

イギリスのもう一つのブギバンドとして有名なのがこのフォガットです。イギリスの三大ブルースロックバンドとして名を馳せたSavoy Brownのギター、ボーカリストのDave Peverett、ベースのTony Stevens、ドラムのRoger Earlに加えてギタリストのRod Priceの四人で結成されたバンドです。72年のファーストアルバムになります。ここではブルースロックを基本としながらも既にブギスタイルの曲を演奏しています。
1. I Just Want To Make Love To You
2. Trouble Trouble
3. Leavin' Again ( Again )
4. Fool's Hall Of Fame
5. Sara Lee
6. Highway ( Killing Me )
7. Maybelline
8. A Hole To Hide In
9. Gotta Get To Know You
プロデューサーはTom DawesとDave Edmundsで、Dave Edmundsはギターでも参加しています。つまりパブロック的な軽やかさも特長となるのです。これまで紹介してきたブギバンドの中では一番ハードロック的なサウンドだと思いますし、日本でもハードロックファンから愛されています。Muddy WatersのI Just Want to Make Love to Youから始まり、Chuck BerryのMaybelleneのカバーなどブルースとロックンロールの新しい形を模索している感じです。
オリジナル曲には70年代らしいアレンジの曲もあり、シンプルな編成ながら、70年代特有の16トラックを使った音の定位が隙間を埋めるような配列になって豪華に聴こえます。既にキャリアを積んでいるメンバーだけに、ファーストアルバムとは思えないくらいメンバーの息もぴったりです。ジャニスジョップリン以降のパワフルなブルースをビッグブルースと読んでいますが、ビッグブルースからハードロックを築いたレッドツェッペリンのファースト並みに円熟した演奏を堪能出来ます。
I Just Want To Make Love To You