

84年のセカンドアルバムです。ファーストに比べるとサイケ感が薄れてパワーポップになっています。90年代にはパワーポップも流行ってきますので、これもその先駆けになります。このスタイルの方が後に定着してきます。このファーストとセカンドの2枚の作品で、当時のパンク、テクノ、ニューウェイヴの時代に異質なセンセーションを投げかけました。ただ当時はあまりにもブームとかけ離れていた為に一部のマニアに支持されたに留まっています。
1. Reynard The Fox
2. Bill Drummond Said
3. Laughing Boy
4. Me Singing
5. Sunspots
6. The Bloody Assizes
7. Search Party
8. O King Of Chaos
9. Holy Love
10. Torpedo
その一部のマニアの中に次世代を担うミュージシャンの卵が潜んでいるので、時の流れはやがて彼の意志を引き継いでいく事になります。レコード会社もこの作品がやがて時代の音になるとは思っていませんから、元ニューウェイヴバンドのリーダーが面白い事をやっている程度の感覚だったと思います。当時の80年代サウンドとは違って、60年代、70年代の懐かしいサウンドなのにどこか新鮮なこのサウンドはひねくれポップと言う言葉だけでは言い表せないくらいの出来映えです。
ひねくれポップはどこか難解な事もやっているのでメジャーに成れない部分もありますが、ここではさほど難解な事はやっていません。やたらにかっこ良くポップなのです。シンプルであり、それでいてツボを得ています。これこそがパワーポップの原型であり、この作品が今でも色褪せていない要因なのだと思います。アレンジセンスも非凡であり、これまで彼が押さえていたポップ感覚が一気に放出しております。これも歴史的な名盤です。
Reynard The Fox