

87年のサードアルバムです。前作から3年のインターバルがありますが、完全にパワーポップに移行しています。多少80年代サウンドになっているのはご愛嬌で、ここからポップ職人としての本領を発揮していく事になります。トッドラングレンやロイウッドのような器用貧乏なくらいのマジカルポップワールドを展開していきます。
1. World Shut Your Mouth
2. Trampolene
3. Eve's Volcano
4. Shot Down
5. Planet Ride
6. Saint Julian
7. Spacehopper
8. Pulsar
9. Screaming Secrets
10. A Crack In The Clouds
ファーストのアルバムタイトルだったWorld Shut Your Mouthと言う曲を書いたり、さりげない転調を入れてみたり、ソングライターとしての力量を存分に発揮しています。プロデューサーもSteve LovellからWarne LiveseyとEd Stasiumに変更され、サウンドもかなり変化しています。これまでのサイケ感が好きなファンも多いと思いますが、ジュリアンコープの本領が発揮されていくのはここからです。
ただ、器用貧乏で何でも出来てしまうポップ職人は玄人からは支持されますが、一般的に売れない事が多く、この人もイギリス以外ではさほど売れていません。まだパワーポップなんて言葉が生まれていない時代ですから、このハードなのかポップなのか分からないような微妙なスタイルは、どう受け止めていいのか戸惑うリスナーも多かったと思います。先輩としてはチープトリックなんかがいますから、その辺りが好きな人には無理無く入り込めるスタイルだと思います。
World Shut Your Mouth