throb" Youngが参加します。ドラムもPhilip Tomanovが正式メンバーとなり、サウンドも当時流行っていたガレージバンドみたいなサウンドになっています。ノイジーな曲と、まだポップな曲もあり、サイケ感も増しています。バンドとしてはここからが本当のスタートだと思っているようです。

1. My My My
2. You're Just Dead Skin To Me
3. She Power
4. You're Just Too Dark To Care
5. I'm Losing More Than I'll Ever Have
6. Gimme Gimme Teenage Head
7. Lone Star Girl
8. Kill The King
9. Sweet Pretty Thing
10. Jesus Can't Save Me

Bobby Gillespieの壊れそうなくらい繊細なボーカルがこのバンドのカラーでもあり、ノイジーな曲でもこの歌い方なので目眩がしそうなくらいアシッド感が生まれています。オーケストレーションの使い方などは初期の頃のローリングストーンズ的な感じになっています。ビートルズではないのです。このバンドを一言で表すならば、中性的なローリングストーンズと言うのが的確かと思います。それはデジタルロックになってからも顕著になっていきます。

日本ではまだ話題にもならないくらいの時代であり、ガレージと言ってもパンキッシュではなく、スミスのようなネオアコバンドのような感じでしょうか。マンチェスターブームの中で同じような立ち位置のような印象もあり、そこから抜け出すにはもっと別の事をやる必要があったみたいで、この後に時代をこじ開けるような作品を出していきますが、その前のまだ迷いがあるような不安定な感じが、逆にこの時期の魅力でもあるかもしれません。80年代はほとんど無名でした。

You're Just Dead Skin To Me

She Power

You're Just Too Dark To Care
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[20120428]

Sonic Flower GrooveSonic Flower Groove
(2000/03/13)
Primal Scream

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Primal Screamの87年のデビューアルバムです。当時のイギリスはアメリカのオルタナとは別にマンチェスターブームになっていて、Primal Screamはマンチェスター出身ではありませんが、当初はマンチェスター一派のようなサイケデリック感のある曲をやっています。この後デジタルロックの権化になっていくのですが、このファーストアルバムではネオアコのようなギターポップにサイケデリックな浮遊感を持ったサウンドをやっています。

1. Gentle Tuesday
2. Treasure Trip
3. May The Sun Shine Bright For You
4. Sonic Sister Love
5. Silent Spring
6. Imperial
7. Love You
8. Leaves
9. Aftermath
10. We Go Down Slowly Rising

メンバーはボーカルのBobby Gillespieを中心にギターのJim Navajo、Andrew Innes、ベースのRobert Young、キーボードのMartin Duffy、ドラムのDave Morganです。ベースのRobert Youngだけ正式メンバーではなく、正式メンバーはベースレスの四人組となっています。当時のイギリスは空前のバンドブームで、猫も酌しもバンドをやりたがっていた時代で、ポストパンクの第三世代くらいでhないでしょうか。パンクのような主張は持たずに、それでも新しい自分達のロックを模索していた若者が無数に溢れかえっていました。

その中でも特に後の成功で脚光を浴びたのがこのバンドです。ネオアコの爽やかなギターポップにバーズのようなサイケデリック感をもったサウンドでデビューしています。当時はあまり話題にはなりませんでしたが、今聴いてもそれなりに楽しめる作品になっています。この後に紆余曲折あってデジタルロック化していって成功するのですが、こんな爽やかな時代があったというのも知っておいて損はないと思います。当時のイギリスの若者のポテンシャルの高さを思い知る事になります。

Gentle Tuesday

Treasure Trip

May The Sun Shine Bright For You
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[20120428]

I\'m With YouI\'m With You
(2011/08/30)
Red Hot Chili Peppers

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2011年の作品で現在の最新盤です。ギタリストが又代わり、John FruscianteからJosh Klinghofferに代わりました。ギタリストが代わるたびにサウンドに変化のあるバンドですので、多少この作品でも変化はありますが、既にスタイルが確立されてしまっているので、基本的な創りは同じです。ギターアレンジが変わるので、印象が多少違ってきますが、もはや単なるオルタナバンドです。

1. Monarchy of Roses
2. Factory of Faith
3. Brendan's Death Song
4. Ethiopia
5. Annie Wants A Baby
6. Look Around
7. The Adventures of Rain Dance Maggie
8. Did I Let You Know (This I Know)
9. Goodbye Hooray
10. Happiness Loves Company
11. Police Station
12. Even You Brutus?
13. Meet Me At The Corner
14. Dance, Dance, Dance

作品が出るたびに売れまくるバンドですので、このアルバムからも沢山のシングルヒットが生まれています。The Adventures of Rain Dance Maggie、Monarchy of Roses、Look Around、Did I Let You Know、Brendan's Death Songがそれぞれヒットしています。スタイルのミックス度も薄くなり、彼らがミクスチャーバンドだった事を覚えているファンも少なくなっているのではないでしょうか。あくまでもロックバンドがファンクをやるからかっこ良かったのに、器用にファンクしてしまったら意味がないのです。

基本スタンスをロックにおいてミクスチャーしてくれていれば、もっと大人のロックファンにも気に入られていたと思いますが、器用に黒人音楽をこなせる世代ですから、ミックスする事で生まれる心地良い化学変化が少なかったと言うのが私の正直な印象です。普通のオルタナバンドだと思えば良い作品を残していると思いますので、そこは文句はありませんが、もっと明確に新しい未来を見せてくれるバンドでいてくれていたらと、惜しい気持ちでいっぱいです。

Monarchy of Roses

Factory of Faith

Brendan's Death Song
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[20120428]

Stadium ArcadiumStadium Arcadium
(2006/05/09)
Red Hot Chili Peppers

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2006年の作品で、CD2枚組の大作になっています。スタイルはある程度確立されてしまった感があり、ワンパターンになってしまっています。それでもそのワンパターンなところが受けて売れているのですから、これも売れまくった作品です。中年太りしてしまったAnthony Kiedisですが、それだけ保守的になってしまったと言うところでしょう。ラップが保守的になってしまったら大変で、ほとんどどれも同じような感じになってしまうので致命的です。

ディスク:1
1. Dani California
2. Snow (Hey Oh)
3. Charlie
4. Stadium Arcadium
5. Hump De Bump
6. Shes Only 18
7. Slow Cheetah
8. Torture Me
9. Strip My Mind
10. Especially In Michigan
11. Warlocks
12. Cmon Girl
13. Wet Sand
14. Hey
ディスク:2
1. Desecration Smile
2. Tell Me Baby
3. Hard to Concentrate
4. 21st Century
5. She Looks To Me
6. Readymade
7. If
8. Make You Feel Better
9. Animal Bar
10. So Much I
11. Storm In A Teacup
12. We Believe
13. Turn It Again
14. Death of a Martian

シングルカットされたのはDani California、Tell Me Baby、Snow (Hey Oh)、Desecration Smile、Hump de Bumpがどれも大ヒットしました。新しさはほとんどないにも関わらず、定番となったレッチリサウンドがあればヒット間違いなしなくらいの絶対的な存在になっているので強いです。もはやミクスチャーバンドとは呼べないほどですから私としては何の魅力も感じませんが、作品としてはどんどん良くなっているのは確かです。売れる曲の作り方が分かってきているのでしょう。

2枚組にするだけの材料は揃っていて、内容は充実しています。前作同様泣き節を心得た曲創りで、初期の頃の疾走感は薄れていますが、少しばかりのマイナー感んが売りになっています。たあ、そればかりだとくどいので、たまに軽い感じの曲もあったりしていて、良く計算されていると思います。ここまで来ると職人技であり、あの腕白小僧だった頃が懐かしくさえ思えます。単なるヒットメーカーには陥ってもらいたくありませんので、たまには脱線した事もやってもらいたいものです。

Dani California

Snow (Hey Oh)

Charlie
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[20120428]

By the WayBy the Way
(2002/07/08)
Red Hot Chili Peppers

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2002年の作品で、これまでのレッチリらしからぬ作風の方が主体になって、完全にミクスチャーバンドからオルタナなバンドになっています。一頃のイギリスのダウナーな作風に近い感じもあり、ガンガン責め立てるだけの腕白小僧から、悲哀も味わった青年へと成長したかのような作品ばかりです。つまりは、これまでの彼らの作品からみれば、一般的に聴き易くなっているというのもあり、またまた売れまくったアルバムです。

1. By The Way
2. Universally Speaking
3. This Is The Place
4. Dosed
5. Don't Forget Me
6. The Zephyr Song
7. Can't Stop
8. I Could Die For You
9. Midnight
10. Throw Away Your Television
11. Cabron
12. Tear
13. On Mercury
14. Minor Thing
15. Warm Tape
16. Venice Queen

曲がまともになっているところに、ミクスチャーなアレンジも程よく施した事によって、曲に深みが出ています。ですから曲の出来映えと言う事では前作以上です。これは売れるでしょう。しかし、これがレッチリなのかと言うくらいまともになり過ぎています。ファンの人は好意的に受け止めているようですが、あのハチャメチャな感じこそがこのバンドの魅力だと思っていた昔からのファンにとってはどうなのでしょうか。ちょっとお利口になり過ぎではないかと思えてきます。

シングルもBy the Way、The Zephyr Song、Can't Stop、Dosed、Universally Speakingがそれぞれ大ヒットしています。他のオルタナバンドとほとんど同じような感じになってしまっていますが、売れる要素をしっかり把握しているような曲ばかりで、ほとんど勢いだけだった初期の作品の方が好ましく思えるのは私だけでしょうか。勿論素晴らしい作品になっていますし、ツボも心得ています。これを進化と見なすべきか、もしくはミクスチャーバンドとしては後退したのではないかと思ってしまうので、ミクスチャーに過大な期待を寄せていた私のエゴでしょうか。

By The Way

Universally Speaking

This Is The Place
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[20120426]

CalifornicationCalifornication
(1999/06/03)
The Red Hot Chili Peppers

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99年の作品で、前作で売れる曲創りが出来ようになってから、ギターがDave NavarroからJohn Fruscianteに戻りました。この事により、ミクスチャー度が戻り、斬新なアレンジ構成でも、サビだけはしっかりヒットを狙えるだけの旋律を創りだし、多くのシングルヒットを生み出しました。それにより、これまで以上に爆発的な売り上げを記録したアルバムです。

1. Around The World
2. Parallel Universe
3. Scar Tissue
4. Otherside
5. Get On Top
6. Californication
7. Easily
8. Porcelain
9. Emitremmus
10. I Like Dirt
11. This Velvet Glove
12. Savior
13. Purple Stain
14. Right On Time
15. Road Trippin'

レッチリが頂点に君臨する事となった作品であり、絶対的な存在となりました。シングルカットされたのはScar Tissue、Around the World、Otherside、Californication、Parallel Universe、Road Trippin'で、どれもビッグヒットを記録しています。オルタナやグランジ色が強く、所々でファンクやヒップホップを取り入れたミクスチャーらしいところもあります。でもハードロックと言う点では不合格なので、私個人としては満足出来るものではありません。70年代のファンクロックの方がよっぽどカッコいいのです。しかし、ハードロックが死んでしまっているこの時期では、これが精一杯なのでしょう。

時代としてはこのスタイルの方が受けるようで、絶大な人気を獲得していきます。内容も、これまでの作品の中でも良く練り込まれていますので、売れて当然とも思えます。このバンドはほとんどシンセサイザーの存在を感じさせない演奏になっていて、ギターバンドとしてこの時代に通用する音楽を創っているのはユニークでもあります。やっている事はデビュー当時と変わっていないと思いますが、曲の構成を考えるのが器用になったと思います。これが最高傑作だと思いますが、どの部分が本当にこのバンドの良さかは判断が難しいので、これを一番にするには、ファンではない私としては気が引けます。

Around The World

Parallel Universe

Scar Tissue
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[20120425]

One Hot MinuteOne Hot Minute
(1995/09/06)
Red Hot Chili Peppers

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95年の作品で、ギタリストがJohn FruscianteからDave Navarroに交代しました。プロデューサーは前作と同様のRick Rubinですが、このアルバムからバンドグルーヴに任せた演奏ではなく、クリック音に合わせたジャストに近い演奏になっているので、雰囲気ががらっと変わっています。まともになっているのです。単にはしゃぎ過ぎていた感じから、力の抜き方も覚えてしまって、曲もしっかりと構成された創りになっています。よって、これまでのような変態的な部分が後退して、まともになってしまった事によって、更に売れまくりす。

1. Warped
2. Aeroplane
3. Deep Kick
4. My Friends
5. Coffee Shop
6. Pea
7. One Big Mob
8. Walkabout
9. Tearjerker
10. One Hot Minute
11. Falling Into Grace
12. Shallow Be Thy Game
13. Transcending

ロック的な部分、オルタナな、グランジな感じが強まり、ファンクやラップの部分が添え物にようになってしまっています。もはやミクスチャーと言う定義ではないでしょう。前作でもあったバラード調の曲も磨きがかかり、My Friendsのような名曲も生まれています。Warped、My Friends、Aeroplaneと言うシングルヒットも生み出し、インディー的な存在から一気にメジャー級の作品に仕上がっています。おちゃらけん感じが薄まり、シリアスな表情も見せています。

これまでのような腕白少年のようなノリは無くなり、落ち着いた演奏になっており、Dave Navarroのギターはグランジ系であり、ラップのような輪郭のない歌よりも、旋律がはっきりした曲が多くなっています。PVも多く創っていて、明らかに売れる事を前提に創られています。これまで作品に比べるとおとなしい感じですが、それだけ曲に比重がかけられています。曲に強弱があるという器用な演奏もこなし、一気にモンスターバンドへと成り上がっていきます。

Warped

Aeroplane

Deep Kick
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[20120424]

Blood Sugar Sex MagikBlood Sugar Sex Magik
(1991/09/24)
Red Hot Chili Peppers

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91年の作品で、90年代になると一気にレッチリの時代になります。アルバムの売り上げもモンスター級になり、絶対的な存在へとのし上がっていきます。プロデュースはRick Rubinで、アコースティックなアレンジなど、幅広いロックの定義をふまえた上で、ファンク、ラップ、パンクをミクスチャーした作品です。これまでよりは落ち着きがありますが、まだまだ変態的です。サビなど、しっかり創られた曲はないのに売れるのはライブパフォーマンスの力だと思います。

1. The Power Of Equality
2. If You Have To Ask
3. Breaking The Girl
4. Funky Monks
5. Suck My Kiss
6. I Could Have Lied
7. Mellowship Slinky In B Major
8. Righteous and the Wicked
9. Give It Away
10. Blood Sugar Sex Magik
11. Under The Bridge
12. Naked In The Rain
13. Apache Rose Peacock
14. The Greeting Song
15. My Lovely Man
16. Sir Psycho Sexy
17. They're Red Hot

打ち込みはありませんから、ファンクもルーズなグルーヴになっています。そこが変態的でもあるのですが、その変態性があるうちは売れないと思っていましたが、これが売れてしまうのですが、時代が変わったとしか言いようがありません。ミクスチャーと言うのはハードロックとしては中途半端ですし、ファンクとしても亜流です。ですから、これまでだったら、どちらのファンもつかないはずなのですが、90年代になるとミクスチャーというどちらとも言えないスタイルが好きなファンが発生してくるのです。

逆に純正なスタイルにこだわっている方が売れなくなってきます。世紀末へのカウントダウンがはじまる90年代では、近未来を予感させる新しいサウンドが求められていたのです。ですから、80年代では低迷していたロックスピリッツも90年代には復活します。若者に自由な発想が与えられる土壌が出来上がったからです。パンクのように既成の概念を破壊しながらも、パンクという既成概念にとらわれてしまった時点で自由は無くなっていました。しかし、こんなサビがしっかりしていない曲の集まりが売れる時代が来るとは誰が思った事でしょう。

The Power Of Equality

If You Have To Ask

Breaking The Girl
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[20120423]

Mother\'s MilkMother\'s Milk
(2003/01/17)
Red Hot Chili Peppers

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89年の作品で、このアルバムから知名度が一気に上がっていきます。ギタリストのHillel Slovakが亡くなった事によってJohn Fruscianteが新しく加わりました。ドラムもJack IronsからChad Smithに代わります。サウンド的にはそれほど代わっていませんが、よりロック色がつよくなっていますし、突き抜け感は半端ありません。ファンクもフュージョン的な奏法を使ったりと進化しています。

1. Good Time Boys
2. Higher Ground
3. Subway To Venus
4. Magic Johnson
5. Nobody Weird Like Me
6. Knock Me Down
7. Taste The Pain
8. Stone Cold Bush
9. Fire
10. Pretty Little Ditty
11. Punk Rock Classic
12. Sexy Mexican Maid
13. Johnny, Kick A Hole In The Sky
14. Song That Made Us What We Are Today (Demo)
15. Knock Me Down (Original Long Version)
16. Sexy Mexican Maid (Original Long Version)
17. Salute To Kareem (Demo)
18. Castles Made Of Sand (Live)
19. Crosstown Traffic (Live)

Stevie WonderのHigher GroundとJimi HendrixのFireをカバーしています。どちらもロック的な格好良さがあります。ハチャメチャな変態的な部分も復活していて、Anthony Kiedisはデヴィッドリーロスのような歌い方を身につけていて、ミクスチャーと呼ぶにふさわしい混沌とした内容になっています。ただ、冗談っぽいコミカルなノリが70年代のファンクロックと比べると見劣りさせてしまいます。比べてはけないのかもしれませんが、私は70年代のファンクロックのその先を聴きたいので、ミクスチャーはいまいち満足出来ませんでした。

しかし、それまでは見向きもされていなかったミクスチャーバンドが、この辺りから注目されるようになっていきます。結構パロディー的な曲の作り方をしていますが、ごちゃ混ぜな感じにしているので、元ネタを特的するには一つでは足りなくなってきます。Jimi Hendrixのカバーをしていますが、Jimi Hendrixは早くからファンキーなロックをやっていましたので、ファンクロックの元祖と言えます。ホーンセクションやcelloが入っていたり、サイケデリックだったりと、幅が広がっています。イギリスのバンドだったらもっとかっこ良くやっていたと思いますが、これが受けていくのですから、聴く側も変化していく時代になっていくのです。

Good Time Boys

Higher Ground

Subway To Venus
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[20120422]

Uplift Mofo Party PlanUplift Mofo Party Plan
(2003/01/17)
Red Hot Chili Peppers

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87年の作品で、日本ではこのアルバムからリリースされました。これまではファンクな感じに力が入っていましたが、このアルバムではロック色を強く打ち出しています。特にレッドツェッペリンのようなコードリフを使った曲創りが目立ちます。ですからこれまでのような混沌とした感じがから、少しまとまりが見えるようになっています。

1. Fight Like a Brave
2. Funky Crime
3. Me & My Friends
4. Backwoods
5. Skinny Sweaty Man
6. Behind the Sun
7. Subterranean Homesick Blues
8. Party on Your Pussy (Formerly Special Secret Song Inside)
9. No Chump Love Sucker
10. Walkin' on Down the Road
11. Love Trilogy
12. Organic Anti-Beat Box Band
13. Behind the Sun (Instrumental Demo)
14. Me & My Friends (Instrumental Demo)

ロックとファンク、ヒップホップが融合したミクスチャーと言う言葉は日本で生まれました。このバンド以外にもいくつかバンドがありましたが、成功したのはこのバンドだけです。ただ、成功した時にはミクスチャーというような混じり具合は薄まっていましたので、ミクスチャーバンドとして成功したとは言いがたいところがあります。パンクやスラッシュ、などの要素もあり、80年代後半辺りから、こうした90年代っぽいサウンドを持ったバンドが注目されるようになっていきます。

この後、ギタリストのHillel Slovakが死亡しますので、このアルバムまでが初期の作品と言えます。この後に大きく売れていくのですが、売れる前のこの時期が一番猥雑で面白いところです。成功してからは私は興味を失っています。ただ、このアルバムでは前作までの変態的なところが薄れてきていて、バンドサウンドとしてまとまりかけています。それだけに聴き易くなっているのも確かです。まとまってきてしまうとミクスチャーという定義も怪しくなってきます。

Fight Like a Brave

Funky Crime

Me & My Friends
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[20120422]

Freaky StyleyFreaky Styley
(2003/01/17)
Red Hot Chili Peppers

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85年のセカンドアルバムで、プロデューサーにはP-FUNKの総帥George Clintonを起用しています。ミクスチャーという猥雑な感じを取りまとめる為には、それなりの方向性を示せる人物が必要だったのでしょう。ギターがJack Shermanから、元メンバーのHillel Slovakに戻っています。と言う事で、ある程度ファンク色を強調したロックになっています。

1. Jungle Man
2. Hollywood
3. American Ghost Dance
4. If You Want Me To Stay
5. Nevermind
6. Freaky Styley
7. Blackeyed Blond
8. The Brothers Cup
9. Battle Ship
10. Lovin' And Touchin'
11. Catholic School Girls Rule
12. Sex Rap
13. Thirty Dirty Birds
14. Yertle The Turtle

ヒップホップを経由したバンドなので、歌い方もラップ調だったりして、それが当時は変態的に聴こえていた部分もあります。その後はラップを多用するバンドも増えてきて、彼らのやってきた事も当たり前のようになっていきます。しかし、当時はまだまだきらびやかな80年代サウンドの時代であり、旋律がはっきりしていないラップはヒットチャートに進出するには厳しい時代でした。

George Clintonの起用は黒っぽさを強調する事に成功して、ハードロックと言うより、ファンクやヒップホップ系のファンから人気が出てきます。当時はハードロックやヘヴィメタは形式にこだわった頭の固い連中だけが楽しんでいましたので、この変態バンドを受け入れられるだけの土壌はなかったのです。それよりもフランクザッパのファンの方が好意的だったと思います。私はというと、70年代ファンクロックの方が断然かっこ良かったので、しばらくほっといておいたら、知らない間に爆発的な売り上げを上げるモンスターバンドになっていました。それだけ時代が彼らについてくるようになっていくのです。でも売れる前のこの辺りの猥雑感はたまりません。

Jungle Man

Hollywood

American Ghost Dance
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[20120422]

Red Hot Chili PeppersRed Hot Chili Peppers
(2003/01/17)
Red Hot Chili Peppers

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70年代にはレッドツェッペリンを始めとして、ファンクとロックを融合させる試みがなされていました。イアンギランバンドや、エアロスミスのウォークディスウェイ、ラストチャイルドなど、試行錯誤しながらもカッコいい曲が揃っていましたので、私も80年代はロックとファンクの融合が完成する時代が来ると信じていました。しかし、ポップスとファンクの融合はあってもロック自体が元気ない時代だったので、ロックとファンクの融合はうまくいきませんでした。そこに出てきたのがミクスチャーと呼ばれる新しいジャンルの登場であり、それこそがこのバンド、Red Hot Chili Peppersの看板商品でした。

1. True Men Don't Kill Coyotes
2. Baby Appeal
3. Buckle Down
4. Get up and Jump
5. Why Don't You Love Me
6. Green Heaven
7. Mommy Where's Daddy?
8. Out In L. A.
9. Police Helicopter
10. You Always Sing The Same
11. Grand Pappy Du Plenty
12. Get Up And Jump
13. Police Helicopter
14. Out In L.A.
15. Green Heaven
16. What It Is (AKA Nina's Song)

ミクスチャーの登場は、私に多大な期待を予感させましたが、Red Hot Chili Peppersのサウンドは70年代のそれとは違っていました。ヒップホップを経由している事と、この先にくるグランジやオルタナな感覚はハードロックではないものであり、ファンクもP-FUNKとは違う感じだし、これなら70年代のファンクロックの方がカッコいいので、このバンドに夢中になる事はありませんでした。しかし、このバンド、最初はキワモノ的な扱いでしたが、この後オオバケして絶対的な人気を獲得していく事になります。

70年代ファンクロックというより、フランクザッパのような変態的なところがあります。そういう意味では、このファーストアルバムの猥雑な感じはユニークでいいと思います。この時点でのメンバーはベースのFlea、ボーカルのAnthony Kiedis、ドラムのCliff Martinez、ギターのJack Shermanの四人組です。カリフォルニア出身のバンドで、Chain ReactionやAnthymにいたメンバーで結成されています。当時の80年代サウンドとは違うこの感じは、当時はかなりの異色なバンドであり、このミクスチャーというジャンルが市民権を得るには時間がかかりました。

True Men Don't Kill Coyotes

Baby Appeal

Buckle Down
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[20120422]

SymphonicitiesSymphonicities
(2010/07/13)
Sting

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2010年の作品で、現在の最新盤になります。今回はオーケストラをバックにポリス時代やソロになってからの曲を再演しています。これまでのようなクラシック作品は理解出来ましたが、ここに来て、昔の曲をオーケストラで再演すると言うのは、いよいよ、何もやる事がなくなってきたのかと心配してしまいます。しかも、オリジナル曲の感じはそのままに、ただオーケストラが演奏してるだけと言う、何の変哲もない作品になっています。ここまでくれば愚の骨頂です。

1. Next To You
2. Englishman In New York
3. Every Little Thing She Does Is Magic
4. I Hung My Head
5. My Ain True Love
6. Roxanne
7. When We Dance
8. End of the Game
9. I Burn For You
10. We Work the Black Seam
11. She's Too Good For Me
12. The Pirate's Bride

ロックバンド編成がオーケストラになっただけの曲は何の新鮮さも感じません。ポリスの再結成などで、いい気になり過ぎていたのではないかとさえ思えてきてしまいます。せっかくのオーケストラとの共演も何の意味もないものになっていると思います。それなりにアレンジの工夫などがあれば納得いきますが、ほとんどオリジナル曲を代わり映えのしないこの感じは何なんでしょうか。単なる余興としか思えません。

本当にアイデアが枯渇しているとしか思えません。Grammophonからリリースするなら売り上げなどを気にしないような作品を出して欲しいものです。単なるファンサービスというなら許してもいいですが、本気でこんな作品を創って喜んでいるとしたらアーティストとしては終わりです。このシンフォニー大成でのツアーなどをしているところをみると、単なるお小遣い稼ぎとしか思えません。クラシックをやってもいいけど、期待は裏切らないで欲しいものです。もう終わっているとしか思えません。

Next To You

Englishman In New York

Every Little Thing She Does Is Magic
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[20120421]

If on a Winter\'s Night (Dig)If on a Winter\'s Night (Dig)
(2009/10/26)
Sting

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2009年の作品で、今回はクリスマスソングやクラシックの名曲や聖歌、民謡などをカバーした、テーマとしてはウィンターなアルバムです。前作では特定の音楽家を題材にしていましたが、今回は様々な音楽をエレクトニックにしたり、オーケストラで演奏したり、アコースティック楽団にしたり、基本的にはトラディショナルな世界観を持った作品です。

1. Gabriel's Message
2. Soul Cake
3. There is No Rose of Such Virtue
4. The Snow it Melts the Soonest
5. Christmas at Sea
6. Lo How a Rose E'er Blooming
7. Cold Song
8. The Burning Babe
9. Now Winter Comes Slowly
10. The Hounds of Winter
11. Balulalow
12. Cherry Tree Carol
13. Lullaby for an Anxious Child
14. Hurdy Gurdy Man
15. You Only Cross My Mind in Winter

このアルバムもクラシック作品としてGrammophonからリリースされたものです。ロックとしてはポリスを再結成して金儲けしているので、ソロとしてはこうした作品に集中出来たようです。教会音楽など、これもスティングにとってはルーツミュージックなのでしょう。曲のキーとしては低いものが多いですが、旋律の作り方など、スティングが影響を受けていたであろうと言う事が分かる曲になっているので、ファンとしては面白い作品だと思います。

ロックを30年以上やっていたら、違うフォーマットをやってみたいという思いは理解出来ます。しかし、オリジナル曲でこういう曲をやったら凄いと思いますが、カバーというのはファンとしては物足りないと思います。もう充分に稼いだから後は好きな事をやって余生を過ごそうと言う事なら、それはそれでいいと思います。金儲けの為ではない音楽の方が魅力的だったりしますから、そこは徹底してやってくれれば問題ないと思います。これもある意味音楽家としての性でしょう。

Gabriel's Message

Soul Cake

There is No Rose of Such Virtue

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[20120421]

Songs from the LabyrinthSongs from the Labyrinth
(2006/10/10)
Sting

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2006年の作品で、ルネッサンス後期のリュート奏者John Dowlandの曲をカバーした作品になっています。クラシック曲に挑戦した作品となっていますが、オーケストラではなく、リュートを伴奏にスティングが歌を歌っている内容で、民謡とか、民族音楽に近い感じになっていると思います。リュートはEdin Karamazovが弾いていて、Edin Karamazovとのコラボレーションのようになっています。

1. Walsingham
2. Can She Excuse My Wrongs?
3. "Ryght honorable: as I have bin most bounde unto your honor..."
4. Flow My Tears
5. Have You Seen The Bright Lily Grow
6. "...then in time passing on Mr. Johnson died..."
7. The Most High and Mighty Christianus The Fourth, King of Denmark, His Galliard
8. The Lowest Trees Have Tops
9. "...and accordinge as I desired ther cam a letter..."
10. Fine Knacks For Ladies
11. "...from thence I went to the Landgrave of Hessen..."
12. Fantasy
13. Come, Heavy Sleep
14. Forlorn Hope Fancy
15. "...and from thence I had great desire to see Italy..."
16. Come Again
17. Wilt Tou Unkind Thus Reave Me
18. "...after my departure I caled to mynde our conference..."
19. Weep You No More, Sad Fountains
20. My Lord Willoughby's Welcome Home
21. Clear Or Cloudy
22. "...men say that the Kinge of Spain is making gret preparation..."
23. In Darkness Let Me Dwell

日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパではJohn Dowlandの曲は結構親しまれているので、この企画は割と喜ばれているようですが、日本ではこういう音楽が好きな人でないと受け付けないかもしれません。リッチーブラックモアズナイト辺りが好きなら大丈夫でしょう。このルネッサンス感はプログレバンドが良く好んでやっていましたので、その辺りから聴いているファンなら、ロックファンでも大丈夫な領域です。ストローブス辺りが好きなら大丈夫でしょう。

当時の歌謡曲と言うか、流行歌のような感じで、結構シニカルな歌詞だったりして、聴き込むと面白いのですが、いつものスティングを望んでいる人にとっては物足りないかもしれません。しかし、たまにはこうした音楽に親しんでみるのもいいと思います。歌謡曲ですから短い曲で、オーケストラのように重くないので、気軽に楽しめる音楽です。バロック音楽のような厳格な感じでもありませんので、当時のフォークソングとして親しめると思います。

Have You Seen The Bright Lily Grow

Fine Knacks For Ladies

Come Again
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[20120421]

Sacred LoveSacred Love
(2003/10/07)
Sting

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2003年の作品で、2001年9.11以降に制作された作品です。あの事件以降多くのミュージシャンも考えるところがあったと思いますが、しっかりした意思表示をしたミュージシャンがいなかった事は残念でした。ですから、少しぼやかしたような表現のミュージシャンが多く、スティングもその一人であり、このアルバムでは愛をテーマに創られています。共同プロデューサーは前作同様Kipperで、サウンドは前作同様エスニックなドラムンベースをベースにスティングならではのコンテンポラリーミュージックになっています。

1. Inside
2. Send Your Love
3. Whenever I Say Your Name (with Mary J. Blige)
4. Dead Man's Rope
5. Never Coming Home
6. Stolen Car (Take Me Dancing)
7. Let's Forget About the Future
8. This War
9. The Book of My Life
10. Sacred Love
11. Send Your Love (Dave Aude remix)

多くのリミックス作品が出るほど、クラブ向きなサウンドメイキングになっています。ソウルミュージックを極めていったらダンスミュージックになってしまったと言う感じです。エスニックな感じはスパニッシュな感じであったりします。これがおしゃれな仕上がりになっています。打ち込みを多用していますが、エモーシャルなグルーヴになっているのは、生演奏の部分もしっかり活かされているからだと思います。

それほどシリアスなイメージを強要されている感じもなく、音楽的にも成熟している事が伺えます。ジャズやフュージョンのイメージを強く出していたスティングでしたが、元々はプログレッシヴロックというオールドウェーヴの人間がニューウェイヴという鎧を着て、ポリスを旗揚げしてきましたので、その流れから、この境地に行き着いたと見ると、音楽的にも素晴らしい熟し方をしていると思います。この作品も名盤です。

Inside

Send Your Love

Whenever I Say Your Name
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[20120421]

Brand New DayBrand New Day
(1999/09/28)
Sting

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99年の作品で、新境地を拓いた作品です。民族音楽とドラムンベースなアレンジで、これまでになかった世界観を生み出しています。曲創りの面で言えば、前作では中途半端だったソウルミュージック色がこなれてきて、ニューソウルな、スティーヴィーワンダーのような曲を創るようになり、これまでのフュージョン感の融合度がより高純度になってきています。私の個人的な趣味で言えば、スティングの作品の中では一番好きなアルバムです。

1. A Thousand Years
2. Desert Rose
3. Big Lie, Small World
4. After The Rain Has Fallen
5. Perfect Love...Gone Wrong
6. Tomorrow We'll See
7. Prelude To The End Of The Game
8. Fill Her Up
9. Ghost Story
10. Brand New Day

Stevie Wonder、James Taylor、B.J. Coleなどが参加している事も注目されましたが、タイトル通り、新しいスティングの魅力に溢れた作品になっています。ジャズ、ロック、ボサノヴァ、民族音楽、ソウルミュージック、ファンク、様々な音楽の要素が解け合って、そのどれとも違うオリジナリティー溢れる作品になっていると思います。これまでの作品とはイメージが違ってきているので、ファンには戸惑うようなところもあるかもしれませんが、私は一番親しみ易い作品となりました。

特にタイトル曲のBrand New Dayのソウルフルな美しさは素晴らしいものがあります。どの曲も良く練り込まれていますし、前作まであった地味な雰囲気を払拭するような出来映えです。スティングも年を取って、金の亡者のような嫌らしさもなくなり、純粋に音楽として評価出来るものが出来上がったと思います。ヒップホップ以降の音楽も消化しつつ、スティングにしか創れないような作品になっていると思います。ファーストソロアルバム以来の満足出来る作品だと思います。これは間違いなく名盤です。

A Thousand Years

Desert Rose

Big Lie, Small World
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[20120420]

Mercury FallingMercury Falling
(1996/03/12)
Sting

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96年の作品で、これもHugh Padghamとのコンビネーションで製作されています。再びBranford MarsalisとKenny Kirklandが復活していますが、前作同様、ジャズとロックというよりもポピュラーミュージックとして成り立たせようとしています。ただし、まだ中途半端な感じがするので、今ひとつ地味な感じがする作品です。いい曲を作ってはいますが、少しよ弱いでしょうか。

1. The Hounds Of Winter
2. I Hung My Head
3. Let Your Soul Be Your Pilot
4. I Was Brought To My Senses
5. You Still Touch Me
6. I'm So Happy I Can't Stop Crying
7. All Four Seasons
8. La Belle Dame Sans Regrets
9. Valparaiso
10. Lithium Sunset

これまでになかったキーワードとしてソウルミュージックと言うのが浮上してきます。リズム&ブルースというか、これまでのスティングにはなかった要素が入っています。フュージョンポップといえばニューソウルやブラコンなどもある訳ですから、ポップスとしての落としどころとしてはソウルミュージックになってもおかしくない訳で、スティングがソウルしていると言うだけで、これまでよりも親しみ易い存在になっています。

まま売れた作品ではありますが、存在感は増々地味になっています。90年代という新しい時代にこの内容はやはり地味です。しかし、より人間的な暖かみが増しているように感じます。ミュージシャンとしてはモンスターだったのがやっと人間になれたような感じがします。このアルバムから大きなヒット曲も出ていませんし、全体的には柔らかい感じなのですが、スティングとしては地味な作品です。

The Hounds Of Winter

I Hung My Head

Let Your Soul Be Your Pilot
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[20120419]

Ten Summoner\'s Tales (Jewel Box)Ten Summoner\'s Tales (Jewel Box)
(1993/03/09)
Sting

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93年の作品で、Hugh Padghamがプロデュースしていますが、前作での内省的過ぎた部分を反省してか、明るい作品になっています。これまでと同じようにロックとジャズを融合したフュージョンポップな内容ではありますが、よりポップスとして成り立たせていると言う部分では、これまでのようにジャズの部分を強調して、ポリスとは違うと言う事を顕示した力みが無くなって、自然なポピュラーミュージックになっています。

1. If I Ever Lose My Faith In You
2. Love Is Stronger Than Justice (The Munificent Seven)
3. Fields Of Gold
4. Heavy Cloud No Rain
5. She's Too Good For Me
6. Seven Days
7. Saint Augustine In Hell
8. It's Probably Me
9. Shape Of My Heart
10. Something The Boy Said
11. Epilogue (Nothing 'Bout Me)

バックメンバーが入れ替わったと言う事も大きいと思います。ジャズミュージシャンということにこだわらないような演奏が好感が持てます。Shape of My Heartは映画レオンに使われ、クラプトンも参加しているIt's Probably MeはLethal Weapon 3に使われています。話題性もありヒットしましたが、前作の暗いイメージは残っており、全盛期は過ぎたと言えます。最初の頃ほど新鮮味が無くなったと言うのもあり、多少、この頃から存在感が薄れていきます。

It's Probably Me、If I Ever Lose My Faith in You、Seven Days、Fields of Gold、Shape of My Heart、Love is Stronger Than Justice、Nothing 'Bout Meがシングルカットされましたが、そこそこのヒットで終わりました。音楽的にはより親しみ易くなっているのですが、オーディエンスも彼のスタイルに慣れてしまったので、それなら、まだ刺激的な初期の頃の作品の方が魅力があると言う事になり、新作が出ても新しい衝撃が無くなっていますので、徐々に地味な印象になっていきます。それでも、内容は素晴らしい出来映えで、良い曲が揃っています。フュージョン的なアレンジなのに親しみ易い曲という独自のスタイルは他には真似出来ないものでしょう。売り上げは落ちましたが、名盤だと思います。

If I Ever Lose My Faith In You

Love Is Stronger Than Justice

Fields Of Gold
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[20120418]

Soul CagesSoul Cages
(1991/01/22)
Sting

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91年の作品で、彼の作品の中でもとても内省的な作品になっています。シリアスであり、これまでの作品に比べると暗い感じがします。このイメージが強く残って、これ以降の作品ではファン以外の人には敷居が高いのではないかと思わせるようになり、これまでのようなヒットメーカーから、熟練のミュージシャンとして存在するようになっていきます。勿論それなりに売れていくのですが、ヒット曲を連発する事は無くなります。

1. Island Of Souls
2. All This Time
3. Mad About You
4. Jeremiah Blues (Part 1)
5. Why Should I Cry For You
6. Saint Agnes And The Burning Train
7. The Wild Wild Sea
8. The Soul Cages
9. When The Angels Fall

一番明るいのはシングルカットされたアフリカンビートのAll This Timeくらいで、後は前作でのフラジャイルのような内省的な曲が多くなっています。Mad About You、Why Should I Cry For You、The Soul Cagesが他にシングルカットされています。アルバムとしては売れていますが、かなり重い作品になっています。Island Of Soulsはケルト的なアレンジもあります。プロデューサーはHugh Padghamです。彼は80年代初期にはアグレッシヴなゲートリバーブなどで有名になりましたが、80年代後半からは、繊細な残響処理が得意なプロデューサーとして君臨します。派手ではなくなりましたが、メリハリのある音処理をします。

バックミュージシャンは、ほとんどレギュラーとも言えるKenny Kirkland、Branford Marsalis、ドラムはManu Katchéが一人で担当しています。Dominic Millerと言うギタリストもこのアルバムから参加しています。これだけの一流ミュージシャンが揃っていますので、シングルヒット向けの曲と演奏を楽しむかのような曲がはっきり分かれています。もう充分売れていたので、これ以降は貪欲にシングルヒットを狙うような事は少なくなっていきます。90年を迎えて、少し表現方法も変わり始めています。

Island Of Souls

All This Time

Mad About You
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[20120417]

Nothing Like the SunNothing Like the Sun
(2001/06/26)
Sting

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87年の作品で、ポリス解散後に出されて、ここから本格的にソロ活動に入ります。ファースト同様豪華なゲストを迎えて、フュージョン色を更に強めています。当時はちょうどレコードとCDの交換期であり、作品としてはCDサイズの容量で創られているため、ビニール盤は2枚組になっていました、当時はそういう作品が沢山出回りました。曲数が多くなるので、アルバム全体の質は落ち易いのですが、当時出ていた作品はどれも力が入っていて、名盤と呼べるものばかりでした。

1. The Lazarus Heart
2. Straight To My Heart
3. Rock Steady
4. Sister Moon
5. Little Wing
6. The Secret Marriage
7. Englishman In New York(Enhanced CD Video)
8. Be Still My Beating Heart
9. Englishmen In New York
10. History Will Teach Us Nothing
11. They Dance Alone(Cueca Solo)
12. Fragile
13. We'll Be Together

ファースト同様、Branford Marsalis、Kenny Kirkland、Andy Newmarkなどのフュージョン系ミュージシャンの他に、Manu Katché、Eric Clapton、Mark Knopfler、旧友Andy Summersも参加しています。ジミヘンのカバーのLittle WingではGil Evansとコラボレートしています。Gil Evansはジミヘンの曲をジャズオーケストラでアレンジしたりしていますが、そのバージョンとは違う感じになっています。Englishman in New YorkやWe'll Be Together、Be Still My Beating Heart、Fragile、They Dance Aloneがシングルヒットを出しています。

よりジャズコンテンポラリーなアレンジになっていて、はっきりとポリスとは違うサウンドを目指しています。参加ミュージシャンに演奏前に渡すデモテープの段階で、既に完成形のアレンジが創られているくらい、スティングは最初から曲の完成された姿が頭に入っているそうで、これだけの作品を最初からスティングが思い描いています。参加ミュージシャンをそれに命を吹き込み作業を行っています。フュージョン色が強いので、かなりアダルトな雰囲気になっていますが、A.O.R.と言う訳ではありません。大人も楽しめるロックであり、名盤です。

The Lazarus Heart

Straight To My Heart

Rock Steady
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[20120417]

Dream of the Blue TurtlesDream of the Blue Turtles
(1987/07/07)
Sting

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ポリス解散前に出されたスティングのソロアルバムです。元々ジャズ系のミュージシャンを目指していたスティングがポリスで成功を収めた事により、本来自分がやりたかった音楽をソロとして楽しめるようになりました。ジャズと言ってもフュージョンとポップスをコンテンポラリーに表現してみせました。これも80年代ならではのサウンドです。

1. If You Love Somebody Set Them Free
2. Love Is The Seventh Wave
3. Russians
4. Children's Crusade
5. Shadows In The Rain
6. We Work The Black Seam
7. Consider Me Gone
8. The Dream Of The Blue Turtles
9. Moon Over Bourbon Street
10. Fortress Around Your Heart

ポリス以外のメンバーとの演奏を楽しむように、参加ミュージシャンも豪華です。Omar Hakim、Darryl Jones、Kenny Kirkland、Branford Marsalisとフュージョン系のミュージシャンで、しっかりした演奏を固め、ポリスでは出来なかったプログレッシヴなフュージョンスタイルと分かり易いポップな歌の融合は多くのシングルヒットを生み出しました。If You Love Somebody Set Them Free、サンプリングによるオーケストレーションのRussians、Fortress Around Your Heart、Love Is the Seventh Wave、Moon Over Bourbon Streetと、どれも大ヒットしました。

ポリスでも後期にはその片鱗が見えていましたが、より自由に様々なスタイルを楽しんでいます。一流ジャズミュージシャンがバックアップしていますので、生演奏ならではのグルーヴはカッコいいです。ポリスで鍛えた作曲センスも更に磨きがかかっています。We Work The Black Seamのようなポリスでやってもおかしくないような曲もありますが、このアルバムの成功はソロアーティストとしてやっていける自信を与えました。全く隙がないくらい良く出来た名盤です。

If You Love Somebody Set Them Free

Love Is The Seventh Wave

Russians
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