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[20121031]

HOWIE B’S BESTHOWIE B’S BEST
(1996/04/25)
オムニバス、ダディ・ロング・レッグス 他

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HOWIE B’S BESTHOWIE B’S BEST
(1996/04/25)
オムニバス、ダディ・ロング・レッグス 他

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2010年の作品で、現在の最新盤です。インターネット販売のみのリリースのようで、CDを見つけられません。テクノ、アンビエントな内容なのですが、曲は普通にポップな作品になっている感じがします。アンビエントと呼ぶにはコード進行がしっかりあって、テクノと呼ぶには起承転結がしっかりあります。

1. Suzuki
2. Tarantino
3. Jumping Shadow Part One
4. Jumping Shadow Part Two
5. Tremor
6. Fatiche
7. What's My Name (Dub)
8. Falling Parts
9. I Don't Want To Play
10. Toe Mountain
11. Georgis
12. Mirror

パッドサウンドがアンビエントのような雰囲気ですが、演奏はしっかりあって、単なる緩やかな音楽ではありません。新しいアンビエントの形なのかもしれませせんが、それよりも普通の曲のアレンジがアンビエント風という見方の方がしっくりきます。このスタイルをやっている人が他にいないので、呼び名がまだついていないようなスタイルなのだと思います。

最近はすっかりアンビエント風の作品が増えて、トリップホップな感じはまったくありません。これが今の彼のスタイルなのでしょう。しかし、他のミュージシャンでも飛び抜けて凄いアルバムが出なくなってひとしいので、彼がこんなアルバムを出しても文句の言いようがありません。明確に時代をリード出来る音楽が無くなっているのです。Howie Bに何か来たいするよりは、職人技を披露してもらえるだけでいいと思います。

Suzuki
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[20121030]

NOT IN THE FACE : REALE DUB VERSIONNOT IN THE FACE : REALE DUB VERSION
(2008/10/25)
HOWIE B VS CASINO ROYALE

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2008年の作品で、Howie BがU2とのヨーロッパツアーの時にイタリアで発掘したイタリアのバンド、Casino Royaleとのコラボレート作品になります。Howie Bの曲とCasino Royaleの曲が交互に並べられており、その素材をHowie Bがダブミックスして創り上げたアルバムです。レゲエやヒップホップなので、特に新しさはありませんが、やはりHowie Bのリミックスセンスが光ります。

1. Easy Tranquillo
2. Milano Double Standard
3. E' Gia Domani
4. Plastico Mistico
5. Protect Me
6. Prova
7. Royale'Sound
8. In My Soul Kingdom
9. Quello Che Ti Do
10. Tutto

ダブといえば昔はフランジャーやディレイなどのエフェクト処理が特長でしたが、さすがに21世紀にもなればエフェクトも多様化されていて、それまでのダブでは無かったようなサウンドを使用しているところがHowie Bの凄いところで、印象としてはダブを感じるけれどテクノな感じもあって、新鮮ではありますが、どちらの要素もあると分けあれば、それほど新しい事はやっていません。

Casino Royaleというバンドを売り出すのには一役買っていますが、それほど目立った売れ方をしていませんから、世界的には成功したかどうかは疑問です。アメリカとイギリス以外からこうしたバンドが出てくる事はいいとして、テクノもダブも新しくはありませんから、インパクトとしては弱いと思います。これが90年代だったら少しは売れていたかもしれません。

Milano Double Standard
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[20121029]

Music for Astronauts & CosmonautsMusic for Astronauts & Cosmonauts
(2007/06/05)
Howie B & Hubert Noi

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2007年の作品で、デンマークのアーティストHúbert Nóiとのコラボレート作品になります。CD2枚組という大容量でアンビエントミュージックになっています。ほぼ同等の立場で製作されていますが、スタイル的にはHúbert Nóiのスタイルにのっかった形になります。

ディスク:1
1. Countdown
2. Take Off
3. Morning
4. Day
ディスク:2
1. Evening
2. Night
3. Into Landing

ビートレスですから穏やかな感じであり、どこか懐かしいようなほのぼのとした雰囲気があります。コンセプトアルバムのようで、飛行機の中で迎える一日を表しているような曲のタイトルになっています。22分代の曲が4曲もあり、気合いを入れて聴く覚悟が必要なようですが、音楽が穏やかなので、BGMとして聴き流すのもいいですが、音処理などを気にしながら聴いても、それほど疲れません。

若い才能とのコラボレートではありますが、アンビエントというので新しさを感じる事は少ないです。大体が同じような感じでありますから、雰囲気が違うという事で識別する事が多いと思いますが、それでも、今までに無かったような編集であったり、音処理であったりしていますので、割と新鮮な気持ちで聴く事が出来ます。マニアックな世界ですが、癒しの音楽としても聴く事が出来ます。

Take Off
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[20121028]

Last Bingo in ParisLast Bingo in Paris
(2004/06/21)
Howie B

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Last Bingo in ParisLast Bingo in Paris
(2004/06/15)
Howie B

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2004年の作品で、久しぶりのオリジナルアルバムになりました。しかし、Last Bingo in Parisというタイトルは、何とも人をおちょくったようなタイトルで良いです。サウンド的にはサンプリングよりも電子音の方が増えて、エレクトロニカな内容になっています。ハードテクノの部類に入るでしょうか、もはやトリップホップではありません。

1. 88
2. Chase
3. Mayonnaise
4. Beautiful numbers
5. Panty Down
6. Flashback
7. Cab Journey
8. Girkin Madness
9. Bearded Man
10. Swinging/Separating
11. Asylum
12. Bingo Theme
13. Don't call me Roger
14. I've met you before
15. System Envy
16. Leaving Home
17. Scooter
18. Fancy Meeting Me

ベロシティーをいじくりまくったような処理など、テクノならではのスタイルで、冷たい質感のジャーマンテクノ、嫌、タイトルからしてフレンチテクノなのかもしれません。パッドサウンドを多用した曲ではアンビエント感もあり、明らかにこれまでとは違う方向性を向いています。サンプリング処理では、かなり無茶な事をやっていたので、リズム的にはユニークだったのですが、踊れませんでした。

しかし、シンセのシーケンスだけだとリズムがはっきりしているので踊れます。DJ mixを創るようになった事で、そうしたフロア向きの方が売れるとにらんだのでしょうか。踊れるけれど、音色的には結構マニアックだったりして、その非凡さは流石ですが、ファンとしては少し不完全燃焼ではあります。

Flashback
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[20121028]

Fabriclive 5Fabriclive 5
(2006/06/23)
Howie B

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2002年の作品で、これもDJ mixアルバムです。今回はヒップホップ以降の楽曲を選択しています。FabricというレーベルのDJ Mixシリーズで05番をHowie Bが担当しています。ヒップホップ以降の作品なので、懐かしさとか、古くささは無く、普通にクラブでかかっていそうな内容になっています。

1. Fish - Skelf
2. Neuroscan - Exile
3. The Word - Dope Smugglaz (excerpt from) The Human Animal - Lydia Lunch
4. Daydream In Blue - I Monster
5. Music Takes You - Blame
6. Cherry Lips - Garbage (Go Baby Go)
7. Donuts And Coffee - Bombing F
8. Beautiful - Lemonescent (featuring) Future Abuse - Meat Katie
9. Clone The Clowns - DJ Llopis
10. Hindoos And Hairdoos - Big Hair And Earl Gateshead
11. Beyond - Jackyl And Hyde
12. Foundation Stepper - Prince Far I

DJ mixでは、あまり自己主張しておりませんので、いつものマニアックなスタイルを望んでいるファンには物足りないかもしれませんが、アルバムとしては、こういう内容の方が売れるので、本人も苦笑いだと思います。これもアゲアゲな内容なので、こういう難しい事は考えなくてもいい作品が売れるというのは、古今東西変わらない事なのかもしれません。

音楽って本来楽しむ事が一番なので、そうした市場の都合もごもっともだと思います。ただ、それだけだと物足りなく感じるのも人間の性でありまして、音楽とのつきあいが単なるBGMとしか考えていない人の方が多いというのも現状でしょう。しかし、心を持っていかれるような音楽との出会いというのがなければ人生は面白くありませんし、そういう出会いが多い方が心が豊かになれると思います。

Garbage

[20121028]

Another Late Night [Howie B] (ALNCD02)Another Late Night [Howie B] (ALNCD02)
(2001/10/09)
Howie B

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Another Late Night: Mixed By Howie B (Reis)Another Late Night: Mixed By Howie B (Reis)
(2005/09/13)
Howie B

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2001年の作品で、DJ mixアルバムになっています。70年代のソウルミュージックを取り上げていて、ターンテーブルをまわしながらリミックスしているので、ほとんど原曲を損なう事も無く、ダンスフロアで大音量でかけて盛り上がるようなアゲアゲサウンドになっています。

1. What Is This?
2. Love's Theme
3. Twilight
4. I Changed My Mind
5. Uplink
6. Mirage
7. Walking In Rhythm
8. Summer Hot
9. Contrazoom
10. Respiration
11. Work The Angels
12. Heavy Tune
13. Under The Boardwalk
14. Violet Don't Be Blue

Howie Bの作品としてはカバー曲ですがUnder The Boardwalkだけで、後はCurtis MayfieldやThe Undisputed Truthなど懐かしい曲と、変わったところではSantanaの曲やジャズ系のHerbie Mann、Gongの曲を取り上げると言うユニークな選曲になっています。 DJ mixということで、DJ達がこのアルバムを使ってフロアでかけてもいいような感じではありますが、DJのプライドとしてはそれはどうなのかは私は知りません。

いつものトリップホップな内容とは違って、陽気明るく、ちょっぴりセクシーな気分になれるようなソウルミュージックばかりです。オリジナルアルバムとは言えませんが、こういう仕事もしているという事でファンにとっては面白い作品でありますし、古い曲でも、これだけのいい曲を知るきっかけにもなると思います。

What Is This?
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[20121027]

FolkFolk
(2003/01/01)
Howie B

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2001年の作品で、フォークというタイトルが暗示している通り、アコースティックギターを使ったフラメンコやアラビックな民族音楽的要素を取り入れ、よりマニアックな世界を創りだしています。歌も多くフューチャーされて、ポップアルバムとしても聴く事も出来ると思います。これまでの彼のキャリアに裏打ちされた引き出しの広さも垣間みれます。

1. Making Love On Your Side
2. All This Means This To Me
3. Musical Mayday
4. Touch
5. Duet
6. Watermelon Sugar
7. Hey Jack
8. My Wee Cod Piece
9. Tap Dancer
10. Telephone

All This Means This To MeではザバンドのRobbie Robertsonが歌で参加しています。Robbie Robertsonはこの頃ドラムンベースのような作品を出しているので、二入りのコラボレートも自然の成り行きで実現したようです。ほとんどノイズでしかないサンプリング素材をわざと使ったり、楽器ではない素材をどう料理するかというのも、プロデューサー気質によるものなのでしょう。音の広げ方なども明確に聴き分けられるようなミキシングになっています。

Duetでは演奏を左右に分けて、歌を真ん中に持ってきて、歌の輪郭をしっかりと聴こえるようにしています。ドラム途中で出てきてやっと中央に鎮座します。それもステレオ感があるので、ダンスミュージックでは考えられないようなミキシングです。そうした細かな設定で、音の抜けが良くなっているのが分かります。爆発的なサウンドはありませんが、独特なEQ処理も気になる存在です。単なるボーカルアルバムに終わっていないところは流石です。名盤です。

Making Love On Your Side
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[20121027]

Drum & Bass Strip to the Bone By Howie BDrum & Bass Strip to the Bone By Howie B
(1999/01/12)
Sly & Robbie

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Drum & Bass Strip to the Bone By Howie BDrum & Bass Strip to the Bone By Howie B
(1999/01/12)
Sly & Robbie

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99年の作品で、最強のリズムコンビ、Sly and Robbieとコラボレートした作品です。レゲエ出身のリズムセクションである二人、ドラムのSly Dunbar、ベースのRobbie Shakespeareの二人は、80年代から数多くの作品で名演奏を残してきています。関わった作品もレゲエという訳でもなく、ダンサブルな作品が多いようです。特にSly Dunbarのドラムは、生音でもかなりでかい音が出るそうで、それをゲートリバーブにかけたり、よりでかい音にしている場合が多いです。

1. Superthruster
2. Fatigue Chic
3. Into Battle
4. Ballistic Squeeze
5. Drilling for Oil
6. High Voltage Syndrome
7. Psionce Merge
8. Exodub Implosion
9. Major Magic
10. Softcore Surge
11. Zen Concrete
12. Stripped to the Bone

その二人のリズムセクションをドラムンベース素材として捉えて、テクノなアレンジを施している作品になります。ですから生演奏以外にも、わざわざサンプリングとして取り込んで、Howie Bならではの加工がなされています。彼のソロアルバムではマニアックな方向にいっていたので、このダンサブルでご機嫌な作品は、かなりコマーシャルな内容になっています。

勿論得意なレゲエやスカのリズムも入っています。どちらかというと80年代を支えてきたリズム隊ですから、80年代っぽいおおらかなリズムが多いです。そこにHowie Bの90年代っぽいアレンジが加わって、古くささを感じさせない強力なアルバムに仕上げています。タイトルのようにドラムンベース的なリズムではなく、こんなドラムンベースがあってもいいじゃないかという提案をしているのだと思います。生演奏のグルーヴが加わるだけで、テクノにも躍動感が生まれます。名盤です。

Superthruster
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[20121027]

SnatchSnatch
(1999/03/16)
Howie B

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99年の作品です。前作で一応ダンサブルな作品を創れたからなのか、ここからマニアックな世界へ邁進していきます。Howie Bならではのこだわりといいますか、彼がやりたかった事とは、必ずしもこれまで彼が関わってきた内容と同類ではないという事を認識していなければなりません。プロデュースする立場としては、その人の持っているものを必要以上に掘り下げていく作業かと思います。ですからプロデューサーの趣向を100%出す訳には行きません。

1. Gallway
2. Sniffer Dog
3. Cook For You
4. Trust
5. Cotton High
6. Anniversary
7. To Kiss You
8. Maniac Melody
9. Black Oak
10. I Can Sing But I Don't Want To
11. She Called Again

しかし、自分の作品では自分が日頃からやりたかった事を自由に出来る訳です。ドラム音源も、ダンスフロアでかかる事を前提にする必要も無く、こもったリズムをあえて使ったり、普通のポップアルバムではタブーとされている事に挑戦しています。ですからかなりマニアックな世界になっていると思います。ただ、やっている事はサンプリング素材を並べて加工しているだけなので、シンプルにやりたい事は伝わってきます。

インダストリアルに近い感覚でトリップホップしています。ですが、特に自分の世界を押し付けるような事をしていないので、明確な主張がある訳ではありません。ですから、聴く側としては何が飛び出してくるか見当がつかないという期待感がありますが、悪くいえばつかみ所が無いので、セールス的には大きくなりません。いい言い方をすれば、冒険心をもったイーノみたいなものだと思えば、もの凄い事をやっているなと感心してしまいます。

Maniac Melody

[20121027]

Turn the Dark OffTurn the Dark Off
(1997/09/16)
Howie B

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Turn the Dark OffTurn the Dark Off
(1997/09/16)
Howie B

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97年のセカンドアルバムで、このアルバムからやっとみんなが知っているHowie Bらしいスタイルになっています。トリップホップのようなサンプリングのカットアップ手法で、ダンサブルでありながらアグレッシヴなリズムを構築しています。一種のビッグビートのようにフレーズサンプリングの組み合わせで、めまぐるしいくらいのサウンドエフェクトを楽しめます。

1. Fizzy In My Mouth/Your Mouth
2. Hopscotch
3. Switch
4. Sore Brown Eyes
5. Take Your Partner By The Hand
6. Limbo
7. Angels Go Bald: Too
8. Who's Got The Bacon?
9. Baby Sweetcorn (Come Here)
10. Butt Meat

グラウンドビートからトリップホップ、ブレイクビーツなど、イギリスの最初期からのエレクトロニカに関わってきている人なので、この人にかかるファンの期待は半端ないと思います。ですから、ソロ作品なら相当凄いだろうなと注目されてしまいますが、凄い事は凄いのですが、有名ミュージシャンとのコラボレートでは、その有名ミュージシャンの才能を引き出す役目を負っていますので、そこまで過剰な期待をするとよろしくないと思います。

私がそうだったので、あえてそういう事を書きましたが、凄い事は凄いのですが、思っている以上ではなかったというのが正直な感想です。プロデュースの才能はあっても、作曲の才能という点では普通ですから、編集作業の妙技というのを楽しむのがいいと思います。勿論曲も悪くありませんが、曲の展開で驚く事はありません。肝心なのはその素材選びと処理の仕方です。しかし、あまり難しい事を考えなくても充分楽しめます。

Fizzy In My Mouth/Your Mouth
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[20121027]

Music for BabiesMusic for Babies
(1996/02/29)
Howie B

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Music for BabiesMusic for Babies
(1996/08/06)
Howie B

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90年代の重要なプロデューサーの一人、ハウィーBです。多くの有名ミュージシャンをプロデュースしていますが、自身の作品もリリースしています。96年リリースのこのファーストアルバムは、生まれてくる自分の子供の為に制作された私的な作品で、アンビエントな内容になっているので、ダンサブルな部分を期待すると、いつもの彼の関連作品とは違うので、戸惑ってしまうかもしれません。

1. Music For Babies
2. Cry
3. Shag
4. Allergy
5. Away Again
6. How To Suckie
7. Here Comes The Tooth
8. On The Way

生まれてくる自分の子供の心音をサンプリングしたMusic For Babies。アンビエント作品になっているので、ビート感は少ないです。ローファイだったり、エンジニア的な音響派な内容にもなっています。後半はジャズ的な雰囲気もあったり、徐々に動的になっていきますが、SoulⅡSoul やBjork、U2などとのコラボレートから連想して聴くと物足りないかもしれません。

それでも、ただ者ではない事は明白で、処女作品としては、私的な部分もあり、何をやりたいのか、つかみ所がありませんが、この後に期待するという事で、ファンとしては、この珍しい内容も貴重な音源だと思います。音いじり職人ですから、かなり音処理で遊んでいる感じではありますが、ここまでフィルターで曇らせたサウンドを良しとする文化もヒップホップ世代ならではです。

Music For Babies
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[20121026]

ThirdThird
(2008/04/28)
Portishead

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2008年の作品で、前作から9年ぶりとなるサードアルバムです。活動停止している間に、音楽シーンも大きく変わっていますが、彼らは変わっていませんでした。相変わらずの絶望的で切ないほどのダークネス。もうこれしか出来ないというくらい彼らならではのスタイルですが、鋭利な質感が増して、凄みが出ています。世間の流れなどおかまい無しです。

1. Silence
2. Hunter
3. Nylon Smile
4. The Rip
5. Plastic
6. We Carry On
7. Deep Water
8. Machine Gun
9. Small
10. Magic Doors
11. Threads

フランスの場末のジャズバーの雑踏から始まるSilenceは、ロック的なサンプリングにより、ギターカッティングのサンプリング素材でリズムを刻み、ギターの音が充満して、これまでとは違う動的な刹那を感じさせます。さすがに充電していただけあって、昔よりもパワーアップしています。Beth Gibbonsの歌もむかしよりは年齢を重ねた声になっていますが、いつもながらのデリケートな情感を歌い上げています。

Machine Gun、The Rip、Magic Doorsがシングルカットされています。この作品が現在の最新盤であり、これ以降も新作が出るのかは不明ですが、まだまだ創作意欲は失われていないように感じます。サンプリングもいかにもサンプリング素材ですよと、わかるように、不自然なトリミングがなされていますが、リズム的であり、その不自然さがかっこ良かったりします。これも名盤です。

Silence
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[20121025]

PortisheadPortishead
(1997/09/30)
Portishead

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97年のセカンドアルバムです。バンド名をタイトルに持ってきた自信作ですが、ファーストがあまりにも売れ過ぎた為、このアルバムは200万枚売り上げたにもかかわらず、ファーストには及びませんでした。しかし、内容的にはより憂鬱でダークな世界を更に突き詰めています。絶望的なまでの切なさ。冷たい質感も増しています。

1. Cowboys
2. All Mine
3. Undenied
4. Half Day Closing
5. Over
6. Humming
7. Mourning Air
8. Seven Months
9. Only You
10. Elysium
11. Western Eyes

モノクロのフランス映画のようなイメージを植え付けるデザイン。音楽はヌーベルバーグ以上にアヴァンギャルドに冷酷な感情を喚起させます。All Mine、Over、Only Youがシングルカットされました。サンプリングもダンサブルなリズムを刻みますが、とても踊れるような気分にはなれないくらいダウナーな歌が響きます。トリッキーも暗かったですが、絶望的ではありませんでした。しかし、このバンドはあまりにも深い絶望を思い知らされます。

これほどダークサイドな音楽が売れるのですから、時代は変わりました。それだけ世界は病んでいるのです。日本も震災があったからこそ、ある程度意識が変わりましたが、当時は能天気に生活していたと思います。しかし、イギリスからこれほどダークな音楽が発信されて、日本でもある程度売れました。これが流行だったというのもありますが、こういう音楽を受け入れられるだけの土壌も出来ていたのでしょう。神経が麻痺したJ-POPではあり得ない世界です。この後バンドは一旦活動停止しますが、又再び動き出します。冬眠前のこの作品も名盤です。

Cowboys
⇒ 続きを読む

[20121024]

DummyDummy
(1994/08/18)
Portishead

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ポーティスヘッドもブリストル一派で、ダウナーなサウンドを得意としています。94年のデビューアルバムで、350万枚の大ヒットとなった作品です。それだけダウナーなサウンドが支持されていた時代だったのです。バンドであり、メンバーはキーボードのGeoff Barrow、女性ボーカルのBeth Gibbons、ギターのAdrian Utleyの三人からなっています。ドラムは生ドラムとサンプリングを使い分けています。

1. Mysterons
2. Sour times
3. Strangers
4. It could be sweet
5. Wandering star
6. Numb
7. Roads
8. Pedestal
9. Biscuit
10. Glory box

彼らもトリップホップと呼ばれていましたが、オルタナともいえるところがあって、ジャズボーカリストでもあったBeth Gibbonsの歌はイギリスのトラッドフォーク的な哀愁もはらんでいます。Numb、Sour Times、Glory Boxがシングルカットされて、それぞれヒットしています。本来なら、これほど暗い曲は主流になる事は無かったのですが、オーディエンスが求める以上売れた訳です。

トリッキーが彼らに無断で彼らの曲をサンプリングしたりして、関係がぎくしゃくする事になるのですが、それだけ彼らのヒットは影響力があったのです。イギリスではブリットポップかダウナーかというくらい当時のイギリスのヒット曲は暗かったのです。ヒップホップみたいな、冷静に聴けばバカ臭い音楽と違って、シリアスな分、こちらの方が聴き応えがあります。サンプリング処理も斬新です。歴史的な名盤です。

Mysterons
⇒ 続きを読む

[20121023]

Mixed RaceMixed Race
(2010/09/28)
Tricky

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2010年の作品で、現在までの最新作になります。冒頭Every Dayではインディアンブルースという、これまで全く予想もつかなかった始まり方をします。全体的にもアーバンブルースとヒップホップの渋い融合をみせています。新境地を拓いた作品といえるでしょう。サンプリング少なめで、健全なサウンドでありますが、充分ドープな雰囲気を持っています。

1. Every Day
2. UK Jamaican
3. Early Bird
4. Ghetto Stars
5. Hakim
6. Come To Me
7. Murder Weapon
8. Time To Dance
9. Really Real
10. Bristol To London

ブリストルサウンドという言葉さえ忘れ始めている時に、しっかりとイギリスの地方都市から発信している音楽だという認識を持っている事を改めて知らされます。サンプリング技術も進んでいて、わざとノイズを入れるようなサンプリングの時代は終わったようで、凄くクリアでサンプリングレートの高い高音質のサウンドになっています。それだけで毒が無くなったような印象をもってしまいますが、鋭利さは失っていません。

アメリカやアフリカのネイティヴなエクソダス的な雰囲気もあって、洗練されながらも土着的なダーティーさをミックスした斬新な内容になっています。初期のばかり評価されがちですが、しっかり進化し続けている優秀なミュージシャンであると思います。エキゾチックと言えるほどロマンティックではなくて、クールでいる距離感も聴き易さかもしれませんが、もう少しきな臭くてもいいと思います。それでも素晴らしい名盤です。

Every Day
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[20121022]

Knowle West BoyKnowle West Boy
(2008/07/08)
Tricky

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2008年の作品で、よりロック色が強くなっています。冒頭Puppy Toyはブルースであり、ビッグブルースな曲にストリングをクールに配置したかっこいい曲です。この曲だけで完全にノックアウトされますが、明らかにこれまでのトリッキーのスタイルとは違うという事を認識させられます。

1. Puppy Toy
2. Bacative
3. Joseph
4. Veronica
5. C'mon Baby
6. Council Estate
7. Past Mistake
8. Coalition
9. Cross To Bear
10. Slow
11. Baligaga
12. Far Away
13. School Gates

ほとんどの曲がBernard Butlerとのコラボレートで作曲されています。これまではアメリカのオルタナのようなスタイルを取り入れていましたが、Bernard Butlerとの接触により、ブリティッシュよりに戻っています。ダークな曲でもロック色が強く出ているので暗黒感はありません。独特の屈折した感じは取り戻していますが、内向的にはならずに外界に向かって放出しています。

サンプラーに頼らないアレンジになってからはデジタルロックなバンドサウンドになっていて、その中でトリッキーワールドを炸裂しているので、とてもかっこいいものになっています。アシッド感は薄れていますが、どこかサイケな雰囲気は保っています。もはや中毒症状の危険はありませんが、かなり神経を刺激するような鋭利さは錆びれていません。名盤です。

Puppy Toy
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[20121021]

VulnerableVulnerable
(2003/06/17)
Tricky

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2003年の作品で原点回帰を狙った作品でしたが、抜けてしまったアクは取り戻せていません。なんとかダークな感じになってはいますが、どの音も洗練されていて、初期の頃の混沌とした感じには戻れていません。逆に昔は振り返らずに前に進み続けるしかないと思います。無理して昔の内向的な世界を表現すると、自分に嘘をつく事になります。正直に社交的になった自分と向き合うべきです。

1. STAY
2. ANTI-MATTER
3. ICE PICK
4. CAR CRASH
5. DEAR GOD
6. HOW HIGH
7. WHAT IS WRONG
8. HOLLOW
9. MOODY
10. WAIT FOR GOD
11. WHERE I'M FROM
12. THE LOVECATS
13. SEARCH AND SURVIVE

自分に正直だったからこそ、初期の頃の混沌とした世界を表現出来たのですから、あらゆる事を克服した自分を正直に表現した方がリアルだと思います。その証拠に、原点回帰を狙っても外交的になった自分を隠せていません。それでも、これだけかっこいい音楽を創れるのですから、ファンはついていくしかないでしょう。XTCのカバーDear GodとThe CureのカバーThe Lovecatsに見られるように、彼のルーツは結構健全です。

トリップホップというより、オルタナ寄りになってきていますし、それでも、これだけのアイデアを出せるのですから、昔より劣っている訳ではありません。それよりも進化しているのです。ダウナーの時代は終わったのです。それでも世界には多くのダウナーがいて、初期の頃のような音楽を求めているのも事実でしょう。しかし、その役目に縛られる事は彼の成長を阻むものであり、そうなるべきではないと思います。素晴らしい名盤です。

STAY
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[20121021]

BlowbackBlowback
(2001/01/01)
Tricky

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2001年の作品で、社交性は更にエスカレートして、ほとんどの曲をレッチリやシンディーローパーといった人達とコラボレートしています。サンプリングによる奇妙なサウンドではなく、普通に楽器を演奏しているので、昔ほど不気味さは無くなりましたが、それでも曲を創るアイデアに変わりはないようで、まるでサンプリングループのような演奏をさせているのがトリッキーワールドを保たせています。

1. Excess
2. Evolution Revolution Love
3. Over Me
4. Girls
5. You Don't Wanna
6. #1 Da Woman
7. Your Name
8. Diss Never (Dig Up We History)
9. Bury The Evidence
10. Something In The Way
11. Five Days
12. Give It To 'Em
13. A Song For Yukiko

ミニマルに繰り返されるフレーズの組み合わせという事では今までと同じですが、かなり聴き易くなっています。アクが無くなったので、これでもっと売れていいのですが、実際にはこれまでよりも売り上げは落ちています。それだけトリッキーの場合はそのアクのあるクセが受けていた事を証明しています。しかし、一度社交的になった人間は元には戻りにくいようです。

音楽的にはとても良く出来ていて、質も高い作品になっています。話題性もあり、売れなければおかしな事だと思うのですが、トリッキーの持つイメージが強過ぎたのでしょうか。Nirvanaの曲をカバーしたり、オルタナへの接近もしているのですが、独特な世界感が薄らぐとファンは離れてしまうぐらい、これまでの世界感が支持されていたのでしょう。しかし、音楽的にはかっこいい作品になっているので、名盤だと言ってもいいでしょう。

Excess
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[20121021]

JuxtaposeJuxtapose
(1999/08/16)
Tricky

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JuxtaposeJuxtapose
(1999/08/17)
Tricky、DJ Muggs 他

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99年の作品で、DJ MuggsとGreaseとのコラボレートという形をとっています。これまでの作品に比べると、かなり音楽的になっています。サンプリング素材を並べて創ったアレンジではなく、しっかり作曲して演奏しています。DJ Muggsが参加した事によって、普通のラップも入っているので、これまでのダークな雰囲気よりは社交的になっています。

1. For Real
2. Bom Bom Diggy
3. Contradictive
4. She Said
5. I Like The Girls
6. Hot Like A Souna
7. Call Me
8. Wash My Soul
9. Hot Like A Sauna (Remix)
10. Scrappy Love
11. For Real (Hip Hop Remix)
12. For Real (Genaside II Mix)
13. For Real (Rollo Mix)
14. Bombing Bastards
15. Pop Muzik

サンプリングもフレーズサンプリングよりワンショットサンプリングを使って、既成の楽器煮よる演奏という、ごく当たり前のアレンジになっています。勿論、今まで培ってきたトリッキーのスタイルは継承していますが、内向性よりも外向性の方が勝っています。しっかりとリスナーに向かって音楽を発信しています。それは個性の死を意味していますが、何とかトリッキーらしさは保っています。

社交的になった事によってPVも沢山創っています。トリップホップも時代の流れの中に埋もれ始めてきていたので、売れる音楽を意識し始めたのかもしれません。激動の90年代を駆け抜けながらも、その幕を閉じる寸前ですので、守りに入ったミュージシャンが増えてきました。それも拍車をかけてミュージックシーンは死に体となって21世紀を迎えて現在に至るのです。刺激は薄くなりましたが、音楽的にはしっかり創られた素晴らしい作品です。

For Real
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[20121021]

Angels With Dirty FacesAngels With Dirty Faces
(1998/05/18)
Tricky

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Angels With Dirty FacesAngels With Dirty Faces
(1998/06/02)
Tricky

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98年の作品で、トリッキーのサウンドスタイルが完璧に確立されたアルバムだと思います。よりダークでダウナーな重みを持っていますが、沸き立つ生命力に溢れています。ロック的なサウンドもありで、攻撃的でさえあります。決して絶望を連想させるような暗さではないのです。この微妙というか、絶妙な感じが出せるのは彼だけでしょう。

1. Money Greedy
2. Mellow
3. Singing The Blues
4. Broken Homes
5. 6 Minutes
6. Analyze Me
7. The Moment I Feared
8. Talk To Me (Angels With Dirty Faces)
9. Carriage For Two
10. Demise
11. Tear Out My Eyes
12. Record Companies
13. Peyote Sings
14. Taxi

Broken HomesではPJ Harveyが参加していますが、トリッキー自身が歌う事が多くなっています。これまでの中性的な妖婉さとは違って、男を感じさせるものになっています。トリップホップといっても、トリッキーの世界は独特であり、ここまでブロークンな歌い方というのも独特です。ラップという訳でもなく、旋律はあるのですが、つぶやくように歌うのです。

ヒップホップというのは、ある意味簡素化されている音楽であって、それまで複雑だったものを単純化させることで成り立たせています。その簡素化による歌い方なのだと思います。旋律はあっても、抑揚を省略したり、いらないコブシを省いたり、その簡素化された音の塊の集合体で成り立っています。それなのにアシッドでドープでサイケなのです。かなり危険な音楽ですが、それこそがロックなのです。名盤です。

Money Greedy
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[20121020]

Pre-Millennium TensionPre-Millennium Tension
(1996/11/19)
Tricky

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Pre-Millennium TensionPre-Millennium Tension
(1996/11/19)
Tricky

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96年のサードアルバムです。より内向的に、ダークでダウナーな世界を突き詰めています。しかしサウンドは刺激的であり、過敏なぐらいに外界ともがいているような葛藤を感じ取れます。ロック色も強くなっていますが、トリッキーの世界は独特の空気感を持っていて、その世界に引き込まれて闇に引きずり落とされて味わう悦楽を共有出来る作品です。

1. Vent
2. Christiansands
3. Tricky Kid
4. Bad Dream
5. Makes Me Wanna Die
6. Ghetto Youth
7. Sex Drive
8. Bad Things
9. Lyrics Of Fury
10. My Evil Is Strong
11. Piano

ブリストルにはジャマイカ移民が多くいて、昔からレゲエやダブに慣れ親しんでいた若者にとって、ヒップホップとの出会いは新しい分かを産み落とします。基本がレゲエのオフビートで曲の骨組みが作られており、それをヒップホップにするには間をたっぷり取ったミディアムテンポが最適で、その混血によりトリップホップが生まれています。そしてダウナーな歌が加わるとそれらのどれとも違う表情が生まれるのです。

クールなのに蛮勇な立ち振る舞い。繊細なのに誰かと話さずにはいられない、この矛盾に傷つきながらも、傷をいやすドープに手を出してしまった背徳。決して絶望ではない闇。生き物の魂が同じ塊から分散したいったものならば、傷ついても再び交わろうとする本能は屈折しながらも、新しい芸術として昇華されていく。過去の多くの芸術家もそうではなかっただろうか。いつから金儲けの手段になってしまったのだろう。それでも屈折した音楽が陽の目を見る時代が来たのです。名盤であります。

Vent
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[20121020]

Nearly GodNearly God
(1996/08/13)
Tricky

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Nearly GodNearly God
(1996/08/13)
Tricky

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96年のセカンドアルバムですが、名義としてはNearly Godというプロジェクト名になっています。中心者はトリッキーですが、豪華なゲストを迎えたプロジェクトとなっています。Siouxsie Sioux、Terry Hall、Neneh Cherry、Björk、Alison Moyetなど、名だたるシンガーとコラボレートしています。なのに、しっかりトリッキーワールドを表現しています。

1. Tattoo
2. Poems
3. Together Now
4. Keep Your Mouth Shut
5. I Be The Prophet
6. Make A Change
7. Black Coffee
8. Bubbles
9. I Sing For You
10. Yoga
11. Judas
12. Children's Story

やはりミドルテンポのブレイクビーツなのですが、リズム感は極力抑えられて、民族音楽、土着音楽のような手法でトリップホップしています。それだけ重さもあり、けだるさは更に深まっています。90年代はダウナーの時代でもあり、閉塞感に捉えられた自閉であることをカミングアウトしても共感を得られる時代になったのです。それだけ英国では人間付き合いが苦手な若者で溢れていたのです。

しかし、それを解放する音楽として、更に自閉的な音楽がもてはやされたのです。80年代のような華やかな音楽は虚栄的であり、不自然だと感じている若者が実は多かったので、そういう思いを代弁するような音楽が主流になっていきます。夢や希望を音楽に求めるのではなく、現実と向き合える音楽に正直になれる時代になったのです。音楽は心で向き合うものなので、本来それが本質なのかもしれません。ファッションとしての音楽は又別ものなのでしょうが、流行れば、それがファッションになりますので、その両面を補える音楽なのだと思います。名盤です。

Tattoo
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[20121020]

MaxinquayeMaxinquaye
(1995/04/18)
Tricky

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トリッキーはMassive Attackでボーカルとして参加していたりして、95年にこのアルバムでソロデビューしました。Massive AttackやPortisheadと友にブリストル勢の代表格となりました。けだるく官能的なトリップホップの開拓者でもあります。ブリストルサウンドはダブやレゲエを根底としながらグラウンドビート、ヒップホップ、ブレイクビーツなどを取り入れながらも独自に進化したサウンドが特長です。

1. Overcome
2. Ponderosa
3. Black Steel
4. Hell Is Round The Corner
5. Pumpkin
6. Aftermath
7. Abbaon Fat Tracks
8. Brand New You're Retro
9. Suffocated Love
10. You Don't
11. Strugglin'
12. Feed Me

トリッキーはボーカリストですが、この作品では制作者という立場から、女性ボーカルのAlison GoldfrappやMartina Topleyなどに歌わせて、自分は少ししか歌っていません。それも語るような歌い方ですね。プロデューサーはグラウンドビートの仕掛人Howie Bです。ミドルテンポの悩ましい腰つきで踊れるような曲調が特長で、ドープなトリッキーの世界観を見事に現しきっています。

サンプリングもフレーズサンプリングが多く、その編集ぶりが彼らの腕の見せ所になっています。ミドルテンポというのは、ちょうどセクシャルな吐息の息づかいのようなテンポになっています。ちょうどプリンスが得意とするようなセクシャルなテンポですね。激しいクライマックスの速度ではなく、相手をたしなめて挑発するような腰使いのテンポ。じらされながらもオルガズムスへと到達しゆくような危ない音楽。それがトリップホップです。これはそれを代表する名盤です。

Overcome
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[20121020]

Back on Time (ZENCD177)Back on Time (ZENCD177)
(2012/01/21)
Plug、プラグ 他

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2011年リリースのPlug名義の作品になります。Plugとしては96年にDrum 'n' Bass for Papaをリリースしただけでしたが、このアルバムの音源も当時録音されたもので、当時の斬新なドラムンベースの手法が色あせておらず、現在聴いても新鮮な光を放っています。没になっていながらもこの完成度の高さは、当時どれだけ凄い事をやっていたのかを物語っています。Luke Vibertとしてもこの作品が現在の最新作になります。

1. Scar City
2. Feeling So Special
3. Come On My Skeleton
4. No Reality
5. A Quick Plug For A New Slot
6. Mind Bending
7. Back On Time
8. Yes Man
9. Drum N Bass
10. Flight 78

ギターをサンプリングした曲は今までありませんでしたが、既にこの時代にやっていたのでした。その為、ロック的なテクノになっていたりと、斬新なのですが、他の曲とのバランスを考えて没になっていたのでしょう。それでも、これだけかっこいい曲をリリースしないままと言うのはもったいない話です。ドラムンベースとしてはスペイシーな曲が多かった時代に、この猥雑な感じを出せるミュージシャンは他にはいませんでした。

これでこそLuke Vibertといえる痛快な曲ばかりです。最近はまともになり過ぎているLuke Vibertですので、この作品の持つ破壊力はかなり刺激的です。ベテランになっても守りに入らずに、もっと過激なサウンドを提供して欲しいものです。しかし、Plugはなぜ中国風のジャケットなのでしょうか。この不思議な感じも魅力の一つです。サンプリング素材も当時のものの方が多彩です。素晴らしい名盤です。

Scar City
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[20121019]

Toomorrow (ZENCD163)Toomorrow (ZENCD163)
(2011/03/19)
Wagon Christ

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2011年の作品でWagon Christ名義になります。いつもながらのビッグビートに近いドラムンベース、ブレイクビーツですが、声や掛け合い、吐息などが散乱して淫猥な感じになっています。曲自体は楽しい感じですが、アシッドテクノな音源と騒々しい狂乱な掛け合いで猥雑なヒップホップの模様です。どんどんアメリカナイズされていくようなイメージがあります。

1. INTROFUNKTION
2. TOOMORROW
3. MANALYZE THIS!
4. AIN’T HE HEAVY, HE’S MY BROTHER
5. ACCORDIAN MCSHANE
6. MY LONELY SCENE
7. RESPECTRUM
8. RENNIE CODGERS
9. OH, I’M TIRED
10. WAKE UP
11. LAZER DICK
12. SENTIMENTAL HARDCORE
13. CHUNKOTHY
14. HARMONEY
15. MR MUKATSUKU

ファンク調だったり、コーラスもP-FUNKしていたり、今回のテーマはファンキーパーティーみたいな感じでしょうか。ジェイムズブラウンみたいなシャウトがあったりと、ファンクをパロディー化したブレイクビーツ。それって結構あったりするので、Luke Vibertがわざわざやる事もないと思うのですが、やはり、他のミュージシャンとはひと味違ったアプローチがあるので、そこは感心してしまいます。

あまり細かい刻みはないので、明らかにファンクを意識した曲創りになっています。そこにアシッドな電子音という灼熱の太陽のもとに氷の固まりを転がしたような音楽になっています。黒人音楽を感じさせないのがテクノらしさなのですが、あえてこの時代のテクノマスターは黒人音楽を意識させるような曲を創ります。それはヒップホップ以降のテクノの多様性であり、その雑種感こそがロックの意義でもあります。

TOOMORROW
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[20121018]

We Hear YouWe Hear You
(2009/08/25)
Luke Vibert

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2009年の作品でLuke Vibert名義です。いつものアシッドテクノですが、ヒップホップ性が強いです。サンプリング素材もポップスファンにはお馴染みのものが使われており、明らかにどの曲からサンプリングしているのか分かります。という事は、かなりの著作料を払っているようです。そうまでしてやるというのも意味があるようです。

1. Belief File
2. We Hear You
3. De-Pimp Act
4. Hot Sick
5. Square Footage
6. Batting For England
7. Pretty Old Acid Music
8. Dive And Lie Wrecked
9. Computer Complex
10. Porn Shirtwee
11. House Stabs
12. Marvellous Music Machine
13. Arrogance

どうも今回のテーマは80年代みたいです。今までは、あまり知られていない素材をサンプリングしていたので、インパクトも強かったのですが、誰でも分かるような素材を使う事によって、ありきたりのヒップホップみたいな印象がありますが、それでも80年代をテーマにするには、そこまで分かり易くする必要があったみたいです。リズムの2ステップっぽかったりして、ありきたりな感じなのですが、どうもそれが狙いみたいです。

ただ、その狙いがいいかどうかは聴く人の判断になるでしょう。私としては、ありきたりの音楽にお金を払う気にはなれませんので、評価は低いです。ただ、これが新鮮に感じる世代もいるでしょうから、私の意見は一部の意見に過ぎません。全体的には明るい感じなので楽しいアルバムですが、あえて80年代する必要はなかったと思います。もっと21世紀ならではの事をやって欲しいです。

Belief File
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[20121016]

RhythmRhythm
(2009/04/07)
Luke Vibert

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RhythmRhythm
(2009/04/07)
Luke Vibert

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2008年の作品で、Luke Vibert名義になります。ジャケットでは日本語が使われています。タイトルはリズムですが、特にリズムに凝っているような作品ではありません。ビッグビートやブレイクビーツではありますが、恐らく、今回のサンプリング素材はアメリカンポップスやハリウッド映画のサントラではないでしょうか。とてもチャーミングな素材をサンプリングしています。

1. Wow! It's Now!
2. Registrarse
3. Sparky Is A Retard
4. A Fine Line
5. My Style
6. Keep Calm And Carry On
7. Eleventy One
8. Rhythm
9. Concertina Turner
10. James Bond In A Jimmy Hat
11. Harmonica Sellers

チャーミングなサンプリング資材に見合ったような緩やかなリズムです。そこにヴォコーダーで歌をつけています。その歌もアメリカンポップスみたいなハーモニーです。そこにアシッドテクノなアレンジが絡みますが、ビングクロスビーみたいな歌を引き立たせるように邪魔になっていません。とても穏やかな作品ですが、やっている事はかなり斬新な事であり、誰も40年代の音楽をサンプリングしようという発想は思い浮かばないでしょう。

アシッドな音源があるからテクノになっていますが、それが無くなれば単なるアメリカンポップスをサンプリングで再現しているだけです。ヒップホップはダンスミュージックをサンプリングするからこそグルーヴを再構築出来るのですが、ダンスミュージックとは関係のない素材を使うLuke Vibertは異端でしかありません。でも、だからこそLuke Vibertなのです。スローダンスなら踊れます。これも名盤です。

Wow! It's Now!
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[20121016]

RODULATERODULATE
(2010/01/01)
VIBERT SIMMONDS

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2008年の作品で、Vibert/Simmonds名義の作品です。Jeremy Simmondsとのコラボレートは15年ぶりであり、Vibert/Simmondsのセカンドアルバムとなるのですが、以前の未発表音源などで構成されています。当時と同じRephlexレーベルからのリリースで、さすがに当時は斬新過ぎていたのですが、現在聴いてもぶっ飛んだサンプリング処理がなされています。

1. Open File
2. Room 28 Rap
3. Space Mist
4. Asteroid Blet
5. Go To Sleep (Everything Is Alright)
6. Rodulate
7. Story
8. Rare Peel
9. Hurtin' Cyst
10. I Said ""Acid"", Then I Said…
11. V.A.J.
12. Fishing Ray

強烈なサンプリング音源とTB-303のレゾナンスプレイなど、アシッドなブレイクビーツになっています。過去の音源ではありますが、このアルバムを制作するにあたり、かなり手直ししていると思います。デビュー当時の方が強烈に斬新でしたので、丸くなり始めていた彼らにとっては刺激的な作品になっているはずです。明らかにこの頃の方がアイデアに溢れています。

シンセ音源の加工の仕方も凄いですが、エフェクト処理も斬新です。これらの作品が没になっていたままと言うのはもったいない話です。この頃のLuke Vibertの作品よりもはるかに刺激があります。テクノにおけるシンセ音というのは、既成の楽器ではない音を使うのですが、彼らが創る音色は、その中でもストリングス的とか、ホーン的な特性を持ったサウンドを創っているので、どこか不思議な響きを持っています。名盤です。

Open File
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[20121015]

Chicago Detroit RedruthChicago Detroit Redruth
(2007/08/14)
Luke Vibert

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2007年の作品で、Luke Vibert名義です。いきなりピアノのネオアコのようなアレンジでアルバムが始まりますが、次第にいつものブレイクビーツ、ドラムンベース、アシッドテクノと、様々なスタイルが続いていきます。しかも、これまでになかったような新しい展開もあったりして、やはり、Luke Vibertは、このとらえどころのなさがあってこそだと思います。

1. Comfycozy
2. Brain Rave
3. Radio Savalas
4. Breakbeat Metal Music
5. God
6. Clikilik
7. Argument Fly
8. Rotting Flesh Bags
9. Comphex
10. Rapperdacid
11. Chicago, Detroit, Redruth
12. Swet

ユーロテクノなどレトロな感じが出てきたりしますが、ハネているところはデトロイトテクノ以降ならではのセンスです。テクノポップでは三和音くらいは使っていましたので、その辺りも再現していたり、どうも2000年以降の彼は、昔のスタイルを模倣しながらも21世紀ならではの味付けを施す事に凝っていたように見受けられます。

昔のスタイルを再現しながらも、非凡なサンプリングアレンジで、普通ではない独自の世界感を生み出しています。その非凡さとオーソドックスな部分のバランスが適度に良く、マニアックなファンでなくても楽しめると思います。懐かしいような、だけど今まではあり得なかったようなサウンドです。このとらえどころのなさこそがLuke Vibertだと思います。名盤です。

Comfycozy
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[20121014]

BenefistBenefist
(2007/07/31)
Ace Of Clubs

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BenefistBenefist
(2007/07/31)
Ace Of Clubs

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2007年の作品で、Ace of Clubs名義になります。内容はアシッドテクノであり、特に新しい事はやっていませんが、ベースはTB-303だけという訳ではなくなり、主旋律も他のシンセ音になっています。でも時折TB-303が顔をのぞかせたりします。あまりにも普通なアシッドテクノなので、わざわざ別名義でのリリースにしているのではないでしょうか。

1. Cordial
2. Electrip
3. Heathrow Hardcore Terminal
4. Classid
5. Whorcan
6. Whirr Jill
7. Benefist
8. Assid
9. Ecid
10. AnaloaF
11. Patriotic Acid
12. Rubber Chunks
13. Pheel The Phorce
14. Fruitacid
15. Acid Dream

ほとんど90年代にやってきた事をこの時期にやる意味は不明ですが、それでもまだ需要はあったみたいです。エレクトロニカ的な発想でサンプリングは使わずに、シンセ音だけで創っているようです。この点ではLuke Vibertにとっては珍しいのかもしれません。しかし、聴く方は普通のアシッドテクノなので、取り立てて新鮮さは感じません。

テクノ作品としては良く出来ていますが、Luke Vibertの作品ということであれば、あまりにも驚きがなさ過ぎで、お遊びで創ったにしても、もう少しひねりがあって欲しかったと思ってしまいます。だから異名義、もしくは覆面作品として捉えているのかもしれません。シンセ音も普通だし、サムシングは期待出来ないアルバムです。

Cordial
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