

84年の作品で、クリスマスアルバムみたいですが、もっと宗教的な雰囲気があります。参加メンバーはトランペットのCecil Bridgewater 、クラリネットのTony Scott、アルトサックスのLee Konitz 、テナーサックスのOdean Pope、ギターのTommaso Lama、ベースのTyrone Brown でス。ベースとギターはエレキですので、フュージョン的なアレンジになっています。
1. It's Christmas Again
2. Christina
ジャケットを見れば分かりますが、黒人のキリストが張り付けられています。ですから、どこかヴードゥーな宗教儀式的な雰囲気になっています。語りはMax RoachとOdean Popeが担当しており、ストーリーテラーとして進行していきます。Christinaではエレキギターが加わり、フュージョン色が出ています。明らかに、これまでの作品とは異なった異質な作品であり、バブルの時代に、こんな呪文のような作品を作るなんて、まるっきり世情を無視しているとしか思えません。
アメリカに無理矢理つれてこられたアフリカの黒人は、無理矢理主人である白人が信仰するキリスト教を拝まされますが、彼らにとっては、キリストは黒人であり、そこから生まれたのがゴスペルであり、ソウルミュージックの源泉であり、ハードバップのアイデンティティーなのであります。その精神性から、このようなアルバムが生まれた事は不思議ではありませんが、なぜこのタイミングなのかは疑問です。イタリアのレーベルが良心的だったからでしょうか。
Drum Solo 2