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[20130430]

TideTide
(2000/04/04)
Antonio Carlos Jobim

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70年の作品で、これもCreed Taylorプロデュース、Deodatoアレンジの作品になっています。ジャズでは一つのセッションから複数のアルバムを創る事があるので、Stone Flowerのセッションの中から生まれた演奏かもしれません。ジャズとボサノヴァ、ポップスを融合させた新しい試みはイパネマの娘の再演で分かり易くなっています。インストでジャズ的なイパネマの娘も味わい深い。

1. The Girl From Ipanema
2. Carinhoso
3. Tema Jazz
4. Sue Ann
5. Remember
6. Tide
7. Takatanga
8. Caribe
9. Rockanalia
10. Tema Jazz (Alternative Take)
11. Tide (Alternative Take)
12. Tema Jazz (Alternative Take)
13. Tema Jazz (Master Take In Full)

どちらかと言うとStone Flowerの方が洗練されていて、このアルバムでは結構ジャズコンボ的な演奏で、装飾が少ないものになっています。イパネマの娘は別ですが、他はファンキージャズのボサノヴァ版みたいな雰囲気です。タイトル曲のTideではオーケストレーションもあしらっていますが、ジャズ寄りな雰囲気になっています。というより、ジャズの方がボサノヴァ調の曲をやるのが当たり前になっているので、ほとんど変わりありません。

どんどんジャズ化してしまうジョビン。ボサノヴァボサノヴァで後継も増えて独り立ちしていいき、進化を求めるジョビンにとっては更なる融合によりボサノヴァの可能性を追求しています。ブラジルらしさで言えばサンバですから、歴史の浅いボサノヴァは既にワールドワイドな音楽になっています。それでも当時はまだ発展途上国だったブラジルが世界に渡り合える武器としてボサノヴァはブラジルが誇る音楽であるのです。

The Girl From Ipanema
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[20130429]

Stone FlowerStone Flower
(2002/03/05)
Antonio Carlos Jobim

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70年の作品で、ジャズは大きな転換期を迎えようとしていました。Creed TaylorプロデュースでCTIレーベルから多くのクリスタルサウンドが生み出されていきます。このアルバムもその一つであります。ハードフュージョンが主流になる中、ライトフュージョンも進化していきます。その火付け役のDeodatoがアレンジを手がけています。

1. Tereza My Love
2. Children's Games
3. Choro
4. Brazil
5. Stone Flower
6. Amparo
7. Andorinha
8. God And The Devil In The Land Of The Sun
9. Sabia
10. Brazil (Alternate Take)

同じくブラジルからの使者Airto Moreiraがパーカションを担当。他にサックスののJoe Farrell、ベースのRon Carter、トロンボーンのUrbie Green、フルートのHubert Laws、バイオリンのHarry Lookofsky、ドラムのJoão Palma、コンガのEveraldo Ferreiraというジャズ系のミュージシャンで、しかもソフトフュージョンを担っていく人達がバックについています。

彼らはボサノヴァの解釈をフュージョンに活かして、よりsん連された聴き易いジャズロックを生み出していきます。そのボサノヴァの生みの親であるジョビンの作品でありますから、彼らも惜しみない協力を施しています。新しい時代に乗り出す為に、ボサノヴァの原型を進化、変化させています。もはやボサノヴァを取り入れているジャズ作品と同類のものになっています。多様化する音楽にジョビンも進化していくのです。

Tereza My Love
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[20130429]

Certain Mr JobimCertain Mr Jobim
(2002/06/04)
Antonio Carlos Jobim

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67年の作品です。ジャズから更に洗練させて、オーケストラアレンジによるアメリカンポップスに接近した作品になっています。ボサノヴァの基本的なリズムは変えなくても、上ものを変えるだけで様々な表情へと進化させる事が出来ています。これによりアメリカの白人へも親しみ易い音楽になります。

1. Bonita
2. Se Todos Fossem Iguais A Voce
3. Off Key (Desafinado)
4. Photograph
5. Surfboard
6. Once Again [Outra Vez]
7. I Was Just One More For You (Esperanca Perdida)
8. Estrada Do Sol
9. Don't Ever Go Away
10. Zingaro

サンバほど情熱的ではなく、クールでありながらもラテンを感じさせるボサノヴァは、黒人音楽アレルギーだった白人達にも広まっていきます。語りかけるような歌い方はフランクシナトラにも馴染み易いもので、多くの白人シンガーにも歌われるようになっていきます。9thにしても6thにしても独特のボイシングで響かせるボサノヴァは後のA.O.R.の大きなヒントにもなっていきます。

70年代にはレゲエが流行ったように、60年代はボサノヴァが新しい音楽であり、ビートルズとは別のブームとなっていました。それはフレンチジャズにも大きな影響を与え、ほぼこれ以降のフランスのジャズはここで聴けるような音楽に等しいものになっていきます。しかし、大人のおしゃれな楽しみと言う音楽であり、若者の主流はビートルズでした。それでもジョビンは外貨を獲得した偉大なるミュージシャンとしてブラジルでは国民的な英雄になっていきます。

Bonita
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[20130429]

WaveWave
(1990/10/25)
Antonio Carlos Jobim

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67年の作品で、再びCreed Taylorプロデュースで創り上げたクリスタルサウンド。かなりジャズ色が強くなっていますが、一般的に知られているボサノヴァの原型ですから、かなりイージーリスニングで癒し系の音楽なのですが、当時としてはかなり斬新で洗練されたアレンジであり、クールジャズとラテンが出会ったような内容になっています。

1. Wave
2. The Red Blouse
3. Look To The Sky
4. Batidinha
5. Triste
6. Mojave
7. Dailogo
8. Lamento
9. Antigua
10. Captain Bacardi

全編インストで、バックメンバーはジャズ系のミュージシャンになっています。トロンボーンのUrbie GreenとJimmy Cleveland、フルート、ピッコロのRaymond Beckenstein、Romeo Penque、Jerome Richardson、フレンチホルンのJoseph Singer、ベースはRon Carter、ドラムがClaudio Slon、パーカッションのBobby RosengardenとDom Um Romãoで、ラテン系ですからパーカッションのリズムのつけ方が命になっています。

ジョビンが提示したボサノヴァの波はジャズ界にも浸透して、多くのミュージシャンがボサノヴァを取り入れるようになっていき、軽やかなこの音楽は生活の一部にも入り込めるくらいの親しみ易さを持っていました。アメリカでも斬新だったこの音楽は日本人には尚更つかみにくい音楽でありながら、その洗練され方がおしゃれなので、ファッション的に広まっていきました。そうしたブームを加速させた名盤です。

Wave
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[20130429]

Wonderful World of Antonio Carlos Jobim (Jewl)Wonderful World of Antonio Carlos Jobim (Jewl)
(2006/06/27)
Antonio Carlos Jobim

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65年の作品です。ジョビンがボサノヴァを生み出したのは50年代後半でした、そして63年にCreed TaylorプロデュースでVerveから世界的にアルバムがリリースされました。つまりジャズの新しい解釈、ニューエイジジャズとして広めようとしていたのです。そしてこのアルバムではワーナーに移籍、全編ジョビンが歌っています。決して歌は巧くありませんが、この語りかけるようなアンニュイさがそのままボサノヴァの魅力となりました。

1. Shes A Carioca
2. Aqua De Beber
3. Surfboard
4. Useless Landscape
5. So Tinha De Ser Com Voce
6. A Felicidade
7. Bonita
8. Favela
9. Valsa De Porto Das Caixas
10. Samba Do Aviao
11. Por Toda A Mimha Vida
12. Dindi

歌詞がついていなくてスキャットで歌う曲も多く、裏拍を意識したリズムを印象づけるにはスキャットの方が分かり易くもありました。アレンジもオーケストラを入れて豪華になっています。maj7やmaj9、6thの和音を多用するボサノヴァのアレンジはジャズ理論を用いたアメリカンポップスとも共通点があり、かなり洗練された音楽として親しまれていきます。

決まったリズムの曲ばかりだと、どれも同じように聴こえてきます。そこで曲のバリエーションが大事になってきます。しかし、生まれたばかりのボサノヴァを印象づける為には、ワンパターンなくらいの方が伝わり易いです。この両方の課題に対してジョビンも創意工夫しているようです。クラシックの教養もあるジョビンはやがてボサノヴァの域に留まらない作曲活動を展開していきます。

Shes A Carioca
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[20130428]

The Composer Of \'Desafinado\', PlaysThe Composer Of \'Desafinado\', Plays
(1997/07/29)
Antonio Carlos Jobim

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ここからはブラジル音楽を簡単ですが紹介していきます。ブラジルの音楽と言えばサンバですが、近代音楽の発展を成し遂げたのがボサノヴァの誕生でした。そのボサノヴァを生み出したアントニオ・カルロス・ジョビンの作品から紹介していきます。ボサノヴァはブラジルにおける音楽のヌーベルヴァーグであり、ニューウェイヴミュージックでした。それまでにないアクセントとリズムの音楽は、当初歌えるものがいないくらい斬新過ぎた音楽でした。

1. The Girl from Ipanema
2. Amor Em Paz (Once I Loved)
3. Agua de Beber
4. Vivo Sonhando (Dreamer)
5. O Morro Nao Tem Vez [AKA Favela]
6. Insensatez (How Insensitive)
7. Corcovado
8. One Note Samba
9. Meditation (Meditacao)
10. So Danco Samba (Jazz Samba)
11. Chega, de Saudade
12. Desafinado

ジョビンは作曲家であり、彼が新しく生み出した音楽をボサノヴァと呼んで、当時の大学生などの若者にアピール出来る新しい音楽でしたが、始めはこの独特のアクセントで歌える歌手がいなかった為に、作曲家であるジョビン自身が演奏して歌ったファーストアルバムです。63年の作品ですから、世界的にはビートルズがデビューした翌年になりますから、ボサノヴァはつい最近誕生した音楽だったのです。ラテンのリズムでありながらジャズの洗練されたエッセンスが詰まっています。

この新しい音楽を世界的に有名にしたのが名曲イパネマの娘と言う曲で、ジョアン・ジルベルトというギタリストの登場を待たなければなりませんでしたが、このファーストアルバムには既にイパネマの娘が入っています。この曲は世界中で愛され、特にジャズミュージシャンに好まれて演奏されました。これによりボサノヴァという音楽が世界中で愛されるようになっていきます。その原型とも言える音楽が既に完成された形で収められています。既に必要な音が全て施された名盤です。

The Girl from Ipanema
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[20130428]

AlexanderAlexander
(2004/11/16)
Vangelis、Maria Bildea 他

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2004年の作品で、映画アレキサンダーのサントラです。オーケストラ音楽ばかり目立つ晩年ですが、その集大成とも言えるくらい大迫力の音楽に仕上がっています。これ以降は新作が出ていませんので、これが最新盤になります。生オーケストラをシンセの競演というジャンルを開拓しているヴァンゲリスならではの映画音楽になっています。これまでのオリジナル作品も映画音楽みたいな性格をしていたので、実際に映画に使われているかどうかはさほど重要ではありません。

1. Introduction
2. Young Alexander
3. Titans
4. The Drums Of Gaugamela
5. One Morning At Pella
6. Roxane's Dance
7. Eastern Path
8. Gardens Of Delight
9. Roxane's Veil
10. Bagoa's Dance
11. The Charge
12. Preparation
13. Across The Mountains
14. Chant
15. Immortality
16. Dream Of Babylon
17. Eternal Alexander
18. Tender Memories

しかし、実際に迫力のある映像でこの音楽を聴くと更なる迫力が増してきます。映画自体も面白いものでしたが、音楽の完成度も素晴らしいものがあります。この人の作品に駄作は一切ありません。初期の頃のアヴァンギャルドな作品も受け入れられれば、全てが名作と言えるでしょう。又、多くの映画音楽を手がけてきていますが、その中でもこの作品は最高傑作と言えるほど熟練した完成度を誇っています。

ジンギスカンの次に世界を拡げた男アレキサンダーですので、中近東の民族音楽的な曲も織交ぜています。実にオリエンタルな世界感はアレキサンダーを物語るにふさわしいものだと思います。これまでのヴァンゲリスの音楽を総結集して表現するに値する題材なのです。見事にハマっています。劇場のサラウンドでこの音楽に浸る快感は家で聴くのと違うかもしれませんが、どんなシチュエーションで聴いても感動的な音楽だと思います。大名盤です。

Introduction/Young Alexander
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[20130428]

Mythodea-Music for the Nasa MiMythodea-Music for the Nasa Mi
(2001/10/24)
Vangelis

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2001年の作品で、NASAの火星探査計画をプロモートする為に創られた組曲になっています。93年に一度シンセサイザー主体で公園を行っていますが、2001年に生オーケストラ、London Metropolitan Orchestra、Greek National Operaの合唱とシンセサイザーの競演と言う形で再現されたもののアルバムになります。より綿密なアレンジと演奏は壮観であります。ホルストの惑星を思わせる曲調です。

1. Overture
2. Movement 1
3. Movement 2
4. Movement 3
5. Movement 4
6. Movement 5
7. Movement 6
8. Movement 7
9. Movement 8
10. Movement 9
11. Movement 10

宗教的な音楽と民族音楽の呪術的な音楽に未来的なシンセサウンドという組み合わせは、宇宙への挑戦は神への挑戦のような決意を物語っているのでしょうか。神の領域へ入り込んだ人類の未来を暗示するかのごとく荘厳な音楽で飾られています。生オーケストラが入った事でシンセの出番が目立ちませんが、随所でクラシック音楽とは違う感を醸し出しています。

コンサートはギリシャのパルテノンン宮殿を模したコンサート会場で行われ、クラシックのコンサートのような雰囲気で行われました。神話の国、ギリシャならではの演出は感動的であります。そして、その格調に値するだけの素晴らしい音楽が演奏されています。時と空間をも超越する音楽の無限なるエネルギーを目の当たりにする思います。名作です。

Mythodea

[20130428]

El GrecoEl Greco
(1998/10/27)
Vangelis

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98年の作品で、エルグレコという画家をテーマにしたコンセプトアルバムです。映画音楽ではありませんが、映画音楽のようであり、中世のクラシック音楽のようでもあります。是もほとんどサンプラーやシンセを使ってオーケストレーションを組み立てています。それにソプラノ歌手のMontserrat Caballé、テナー歌手のKonstantinos Paliatsarasが宗教音楽のような歌を響かせます。

1. El Greco: Movement I
2. El Greco: Movement Ii
3. El Greco: Movement Iii
4. El Greco: Movement Iv
5. El Greco: Movement V
6. El Greco: Movement Vi
7. El Greco: Movement Vii
8. El Greco: Movement Viii
9. El Greco: Movement Ix
10. El Greco: Movement X

エルグレコと言う画家がどういう人だったかは知りませんが、バロック調の宗教的な荘厳で重厚な音楽になっています。この時期のヴァンゲリスはロックミュージシャンではなく、現代音楽家として曲を創っているようです。組曲形式で、ギリシャ人でありながらイタリア、スペインで活動していいた画家で宗教画が多かった事から、こういった曲調になっているようです。

ギリシャ周辺の地中海の音楽とバロック調の音楽を混ぜ合わせたような旋律、ロックファンには馴染めないものかもしれませんが、プログレファンならこれくらいの音楽に馴染めないと本当のファンとは言えません。しかもこれは生オーケストラではなく、シンセやサンプラーで創っているのです。クラシックファンは納得いかないでしょうが、創られた音楽はどのクラシック作品に比べても見劣りしない曲になっています。それにしても奥行きのある立体的な音像に仕上げている技術は素晴らしいものがあります。

El Greco: Movement I
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[20130427]

OceanicOceanic
(1996/10/22)
Vangelis

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96年の作品で、これもDeep Seas, Deep Secretsというテレビドキュメント番組のサントラになっています。今回は海がテーマになっていて、前作同様聴き易い音楽になっています。優しく滑らかな旋律は癒し系でもあります。それでいて海の雄大な流れなど、自然をテーマに感動的な音楽を創り上げています。もはやこの人はロックカテゴリーだけに留まらず、現代音楽の作曲家として認識されるべきです。

1. Bon Voyage
2. Siren's Whispering
3. Dreams Of Surf
4. Spanish Harbour
5. Islands Of The Orient
6. Fields Of Coral
7. Aquatic Dance
8. Memories Of Blue
9. Songs Of The Seas

90年代、サンプリングミュージックはダンスミュージックとして発展していきましたが、ダンスミュージックとは違う分野での進化を目の当たりに出来る作品です。全てサンプラー、シンセサイザーで制作されているにもかかわらず、この暖かみ、温もりを表現する事は、サンプラーの新たな活用術であり、機械的なデジタルサンプラーが、音源次第では血の通った音色として表現出来る事を物語っています。

まるで海の生き物達と遊んでいいるかのような錯覚になってしまいます。海のトリトンの世界です。モールス信号を送るクラゲ、ヒラメや鯛の舞踊り、人類も昔は海の中で生活していた。そんな記憶を蘇らせる音楽です。穏やかなだけではない海ですが、太陽と波に戯れる時間も共有出来るのです。新しいタイプのミューエイジミュージックです、名盤ですね。

Bon Voyage
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[20130427]

VoicesVoices
(1996/01/09)
Vangelis、Stina Nordenstam 他

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95年の作品です。Deep Seasというテレビのドキュメンタリー番組の為のサントラになっています。ヴォイスと言うタイトル通り、声をメインにした作品で、コーラスやサンプリングヴォイス、Caroline Lavelle、Stina Nordenstam、Paul Young に歌を歌わせ、Athens Opera Companyのコーラスを起用したり、エレクトロポップな曲に人の声という組み合わせで構成されています。

1. Voices
2. Echoes
3. Come To Me
4. P.S.
5. Ask The Mountains
6. Prelude
7. Losing Sleep (Still, My Heart)
8. Messages
9. Dream In An Open Place

サントラになっているので、親しみ易い旋律になっていますが、侮れないヴァンゲリスは、シンプルに聴かせながらも複雑なアレンジを施しています。サンプリング技術も進んできて、かなりリアルなオーケストレーションになっています。それに明快なシンセの音色、いかにもサンプリングによるループだと分かる音、様々な組み合わせがシンプルな音楽を豊かに聴こえるように繊細なエディットがなされています。

ですから難しい事は考えないで気軽に楽しめる音楽になっています。それが一番音楽を創る上で重要な事ですが、ヴァンゲリスはこれまで難解な音楽も創ってきました。その人がいとも簡単にこの聴き易い音楽を創れるのですから恐れ入ります。それでいてかなり考え抜かれたアレンジになっています。彼のセンスも進化していると思いますが、この人は常にベストな作品をリリースしています。これまで萎えた事がありません。彼の作品にはずれはないのです。名盤です。

Voices
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[20130427]

Blade RunnerBlade Runner
(1994/06/21)
Vangelis

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94年の作品です。82年に公開されたRidley Scott監督の近未来映画ブレードランナーの正規盤サントラとしてやっとこの年にリリースされました。音楽的にはそれほど知られていませんが、映画は歴史的な名作として今も語り継がれています。この映画のサントラも炎のランナーの次の年に手がけていたのです。炎のランナーほど印象的な音楽ではありませんが、このテクノな感じとジャズっぽい感じが近未来的な雰囲気を出しています。

1. Main Titles
2. Blush Response
3. Wait For Me
4. Rachel's Song
5. Love Theme
6. One More Kiss, Dear
7. Blade Runner Blues
8. Memories Of Green
9. Tales Of The Future
10. Damask Rose
11. Blade Runner (End Titles)
12. Tears In Rain

この映画が描く近未来はそれほど奇麗なな社会ではなく、他民族が混沌とした街創りをしています。それに当時のチープなテクノポップ系シンセの音がいい感じで鳴っています。80年代のニューウェイヴ系ミュージックは近未来的で、無駄をなくしたシェイプアップされた音楽で、近未来を描いた映画も沢山創られるようになりますが、この映画は、その走りとも言える作品で、普通に思い描いている未来よりも雑然とした街並に衝撃を憶えました。その方がリアルだったからです。

そして、その映像にあった音楽を創っています。炎のランナーとは全く違うアプローチになっています。ヴァンゲリス得意のシンフォニックな感じではなく、ジャズ的な音楽がニューヨークの未来というイメージにつながります。アンビエントで冷淡なテクノ感、ヴァンゲリス自体はテクノな作品を創った事はありません。しかし、その要素を取り入れていました。この作品でもそういう感じです。全体的には今で言うエレクトロニカみたいな感じです。これも先取りですね。名盤です。

Main Titles
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[20130427]

1492: The Conquest Of Paradise - Original Motion Picture Soundtrack1492: The Conquest Of Paradise - Original Motion Picture Soundtrack
(1992/10/20)
Vangelis

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92年の作品で、Ridley Scott監督の映画コロンブスのサウンドトラックになります。壮大なロマン溢れるオーケストレーションが展開されていますが、English Chamber Choirやフラメンコギターなど意外はサンプリングで構成されています。シンセとオーケストラが混じりあっているように聴こえますが、大半がサンプラーによるものです。かなり繊細にエディットされているようです。

1. Opening
2. Conquest Of Paradise
3. Monastery Of La Rabida
4. City Of Isabel
5. Light And Shadow
6. Deliverance
7. West Across The Ocean Sea
8. Eternity
9. Hispanola
10. Moxica And The Horse
11. Twenty Eighth Parallel
12. Pinta, Nina, Santa Maria (Intro Eternity)

これまでのサントラ作品の中でも一番スケールの大きな雄大な音楽になっています。リード楽器が生楽器なので、生楽器感が強く感じられますが、シンセ、サンプラーの占める割合の方が多いようです。映画音楽と言う事で、間の取り方などは炎のランナーを踏えており、それでいて新しい要素がたっぷりてんこもりであります。そして印象的な旋律。映画音楽では売れる事を考えているようです。

シンフォニックなスコアを書かせたらぴか一ですね。まるでクラシック音楽のようでありながら現代音楽的な感性も交えて現代的なオーケストレーションに仕上げています。流石に映画音楽では挑戦的な事はしていませんが、躍動感はいつもながらで、ダイナミックな音楽になっています。バラード系では少しおとなしめですが、異民族と交わっていくコロンブスの生き様がよく現されています。

Opening
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[20130426]

CityCity
(1991/05/14)
Vangelis

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90年の作品で、都会の一日を描いたコンセプトアルバムになっています。ローマなどでレコーディングされていますが、朝が始まるとジャズのスウィングが始まるので、イメージとしてはニューヨークでしょうか。シンセサイザーによるヒーリングミュージックな要素も感じられますが、ヴァンゲリスの場合はそれだけに留まらず起伏の激しいメリハリのある叙情詩に仕上げています。

1. Dawn
2. Morning Papers
3. Nerve Centre
4. Side Streets
5. Good To See You
6. Twilight
7. Red Lights
8. Procession

サンプリングを使うようになってからは80年代サウンドと同じような音も使いますが、あくまでも手段の一つとして利用しているだけなので、基本的な発想はプログレの組曲的な構造になっていると思います。都会の一日なんてありきたりな題材ですが、そのイメージから発せられる音楽は説得力のあるものになっています。コーラスパートもサンプリングやボイスサウンドで代用して80年代らしいものになっています。しかし80年代ポップとは異質な作品です。

80年代に進化してきたテクノロジーを駆使して壮大な交響曲を生み出しています。プログレを担ってきたキーボードプレイヤーがつまらない作品しか発想できなくなってきているこの時期に、プログレ黄金期以上のイマジネーションを持って生み出されています。この人はヒット作品も創ってきましたが、一環してアナーキーな根底がぶれる事がありません。常に心を揺さぶる情念をもって音楽を創っています。名盤です。

Dawn
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[20130425]

DirectDirect
(2005/01/04)
Vangelis

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88年の作品です。ダイナミックなシンフォニックロックをアンビエントなサウンドで構築した内容で、ヴァンゲリスでしか成し得ないと言っても過言ではない、壮大なスケールの作品に仕上がっています。本来シンセのテクノ的な、アンビエントなサウンドを使えば無機質な音楽になりがちですが、ヴァンゲリスの場合は、そこに血肉を与える音楽を生み出すのです。

1. The Motion Of Stars
2. The Will Of The Wind
3. Metallic Rain
4. Elsewhere
5. Dial Out
6. Glorianna (Hymn A La Femme)
7. Rotation's Logic
8. The Oracle Of Apollo
9. Message
10. Ave
11. First Approach
12. Intergalactic Radio Station

コンセプトアルバムになっていて、宇宙と、人とダイレクトにつながるような意味合いがあるようです。80年代後半なビートも使いながらも、それはあくまでもメリハリを付ける為の手段であって、80年代サウンドとは異質な音楽になっています。サンプリングを多用したサウンドは、それだけでは80年代サウンドとして埋もれてしまうような音ですが、それをオーケストラの一部として構成することによりダイナミックで雄大な音楽へと昇華させています。

これこそが本来プログレが進むべき道だったのではないでしょうか。商業ロックの時代に合わせてプログレがアメリカナイズしていき廃れてしまった道とは別の道を歩んできたヴァンゲリスだからこそ成し得た成果だと思います。テクノ的なシンセ音を使ってもテクノではないのです。プログレなのです。売れる事に固執しなければ、これだけ素晴らしい作品を創りだせると言う見本のような素晴らしい名盤です。

The Motion Of Stars
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[20130424]

Invisible ConnectionsInvisible Connections
(1990/06/20)
Vangelis

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85年の作品です。かなり抽象的な音楽になっています。インダストリアルでシンセも打楽器みたいに使っています。旋律よりも音響派な作品になっています。アンビエントと言うのも違います。環境音楽でもありません。打楽器にもリングモジュレーターがかけられてシンセ音みたいになっています。テクノと言うにはビートがありません。摩訶不思議な作品です。

1. Invisible Connections
2. Atom Blaster
3. Thermo Vision

フリージャズ的な発想でしょうか、かなり精神性を表現することで、音楽的な法則性を問うておりません。感情をそのままペイントする印象派な音楽です。コンクリートミュージックに近いのかもしれませんが、音階は出しているので、それほど無作為でもありません。他にたとえようがないくらいヴァンゲリスな作品なのです。ヒットを連発していた頃から比べると本来の自分の世界に集中出来ているようです。

Philip Glassのような現代音楽に近いものだと思います。それでも斬新な音処理を施しています。電子音の集まりのようでありながらも明らかに生楽器も使っている。しかし、その生楽器でさえも電子音のような処理がなされています。ですから聴いた事もないような音色が鳴っています。音響派とも言えますが、ここまで独創的な音楽はヴァンゲリスならではのものでしょう。

Invisible Connections
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[20130423]

The MaskThe Mask
(1990/10/25)
Vangelis

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85年の作品です。これも前作同様架空のサウンドトラックみたいなコンセプトアルバムになっています。もはや映像の依頼がこなくても映像を想起したようなアルバムを創れるようになっているのです。シーケンサーも発達して16トラックくらいのシーケンスは自由自在に創れるような時代になっています。それにEnglish Chamber Choirの合唱を組み合わせています。

1. Mask: Movement 1
2. Mask: Movement 2
3. Mask: Movement 3
4. Mask: Movement 4
5. Mask: Movement 5
6. Mask: Movement 6

Heaven and Hellと言う作品でも合唱を取り入れていましたが、今回はデジタル環境での組み合わせなので、少し雰囲気が違います。宗教的な重厚感がありますが、デジタル故の音の細さが目立ちます。前作ではかなり工夫して厚みのある音を出していましたが、今回はサンプラーの二次元的な平面的サウンドによるオーケストレーション故に音が細く感じます。やはり重厚さでは生のオーケストレーションにはかなわないのです。

まだマルチサンプリングの技術がないので音が平面的です。現在ではマルチサンプリングで生と変わらない音を出せるようになっています。それでもエフェクト処理でかなり加工しないとサンプリングだとすぐばれてしまいます。ヒップホップの感覚ではそのばれた感じがクールなのですが、こうしたシリアスなオーケストレーションでは生との区別がつかないほど良いでしょう。それでもこの時代の時点では最高の音を出していると思います。

Mask: Movement 1-1
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[20130422]

Soil FestivitiesSoil Festivities
(1988/09/12)
Vangelis

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84年の作品です。売れる方程式が分かったヴァンゲリスにとって、もう売れる事は大事ではなくなったようで、ここからは以前のドキュメンタリー的な作風をコンセプトにした作品を創っていきます。架空のサントラ盤という事になるようで、今回はジャケットから昆虫類を題材にしているようです。

1. Movement 1
2. Movement 2
3. Movement 3
4. Movement 4
5. Movement 5

デジタルシンセの普及はヴァンゲリスの創造意欲に火をつけたようで、これまでアナログシンセでやっていた事以上のものを表現出来るようになっています。打楽器の部分から何からシンセで表現しています。デジタルになったからと言って、所謂80年代ポップのような軽薄な音は選択していません。初期デジタルシンセのチープな感じが一切しません。ここは流石にヴァンゲリスのセンスに脱帽です。この時期にこれだけ厚みのある音をシンセだけで創っているのですから、彼には求めている音と言うのがはっきり見えているのでしょう。

デジタルシンセが出始めた頃は、その音の奇麗さに衝撃を憶えたものですが、アナログシンセのような音の厚みがない分チープな音色が目立っていました。レイヤーが足りなかったのです。DX-7Ⅱ辺りが出た頃からそれは解消されていきますが、そのチープな音をみんながありがたがって使っていました。しかしです。ヴァンゲリスは一切チープな音にはしていません。恐らく幾つかのシンセを同期させて発音させて自分でレイヤーを増やしていたのではないでしょうか。彼だけはデジタルシンセの罠に落ちなかったのです。これは凄い事です。この時期にこの音はあり得ないくらい凄いです。音楽的にはシンプルさがなくなった分売れる方程式から外れていますが、やっと自分のやりたい音楽に集中出来るようになったようです。素晴らしい名盤です。

Movement 1
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[20130421]

Music From Koreyoshi Kurahara\'s Film AntarcticaMusic From Koreyoshi Kurahara\'s Film Antarctica
(1988/10/17)
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83年の作品で、日本の映画、南極物語のサウンドトラックです。一度火がついた人気は留まりません。このアルバムも又大ヒットとなりました。エコー、ディレイを使ったリズムは炎のランナーの応用でありますが、シンセによる琴の音は日本をイメージしての事でしょうが、これが南極の厳しい環境と壮大なビジュアルにマッチして、これもよくメディアで流されています。

1. Theme From Antarctica
2. Antarctica Echoes
3. Kinematic
4. Song Of White
5. Life Of Antarctica
6. Memory Of Antarctica
7. Other Side Of Antarctica
8. Deliverance

南極に残してきた犬との再開を感動的に映画いた映画は日本らしい、お涙ちょうだいの映画で、映画もヒットしましたが、音楽も大ヒット。ヴァンゲリスは売れる方程式を手に入れたのです。テクノビートではないしっかりと間を取ったリズムをディレイで疾走感をもたらす。そして中国どら、ゴングやティンパニのような打楽器との組み合わせ。主旋律は琴の音色。炎のランナーと同じ手法でありながら、違う表情を生み出しています。

デジタルシンセの時代に入り、パッドサウンドやヴォイスサウンドの和音などはそれまでにはなかったものです。ですからアンビエントな雰囲気も出しながらも、印象的な旋律を緩やかになびかせています。炎のランナーよりも音楽的には完成度が増しています。やんちゃなヴァンゲリスのイメージが全く払拭されて寂しい限りではありますが、音楽的にも申し分のない内容になっています。名盤です。

Theme From Antarctica
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[20130421]

Chariots Of Fire: Academy Award, Best Original Score 1981Chariots Of Fire: Academy Award, Best Original Score 1981
(1987/01/01)
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81年の作品で、映画 炎のランナーのサウンドトラック盤です。ヴァンゲリスの作品の中でも一番有名な作品です。ロックファンでなくても、この曲は誰しもが聴いた事がある曲だと思います。それくらい有名過ぎる曲で、ほとんどこの作品でヴァンゲリスは知られています。イギリス人になろうとするユダヤ人のハロルド・エーブラムスと、神のために走るスコットランド人宣教師エリック・リデル、実在の二人のランナーを描いた映画で、映画もヒットしましたが、この音楽が必要以上にメディアで流れて音楽も忘れられないものとなりました。

1. Titles
2. Five Circles
3. Abraham's Theme
4. Eric's Theme
5. 100 Metres
6. Jerusalem
7. Chariots Of Fire

ジョルジオモルダーのようなシンセ音。単純な旋律。ディレイ音も含めたリズム。こういった曲はそれまでにも顔を出していましたが、ここまで徹底して優雅さを追求した事はありませんでした。ですから、それまでのヴァンゲリスを知っているものにとっては意外な音楽でヒットしてしまって違和感を思えたものです。嫌、これからのヴァンゲリスはこうなってしまったのだと思ってしまいました。それくらい時代の変化が激しい頃だったのです。

保守的なイギリス、マラソンで勝つ事は戦争に勝つ事に等しい栄誉でした。その選手に選ばれて優勝する為のランナーの苦悩を描いた映画。シンプルなシンセのアルペジオ、これまでのアヴァンギャルド性を一切排除した事によって、多くの人に映画の感動と共に親しまれるようになりました。この成功は彼にとっても意外な事だったに違いありません。あまりにも売れた作品の為、彼の作品の中では低い評価をするファンもいるかもしれませんが、音楽的には妥協する事なく無駄を省いているだけで、見事な名盤になっています。

Titles
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[20130421]

See You LaterSee You Later
(1999/03/02)
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80年の作品です。完全にテクノの影響を受けた作品になっています。テクノポップの始まりはクラフトワーク辺りのドイツのシンセグループから始まりますが、イギリスでウルトラヴォックスがよりダークな世界感を創りだした事に始まります。Y.M.O.もウルトラヴォックスの影響でテクノポリスをレコーディングしています。その手法がかなり反映した作品になっています。

1. I Can't Take It Any More
2. Multi-Track Suggestion
3. Memories Of Green
4. Not A Bit-All of It
5. Suffocation
6. See You Later

シンセのダークな音色とポップなリズム、テクノポップはディスコでも踊れる音楽として流行っていきます。その手法を完全に頂いたこの作品は、ヴァンゲリスの中でも一番ポップチャートに近い内容になっています。しかし、その中でも彼らしいパーカッションの活かし方、優雅なヨーロピアンテイストも含める事によって、いつもながの躍動感を失う事なくテクノしています。

ヴォコーダーによって、ヴァンゲリス自身も歌う事が出来る。現在はボーカロイドやヴォコーダーのソフトシンセなどによりリバイバルされているヴォコーダーはテクノポップの象徴です。パフュームが使っているのはパソコンでエディット出来るソフトによるものです。シンセのロボット的な音色を選びながらも人間味溢れる演奏になっているところがヴァンゲリスの真骨頂です。これも名盤です。

I Can't Take It Any More
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[20130421]

Opera SauvageOpera Sauvage
(1987/01/01)
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79年の作品です。これまではシンセを使ったアグレッシヴなな作品が多かったのですが、この作品ではソフトで優しい雰囲気に包まれています。癒し系と言うには少し緊張感が漂っているので、完全な癒し系ではありませんが、音色からして柔らかなものを選んでいます。アンビエントまでは行きませんが、音の奥行きを感じられる作品になっています。

1. Hymne
2. Reve
3. L'enfant
4. Mouettes
5. Chromatique
6. Irlande
7. Flamants Roses

この作品もフランスの自然のドキュメンタリー番組のサントラとして制作されています。ですからそれまでのソロ作品とは違う雰囲気になっています。ニューエイジミュージックとも違うと思います。それだけ音の存在感があるからです。エレピはA.O.R.みたいだし、旋律は一定しているのにバッキングのエレピの方がインプロヴィゼーションしていたり、やっているのは凄い事なのですが、聴いていて安らげます。

時代はテクノポップの時代になっていますが、そこからは距離を置いた内容になっていると思います。他方影響はあるのかもしれませんが、ダンスミュージックにするつもりはないようです。これまでの作品に比べるとよりシンプルで親しみ易い内容になっております。これがこの先のあのヒット作品へとつながっていくのです。イエスのアランホワイトが無人島に持って行きたいアルバムにあげるほど素晴らしい名盤です。

Hymne
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[20130420]

ChinaChina
(1987/01/01)
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79年の作品で、中国を題材にした作品です。ジャケットには台湾語で中国と書かれています。古い漢字ですね。日本も明治の頃はこの漢字を使っていました。BeaubourgでのテクノサウンドプラスSpiralでのシンフォニックなスタイルが融合したような内容になっていて、それで中国を表現しています。JAPANnブリキの太鼓みたいな感覚です。あくまでもヨーロッパ人が想像する共産国中国のイメージです。

1. Chung Kuo
2. The Long March
3. The Dragon
4. The Plum Blossom
5. The Tao Of Love
6. The Little Fete
7. Yin & Yang
8. Himalaya
9. Summit

海外とも友好するようになった中国でしたが、文化大革命のような負のイメージが強く、そしてソビエトの共産イメージともダブってヨーロッパ人には映っていたはずです。そんなイメージが伝わってくる作品です。シンセサイザーで中国を表現しようという発想自体がユニークであり、クォーター音などはピッチッベントで表現しています。中国音階、アジアの音階と混ぜこぜですが、中国だと認識してしまうところが、私にもあります。

琴は元々中国の楽器ですから、それは日本のイメージとダブっているのではありません。ですが、実際の中国でこんな音楽が存在するものではありません。あくまでもヨーロッパ人が創った中国のイメージですから、ロック作品として成り立つのです。エスニック好きのヴァンゲリスが辿り着いた先がアジアの中国だったというのも興味深いものです。音楽的にもかなりの名盤です。

Chung Kuo
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[20130420]

BeaubourgBeaubourg
(2009/10/27)
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78年の作品です。シンセによる音色も豊かになって、シンフォニックな作品を出していましたが、更にシンセが進化するに従って、旋律ありきの音楽ではなく、シンセの音色から発想される音楽をつりまとめたのがこの作品になります。ですからほとんどインプロヴィゼーションのような内容になっています。ジョージハリソンの電子音楽の世界みたいに、ただ買ってきたシンセを適当に弾いたものを録音したものではなく、音色をかなりいじくり倒して出来ています。

1. Beaubourg, Part I
2. Beaubourg, Part II

90年代に隆光するテクノのようなサウンドを既にこの時代に発想させています。まだプログラミング出来るタイプのシンセはほとんどなく、つまみをいじって、そのつまみの位置を憶えていないと、二度と同じような音が出せないと言うアナログシンセを即興でいじくりまくって音を出しています。ですからある程度の予測は出来ても、次にどんな音が飛び出すか分からないような一触即発的な演奏を録音したものだと思われます。

シンセによるコンクリートミュージックです。フィルターやレゾナンスのつまみをいじくりまわすだけでも相当な音色の変化を得られます。ディレイやエコー、リバーブなどの処理は録音後にあしらわれたものでしょうが、この機械的な、シンセらしい音色だけで作品にするという発想自体も、当時はかなり斬新なものであります。ドイツでは環境音楽的なものが創られていましたが、これは、そんなゆるいものではありません。ランダムに出てくる音色によって優しくなったり、激しくなったり、いろんな表情が出てくるから退屈する事もありません。かなり心して聴かないと命にかかわります。

Beaubourg

[20130420]

SpiralSpiral
(2008/04/01)
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77年の作品です。アルバムジャケットとしては一番有名なアルバムではないでしょうか。全編シンセサイザーの多重録音によるヴァンゲリスのマルチプレイヤーぶりが発揮された作品で、一番ヴァンゲリスと言うミュージシャンのイメージに近いものだと思います。シンセによる壮大なシンフォニックロック。アナログシンセのシーケンスを使いながらもアグレッシヴなリズムの作り方など、おりこうさんではいられないところが素敵です。

1. Spiral
2. Ballad
3. Dervish D.
4. To The Unknown Man
5. 3 + 3

交響曲をシンセサイザーで演奏すると言う事は、それまでに多くのミュージシャンが試みています。ですから、方法論としては珍しくないのですが、随所にドイツテクノの無機質な要素とアヴァンギャルドで暴れん坊だったヴァンゲリスのやんちゃぶりも押さえられる事なく発揮されています。ですからロックファンにも充分楽しめるシンセロックになっています。

環境音楽のような生易しいものではありません。タンジェリンドリームやイーノと同じつもりで聴くと火傷をします。それくらい躍動的ですし、次々に矢継ぎ早にアイデアを昇華させながら物語が進んでいきます。たった一人でイエスの危機に匹敵するくらいの情報量を持った作品を創っています。既にポリフォニックなシンセ音も確認出来ます。ファンの間では評価の高い作品ですが、世間的にはまだ評価が足りなくらいの大名盤だと思います。

Spiral
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[20130420]

Albedo 0.39Albedo 0.39
(1989/09/19)
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76年の作品で、やっとここにきて誰もが知っているヴァンゲリスのシンセサウンドになっています。ヴァンゲリスが一人でシンセ、ベース、ドラムを多重録音して制作されています。恐らくドイツのジャーマンテクノの影響を受けたであろう事が曲のタイトルのつけ方から分かりますが、ドイツのミニマル感に比べるとかなりシンフォニックでエモーショナルです。

1. Pulstar
2. Freefall
3. Mare Tranquillitatis
4. Main Sequence
5. Sword Of Orion
6. Alpha
7. Nucleogenesis (Part One)
8. Nucleogenesis (Part Two)
9. Albedo 0.39

Moogなどに標準装備していたシーケンサーを使ったシンセループがテクノ感を感じさせますが、それ以外のアレンジはかなり躍動的でアヴァンギャルドポップな感覚で創られています。これほど情熱的なシンセサウンドの作品は珍しいと思います。プログレのようなシンフォ感、フュージョンのような立体感、ドイツのような冷淡な作風などお頭から眼中にないような演奏になっています。

ヴァンゲリス本人もテクノをやっているつもりはないのでしょう、あくまでもキーボードプレイヤーとしての武器の一つとしてシンセを操っているだけで、その遊び心は昔から変わっていません。ドイツでもイギリスでもないヴァンゲリスでしかないサウンド、だからこそ孤高のミュージシャンとして天下無双の音楽を生み出しています。かなりの名盤です。

Pulstar
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[20130419]

La Fête sauvageLa Fête sauvage
(1999/02/25)
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76年の作品です。またしても動物のドキュメンタリーのサウンドトラックになっています。今回はアフリカの動物が題材のため、音楽もアフリカンなものになっています。ワールドミュージックの走りですね。アフリカンのリズムは古くからジャズドラマー達が取り入れていました。ロック界ではイアンペイス、ジンジャーベーカーなどが早くから取り入れていましたが、本格的にアフリカンな音楽そのものをやっているロックミュージシャンはこれが初めてではないでしょうか。

1. La Fete Sauvage part 1
2. La Fete Sauvage part 2

フランスのドキュメンタリー映画で、アフリカとヒマラヤに住む動物の生態を撮影したものになっています。ですからヴァンゲリスが得意としていた民族音楽の要素とシンセサイザーミュージックの融合という、うってつけの作品になっています。アフリカの歌は現地のミュージシャンを録音したようなもので、これは80年代にピーターガブリエルがサンプリングしてアフリカブームが始まりますが、それを既に70年代中期にやっているのです。

こちらではサンプリングのようなアグレッシヴなトリミングではなく、テープ編集によるカットアップの手法で制作されていますが、ほぼそのままの演奏を素材にしているので、ピーターガブリエルのようなインパクトはありませんが、打楽器を強調した編集は、当時はかなり斬新なものだったはずです。ワールドミュージックの原点のようなアルバムです。


La Fete Sauvage - part 1
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[20130418]

Heaven and HellHeaven and Hell
(1991/11/05)
Vangelis

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75年の作品で、シンセサイザーを中心にしたシンフォニックプログレ作品になっています。シンセや打楽器によるオーケストレーションにEnglish Chamber Choirによる合唱で構成されています。これまでのアヴァンギャルドな部分は薄れてスコアを大事に演奏する事によって、イエスのような組曲形式になっています。

1. Heaven And Hell (Part I)
2. "So Long Ago, So Clear"
3. Heaven And Hell (Part I)
4. Heaven And Hell (Part II)

So Long Ago, So ClearではJon Andersonがボーカルで参加、12 O'ClockではVana Veroutisが歌っています。Heaven And Hellという交響曲の中に複数の曲が含まれているのですが、あえてそれをひとまとまりにしてプログレライクな作品に仕上げています。後にJon Andersonの要請によりイエスに加入を薦められますが、それを断ってJon Andersonとのコラボレートへと至る事になります。

これまでの作品からはイエスへの参加を連想させるような曲はありませんでしたが、このアルバムでやっとイエスでもやっていけると納得させられる曲を創っています。シンセの多重録音も綿密で、一人で演奏してオーケストラにしているので、しっかりとしたスコアを創った上での録音になっているはずです。これまでがあまりにもマニアックな作品だっただけに、このアルバム辺りから徐々にリスナーを拡げていきます。

Heaven And Hell (Part I)
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[20130417]

奇蹟のランナー (イグナチオ) (1975年作品) Entends Tu Les Chiens Aboyer? (Ignacio) [Import CD from Italy]奇蹟のランナー (イグナチオ) (1975年作品) Entends Tu Les Chiens Aboyer? (Ignacio) [Import CD from Italy]
(2002/10/09)
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75年の作品で、メキシコ映画のサントラになります。邦題は奇蹟のランナー、Ignacioという別名もついています。実に雄大なアンビエント音楽のようなキャンパスにシンセやティンパニなどの楽器を官能的にちりばめた音楽になっています。無国籍な民族音楽のような響きもあります。

1. Entends Tu Les Chiens Aboyer? (Part 1)
2. Entends Tu Les Chiens Aboyer? (Part 2)

ヴァンゲリスのサントラ作品は、映画の内容に即した創りでありながらも、独自の描写が描かれているように感じられます。音楽で独自に演出しているのです。それも踏まえての映画として完成しているのでしょうが、この音楽だけで別の新しい映画が創れるような描写になっていると思います。

ドイツアンビエントとイタリア系の情緒的な旋律が解け合ったような、それまでには全くなかった音楽だと思います。プログレでもテクノでもない、ヴァンゲリスサウンドなのです。喜多郎のような音楽の先駆者と言えますが、喜多郎とは次元が違う感性の持ち主だと思います。

Entends-tu Les Chiens Aboyer?
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[20130416]

L\'Apocalypse Des Animaux (1972 TV Documentary)L\'Apocalypse Des Animaux (1972 TV Documentary)
(1987/03/17)
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73年の作品で、テレビのドキュメンタリーの為の音楽になっています。邦題は動物の黙示録で、動物の生態を観察したドキュメンタリーフィルムの為のサウンドトラックです。アヴァンギャルドな部分は影を潜めて、非常に哀愁溢れるヨーロッパテイストの美しい旋律で綴られています。キーボードプレイヤーとしてのヴァンゲリスのセンスが光るアルバムです。

1. Apocalypse Des Animaux – Generique
2. La Petite Fille De La Mer
3. Le Singe Bleu
4. La Mort Du Loup
5. L'Ours Musicien
6. Creation Du Monde
7. La Mer Recommencee

イタリア映画のサウンドトラックのように切なく、フランス映画のようにハードボイルドな音楽です。ジャズでもなく、クラシックでもない、正に映画などで出会える音楽だと思います。テレビでこんないい音楽が流れていたら溜まらなくなる事でしょう。こうした音楽をこなしていくうちに映画音楽などの依頼が多くなっていきます。

まだモノフォニックの時代なのに、シンセで和音が鳴っています。これは恐らくモノフォニックシンセを多重録音したものでしょう。もしくはオルガンを加工した音なのか、どちらともとれる音色です。ギリシャ音楽というものを意識して聴いた事がありませんが、これがギリシャ音楽なのか、それとももっと広い世界の音楽を取り入れているのか、恐らく後者だと思いますが、かなりノスタルジックでシリアスな音楽だと思います。名盤です。

Apocalypse Des Animaux – Generique
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