この時期のエルヴィンはBlue Noteに沢山吹き込んでおりまして、ちょうど
ジャズロックの時期なだけに、面白い作品を作っています。CoalitionとGenesisと言う作品がこれ以前にありましたが、残念ながらCD化されていないので、71年のこのアルバムを紹介します。内容的にはエレクトリック化されていて、フュージョン作品になっていますが、エルヴィンのドラミングはまだフュージョンには適応していないようにも感じます。アレンジはフュージョンでも、モダン
ジャズの手癖が抜けきっていないのです。
1. Round Town
2. Brite Piece
3. Lungs
4. A Time for Love
5. Tergiversation
6. La Fiesta
7. The Children's Merry-Go-Round March
8. Who's Afraid of..
メンバーはサックス、フルート、ピッコロのJoe Farrell、サックスのSteve Grossman、Dave Liebman、Frank Foster、Pepper Adams、キーボードはChick Corea、Jan Hammer、ギターのYoshiaki Masuo、ベースのGene Perla、パーカッションのDon Aliasです。Joe Farrell、Chick Coreaがいると言う事で、Return to ForeverのLa Fiestaを演奏しています。情緒的なフュージョンをやったり、ハードバップが抜けきっていないような演奏もあります。
時代の流れに合わせてフュージョンしていますが、モダン
ジャズで身に付いたスウィング感は脱ぎ捨てられずにいるので、当時としては中途半端な内容だったと思います。マイルスの強引なリーダーシップにより、
ジャズロックが当たり前になっていましたが、適応出来なかったプレイヤーも多くいたのです。ロンカーターは決してエレクトリックベースは弾かなかったし、モダン
ジャズでいいじゃないかと言う人もいたのですが、ここでのエルヴィンは何とか
ジャズロックでどれだけ演奏出来るかに挑戦しています。しかし、当時の超絶テクニックのフュージョンドラマーに比べると、どうしても劣っているように感じます。でもこれがエルヴィンらしいのです。フュージョンファンなので、こんな作品でも名盤にします。こういう作品も貴重だからです。
Round Town