93年の作品です。90年代に入るとブーチー同様、若手のヒップホップミュージシャンとコラボレートするようになります。ラップがらみのP-FUNKになっています。ブーチーは脱P-FUNKなスタイルでP-FUNKの新しい形を模索していたのに対して、クリントンはP-FUNKの再構築であり、P-FUNKの復興をストレートにやっています。統帥としてはP-FUNKスタイルになみなみならぬこだわりがあるのでしょう。
1. Martial Law
2. Paint The White House Black
3. Way Up
4. Dis Beat Disrupts
5. Get Satisfied
6. Hollywood
7. Rhythm and Rhyme
8. The Big Pump
9. If True Love
10. High In My Hello
11. Maximumisness
12. Kickback
13. The Flag Was Stilll There
14. Martial Law Hey Man...smell My Finger
シングルカットされたMartial LawはもろP-FUNKであり、ラップが入る部分もありますが、P-FUNKそのものであります。これを先頭に持ってくる事で、後のヒップホップ感覚の曲がP-FUNKを元にして創られているという事を示しています。つまり、自分達がヒップホップの元祖あんおだと言わんばかりで、若いリスナーに訴えているようであります。実際に多くのヒップホッパーは彼らからの影響を受けております。
サビが目立たないワンコードのP-FUNKのスタイルは、サビだけ旋律をつけようとするラップ曲の手本となるところが多いようです。元々ラップはDJ同士が言い争いをするのに暴力ではなくラップで対決していたもので、サビなど必要としていませんでした。しかしそれでは曲として売れないので、サビには分かり易い旋律をつける曲が増えてきます。そこでリズム主体のサビを持っているP-FUNKはラップの流れを崩さずに旋律を持ってくるのに大変参考になるという訳です。それを元祖帰りさせようとしているのがこのアルバムだと思います。
Martial Law