72年の作品で、さすがにこの頃になるとジミヘン色は薄れています。時代は完璧にハードロックの時代になっており、ギターソロのはしはしにツェッペリンの影響を感じますし、カッティングにしてもブラックサバスを感じます。しかし、ハードロックやヘヴィメタにはなっていません。あくまでもフリーなサイケロックの演奏形態なのです。
1. Oxymoron
2. Immer Lustig
3. Baby Cake Walk
4. Ooga Booga
アドリブありの長めの曲ばかりですが、テーマがどんどん明確になっています。70年代初期の学生運動的な盛り上がりはドイツにもあり、そういうファンに支えられてきた彼らでしたが、さすがにこの頃になると、学生運動もおとなしくなり、
音楽にもその傾向が現れてきます。ファーストアルバムの爆発的な衝動は抑えられ、ユーモラスな面も出始めています。
ジャズ畑出身の彼らにとってはロックンロールという新鮮な素材を、どう料理するかというのがテーマのようで、使い古されたロックンロールリフを平気で演奏していたり、その辺の感覚は独特で、アヴァンギャルドとオーソドックスが混在となり、このスリーピースバンドのサウンドをコニープランクが見事に料理しています。ただ、かなりお遊び度が高く、これまでのシリアスな雰囲気からユーモラスな演奏に変化しています。
Oxymoron