

続きましてはミスターテレキャスターSteve Cropperのソロアルバムを紹介します。71年、MG'S在籍時にリリースされたファーストソロアルバムになります。この後はプロデューサー業で忙しくなりますが、数枚のソロアルバムをリリースしています。ギタリストのソロアルバムという事で、MG'Sと同じような
ソウルミュージックをベースにしていますが、MG'Sではバッキングに徹していたようで、思いっきり彼のギターがフューチャーされています。
1. Crop-Dustin
2. Land Of 1000 Dances
3. 99-1/2
4. Boo-Ga-Loo Down Broadway
5. Funky Broadway
6. With A Little Help From My Friends
7. Oh, Pretty Woman
8. I'd Rather Drink Muddy Water
9. The Way I Feel Tonight
10. In The Midnight Hour
11. Rattlesnake
ギターが歌っています。選曲も有名なポップソングのカバーですが、ギターアレンジが見事で、とてもセンスのいいフレージングの応酬になっています。恐らくこのアルバムでジェフベックが気に入って、
ソウルミュージックを取り入れた第二期ジェフベックグループのプロデューサーに起用したのだと思われます。あのオレンジアルバムですが、質感がとても似ています。滅茶苦茶ギターが巧いという訳ではありませんが、フレージングのセンスの良さにジェフベックも感銘を受けたのだと思います。
いつもBooker Tのオルガンの影に隠れていた彼のギターが主役ですので、とても聴き応えがあります。ギターキッズには参考にして欲しい作品です。早弾きだけがテクニックでは無いのです。ファズで歪ませたサイケデリックなギターも披露したり、様々なニュアンスの違うギターを弾き分けて表情が豊かな演奏には目を見張ります。バックに徹する時は徹底してバックギタリストになっていますが、主役になるとこれだけの爆発力があるのです。ビートルズのカバーのWith A Little Help From My Friendsはジョーコッカーバージョンの
ソウルフルな6拍子のアレンジです。これはSAMARQANDのテーマ曲SAMARKANDの元ネタでもあります。ギタリストが愛するギタリストの大名盤であります。
Crop-Dustin