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[20120731]

Live at VielharmonieLive at Vielharmonie
(2010/03/16)
Max Double Quartet Roach

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Live at VielharmonieLive at Vielharmonie
(2010/03/16)
Max Double Quartet Roach

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83年の作品です。ドイツはVielharmonieでのライブ音源です。Double Quartetになっていて、メンバーはトランペットのCecil Bridgewater、テナーサックスのDayne Armstrong、バイオリンのLars HolmとUlrika Jansson、ヴィオラのAnders Lindgren、チェロのKerstin Elmquist、Phil Bowlerがエレキベースを弾いています。ちょっとしたジャズオーケストラになっています。

1. A Little Booker
2. Bird Says

A Little BookerはBooker Little に捧げられた曲であり、Bird SaysはCharlie Parkerに捧げられた曲になっています。A Little Bookerではトランペットが主役であり、Bird Saysではサックスが主役になっていますが、一番注目してしまうのは、弦楽器の存在でしょう。これまでのジャズではウッドベースを弓で弾いたりする事はありましたが、バイオリンやヴィオラ、チェロによるアレンジは珍しく、それで居てビバップしているところがカッコいいです。

ビッグバンドでも弦楽器は使っていませんから、とても新鮮です。懐かしいビバップの雰囲気に、斬新な音色が加わった不思議な作品です。今でこそジャズバイオリニストなんてのがいたりしますが、弦楽器のこすれる感じが、シンセには出せない心地良さを生み出しています。アレンジもユニークですし、80年代のきらびやかなポップシーンの陰に隠れて、こんな名演奏が埋もれていたと言うのは、もったいない事であります。

Drum Solos
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[20120729]

In the LightIn the Light
(2010/03/16)
Max Quartet Roach

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82年の作品で、これもQuartet での演奏になります。Cecil Bridgewaterがトランペットとフリューゲル、Odean Popeがテナーサックス、ベースがCalvin Hilという当時のQuartet メンバーでの演奏です。カバー曲が多く、このメンバーではビバップしています。Max Roachのドラムはパターンというより、フレージングに近いと思います。

1. In The Light
2. Straight No Chaser
3. Ruby My Dear
4. Henry Street Blues
5. If You Could See Me Now
6. Good Bait
7. Tricotism

80年代になるとモダンジャズ復興の兆しが出てきますので、Max Roachもやり易い環境が整ってきたと言えるでしょう。しかし、このアルバムもイタリアでの録音で、本場アメリカよりヨーロッパの方が需要があったようです。Max Roachと言えばビバップの重鎮ですから、革新的な作品を出していても、モダンジャズが一番似合うのであって、ファンもそれを望んでいたはずです。

しかし、80年代にこの内容で売れる事は難しく、フリージャズ的なIn the Lightも既に古いスタイルであって、一部のファンにのみ支持されています。ドラムのチューニングも、あくまでもモダンジャズに適したものであり、Max Roachがゲートリバーブを使うなんて考えられない事であります。Max Roachは己の道をただ進むのでありました。

Good Bait
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[20120729]

Picture in a FramePicture in a Frame
(2010/03/16)
Max Roach Quartet

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Picture in a FramePicture in a Frame
(2010/03/16)
Max Roach Quartet

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これも79年の作品ですが、これはQuartet によるスタジオアルバムになっています。Soul Noteというイタリアのレーベルから出しています。メンバーはトランペット、フリューゲルのCecil Bridgewater、テナーサックスのOdean Pope、ベースのCalvin Hillです。レコーディングもイタリアで、プロデュースはGiovanni Bonandriniという人です。

1. Reflections
2. Mwalimu
3. A Place Of Truth
4. China's Waltz
5. Mail Order
6. Japanese Dream
7. Magic
8. Back To Basics
9. Ode From Black Picture Show

カバー曲もあるので、普通のジャズのようですが、Reflectionsはドラムソロ曲であり、他の曲も、現代音楽のような雰囲気もあったり、ファンクぽかったり、普通のモダンジャズとは少し違うニュアンスで演奏されています。あくまでもジャズの基盤を崩す事なく新しい事へ挑戦している姿勢が好感が持てます。しかし、新しさはストレートには伝わってこないので、売れないし、インディーズでないとリリースも難しくなってきています。

フュージョンバンドでもスウィング曲を楽しんだり、結局はモダンジャズが好きな人たちばかりですから、売り上げに響かない程度でやっているのですが、売れる事よりも好きな音楽をやってきた彼らのようなミュージシャンは、高い音楽性を生み出しても、正しく評価される事なく、時代に埋もれていくのでした。もはや、流行など無くなってしまった現在に置いては、高く評価されるべき作品だと思います。

Reflections

[20120729]

One in Two Two in OneOne in Two Two in One
(1995/10/19)
Max Roach、Anthony Braxton 他

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One in Two Two in OneOne in Two Two in One
(1995/10/19)
Max Roach、Anthony Braxton 他

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79年の作品で、今回はAnthony BraxtonとのデュオでスイスのWillisau Jazz Festivalでのライブ音源になります。このフェスティバルではArchie Sheppとのデュオでも演奏していますが、Anthony Braxtonともやっているのですね。Anthony Braxtonはサックス全般とクラリネット、フルートを吹き分けています。Max Roachはドラムセットの他にパーカッション、gongsやtuned cymbalsも演奏しています。

1. One in Two Two in One, Pt. 1
2. One in Two Two in One, Pt. 2

Max Roachの歌うようなドラミングとAnthony Braxtonのフリージャズな演奏で、アルバムBirth & Rebirthのライブ盤みたいになっています。勿論ライブの方が白熱しているので、作品として形にする事になったと思います。演奏曲は1曲のみですが、その中には彼らのすべてが詰まっていると言ってもいいでしょう。70分以上の熱演です。

フュージョンもライトな感じになってきている時代に、こんなフリージャズを演奏しても聴く人は少なくなってきていますが、彼らの根強いファンにはこたえられない作品になっていると思います。魂のぶつかり合いの中にも知性を感じさせるのがMax Roachであり、フリージャズ全盛時にはフリーには関わっていないだけに、新しい解釈もあるのでしょう。

Anthony Braxton Interview

[20120729]

Historic ConcertsHistoric Concerts
(1994/06/15)
Max Roach、Cecil Taylor 他

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Historic ConcertsHistoric Concerts
(1994/06/15)
Max Roach、Cecil Taylor 他

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79年の作品で、今回はCecil Taylorのピアノとのデュオ作品になっています。ニューヨークのColumbia大学でのライブ音源で、2枚組作品になっています。Cecil Taylorといえばフリージャズを代表するピアニストで、日本で言えば山下洋輔のような存在です。このデュオ形式ではフリーになりがちなので、Cecil Taylorのプレイは見事にハマっています。ほとんどピアノソロとドラムソロのぶつかり合いのようなものです。

ディスク:1
1. Presentation
2. Drums Solo
3. Piano Solo
4. Duets-Part I
ディスク:2
1. Duets-Part II
2. Interviews-Part I
3. Interviews-Part II

ビバップではソロでのインプロヴィゼーションの出来具合が一番重要で、いかに自由にインプロヴィゼーションを施すかと言う事でモードジャズも確立されていくのですが、完全に自由に演奏する事が可能になったのがフリージャズです。フリーと言っても規則がない訳ではありません。音楽理論に縛られずにその時の精神性を具現化すると言う行いという規則があるのであり、適当というには語弊があります。

つまり、その日のコンディションが深く反映するものであり、フレージングというボキャブラリーがどれほどあるかと言うのもあからさまになってきます。いい加減な人間ならいい加減である事が明確に浮き彫りになってくるのです。ですから、普通の曲を演奏するよりも精神を集中させる必要もありますし、自分の持てる技量を惜しみなく出していかなければ、聴衆に訴えかける事が出来ません。故に、冷静な状態で聴いているレコードよりも、ライブの方が伝わってくるものが深いと思います。したがって、このシリーズはライブ音源が多くなっています。

Duets-Part I
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[20120728]

Long MarchLong March
(2011/04/05)
Max Roach & Archie Shepp

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79年の作品で、デュオシリーズの一つとなっています。今回は、以前も共演した事があるArchie SheppのテナーサックスとMax Roachのドラムだけの演奏になっています。スイスのHathutレーベルからのリリースで、Jazz Festivalでのライブ録音になっています。2枚組になっていて、二入りだけなのに20分以上の曲が2曲もあります。

Disc: 1
1. J.C. Moses
2. Sophisticated Lady
3. The Long March
4. U-Jaa-Maa
Disc: 2
1. Triptych
2. Giant Steps
3. South Africa Goddamn
4. It's Time

Duke EllingtonのSophisticated LadyやJohn ColtraneのGiant Stepsをカバーしています。オリジナル曲ではMax Roachが創りだすリズムが中心で、そのリズムの上をArchie Sheppが自由に歌いまくる感じです。自由と言っても、ここではフリージャズまでにはいっておらず、ある程度の構築性が感じられます。ライブですから、インプロヴィゼーションによるところも多いと思いますが、おる程度、あらかじめ決めごとはあるようです。

Max Roachの生み出すドラムパターンも独創的で、ジャズというよりは、民族音楽のような、原始的ではあるけれども、かなり複雑に構成されていて、ドラマーならではの進化の仕方をしています。二人だけの演奏なのに、とても哲学的なものを感じさせます。マイルスにつきあう事なく、独自の感性でジャズを進化させている、数少ないミュージシャンだと思います。

suid afrika

[20120728]

Birth & RebirthBirth & Rebirth
(1993/09/07)
Max Roach、Anthony Braxton 他

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Birth & RebirthBirth & Rebirth
(1993/09/07)
Max Roach、Anthony Braxton 他

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78年の作品で、Anthony Braxtonとのデュオ作品になります。この時期はデュオで作品を沢山出していますが、その中の一つになります。デュオと言うくらいですので、完全に二人だけの演奏になっています。Anthony Braxtonはサックス全般とクラリネットを演奏しています。Max Roachはドラムセット以外にもパーカッション類を駆使して、打楽器だけに収まらない演奏を披露しています。

1. BIRTH
2. MAGIC AND MUSIC
3. TROPICAL FOREST
4. DANCE GRIOT
5. SPIRIT POSSESSION
6. SOFTSHOE
7. REBIRTH

ビバップやハードバップ時代に活躍した人達は、結構フュージョンブームには乗り切れず、こうした独自の解釈のジャズを追求していく傾向があったようです。音階のある楽器はAnthony Braxton一人だけですから、コード感がはっきりしておらず、かなりフリージャズに近い演奏になっています。思いのままに演奏して、それに合わせてMax Roachがリズムコーディネイトしていくような流れになっています。

ある程度音階は決めて演奏しているのでしょうが、フリージャズのように音階というよりは、音の固まりのような音を発しています。そこにきめの細やかなMax Roachが、繊細ながらも激しくリズムをキープしていきます。これだけで音楽が成立してしまうのですから、音楽の持つパワーの限りなさを感じてしまいます。人数が多いほど規則が必要になってきますが、二人だけの演奏なら、ここまで自由に謳歌出来るのです。名盤です。

Birth

[20120728]

Lift Every Voice & SingLift Every Voice & Sing
(1999/03/23)
Max Roach

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71年の作品で、ゴスペルコーラスとジャズを融合させた作品になっています。演奏的にはジャズオーケストラになっている感じです。メンバーはサックスのBilly Harper、トランペットのCecil Bridgewater、ベースのEddie Mathias、ピアノがGeorge Cables、コーラス、歌で、Bishop J.C. White、Dorothy White、Ruby McClureでThe J.C. White Singersとなっています。ベースだけが電気化していますが、それ以外はエレピも登場してきます。

1. Motherless Child
2. Garden Of Prayer
3. Troubled Waters
4. Let Thy People Go
5. Were You There When They Crucified My Lord
6. Joshua

音楽的には前作のようなアフロジャズになっていますが、ゴスペルコーラスが加わった事によって、フュージョン色が出ています。しかし、この頃にはハードフュージョンが登場していますので、それに比べると、フュージョンと呼ぶには、あまりにもジャズ的な演奏になっています。しかし、リズムパターンのミニマル化になっていて、そこはファンクな要素なのでしょう。

ファンクと言うには複雑なフレージングですが、反復演奏して、不思議な高揚感を生み出しています。リターントゥフォーエヴァーを、もっと黒い解釈で演奏しているような感じです。やはり、映像としては黒人アクション映画が似合いそうです。主役は歌になっていますが、それに負けないくらい演奏面も相当斬新な演奏を繰り広げています。明らかに、それまでのジャズとは違うものになっています。この混沌感は結構心地良く、名盤だと思います。

Motherless Child
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[20120728]

Members Don\'t Git WearyMembers Don\'t Git Weary
(2002/12/24)
Max Roach

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68年の作品で、時代の流れに合わせたのか、エレクトリックジャズになっています。エレクトリックと言ってもウッドベースがエレキベースになっただけです。電気楽器を演奏しているというだけで、ロック的な要素はまだありません。ファンクの要素はあるでしょうか。アシッドジャズ的な雰囲気が既にあります。当時の黒人アクション映画のサントラみたいなハードボイルドな感じもあります。

1. Abstrutions
2. Libra
3. Effi
4. Equipoise
5. Members Don't Git Weary
6. Absolutions

メンバーはトランペットのCharles Tolliver、サックスのGary Bartz、ピアノのStanley Cowell、ベースのJymie Merrittです。黒人公民権運動は、キング牧師の死をもって、一時頓挫します。まだまだ、黒人への差別がなくならない社会が続いていくのですが、ミュージシャンの間では白人も黒人もなく尊敬し合い、ジャズとロックとファンクが融合してフュージョンの土台が出来上がっていきます。そういう影響下にある作品ですが、それでもジャズ色が全面に出ています。

Atlanticレコードと言う事もあってか、ソウルフルなジャズになっています。Max Roachのドラムはより激しさを増して、ジャズロックな感じになっていますが、まだスウィングしています。ジャズロックの特徴はスウィングがなくなって、完全にファンクなリズムになっていきますので、Max Roachはまだジャズにこだわっているようです。しかし、新しい時代の匂いがプンプンしています。名盤です。

Abstrutions
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[20120728]

ロンドンオリンピックがいよいよ開幕いたしました。
北京オリンピック閉幕式では、次回開催国代表として、白髪のJIMMY PAGEが登場して、期待感を高めてくれたので、おそらく初めてオリンピックの開幕式を全部通してみてしまいました。

ブリティッシュロックファンには伝え聞いているイギリスの歴史を紐解く演出は良かったと思います。
ピンクフロイドのアニマルズの工場の上空には、しっかり豚の風船が上がっていましたし、セッsクスピストルズやクラッシュの曲がかかっていました。

ロックの歴史になると、ビートロックからグラムロック、パンクロック、テクノときて、80年代の代表はデュランデュランではなく、フランキーだったので嬉しかったです。その後はレイブからブリットポップときて、ファンタジー演出の時はMike Oldfield本人が登場してTubular Bellsを演奏しました。女王陛下はジェイムスボンドにエスコートされて、ヘリコプターからパラシュートで降りてくる演出も面白かったと思います。女王陛下本人が出演しているのもご愛嬌でしょう。しかし、一人では動くものままならないアリをかり出す必要はあったのでしょうか。

炎のランナーの生演奏では、Mr.ビーンがシンセの単音のシーケンスを弾いていて、単純過ぎて飽きてきてしまうと言う下りがあったり、ベッカムがボートを運転して聖火を運んできたり、で、前評判だったPaul McCartneyは、最後の最後に登場。THE ENDを演奏してからヘイジュードを披露しました。なぜヘイジュードなのか理解出来ませんが、最後のコーラスを全員で歌いたかったのでしょう。

ブリティッシュロックファンには馴染みの歴史を表現した演出。これからの試合も大きく期待出来る予感がします。

Opening Ceremony

[20120728]

Drums UnlimitedDrums Unlimited
(2004/05/03)
Max Roach

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66年の作品で、Max Roachのリーダー作品の中では一番有名なアルバムだと思います。アトランティックレコードに移籍してからは革新的な作品を出すようになっていますが、このアルバムはドラマーとしてのMax Roachを強調した作品になっています。アルバムのほとんどがドラムソロに近いもので、当時のジャズドラマーを目指していた人達に取っては教則本のようになっています。

1. The Drum Also Waltzes
2. Nommo
3. Drums Unlimited
4. St. Louis Blues
5. For Big Sid
6. In The Red [A Xmas Carol]

メンバーはトランペットのFreddie Hubbard、サックスのJames SpauldingとRoland Alexander、ピアノがRonnie Mathews、ベースがJymie Merrittでス。プロデューサーはアトランティックという事もあって、Arif Mardinが担当しています。ツェッペリンが出てくるまでは、アトランティックはソウルミュージックに特化したレーベルでありますが、こうしたジャズ作品もだしています。ドラムソロが、歌うようなドラムソロが展開されていますが、時代的にまだドラムの音は工夫されていません。ハイハットなどは、ドラムマシーンが出てきた頃ののような音に近い感じです。

ロックドラマーの中でもジャズドラム志望だった人も多く、ジンジャーベーカーやビルブラッフォードなどは、こうした作品を聴いて育っています。60年代と言う事もあり、昔のジャズのドラムソロよりもロック側に近い雰囲気になっていると思います。70年代前半のロックバンドでのドラムソロは、このアルバムからの影響が大きいと思います。ドラムが主役の作品ですから、音楽的には内容は濃いくありませんが、それ以上の影響力を持った名盤です。

The Drum Also Waltzes
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[20120726]

Max Roach TrioMax Roach Trio
(1992/02/25)
Max Roach

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64年の作品で、Hasaan Ibn Aliのピアノを中心として、ベースのArt Davisとのトリオ編成でレコーディングされた作品です。Hasaanの演奏スタイルはセロニアスモンクのようなどこかひょうきんなユーモアのあるプレイで、独自の音楽生に溢れています。これまでの黒っぽい作品群とは異なる異色の作品と言えるでしょう。それでも、この感覚も黒人特有のものだと思います。

1. Three-Four Vs. Six-Eight Four-Four Ways
2. Off My Back Jack
3. Hope So Elmo
4. Almost Like Me
5. Din-Ka Street
6. Pay Not, Play Not
7. To Inscribe

自由奔放なHasaanのピアノプレイに、しっかりとした鉄壁のリズムを支える Max RoachとArt Davisとの対比がいい味を出しています。Hasaanの演奏だけだと、かなりアバウトなリズム感であり、まるで子供がピアノで遊んでいるような、そんな演奏スタイルは、狂気と呼ぶには親しみ易いフレージングになっていて、そこがこの人の魅力なのでしょう。そのはみ出しぶりを見事にまとめているリズムセクションが見事です。

ピアノもチューニングがあっていないのではないかと言うくらい、倍音ばぶれています。しかし、無茶苦茶に演奏しているように聴こえますが、三人のアクセントは見事にぴったり合っており、ここが百戦錬磨のなせる技だと思います。だからこそ、この三人でのセッションを作品にしようとしたのであって、単なる思いつきだけではない、ある程度のルールの上に演奏された迷曲ばかりです。初心者にはきつい内容かもしれません。

Three-Four Vs. Six-Eight Four-Four Ways/Din-Ka Street
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[20120726]

We Insist Max Roach\'s Freedom Now SuiteWe Insist Max Roach\'s Freedom Now Suite
(2006/09/19)
Max Roach

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64年の作品で、黒人の公民権運動とハードバップの黒人音楽の復権運動が合わさって生まれた名盤です。ヨーロッパでのライブ録音になるのですが、曲は全てオリジナルの新曲で、Abbey Lincolnのボーカルを中心にトランペットのBooker Little、サックスがColeman HawkinsとWalter Benton、トロンボーンがJulian Priester、ベースがJames Schenk、パーカッションがMichael Olatunji、Raymond Matillo、Thomas Duvail、Michael Olatunjiで、アフリカンアフロへの回帰、つまりエクソダスこそが黒人の公民権への主張となっています。

1. Driva'Man
2. Freedom Day
3. Triptych: Prayer-Protest-Peace
4. All Africa
5. Tears For Johannesburg

内容はジャズ的ですが、Suite、つまり組曲として構成されていて、本来はクラシック的な組曲とするところを、アフリカ的な解釈で構成させているところが斬新です。Abbey Lincolnも叫びまくっており、非常にロック的なパワーもあります。ツェッペリンの初期の頃のようなパワーを感じます。黒人ジャズミュージシャンは当時はタキシードを着て演奏するくらいプライドが高く、そういう人達は黒人差別に対して非常に敏感でした。ですから音楽による自由を叫びまくっている作品になっています。

その精神性が見事に音楽に反映した名盤です。ミンガスなんかも当時はそうした独自の音楽を追求していましたが、Max Roachもその道を追求しています。純粋に音楽を最重要としていたマイルスは、気に入れば白人とも演奏しており、完全に黒人にこだわった公民権運動とは距離のある作品を出していました。勿論差別には人一倍敏感でしたが、そういう違いが音楽生に現れています。Max Roachのこの時期の作品は非常に黒いのはその為です。演奏も曲も素晴らしい完成度で、見事な名盤です。

Driva'Man
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We Insist! Freedom Now Suite

[20120725]

It\'s TimeIt\'s Time
(1996/03/26)
Max Roach

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It\'s TimeIt\'s Time
(1996/03/26)
Max Roach

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62年の作品で、Impulse!レーベルからリリースされました。プロデュースはBob Thieleで、バックコーラスというか、スキャットを大々的にフューチャーした作品です。他のメンバーはトランペットのRichard Williams、トロンボーンのJulian Priester、テナーサックスのClifford Jordan、ピアノのMal Waldron、ベースのArt Davisです。Lonesome LoverではAbbey Lincolnが歌を歌っています。

1. It's Time
2. Another Valley
3. Sunday Afternoon
4. Living Room
5. The Profit
6. Lonesome Lover

コーラスアレンジはColeridge-Taylor Perkinsonで、コーラスが入る事で、またしてもフュージョン的な洗練された感じがあるのですが、演奏自体は、これまたかなり黒っぽいソウルフルな魂に溢れています。この頃のMax Roachは、かなり創作性に溢れているようで、全曲彼のオリジナル曲です。ハードバップな白熱した演奏でもあるのですが、これまでの作品よりもかなり早いパッセージで演奏されていて、心地良い緊張感に溢れています。

ハードバップの激しいソロも炸裂しているのですが、ソロも含めて、しっかり構築された内容であり、リズムも斬新ですし、マイルスとは違う進化の仕方をしています。ジャズミュージシャンは、そもそもプライドが高く、他の演奏家とは違うと言うアプローチをする事に命をかけています。それこそがジャズの進化のモチベーションであり、ジミヘンやジェイムスブラウンに嫉妬したマイルスデイビスがジャズロックの扉を開くのですが、それ以前に、王道的なジャズの進化を遂げている作品になっていると思います。歴史的な名盤です。

It's Time
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[20120723]

Speak Brother SpeakSpeak Brother Speak
(1991/06/12)
Max Roach

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62年の作品で、サンフランシスコのジャズワークショップでのライブを収めたものになっています。この時のMax Roach Quartetのメンバーは、サックスのClifford Jordan、ピアノのMal Waldron、ベースのEddie Khanで、アナログ盤ではA面、B面1曲づつで、それぞれ20分以上の熱演になっています。変拍子を使ったり、かなりプログレッシヴな演奏が展開されていきます。

1. Speak, Brother, Speak
2. A Variation

内容的にはハードバップ、特にファンキージャズのようなソウルフルな演奏になっています。Brotherなんて言っている時点でソウルフルです。マイルスがモードジャズを提唱するようになって、時代はモードからフリーへと変革している時代に、思いっきり黒いハードバップをより黒っぽい演奏で展開しているのは、かっこ良く聴こえます。この後ジャズロック時代になるとファンクも取り入れてくるので、ファンキージャズのようなスタイルは先見性があったのです。

普通のファンキージャズはソウルフルなので、曲もシンプルで、ジャズでは珍しくシングルヒットが狙える曲が多かったのですが、このライブで展開されているファンキージャズはヒットするようなポップな内容ではなく、魂がぶつかり合うようなソウルテイストによるジャズになっています。変拍子になっていたりするので、Max Roachはかなり複雑なパターンを創りだしていて、それでいて安定感がある素晴らしい演奏をこなしています。名盤です。

Speak, Brother, Speak
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[20120723]

名古屋場所は日馬富士の三度目の優勝で幕を閉じました。白鵬と千秋楽まで全勝できました。横綱と大関が全勝で千秋楽にぶつかるのは、史上初の対戦となりました。日馬富士が今場所良かったのは、大関に上がる前のスピードと、相手の力を利用した、水車の理論のような取り口が復活した事だと思います。相手が充分になる前にスピードで相手を翻弄して勝つと言うのは、軽量級の力士にとっては必勝パターンですが、大関に上がってからは、それを封印して、普通に相撲を取っていましたが、それは日馬富士には似合わない取り口だったと思っていましたが、本来の相撲に立ち戻った事で、今場所の優勝があったと思います。

上位陣の成績
白鵬 14勝1敗
稀勢の里 10勝5敗
琴奨菊 10勝5敗
把瑠都 9勝6敗
日馬富士 15勝0敗 優勝
琴欧洲 9勝6敗
鶴竜 9勝6敗
豪栄道 7勝7敗1休
栃煌山 4勝11敗
妙義龍 8勝7敗
豊ノ島 5勝10敗


白鵬は最後まで全勝できましたが、決していい状態ではなかったと思います。全盛期は過ぎているのではないでしょうか。把瑠都は勝ち越しまではまぐれで全勝でしたが、後半戦は案の定勝てません。勝ち方が分かっていないのです。自分にどれほどの恵まれた素質があるのか、いまだに分かっていないようです。妙義龍は小結の地位で何とか勝ち越しましたが、上位戦での勝ち越しは自信に繋がったと思います。技能賞を受賞しています。

魁聖は11勝で敢闘賞を受賞しました。体調が戻っていると思っていましたが、腰が悪かったようです。その為、前に圧力をかけて取っていた事がいい成績につながったようです。来場所は上位対決になるので、そこでの経験が今後活かされると思います。返り入幕の舛ノ山も11勝を上げて敢闘賞を受賞しています。若手が伸びてきた事で、上位であぐらをかいている力士との世代交代となると、もっと活気づくと思います。日馬富士は今場所と同じような取り口を撮れれば、綱取りも夢ではないでしょう。

白鵬 vs 日馬富士

[20120722]

パーカッション・ビター・スウィートパーカッション・ビター・スウィート
(2011/09/14)
マックス・ローチ、アビー・リンカーン 他

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61年の作品です。Impulse!レーベルからのリリースで、プロデュースはMax Roach自身になっています。この頃はBooker Littleとの共演が多く、Booker Littleがトランペット、トロンボーンのJulian Priester、フリージャズの申し子Eric Dolphyがサックスとフルート、バスクラリネット、Clifford Jordanがテナーサックス、ピアノがMal Waldron、Art Davisで、パーカッションがCarlos Valdes、Carlos Eugenio。Abbey LincolnがGarvey's GhostとMendacityで歌というか、スキャットしています。

1. Garvey's Ghost
2. Mama
3. Tender Warriors
4. Praise For A Martyr
5. Mendacity
6. Man From South Africa

パーカッションがテーマになっていて、アフリカのリズムなどを取り入れた作品になっています。ジャズドラマーが通る道として、アフリカのリズムを研究する事はアートブレイキーからの伝統になっています。エルヴィンジョーンズにはジョンコルトレーンとの死別がありますが、マックスローチにはClifford Brownとの死別があります。その死を乗り越える為にも、Booker LittleやEric Dolphyとの共演は助けになったはずです。

そして、ドラマーとしてはリズムへの飽くなき追求があり、パーカッションを入れる事で、情熱的なリズムを創りだしています。ラテンとは違った灼熱の太陽を思わせるようなポリリズムです。少しフュージョン的な融合の仕方をしているのがそそられます。黒人音楽への回帰としては、アフリカへの回帰、つまりエクソダスというのは、当時とても意味があった事でした。そういう意味でも、とても意欲的な名盤になっております。

Man From South Africa

[20120722]

リッチVSローチ~2大ドラマーの対決+4リッチVSローチ~2大ドラマーの対決+4
(2012/06/13)
バディ・リッチ&マックス・ローチ

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Rich Vs RoachRich Vs Roach
(1987/07/07)
Buddy Rich

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59年の作品で、白人ドラマーのBuddy Richとのドラム対決アルバムです。レーベルはMercuryで、プロデューサーはJack Tracy。他のメンバーはサックスのPhil Woods、Stanley Turrentine、トロンボーンのWillie Dennis、Julian Priester、トランペットのTommy Turrentine 、ベースはBobby BoswellとPhil Leshin、ピアノがJohn Bunchです。

1. Sing, Sing, Sing (Previously Unissued, Alternate Take)
2. Sing, Sing, Sing
3. The Casbah
4. The Casbah
5. Sleep
6. Figure Eights
7. Yesterdays
8. Big Foot
9. Big Foot (Previously Unissued, Alternate Take)
10. Limehouse Blues
11. Limehouse Blues (Previously Unissued, Alternate Take)
12. Toot, Toot, Tootsie Goodbye

曲自体はスタンダード曲ばかりですが、ドラムソロ対決が大幅にとられています。ステレオ録音なので、左にBuddy Rich、右にMax Roachのドラムを配して、相互にドラムソロを取り合って、やがて同時に叩き始めて盛り上がるみたいな感じです。ドラムが主役になる事はあまりないので、ドラムを全面に出せるだけのテクニックが必要になるのですが、それだけに耐えうるだけの二人のぶつかり合いは壮絶です。

ソロになるともう曲の構成は関係なく、好きなようにポリリズムを取り合うみたいな感じで、こういうソロが後のクリームのようなビッグブルースバンドに影響していきます。始めにジャズありきなのです。元々ドラムというのは、バスドラ、スネア、シンバル、タムと分かれていて、複数の人数で演奏されていたのですが、金がない黒人は何人もリズムセクションに金がかけられないので、一人で打楽器パートをまかなえるように、現在のドラムセットが考案されたのです。全てのパートを同時に演奏するのは最初は難しかったと思いますが、それが当たり前になって現在に至っています。これだけ延々ドラムソロに注目されている作品も珍しく、サンプリングネタにもなると思います。

Sing, Sing, Sing
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[20120722]

Booker Little Four & Max RoachBooker Little Four & Max Roach
(1993/01/22)
Booker Little

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ブッカー・リトル4&マックス・ローチブッカー・リトル4&マックス・ローチ
(2011/04/20)
ブッカー・リトル

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これも58年の作品で、Booker Littleのトランペットを中心にしている作品です。レーベルはUnited Artistsになっており、今回はTommy Flanaganのピアノが入っています。それ以外は同じでサックスのGeorge Coleman、ベースのArt Davisになっています。今作はBooker Littleのリーダー作扱いですが、Max Roachとのコラボレート作の一つと言えます。

1. Milestones
2. Sweet And Lonely
3. Rounder's Mood
4. Dungeon Waltz
5. Jewel's Tempo
6. Moonlight Becomes You
7. Things Ain't What They Used To Be
8. Blue 'N Boogie

Tommy Flanaganのピアノが加わった事により、ムーディーなMoonlight Becomes Youのような曲もあり、そこでのBooker Littleのロマンティックなトランペットプレイも聴きものです。Booker Littleは23歳の若さで他界しているので、数少ないリーダー作品の一つです。マイルスのMilestonesをカバーしていますが、マイルスのペットの音とは明らかに違う音色に注目です。どちらかと言えばClifford Brownに近いプレイヤーです。

Max Roachはドラム以外にもtimpaniやvibraphoneも演奏しています。ドラミングはロールなどの手数が多いのですが、他のプレイヤーの邪魔にならないところで出してくるので、そういうところが好まれて、彼は重宝されるドラマーとして活躍してきたのだと思います。タイム感がいいので、それに合わせて演奏する方は気持ちよく演奏に集中出来るのです。エルヴィンほど荒削りではなく、スマートに自己表現出来るドラマーです。

Milestones
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[20120722]

Deeds Not WordsDeeds Not Words
(1988/02/17)
Max Roach

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58年の作品で、Riversideレーベルからリリースされた作品です。メンバーはBooker Littleのトランペットを中心に、サックスのGeorge Coleman、ベースのArt DavisとOscar Pettiford、チューバのRay Draperでス。プロデュースはOrrin Keepnewsです。三管体制でハードバップしています。Max Roachはユニークなフレージングがありますが、正確でタイム感が抜群です。一緒に演奏するのは、とても気持ちいい事でしょう。

1. You Stepped Out Of A Dream
2. Filide
3. It's You Or No One
4. Jodie's Cha-Cha
5. Deeds, Not Words
6. Larry-Larue
7. Conversation
8. There Will Never Be Another You

今回はソロも充実しています。ソロの取り方はビバップ的な、みんながソリストを見守るような、そんな雰囲気です。しかし、音楽的にはハードバップです。ビバップとハードバップの違いは、微妙ですが、ハードバップの方がソウルフルと言えるでしょう。ビバップのようにアドリブによる熱いプレイに反して、楽譜に忠実に演奏するクールジャズが流行りだします。それは白人感覚によるジャズの始まりでもあり、白人にも好まれて支持されるようになった事から、黒人音楽の復権を命題にしたハードバップが生まれました。

黒人らしい音楽を取り戻すべく、ソウルやファンクなどの要素も盛り込まれ、ファンキージャズという踊れるジャズも誕生します。つまり、頭でっかちになっていたビバップが大衆音楽へと回帰したムーヴメントでした。ビバップ時代の方が有名な曲も誕生していますが、ハードバップの時代に入って、よりジャズが身近なものになっていきます。そんな時代を反映したような名演が収められた名盤です。

You Stepped Out Of A Dream
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[20120721]

Jazz in 3/4 Time (Dig)Jazz in 3/4 Time (Dig)
(2005/04/26)
Max Roach

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57年の作品で、タイトルにもあるように3/4とは三拍子、つまりワルツをコンセプトとした作品になっています。メンバーはトランペットのKenny Dorham、ピアノのRay Bryant、サックスのSonny Rollins、ベースのGeorge MorrowといつものQuintetになっています。スタープレイヤーのSonny RollinsとKenny Dorhamをバックメンバーにかかえているという贅沢ぶりです。

1. Blues Waltz
2. Valse Hot
3. I'll Take Romance
4. Little Folks
5. Lover [Stereo Version]
6. Lover [Mono Version]
7. The Most Beautiful Girl in the World

ジャズのスウィングは三連符ということになりますので、三拍子というのは比較的演奏し易い形態になります。分数的にはあうのですが、三連符と三拍子というのは明らかに違うリズムであり、四拍子の中の三連符だからこそスウィング感が生まれるのであって、三拍子だとスウィングとは言いにくいです。踊りで言うと三連符ならチャールストンですが、三拍子だとワルツになってしまいます。この違いを明確にしている作品だと思います。

三拍子はブルースなどに多く、6/8とかもありますが、ジャズでも三拍子の曲も少なくありません。四拍子以外は変拍子ということになり、フュージョンなどで多くなりますが、ビバップでもいくつかあります。ただし、インプロビゼーションを重視するマイルスデイビスではほとんどありません。リズムをかっちり決めていた方が自由に演奏し易いからです。拍子が変わってくるとお約束事が増えてくるのです。この作品もビバップですが、アドリブは少ないですね。

Blues Waltz
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[20120721]

マックス・ローチ・プラス・フォア (紙ジャケット仕様)マックス・ローチ・プラス・フォア (紙ジャケット仕様)
(2002/05/29)
マックス・ローチ

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マックス・ローチ・プラス・フォア (紙ジャケット仕様)マックス・ローチ・プラス・フォア (紙ジャケット仕様)
(2002/05/29)
マックス・ローチ

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続きましてはマックスローチの紹介です。彼はエルヴィンよりも早くから活動しており、ビバップの時代から活躍しております。Duke Ellington Orchestraにもいた事があり、Dizzy Gillespie,やCharlie Parkerのビバップの創設期にも参加しています。Thelonious Monk、Bud Powellなどのビバップピアニストのバックも務め、Miles Davisや特にClifford Brownとの演奏が有名です。

1. Ezz-Thetic
2. Dr. Free-Zee
3. Just One of Those Things
4. Mr X.
5. Body and Soul
6. Woody 'N' You

彼のリーダー作品としては53年のMax Roach Quartet、Max Roach and his Sextet、Max Roach Quartet featuring Hank Mobleyがありますが、CD化されていないので、この56年の作品から紹介していきます。メンバーはトランペットのKenny Dorham、サックスのSonny Rollins、ピアノのRay Bryant、ベースのGeorge Morrowで、そうそうたるメンバーでの作品は、彼がこれまで関わってきたセッションの層の厚さを物語っています。

曲はビバップのスタンダードの他にGeorge RussellのEzz-Theticのように、クールジャズ作品も取り上げている辺りが、懐の深さを物語っています。Max Roachのドラミングは、まるで歌のようだと言う形容もあり、単なるリズムキープ以外のフレージングはビバップならではのはじけ方があります。しかし、それでもタイム感がいいので、マイルスのような気難しいミュージシャンにも重宝されていました。40年代から活躍しているので、ソロ作品を出すのもかなり遅れているのですが、ドラマーのリーダー作と言うのは当時は珍しかったので、その草分けとなりました。

Ezz-Thetic
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[20120721]

Truth: Heard Live at the Blue NoteTruth: Heard Live at the Blue Note
(2004/10/12)
Elvin Jones

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Truth: Heard Live at the Blue NoteTruth: Heard Live at the Blue Note
(2004/10/12)
Elvin Jones

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2004年の作品で、99年のニューヨークのBlue Noteでのライブを収めた作品で、同年心臓病で他界してしまったエルヴィンの追悼盤のようになっています。メンバーはトランペットのDarren Barrett、トロンボーンのRobin Eubanks、サックスがAntoine RoneyとMichael Brecker、ピアノがCarlos McKinney、ベースがGene Perlaになっています。四管と言う構成で、特にスタープレイヤーはMichael Brecker であり、彼のプレイがかなり白熱しています。

1. E.J.'s Blues
2. Straight No Chaser
3. Body And Soul
4. Truth
5. A Lullaby Of Itsugo Village
6. Wise One
7. Three Card Molly

曲はライブでは定番になっているものばかりで、これぞエルヴィンと言う選曲になっています。スタンダード曲も多いので、エルヴィンの渋い演奏も聴きもので、その中でエルヴィンらしいフレージングは光ります。ジャズクラブならではの、客席が近い感じも伝わってきて、本当に生で聴いているかのような臨場感が味わえます。これこそがジャズ喫茶で楽しんでいた頃のジャズであり、モダンジャズファンにはたまらない内容になっていると思います。

ジャズの大物達と渡り合ってきたエルヴィンも晩年は若手と共演したり、常に第一線で活躍してきました。特にコルトレーンの作品には、なくてはならないドラマーであり、偉大なドラマーでありました。奥さんが日本人と言う事もあり、日本でのライブも多く、日本人にも親しまれてきたミュージシャンです。彼の偉大な足跡はソロ作品だけでは語り尽くせませんが、少しでも伝わっていただければ幸いです。

Straight No Chaser
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[20120721]

Momentum SpaceMomentum Space
(1999/03/09)
Redman、Taylor 他

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99年の作品で、久々にVerveレコードからリリースされています。プロデューサーはJohn Snyder。メンバーはテナーサックスのDewey Redman、ピアノCecil Taylorのトリオ編成で、ベースレスという珍しい構成です。三人のメンバーがそれぞれ曲を作って、それを三人で料理していくという、挑戦的な演奏になっています。ですから全盛時代のハードバップ期のようなインタープレイが楽しめます。

1. Nine
2. Bekei
3. Spoonin'
4. Life As
5. It
6. Is
7. Dew

曲のタイトルは後からとってつけたような感じになっています。三人三様で自由に演奏していて、かなりアドリブを交えた演奏から出来ているので、スタンダードを演奏するようなサービス作品とは違って、ハードバップ時代の、若手だった頃のような自己顕示色の強い演奏のぶつかり合いになっています。特にCecil Taylorのフリージャズ寄りな演奏に触発された内容になっています。

その緊張感たるや、打ち込みミュージックでは味わえないものになっています。時には信号のように、音階を超越したような音を解き放ち、その信号が増殖して大きなうねりを作って音楽となっています。これこそがフリージャズの醍醐味であり、この年齢になっても、これだけの瞬発力が出せると言うのは驚異であります。ジャズがまだ死んでいない事を実証した名盤と言えるでしょう。

A Different Drummer
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[20120721]

It Don\'t Mean a ThingIt Don\'t Mean a Thing
(2009/01/27)
Elvin Jones

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イット・ドント・ミーン・ア・シング・・・イット・ドント・ミーン・ア・シング・・・
(2008/07/23)
エルヴィン・ジョーンズ

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93年の作品で、ドイツのEnjaレーベルからの作品です。メンバーはトランペットのNicholas Payton、トロンボーンのDelfeayo Marsalis、フルートとテナーサックスのSonny Fortune、ピアノのWillie Pickens、ベースのCecil McBeeで、Lush LifeとBopsyではKevin Mahoganyが歌を披露しています。ビバップ時代のスタンダード曲を集めていて、A Change Is Gonna Comeはリズム&ブルースのSam Cookeの曲です。

1. Green Chimneys
2. A Lullaby Of Itsugo Village
3. It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing
4. Lush Life
5. Zenzo's Spirit
6. A Flower Is A Lovesome Thing/Ask Me Now
7. Bopsy
8. Fatima's Waltz
9. A Change Is Gonna Come

三管体制でのビバップという、かなり古めかしい雰囲気の作品で、渋い感じになっています。この辺りになると、流石のエルヴィンも余生に入った感じで、残りわずかな人生をジャズに捧げているような感じもします。Thelonious MonkのGreen Chimneys、Duke EllingtonのIf It Ain't Got That Swing、そしてSam CookeのA Change Is Gonna Comeなど、有名な曲を演奏する事によって、ファンを楽しませるような雰囲気になっています。

リズム&ブルースのA Change Is Gonna Comeを演奏すると言う事は、ハードバップの定義である、黒人音楽の復権に近いポリシーを感じますし、ジャズ以外の音楽を取り入れるなら、もう少し融合感が欲しいところですが、はっきりとリズム&ブルースとして演奏しています。この辺が、もう若さがない証拠でしょうか。音楽家としては、もう少し冒険して欲しいところですが、そこまで求めてはいけないのでしょう。レトロジャズな感じが強いですが、モダンジャズファンには楽しめるアルバムだと思います。

Lush Life
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[20120720]

Tribute to John ColtraneTribute to John Coltrane
(1997/06/27)
Elvin Jones Special Quartet

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Tribute to John ColtraneTribute to John Coltrane
(1997/06/27)
Elvin Jones Special Quartet

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92年の作品で、久々のメジャーレーベルとなるColumbiaからリリースされたElvin Jones Special Quartetによるライブアルバムです。メンバーはモダンジャズ復興の首謀者Wynton Marsalisのトランペット、ピアノのMarcus Roberts、ベースのReginald Vealでス。コルトレーンの名曲至上の愛をカバーしており、コルトレーンのサックスの部分をMarsalisがトランペットで吹いています。ですから、全く別もののような雰囲気になっています。

1. A Love Supreme: Pt. 1 Acknowledgement/Pt. 2 Resolution/Pt. 3 Persuance
2. Dear Lord
3. Happy Birthday for "Yuka"
4. Blues to Veen

当時のWynton Marsalisの人気は絶大で、フュージョンブームを良しとしなかったモダンジャズファンにとっては救世主のようなものでした。実際には進化するジャズを衰退させた張本人なのですが、Wynton Marsalisのトランペットはマイルスのような繊細なものではなく、Fats NavarroやClifford Brownのような太い音を出します。このカルテットでも目玉はやはり、そのWynton Marsalisのプレイに尽きるのですが、若手ミュージシャンに刺激を受けてはりきっているエルヴィンが、やはり主役でしょう。

東京のPit Innでのライブなので、音はあまり良くありませんが、かなり白熱した演奏になっています。コルトレーンの詩的な演奏とは違うWynton Marsalisは、やはり芸術的な作品を普通のハードバップに戻しているようなもので、この人は演奏は旨いのですが、やはり、ジャズを衰退させた張本人で間違いありません。ジャズが一番良かった頃に戻したと言う意味ではファンを納得させるでしょうが、それまで後退した事のなかったジャズを後退させた罪は重いです。プレイヤーとしては最高なのですが、単なる名人な人なのだと思います。

Love Supreme
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[20120719]

Going HomeGoing Home
(2008/07/01)
Elvin Jones

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ゴーイング・ホームゴーイング・ホーム
(2008/07/23)
エルヴィン・ジョーンズ

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93年の作品です。メンバーはトランペットのNicholas Payton、フルートとピッコロのKent Jordan、サックスのRavi ColtraneとJavon Jackson、ピアノのWillie Pickens、ベースのBrad Jonesです。若手のミュージシャンと火花を散らすハードバップ大会になっています。John Coltraneの息子のRavi Coltraneとも再び共演しています。アレンジも攻撃的で、懐古主義的にハードバップしているのではなく、挑戦的な演奏になっています。

1. The Shell Game
2. Going Home
3. Cross Purpose
4. You've Changed
5. Truth
6. East Of The Sun
7. In 3/4 Thee
8. April 8

エルヴィンによるオリジナル曲が多いですが、Truthは奥方のKeiko Jonesが作曲しています。才能のある方なんですね。ムーディーな曲も多く、大人のジャズとしても楽しめますし、若々しい演奏は情熱的であり、とても余生を送っているような年齢の人とは思えません。打ち込みが多くなってきた頃の作品ですが、打ち込みではない生演奏のジャズは呼吸するリズムが脈打っており、テクノでは到底表現出来ない世界です。

演奏が巧みな人が打ち込みをする必要はありませんし、昔は演奏力がない人がミュージシャンになることは拒まれていたはずですが、現在は演奏力がなくても立派な曲が創れる時代になっています。それはそれで新しい感性が生まれる事になるのでいいのですが、これだけの演奏が出来る人達が集まれば、流行の音楽をやらなくても説得力があります。エルヴィンも若手に負けないくらいパッショナブルです。名盤ですね。

The Shell Game
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[20120718]

YoungbloodYoungblood
(2005/11/15)
Elvin Jones

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92年の作品で、これもドイツのEnjaからリリースされています。メンバーはトランペットのNicholas Payton、サックスはJavon JacksonとJoshua Redman、ピアノがGeorge Mrazでス。ピアノレスで、スタンダード曲を中心に演奏されています。思いっきりハードバップしていて、ここまで徹底的にやられると気持ちいいです。モダンジャズ復興も何も関係なく、エルヴィンにはこれしかにと言うくらい最高の演奏を披露しています。

1. Not Yet
2. Have You Seen Elveen?
3. Angel Eyes
4. Ding-A-Ling-A-Ling
5. Lady Luck
6. The Biscuit Man
7. Body And Soul
8. Strange
9. My Romance
10. Youngblood

和音を演奏する楽器がないので、全体的には攻撃的ですが、ムーディーな曲では管の響きが色っぽいです。これまでトランペットを入れたフォーマットは少なかったのですが、Nicholas Paytonのペットを大々的にフューチャーしています。ヒップホップ全盛期なのに、スタンダードばかりなのに、少しも古くさく感じさせない若々しい演奏は、まだモダンジャズは死んでいない事を証明しているかのようです。

ハードバップなので、ソロ合戦もあるのですが、いまだにソロでのひらめきは衰えていません。ロックシーンではアドリブを演奏出来るミュージシャンが減っている中、さすがにバップの時代に鍛え上げてきた感性は非凡です。演奏者の力量に全てがかかってくるジャズミュージックのあり方を、現在見失っている音楽シーンで見直すにはうってつけの作品だと思います。活きた音楽の良さが分かる時代に戻って欲しいものです。名盤です。

Lady Luck
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[20120716]

In EuropeIn Europe
(2009/01/27)
Elvin Jones

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92年の作品で、Enjaレーベルからリリースされたライブアルバムです。ドイツで行われたライブで、メンバーはサックスがSonny FortuneとJohn ColtraneとAlice Coltraneの息子であるRavi Coltrane、ピアノがWillie Pickens、ベースがChip Jacksonです。演奏曲はエルヴィンの有名なナンバーが選ばれています。これまでの演奏との聴きくらべをするのがライブの醍醐味でしょうか。

1. Ray
2. Doll Of The Bride
3. Island Birdie

ジャズのアルバムは一発録りであり、いくつかテイクを録音するのですが、ライブと同じ条件で録音します。しかし、観客がいるのといないのとでは演奏の白熱度が違ってきますので、ジャズの醍醐味はライブであり、メンバーどうしのコールアンドレスポンスに加えて、観客とのコールアンドレスポンスもありますので、スタジオ盤以上に盛り上がります。特にDoll of the Brideは32分以上もの熱演になっています。

Ravi Coltraneの親子二代に渡る演奏はエルヴィンにとっては感慨深いものでしょう。エルヴィンが紡ぎだすポリリズムはハードバップの極みであり、まだまだ衰えないパワフルな演奏になっています。ドイツでのジャズフェスティヴァルでの演奏であり、ヨーロッパでも、まだまだジャズの人気は高いのでした。ハウスミュージックが流行っていた時期に、このアナログなポリリズムは逆に新鮮です。

Ray
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[20120716]

ウェン・アイ・ワズ・アット・アソ・マウンテンウェン・アイ・ワズ・アット・アソ・マウンテン
(2008/07/23)
エルヴィン・ジョーンズ

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93年の作品で、Enjaというドイツのレーベルからのリリースになります。メンバーはフルートとサックスのSonny Fortune、日本人ピアニストのTakehisa Tanaka、ベースのCecil McBeeです。タイトルのAso-Mountainは勿論阿蘇山の事です。日本でもよく野外ジャズフェスティヴァルが開催されますが、阿蘇でフェスティヴァルがあった訳ではありません。阿蘇に行った時のイメージで制作されているのです。

1. Beautiful Love
2. I Was Too Young
3. You Don't Know What Love Is
4. My Dream Come True, To E. J.
5. Dream Gypsy
6. When I Was At Aso-Mountain
7. Soultrane
8. Stella by Star Light

このアルバムでキーになるのはTakehisa Tanakaのピアノであり、日本人によるジャズは、黒人のものとは違った独特のニュアンスがあり、Takehisa Tanakaのピアノは、まさしく日本人独特のプレイであり、他のメンバーの演奏もTakehisa Tanakaの演奏に合わせたような感じになっているのです。悪い言い方をすると、平均的なテンションによる演奏となります。

あまり出しゃばる事はなくても、しっかり演奏はこなすみたいな、そんなイメージです。ですからビバップなどの対話するような演奏とは違う響きになっています。生真面目さが出ている演奏といいますか、それにエルヴィン達が合わせているので、いつもの作品に比べるとおとなしい感じになっています。それがいいのか、悪いのかは、ロック分野の私が言う事ではないでしょう。エルヴィンの作品だと思うと、少し不思議な雰囲気があるので、そこはユニークに感じられます。

You Don't Know What Love Is

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