

89年の作品です。流石に80年代サウンドを強調する事は止めて、バンドサウンドを大事にしたアレンジになっています。バンドサウンドを邪魔しない程度で80年代ならではのミックス処理をしています。これはプロデューサーのPip Williamsが良い仕事をしています。ライブ向けのノリの良い曲ばかりですが、スタジオ盤として楽しみたい作品に仕上がっています。
1. Little Dreamer
2. Not At All
3. Heart On Hold
4. Perfect Remedy
5. Address Book
6. Power Of Rock
7. Way I Am
8. Tommy's In Love
9. Man Overboard
10. Going Down For The First Time
11. Throw Her A Line
12. 1000 Years
13. Gone Thru The Slips (Bonus Track)
14. Rotten To The Bone (Bonus Track)
15. Doing It All For You (Bonus Track)
16. Dirty Water (Live) (Bonus Track)
17. Power Of Rock (Edited Version) (Bonus Track)
18. Anniversary Waltz (7" Version) (Bonus Track)
センスのいいサウンド処理により、演奏も巧いように聴こえます。しかし、前作の評判の悪さからか、このアルバムはバンド史上一番売れなかった作品になっています。それでも私はこのアルバムがこのバンドの最高傑作ではないかと思います。それくらいバンドの良さを充分に伝えるだけの内容になっているからです。ブギの格好良さ、ポップさもセンスがいいです。余計な装飾よりも程よい程度でのシンセアレンジなど、実に素晴らしい編集が成されています。
やっとバンドとして大人になったと思えるくらい好感が持てるサウンドメイキングです。大人も楽しめるし、若い人にも充分訴えられるだけの曲に仕上がっていると思います。ただ、流石のイギリスでも更なる新しい局面を迎えていましたので、このバンドへの期待が薄まっていたのも事実でしょう。一番売れなかったこのアルバムが一番出来がいいというのも皮肉なものです。バンドの格好良さが一番ストレートに伝わってくる名盤です。
Little Dreamer