98年の作品で、フュージョンの感覚でモダンジャズを演奏しています。スタイルはハードバップだったりしますが、演奏する感性は完全にフュージョンスタイルになっています。ですから、とても現代的なジャズになっています。Lounge Art Ensembleというバンドを密かに結成して、この全く新しい感覚のジャズを再構築しています。
1. Pesos 2. It Already Happened 3. Cat and Kittens 4. Jung at Heart 5. I Hear a Rap CD 6. Twelve 7. You Stepped In 8. Journey to the Center of the Blues 9. Pretty Toes 10. Jazz Marines 11. Five Z's 12. Drizzle
このバンドはサックスの Bob Sheppardを中心として、ベースのDave Carpenterからなるトリオ編成になっています。これまでやっていたPeter Erskineトリオを更に発展させたスタイルになっています。あくまでも口当たりはビバップであり、従来のモダンジャズファンでも楽しめる内容ですが、フレージング感覚やテクニックはフュージョンであり、昔のビバップ時代には生み出される事のなかったスタイルなのです。
1. LA Stomp 2. Blues For All 3. Happy Day 4. Artistry in Rhythm 5. I Love You (Sweetheart Of All My Dreams) 6. Modern Drummer Blues 7. Intermission Riff 8. The Park 9. Richard's Blues 10. Constance
Stan Kentonをイメージして作曲された曲はビッグバンドではありませんが、その時代の楽しい雰囲気を再現しています。フュージョン時代を通過してきたメンツばかりなので、表現の仕方も現代的ですし、必ずしも昔を懐かしむような趣旨で制作されていないと思います。演奏形態はどちらかと言うとビバップです。ビッグバンドと呼ぶにはスウィング感はビバップ寄りなのです。
1. Glebe Ascending 2. The Lady In The Lake 3. Episode 4. Woodcocks 5. Esperanca 6. Touch Her Soft Lips And Part 7. Au Contraire 8. For Ruth 9. Romeo & Juliet
John TaylorはKeith Jarrettの影響を公言しており、インプロヴィゼーション的なプレイはKeith Jarrettのように、ある一定のイメージを表現するという手中力によって成り立っているとも言えます。それに反応するPeter ErskineとPalle Danielssonのリズム陣も素晴らしいひらめきに満ちています。これまで同様、透明感があって、穏やかな大自然を感じさせますが、微妙な緊張感があります。
1. Drum Fanfare/Fable 2. Introduction 3. Skins (That Beating, Spoke Like Hearts) 4. Afro Bomba-Bahia 5. Come Here And Go 6. Drum History 7. Congo 8. West Africa 9. Sticks 10. Calypso 11. Bolero 12. The New World 13. Hymn
1. Terraces 2. For The Time Being 3. If Only I Had Known 4. Evansong 5. Page 172 6. Liten Visa Till Karin 7. Bulgaria 8. Ambleside 9. Phrase One 10. Palle's Headache 11. Pieds-en-I'air
1. New Old Age 2. Clapperclowe 3. On The Lake 4. Amber Waves 5. She Never Has A Window 6. Evans Above 7. Pure & Simple 8. Heart Game 9. Everything I Love
John Taylorのピアノを中心とした演奏で、John Taylorはビバップピアノではなく、まるでワールドミュージックのような透き通る音を奏でています。小節の刻み方がジャズというだけであって、昔のビバップ時代のジャズとは異なります。まるで川のせせらぎのようなピアノの響き、ベースは盛りにそよぐ木々のようであり、ドラムは風の音でありましょうか。環境音楽みたいです。
1. Touch Her Soft Lips And Part 2. Press Enter 3. Sweet Soul 4. To Be Or Not To Be 5. Ambivalence 6. Angels And Devils 7. Speak Low 8. Scolastic 9. Distant Blossom 10. But Is It Art? 11. In Your Own Sweet Way
Peter Erskine自身はハードバップ時代には間に合っておりません。彼が活動を始めた頃には既にジャズロックの時代になっていて、フュージョン系のドラマーとして活躍していく事になるのですが、ジャズドラムの基礎をしっかり学んでいるので、きちんと対応しています。フュージョンを経験したミュージシャン達が集まって、ハードバップな演奏をしていると言う、普通のハードバップとも違うニュアンスでもあります。
1. Main Theme 2. Batucada 3. O Mistress Mine 4. The Happy Island 5. If music be the food of love 6. Belafonte 7. Saturday on the Island 8. A Theatre Cue 9. Log Drum & Muted Trumpet 10. Travelling Music 11. Maria's Song 12. Feste's Theme 13. Daylight and Champagne 14. 12th Night Variation #1 15. Malvolio Does the Limbo 16. Act V 17. Hey, ho, the wind and the rain 18. Prologue 19. Such is the breath of kings 20. Timpani Call 21. Main Theme 22. End Hymn 23. Overture 24. Oberon's Entrance 25. Oberon & Titania 26. The Mechanicals (no.1) 27. Titania 28. Bottom's Dream 29. The Sea Maid 30. Indian Boy 31. The Mechanicals (no.2) 32. Pretty Idea 33. Guitar Song 34. Flute Song (Pyramus and Thisbe) 35. The Floating Wrench 36. Waltz 37. Lullaby 38. Jack 39. The End (the kiss) 40. Middsummer Harp Theme
デジタルシンセやサンプラーを多用した作品で、それに生演奏を絡めて、ジャズプログレッシヴロックと言ってもいいでしょう。3つのお芝居を鑑賞しているような気持ちで聴けばいいのだと思います。一つがTWELFTH NIGHT or "What You Will"、一つがRICHARD II世、一つがA MIDSUMMER NIGHT'S DREAMとなっています。どのようなストリーなのかは未確認です。
1. Daddy Trane & Cousin Wayne 2. Buejerk 3. The Music Of My People 4. Ghosts 5. Two Hats 6. Lake Latin 7. Buell St. Blues 8. Round Midnight 9. I Go (rs) Blue (s) 10. Peter's Boogie 11. El A
Albert AylerのGhostsをカバーしていたり、Thelonious Monk の名曲Round Midnightをカバーしています。基本的にはモダンジャズなのですが、少しずつジャズ以外の要素を取り入れているので、純粋なモダンジャズとは呼べませんが、マイルスのような急進派がいなかったら、モダンジャズはきっと80年代にはこれくらいの進化はしていたのかもしれません。そんなマイナー成長したようなジャズです。
1. Erskoman 2. Not A Word 3. Hero With A Thousand Faces 4. Dream Clock 5. Exit Up Right 6. A New Regalia 7. Boulez 8. The Mystery Man 9. In Walked Maya
1. Osaka Castle 2. The Rabbit In The Moon 3. Corazon 4. Suite: King Richard II: Introduction 5. Suite: King Richard II: Music Plays 6. Suite: King Richard II: Sonnet 7. Suite: King Richard II: Transition 8. Suite: King Richard II: End Hymn 9. Lions And Tigers And Bears 10. The Hand Speaks Hold 11. Smart Shoppers 12. My Foolish Heart 13. Orson Welles (Intro) 14. Orson Welles
親日家な曲名があり、Osaka Castle、The Rabbit In The Moonなんて、日本独特のおとぎ話ですし、ユーモアも忘れていません。ブラシさばきも見事で、無駄なおかずは省いているのに、ゴージャズに聴こえるドラムさばきは他のドラマーにはないセンスだと思います。これは生まれ持ったものなのでしょうか。必要な音しか発していないのに、それ以上のサムシングを感じさせてくれます。
87年発売のPigs and Wizardsも廃盤になっているので、88年のこのアルバムの紹介をします。この後はライブアルバムが出る程度だったので、Gadd Gangの紹介は早くもここまでとなります。こんな素晴らしい演奏を再発しないなんて、レコード会社は何をしているのでしょう。このアルバムはR&Bの名曲のカバー集になっています。R&Bをニューソウルな感じにアレンジして何とかフュージョンらしさも出してます。
1. I Can't Turn You Loose 2. My Girl/Them Changes 3. Them Changes 4. Soul Serenade 5. Things Ain't What They Used to Be 6. Che Ore So' 7. Signed, Sealed, Delivered 8. Whiter Shade of Pale 9. America The Beautiful
Signed, Sealed, Deliveredはピーターフランプトンもカバーしたスティーヴィーワンダーの名曲です。Shade of Paleはプロコルハルムの名曲です。プロコルハルムもR&Bを基調にしていたところがあったので、素晴らしい選曲になっていると思います。STUFFの延長線上のバンドですが、STUFF自体も元々はR&Bのグルーヴを大事にしていたので、このメンバーが集まれば自然にこういう演奏になるのでしょう。
Steve Gaddはフュージョンの世界ではあまりにも有名なドラマーですが、セッションドラマーなので、ソロリーダー作というものはなく、バンドとしてはSTUFFをスタジオミュージシャン仲間と結成していましたが、唯一リーダーグループとなっているのがこのガットギャングです。ファーストアルバムのGadd Aboutは84年にリリースされていますが、惜しくも現在廃盤なので、このセカンドアルバムから紹介します。
1. Watching The River Flow 2. Strength 3. Way Back Home 4. Morning Love 5. Duke's Lullaby 6. Everything You Do 7. Honky Tonk/I Can't Stop Loving You
今年2012年にリリースされたばかりの最新作です。前作からは24年ぶりとなる作品で、勿論サウンドも大幅に変わっています。今年来日した時のメンバーで録音されています。メンバーはキーボードのFrank Martin、ギターのMatthew Charles Heulitt、ベースのAngeline Sariで、ロック色の強いサウンドになっています。
1. THUNDER 2. SHAKE THE HOUSE 3. SHIRLEY MAE 4. ROCK THIS PARTY 5. WE BELONG TOGETHER 6. NEW YORK CITY 7. DOWN LOW 8. 40 DAYS 9. GIRL GONE CRAZY 10. POWER 11. THUNDER ANGEL FUNK
最近ではジェフベックとの共演も話題になっており、久々に活動を始めた感じです。童顔だったNarada Michael Waldenもおっさんになっていますが、昔よりもパワフルな演奏になっています。ギターはどうしてもジェフベックみたいな音を出させたりしていますし、自分の一番良かった頃を蘇らせながらも、現在通用するサウンドに仕上げています。
1. Divine Emotions 2. Can't Get You Out Of My Head 3. That's The Way I Feel About You 4. Wild Thing 5. How Can I Make You Stay 6. Explosion 7. I Belong 8. But What Up Doh? 9. Certain Kind Of Lover 10. Jam The Night 11. We Still Have A Dream
1. That's The Way It Is 2. High Above The Clouds 3. Gimme, Gimme, Gimme 4. Live It Up 5. The Nature Of Things 6. Suspicion 7. Dancin' On Main St. 8. Wear Your Love
1. Reach Out 2. Looking At You, Looking At Me 3. Burning Up 4. Never Wanna Be Without Your Love 5. Shake It Off 6. Dream Maker 7. Tina 8. Ain't Nobody Ever Loved You 9. Black Boy
もうヒットメーカーとしての地位を築いていますので、バックミュージシャンも使い慣れているメンバーに任せています。ギターカッティングもコードカッティングから単音のハーフトーンで刻んでいます。白玉和音はキーボードに任せて、ギターの役割が減っているのも特徴です。それが80年代ですから、きちんと対応していますが、さすがにドラムはおかずが多いです。それでなければNarada Michael Waldenとは言えないですから。
シンセドラムも使っています。スクリッティポリッティが出てくるのはもっと後ですから、この時点でスクポリアレンジが出来上がっているのも驚異的です。スクポリ自体ブラコンからの影響でやっていたのですが、ここではスクポリ以上に切れのいいアレンジが聴けます。やっぱりNarada Michael Waldenって凄い人だったんですね。打ち込みらしいものは聴き取れませんので、そこはフュージョンミュージシャンのこだわりなんでしょう。
79年の作品で、前作に続きディスコミュージック全開になっています。プロデュースも彼自身で、参加メンバーはベースのT.M. Stevens、ギターのCorrado Rustici、キーボードのFrank Martin、サックスのMarc Russo、トロンボーンのDanny Noe、トランペットのDave Groverです。Narada Michael Waldenはドラム意外にピアノとボーカルを担当しています。今回は完全にダンスミュージックに特化したメンバーを揃えているようです。
1. You're Soo Good 2. I Shoulda Love Ya 3. Lovin' You Madly 4. Crazy For Ya 5. Tonight I'm Alright 6. Why Did You Turn Me On 7. Carry On 8. The Dance Of Life
1. Reach Out 2. Looking At You, Looking At Me 3. Burning Up 4. Never Wanna Be Without Your Love 5. Shake It Off 6. Dream Maker 7. Tina 8. Ain't Nobody Ever Loved You 9. Black Boy
1. Love Me Only 2. I Don't Want Nobody Else (To Dance With You) 3. Give Your Love a Chance 4. They Want the Feeling 5. Awakening Suite, Pt. 1 (Childhood - The Opening of the Heart) 6. The Awakening 7. Listen to Me 8. Full and Satisfied 9. Will You Ever Know
77年の作品で、ディスコブームの時代でもあり、ここからブラックコンテンポラリー、ソウルミュージックを主軸にしていきます。Narada Michael Waldenはドラムとボーカルで、ベースがNeil Jason、ギターがHiram BullockとRay Gomez、サックスとフルートでHerbie Mann、キーボードがMichaelとCliff Carterなどで、このアルバムはMichael Walden自身がプロデュースしています。
1. I Need Your Love 2. Better Man 3. Soul Bird 4. I Remember 5. Oneness-Cry 6. Mango Bop 7. Rainbow-Sky 8. I Cry, I Smile 9. Heaven's Just A Step Ahead 10. So Long
1. White Night 2. Garden Of Love Light 3. Delightful 4. First Love 5. Meditation 6. The Sun Is Dancing 7. You Got The Soul 8. Saint And The Rascal 9. You Are Love
この人はドラマーでもありながらプロデューサーとしても有名で、この後はソウルミュージック系で大ヒット作を連発していきますので、ジェフベックとの共演の感じを求めている人には、このアルバムが唯一フュージョンプレイを楽しめる作品となっています。ですからファンとしては、どうしても手に入れたいアルバムです。この作品にも既にソウルフルなブラックミュージックが入っていますが、Saint And The Rascalにはジェフベックも参加しているので、必聴盤になっています。First LoveにはCarlos Santanaも参加しています。
1.Enter Here 2. Salsa For Luisito (feat. Esperanza Spalding) 3. The Dirty Ground (feat. Bruce Hornsby) 4. New Muse 5. Sonny Light 6. Sound Travels 7. Oneness (feat. Bobby McFerrin) 8. Indigo Dreamscapes 9. Home
Bruce Hornsbyが歌うThe Dirty Groundはブラックコンテンポラリーフュージョンなポップな曲です。メキシコのマリアッチみたいなアレンジがあったり、アルゼンチンっぽい曲があったり、これまでもラテンを取り入れてきましたが、今回はポップに洗練されたアレンジになっています。ですからとても聴き易いですし、陽気な気分になれます。とても明るい作品に仕上がっていると思います。
2006年の作品で、ギタリストBill Frisellとのデュオライブ作品です。Jack DeJohnetteはドラム、パーカッション、ピアノに歌も歌っています。Bill Frisellはギターの他にバンジョーも演奏しています。コルトレーンのAfter The Rain意外はオリジナルで、Bill Frisellよりのプログレッシヴなフュージョンスタイルになっていますが、Jack DeJohnetteよりのアフリカンな曲もあります。
1. Elephant Sleeps But Still Remembers 2. Cat and Mouse 3. Entranced Androids 4. Garden of Chew Man Chew 5. Otherworldly Dervishes 6. Through the Warphole 7. Storm Clouds and the Mist 8. Cartune Riots 9. Ode to South Africa 10. One Tooth Shuffle 11. After the Rain