

2009年の作品で、現在のところオリジナルソロアルバムとしては最新作になります。前作で追求していたアンビエントノイズというか、空間を録音した空間のノイズとアコースティック楽器だけをバックにアカペラのようにシルヴィアンが歌い上げるスタイルになっています。ドラムレスであり、不協和音を多用してコード感をあやふやなものにしています。その中で安定した音程を保ちながら歌うシルヴィアン。やはり歌は巧いですな。
1. Small Metal Gods
2. The Rabbit Skinner
3. Random Acts of Senseless Violence
4. The Greatest Living Englishman
5. 125 Spheres
6. Snow White in Appalachia
7. Emily Dickinson
8. The Department of Dead Letters
9. Manafon
前衛
音楽、現代
音楽の手法でありますが、このモノクローム感は彼の得意技でもあります。空間で話をしている言葉は日本語にも聴こえます。Samadhi Soundレーベルを立ち上げてからは前衛的な
音楽に傾倒するようになっています。それでも歌の旋律はしっかり創っていて、普通の演奏を元に歌って、その演奏を消して前衛的な演奏を付け足すやり方なら容易でしょうが、最初からこの演奏をバックに歌うのは普通は困難です。実際はどうなのかは不明です。
歌詞先行型でそれに曲をつけるのなら、このやり方は面白いと思います。言葉のイントネーションで曲が創れますので、言葉もはっきり伝わり易くなります。実際に言葉の発音が綺麗に聴こえる旋律になっています。ただ闇雲に創っている訳ではなく、テーマが明確でありながら自由に創れている感じがします。不協和音に慣れていない人にとっては苦痛かもしれませんが、それも彼が意図している表現の内でありましょう。
Small Metal Gods