94年の作品です。この作品から名義がGeorge Clinton And The P-Funk All Starsになります。ソロではなく、あくまでもP-Funk All Starsを率いての作品という位置づけのようですが、 ParliamentにしてもFunkadelicにしても、ソロでもバックメンバーはほとんど同じなので、名称を変える事でサウンドスタイルの変化を印象づけようとしているのかもしれませんが、サウンドも全く同じ場合があります。しかし、このアルバム、いつもと様子が少し違います。
1. Dog Star (Fly On)
2. U.S. Custom Coast Guard Dope Dog
3. Some Next Shit
4. Just Say Ding (Databoy)
5. Help Scottie, Help (I'm Tweaking And I Can't Beam Up!)
6. Pepe (The Pill Popper)
7. Back Against The Wall
8. Fifi
9. All Sons Of Bitches
10. Sick 'Em
11. I Ain't The Lady (He Ain't The Tramp)
12. Pack Of Wild Dogs
13. Tales That Wag The Dog
14. My Dog
冒頭のDog Starからいきなりプログレな序章からフュージョン的な演奏になったかと思えば、
サイケデリックな感じのハードロックな演奏に変化していきます。Funkadelicのスタイルを再現しようとしているのかと思えば、次の曲からは
ファンクナンバーになっていきます。しかし全体的にロック色が強くなっているように感じます。ヒップホップ以降の手法も含んでいながら、打ち込みではなく、全て生演奏しているので、これぞP-Funkと言えるものになっています。
しかし、いつもよりロック色が強くなっていて、これはテクノ、ヒップホップの流れとは別にミクスチャーを意識した作品ではないかと思われますが、ミクスチャーには無いP-Funkならではのユーモアに溢れています。単なる
ファンクとロックの融合としてのミクスチャーではなく、P-Funkをベースにしているので、全くのオリジナリティーになっています。これは凄いです。流行に追従するのではなく、流行を率先するかのような意志を感じます。しかしこのフォロワーは続いていません。続けないのです。P-Funkは彼らの専売特許ですし、それをより革新的なものにしています。凄い作品です。時代に挑戦するかのような作品です。でもそれなりの評価は受けていません。しかしこれはまぎれも無く名盤であります。
ファンクの新しい夜明けです。
Dog Star (Fly On)