

95年の作品で、Julian Copeの最高傑作アルバムです。前作までの三部作ではある程度のコンセプトがあったので偏ったサウンドでしたが、このアルバムでは彼のポップセンスが全開であり、ポップ職人としての技が満載です。前作までのイギーポップみたいな低音の歌い方にこだわらず高音でもしっかり歌っております。シドバレット時代のピンクフロイドのようなサイケ感やブリティッシュ特有のポップソングで彩られています。
1. Wheelbarrow Man
2. I Wandered Lonely as a Cloud
3. Try, Try, Try
4. Stone Circles 'N' You
5. Queen/Mother
6. I'm Your Daddy
7. Highway to the Sun
8. 1995
9. By the Light of the Silbury Moon
10. Adam and Eve Hit the Road
11. Just Like Pooh Bear
12. Girl-Call
13. Greedhead Detector
14. Don't Take Roots
15. Senile Get
16. Lonely Guy
17. Crying Babies Sleepless Nights
18. Leli B.
19. Road of Dreams
20. When I Walk Through the Land of Fear
この頃からロンゲになってイメージ的にも70年代を体現するようになっています。音の玉手箱のような初期のトッドラングレンの作品に匹敵する内容になっています。70年代サウンドにこだわっていませんし、パンクもテクノもニューウェイヴも経由していますので、あらゆる要素のサウンドを万華鏡のようにちりばめられています。曲の長さも短めで次から次へとおいしいところどりの極上のポップアルバムになっています。
既にブリットポップが始まり出した頃ですが、だからといってブリットポップにならずにそういう枠組みを超えた、更に高みを目指した作風になっています。この人の場合はひねくれポップと呼ぶには、あまりにもストレートにポップで、それでいてかっこいいので、形容のしようがないほどのやりたい放題し放題で、その潔さがまた心地良いのです。音の魔術師とまでは言いませんが、歴代のポップアルバムの名作に劣る事の無い名盤だと思います。
I Wandered Lonely as a Cloud