

2010年の作品です。現在のところ、これが最新作になります。もうブルースに特化したアルバムで、デルタブルースの醍醐味を味わえます。スライドギターもいい感じです。アメリカ南部の黒人用娼館でBGMとして演奏されていたブルースはニューオリンズからミシシッピーに沿ってデルタ地帯に広まり、やがてアメリカンドリームを目指してシカゴで発展していきます。ここで演奏されているスタイルはデルタブルースであり、スワンプロックの原点であります。
1. Red Dog Speaks
2. Neighbor Neighbor
3. Fat & Sassy
4. Barbecue Boogie
5. Many Rivers to Cross
6. Blues Cruise
7. Doo-Wop Medley
8. Get Your Hand Out Of My Pocket
9. His Eye Is On the Sparrow
10. Clean Livin'
11. Midnight Hour Blues
歳を重ねるほどに酔いどれ感も熟成して、よりしゃがれた感じになっています。エルヴィンの場合はレイドバックはしていません。ディストーションを効かせた335はブルースロックであり、ビッグブルースの雰囲気を残しています。そしてしゃがれた声は黒人のようにマイクを歪ませています。と言ってもテープによるコンプレッシングのような歪み方です。
335特有の図太いファットな響き。ピックと指を同時に使ったピッキングなど、ブルースギターのテクニックも満載です。最近のクラプトンのようなしょぼいワンパターンギターソロを弾く事もありません。この人はこれからも変わらずブルースギタリストとして生きていく事でしょう。これしか出来ない。だからこそプロフェッショナルであり続けているのです。
Fat & Sassy