

82年の作品です。早くから80年代サウンドに適応してきた彼らですが、実際に80年代サウンドが確立され始めるのはこの頃で、やっと時代が彼らに追いついてきたと言う図式になります。ジャーニーなどのアメリカン
プログレバンドもこのカナダのバンドを多いに参考にして80年代に挑んでいると思われます。日本でもMTVが定着し始めて世界的にもPVを創るのが当たり前になってきます。彼らもよりポップな創りに絞ってきて時代に迎合しています。
1. Subdivisions
2. The Analog Kid
3. Chemistry
4. Digital Man
5. The Weapon
6. New World Man
7. Losing It
8. Countdown
プログレやフュージョンのリズムアクセントを応用して80年代特有のテンションコードを動かす事で生まれる代理コード的なコード進行。デジタルシンセによる白玉コードなど、80年代特有のスタイルを早くからやっていた彼らですが、よりコンパクトにポップにする事により、ヒットメーカーの常連に居座ろうとしております。エイジアなどの
プログレ出身であるにもかかわらず商業主義に徹したバンドの指標となっている作品だと思います。
プログレバンドとしてのテクニックの見せ場も用意しながらのポップソング。相反する
音楽性の融合は簡単なものではありません。しかしこのバンドがそれを両立させた事により
プログレ残党の80年代の生き残り方が示されました。プロである以上、売れて金を稼がなければ活動はままなりません。彼らなりの商業主義の時代の乗り切り方が示された作品だと思います。前作まではまだ複雑な部分もありましたが、ここにきて複雑にする必要もなくなったくらい彼らの方法論が浸透し始めてきたのです。
Subdivisions